ほかの業界の技術職の職人さんたちはあんまりそう言う事は無いと思うんだけど、35歳定年説なんて言葉があるように、なぜかIT業界ではプログラマーの市場価値が加齢によって低下する。(ほか、製造派遣とかもそんな感じだった。)
35歳定年説が生まれるメカニズムはさておき、特にウチの会社などは現代に合った終身雇用のシステムを作りましょう的な切り口の会社なので、どうやんのかと言う話は掲載しておかないとなと。おもた。


1.低下する理由


詳しくはなんか他の記事で書くかも。 【IT人材が不足というウソ】とかでググって頂いても、Wantedlyで上げた記事が出るかもです。(2018の記事)
今現在は下記のように考えてます。
・ITは人材不足ではなく過剰供給。椅子取りゲーム構造。 ・中途ロースキルと高齢者を採用しなくても企業は回ってしまう。 ・プログラムは汎用的なスキルな為、若手で代替できてしまう。 ・年功制だと、若い人を雇用した方が儲かる。 ・高齢者ほど、社内の既存の若手よりも高いスキルを求められる。 ・SESでは決まりづらい
基本的には、いちメンバーとしてのポジションだと、比較対象が若手になってしまうのが問題なのかと思います。
マネジメントやリーダーのポジションであれば別ですが、要求もそれなり。椅子取りゲーム構造であるが故、そのレベルへの到達が誰にでも可能と言う話でもないあたりも問題のひとつ。
さらに、優秀層のおじさんらが仕事切れないなか、そうではないおじさん達が市場に多く存在し、ふつうにガチャを回すとハズレが多いという事も、イメージを悪くしているものかとおもいます。
スキルで殴れる方々は別として、ふつうのレベルで生存率を上げたいとなるとなかなか厄介な話で、どっかの社員でやるにしても、一つの事業が永続すると言う事は無い訳ですから、所属会社が傾いてしまうと、そこで苦戦に見舞われることになります。

※よく言われる、【市場に適応した、汎用的なスキルセットを得よう】というアドバイスはあくまで若手向けであって、高齢者には向かない生存戦略であると言える。例えばだが、まだレガシーの極みの様な環境を抑えていた方が、若い競合が存在しない為、当面の仕事は確保しやすい。



2.若手との比較に持ち込ませない


ことSESにおいては、【若手との比較】が発生しない環境を作り出す必要がある。 正確には、『個人対個人の比較に持ち込ませない環境』と言う事になるだろうか。 営業トークや経歴書を盛るとかの方法では解決はしづらい。(当たり屋みたいなフリーランスもたくさんおるけど。)
個人対個人の比較をさせないとするならば、『箱で売る』のが対処策となります。 そうなればチームに貢献できるスキルが要求される事になります。高齢になると、求人数がガクっと減る上、リーダー経験やマネジメント経験を要求される求人ばかりになる訳ですが、まさに上記の需要を映し出している訳です。



まず、顧客サイドのニーズですが、業態によって下記の様な傾向があります。

・Webビジネス・ゲーム 優秀な個人を調達。社員と同様に扱う、社員と同様にビジネスコミットメントしてほしい。 どちらかと言うと派遣会社向きの需要で、ちゃんと管理しなくても稼働できる人物を希望する。その為、要求ハードルはやや高めのものとなる。基本的に高齢者は避けられるが、ゲームなどはぼちぼち50代の開発者も増えてきているので、ばっちり経験がある人はOKだったり。

・SIer 無駄な管理工数がかからない、リーダー込みのチームを希望する。(正確には案件によって)需要は異なる。また、商流を挟んでいくにつれ、チームへの増員『1名』等の需要になる。基本的に浅い商流で付き合わないとメリットが無いが、取引スタートのハードルは高め。直接取引をすると、多くのケースでは一人常駐NG

・Web広告系 SES市場にさほど仕事が出てこない。小規模な案件を短納期で行う世界で、請負で受注。パートナーを使うにも請負で再発注と言う仕事の流れになっている。これらの受託案件でのリソース不足は当然ある話で、その穴埋め的な準委任の需要はあるものの、やはり個人単位。 チーム戦したければ請負で参入した方が早い。

