"たこ焼き"や"タコの刺身"など。日本人の食卓に欠かせない海の幸「タコ」。
そのタコたちが安心して卵を産み、育てるための“住みか”があることをご存じでしょうか。
それが当社の素焼土管を使用した「タコの産卵礁(さんらんしょう)」です。
★Part1.そもそもタコはどこで卵を産むの?★
海の中にある「岩陰や岩の割れ目」「海底の穴やくぼみ」など、こうした場所は外敵から身を守れる“隠れ家”になっています。
タコの卵はとてもデリケートで、海の流れに影響をうけたり、他の魚に食べられる危険があります。
そのため、母ダコは狭くて暗く、奥まった場所を選び、卵を天井や壁にびっしりと産み付け、母ダコは飲まず食わずで卵を守り続けます。
しかし近年は、海底環境の変化や漁業活動の影響で、こうした安全な場所が減っています。
そこで、北海道農材工業の「タコの産卵礁」が、"人工の安全な住みか"として役立っているのです。
★Part2.タコの産卵礁ってなに?★
産卵礁は、海の底に沈めるタコ専用のいわば「アパート」です。
大きなミズダコや、小ぶりでたこ焼きにも使われるヤナギダコが、ここで卵を産み、約6~8か月かけて赤ちゃんタコが孵化します。
北海道農材工業は昭和51年(1976年)、土の専門技術を活かしてこの産卵礁づくりをスタート。現在は美唄工場で製造しています。
環境に優しい粘土製で、寿命は約20年。北海道全域のタコ繁殖を支え、食卓への安定供給を守る、なくてはならない存在です。
なお、北海道でタコの産卵礁を作っているのは、当社のみです!!
★Part3.海と漁業を守る仕事★
美唄工場で作る産卵礁は、北海道で食べられるタコの多くの“ゆりかご”になっています。
漁師さんからは「入れてよかった」「今年はよく獲れた」という声が届きます。
それは、私たちの仕事が海と漁業を支えている証です。
★Part4.産卵礁の生産工程★
北海道農材工業がつくる「タコの産卵礁」はすべて土で作っており、完成するまでに約1か月半を要します。
①土の配合
┗北海道のあらゆる土を調査。それを絶妙にブレンドし、産卵礁の原型となる土管素材を作ります。
また季節(外気温や湿度)が変わるため、ブレンドするそれぞれの土や水の量を変えていきます。
②型取り
┗専用の機械で型取りを行います。(自動・半自動)
③乾燥
┗50℃~60℃で保たれたレーンに保管し約1ヶ月乾燥させます。
④焼き
┗1000℃の高温の窯で数時間焼きます。
⑤端取り
┗窯で焼いた土管の両端2~3cmを切断します。
⑥補修
┗焼いた際に現れた亀裂の補修を行います。
⑦接着
┗土管とフタを貼り合わせます。
⑧完成
┗完成した土管は外に並べ、約1年の保管後、海に旅立ちます。
年間の製造数は単体型で約3,000基、3連型で約8,000基。需要に応えるため、常に1年前倒しで作っています。
★Part5.職人達のインタビュー★
◇工場長・伊藤さんの声(入社23年目)
「水産資源を守る使命は、何年やっても新鮮です。完成形がない仕事で、小さな変化に対応するのは簡単ではありませんが、それが面白さでもあります。
職人を育てる工場なので、探求心や協調性が大切。お客様から『入れてよかった』と聞くと、この仕事の意味を強く感じます。」
◇係長・芳賀さんの声(入社11年目)
「生産コストや工程を考えながら目標数を達成できたときは、達成感があります。道内で唯一の産卵礁づくりで、私たちがいなかったらタコの漁獲量は著しく減少していた可能性も考えられます。
漁業を支える誇りを感じられるので、タコが好きな方や、海を守る仕事に興味がある方にはおすすめです。」
■どんな人が向いている?
・チームで協力してものづくりをしたい人
・コツコツと作業を続けられる人
・体を動かす仕事が好きな人
・自然や海に関心がある人
■やりがいと大変さ
≪やりがい≫
・北海道の漁業と食文化を守る使命感
・自分の手で作ったものが海で命を育む喜び
・漁師さんの声が直接励みになる
≪大変さ≫
・品質管理の厳しさ
・体力が必要な作業もある
・小さな変化にも気づく繊細さが求められる
★最後に★
美唄工場での「タコの産卵礁」づくりは、単なる製造業ではありません。
それは、北海道の海の未来と、私たちの食卓を守るための仕事です。
もしあなたが、自然や漁業を支えるものづくりに興味があるなら、
この仕事はきっと、大きなやりがいを与えてくれるはずです。

