記事一覧

東京にも鹿っているんですね

自身は東京に出てきてまだ3年に満たないのですが北海道にて仕事をしていた頃、作品の舞台となる世界観を作成する美術設定やアニメ背景の打ち合わせでピンときていなかったことがあります。 日常アニメだと東京舞台なことが多く、実際にあって頻繁に使用される場所や監督様がイメージされる建造物等の参考資料は打ち合わせにていただけますが、住宅街や特定の話数にしか出てこない場所に関しては経験上お任せのことが多く、ネットの画像を参考に作成をしていました。 地元は雪国のため、気温や積雪、除雪やツララができる関係上住宅街のつくり、道の幅、庭の植物や街灯の色など東京と異なります。 瓦屋根や室外機、雨戸や雨どい、踏切や高層ビル群等あまり馴染みがありませんでした。 東京の住宅街には行き止まりがある(なんでそんな罠が...?)、外に洗濯機がある(冬水道凍らないのか...?) 東京の夜空は街灯の影響で明るいと聞くので星は見えるのか?、冬でも緑はあり、そのまま雪が積もると聞いて、ではいつその葉は枯れるのか?等ピンとこないことがたくさんありました。 北海道にはないファミレスの〇ョナサンや〇ニーズの指示があった際も最初はなにかわからず「?」でした。 パソコンとネットがあればどこでもお仕事ができる時代なのと、制作の際は結局資料や画像を検索してそれを参考に作成はするので、特に東京に住まなくていいというのもあるかもしれませんが、都会のごちゃごちゃした風景や生活感、おしゃれな看板や建築物等気候にあまり左右されない様々なデザインはとても参考になり、直接見たり、体験しなければわからなかったことを日々観察し仕事に活かせるのは勉強になります。 家賃と物価が高いのがネックなのとGがいるのは本当に勘弁してほしいですが、東京に住むのもまた良い経験になったなと思いました。 背景美術のお仕事は美術設定、美術ボード、背景美術、美術監督等があります。 打ち合わせでは監督・演出様とのやりとりで自身からも提案するコミュニケーション能力や、画力だけではなく、発想力や描写する対象への知識も必要です。 美術設定では、例えばキャラクターのお家やお部屋を制作する際には、そのキャラクターの性格や趣味、家庭環境や経済状況等、とりまく環境も考えながら制作をするため、日々観察する力や考察する力も必要だと思っています。 まだまだ経験不足なところがあるため、これからも自身の中の引き出しを増やしていかねばと思っています。 どこまでリアルに近づけるか、どういう世界観にするかは作品によりますが、時々打ち合わせの際原作にはまだ場所の資料が無く、アニメオリジナルで描き起こした美術設定を原作の方に逆輸入していただいてるのを見ると、改めてしっかりしたものを描かなくてはと気が引き締まります。 スケジュールや人数、作業状況等によりとりあえずなんとかせねばということもありますが、その作品には原作者様がいて、その作品を好きな人がいる、まだまだ至らぬ点がありますが そういう方々に恥じぬお仕事をし続けていきたいと思います。 (背景美術)

+Storiesとは?+Storiesとは? 見つける