ざっくりこの3つから選ぶとして、手段はSESでと言う事であれば、SI商流の案件を狙って行く事になります。


3.やるとして、必要になるもの。



発注者によって差異はありますが、要は要求されたQCDでモノが納品できれば全員の利益となり、関係には継続性が生まれます。実際に継続に至るかは、発注者・受注者の戦略的背景なども絡んでくる為、このあたりの相性も重要になりますが、背景含めて組める関係性で、お互いの利害の均衡点をお互い意識して動ける段階まで来れば、そうそう替えの効かない関係性となります。こうなれば、特別扱いも期待できます。こんな補完関係の相互の納得度を『信用』とか言ったりもします。
さて、個人と比較されない規模の『チーム』で、QCDを守って成果物を出していくとなりますと、当然ですが『頭数』が必要になりますし、『質』を伴ったものである必要もあるでしょう。じゃないとリーダー役がタヒんじゃうので。羅列しますと、下記の様なものが必要でしょうか。
・在籍者のスキルがそろっている事 ・リーダー格がある程度いる ・上流工程~下流まで担当できる者がある程度いる ・事故物件クラスのエンジニアがほぼいない ・社内で自社メンバーの人格やスキルが把握されている ・過度に責任範囲を限定する人が少ない。 ・上記の方針で採用から一貫したキャリアパスがある ・商流が浅い
対顧客で責任を負うリーダー役からすれば、計算できるメンバーが欲しい訳です。計算できるとなりますと、スキルセットはある程度そろっていた方が組みやすいですし、スキル・人格面がマトモで、ミッションを共有できるマインドセットの人員である必要があります。 そして、そして、リーダーがその人員の事を知っている必要があります。そこで初めてリーダーは安心でき、顧客に対して成果を約束する事ができます。
このような人材は、請負・準委任に関わらず、組織戦型のソフトハウスでは主力となるタイプになりますし、転職市場でもそうそう浮いてきません。募集も新卒採用の傾向が強くなるでしょう。キャリアパスも、自社の事業領域を軸とした、特色のあるものになります。

商流はエンジニア側でどうこうしづらい要素です。中間会社を経由してしまうと、結果を出したとしてもその中間会社の手柄となってしまいます。また、中間会社にも戦略や都合があり、都度都度それに影響を受けてしまいます。箱売りには責任と権限を負うことが必要となる為、最低でも実力のあるセカンダリくらいとは組みたいところです。
商流がまだないとしたら、獲得していく意思と、新規開拓が行える営業マンが必要になります。



4.デメリット


全社での戦略があり、注力して伸ばした『強み』となる領域があり、スキルセットも決まっていますし、組織での動きとなります。できない事もたくさん出てきます。
・案件選択の自由度は低い 得たいスキルや経験があったとして、それが得られる案件が選択されるには、会社の方針に一致している必要があります。重要な案件が他にあれば、そちらが優先されることも出てくるでしょう。
・自分達のミスは自分達で尻ぬぐいする 準委任=無責任 とか言ってられません。ベンダーとして信用されるに値する行動が要求されます。
・高還元はアンマッチ まったく手段が無い訳ではありませんが、売上と給与が連動する仕組みですと、リーダー格が一番損をすることになります。(逆に、未経験で80万とかも発生する) 案件選択の自由を各メンバーに与えている訳でもない為、基本的にはアンマッチな仕組みとなり、殆どのケースでは採用されていないものと考えられます。
・部下を育成したりするのは大変。 文字通り大変です。大変なのですが、人員の量と質を担保する必要がある為、これも避けては通れない要素です。



5.SESだけでは終身雇用にはならない


どちらかというとBAMV特有な要素になりますが。
SESだけではと言うか、受託にしろ準委任にしろ、他社が受注した案件の配下に入る形一本での永続的安定は難しいと思います。
上記以外でも、【単一事業が永続する事は、ほとんどない】と言えるかと思います。生き残る場合は、多くの場合、市場に何かの制限が存在し、新陳代謝が行われない状態になっています。
既存の受託・準委任の市場は、日本の雇用慣習で事実上【解雇制限】が存在する為、エンドユーザーが簡単に専門家を雇用できない事から安定的に継続している市場です。 (必要な専門性が変化してしまうと不要になってしまう。スキルチェンジもできない。しかし解雇もできない。 なので、雇用できない。) これは今後も長く続くと予想はできますが、絶対ではありません。
また、安価な代替品の登場によって、あっさりとポジションを奪われる未来も想定できます。実際、現時点でもプログラマーの代替品として、【オフショア・パッケージ・ノーコード・ローコード】などなど、たくさんのものが存在します。とても効率のよい代替手段が登場した瞬間に、既存市場に依存したビジネスは崩壊するでしょう。いくら利益剰余金をため込んだとて、主力ビジネスが消滅すれば一瞬で資本は溶けます。

そういう訳で、既存の市場でのビジネスをすべて捨てる必要まではありませんが、自力で他のビジネスモデルも展開していける能力が必要になります。
他のビジネスモデルに参入したとして、そこでも競合は存在します。競合に勝てるだけの専門性が必要です。我々の用意できる専門性と言えば、技術力・マネジメント力となります。当然ですが、SES市場で通じるかどうかではなく、対エンドユーザーでビジネスを行えるだけのレベルが求められます。
専門性に加え、営業的な能力や、与信情報など財務面での信用も必要になります。個人でこれを用意するのは難しいですが、組織であれば可能です。
常に多角化・新規参入のチャンスを狙い、市場や環境の変化に対応できる柔軟さと狡猾さが要求されます。様々なユーザーニーズを様々な手段で解消していく事になります。


真に安全を確保する手段は、市場変化・環境の変化に対応できる質の高い専門性と組織を用意する事です。こうして中長期での全体の安全性を確保する事がBAMVの目的・存在理由になります。