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【26歳】正社員転職は無理そう……とりあえず派遣社員で経験を積むのはアリ?
26歳・女性の転職相談品川美由紀さん
テレフォンオペレーターとして2社で勤務した後、派遣社員で事務の仕事をしている。目標は、正社員で秘書になること。先日、初めて受けた秘書採用試験が書類選考で落とされ、その理由を「経験不足」と自己分析。派遣先との更新が迫る中、辞めて秘書検定の勉強に専念するべきか、事務経験を積みながら転職活動をするべきか悩んでいる。
そんな転職活動の悩みに、キャリアアドバイザーが答えます。
「応募先で生かせそうな経験」を伝えたのに書類落ち……
――すでに転職活動は始めているの?
はい。希望職種の「秘書」に絞って活動してみたところ1次で落ちたため、派遣で経験を積んでからのほうが、有利なのかな、と悩んでいます。でも、正社員での雇用は、年齢が上がるとだんだん厳しくなると、周囲からも言われて……
――書類選考で落ちてしまったということだけど、「秘書」という仕事に対する思いを熱く書いた?
コールセンターに勤めていた時、スケジュール管理をしていたことや仕事を率先してやっていたことを書いたんですが、秘書の仕事に直結する経験がないためかダメでした。
それで今は、派遣社員でファイリングとかスケジュール管理など事務の経験を積んでいるんです。
――事務経験だけでなく、今までのキャリアの中で秘書職につながることを書き出してみましょう。
コールセンターの業務経験があるならば、電話応対のスキルレベルやコミュニケーションスキルはアピールできるはず。
「貴社で勉強したい」は“やる気”アピールなのか
――志望動機で今一つ、なぜ秘書をやりたいのかが伝わっていないんじゃないかなぁ?
今までの仕事を他人に話すと「秘書みたいだね」って言われるんですが、実際の秘書の仕事とは違うのかなとも感じます。
会社の幹部の仕事を補佐することに興味があり、できれば実際に仕事に就いて勉強したいと考えているんです。
――その思いを整理したほうがいい。でも、「勉強したい」というのは志望動機や面接の答え方ではタブーですよ。企業は勉強させるために人を雇うことはありませんから。
インターネットで応募する時に相手は顔が見えない。職務経歴書には、秘書としてどんな仕事をしていきたいのかを明確に書くこと。まず自分がどれだけ秘書としての適性があるかをPRすることです。
今の派遣先は忙しい部署なので、担当者にすべてを教えてもらえるわけではないので、いろいろ工夫しています。
できれば一人の秘書の人に教えてもらえる環境で経験を積みたいと考えているのですが……。
――そういう希望は書かないほうがいいですよ。分からないことはたくさんあっても自分で勉強していくという姿勢を見せることです。
転職活動はどっちがベター? 辞めて専念するか、働きながら経験積むか
実は、派遣契約がもうすぐ切れるんです。つなぎの意味合いが強く、希望するような環境ではないので、できれば辞めたいのですが、辞めると事務アシスタント経験が4カ月になってしまいます。
今のスキルでは秘書の仕事にすぐ就ける見込みが低いですし、中途半端な経歴にするよりは、続けたほうが将来的に有利でしょうか?
――【Check】働きながら転職活動を続ければいいと思いますよ。品川さんの今の目標は「秘書」だよね。でも事務アシスタントの経験があっても秘書になれるわけではない。1年経って事務アシスタント経験を積んでも応募先にすぐに評価されるわけでもない。だったら仕事を続けつつ、転職活動もしていったほうがいいでしょう?
秘書検定や、英語の勉強をする時間が取れないんです……。合格してから転職活動をしたほうがいいのかなという気持ちも一方であって。
――「時間が取れない」ではなくて「時間は作るもの」って考えて計画を立てるといいですよ。
必要な資格なら「絶対合格する」って決めてしまって、転職活動では「勉強中です」とアピールしてください。
視野は広く、トライ&エラーの精神で
応募条件もネックなんです。魅力的な会社の秘書募集は経験が3年以上とかが多いんです。
――でも、すべての企業が経験3年以上を求めているわけではないと思いますよ。なるべく幅広く多くの会社を見てみてください。
そうですね。まだ「秘書」という仕事にあこがれのイメージばかりもっている状態なのかもしれないので、いろいろと探してみようと思います。
――多くの会社を見てみることで、未経験の職種でも具体的にどのような仕事なのかが、見えてくるはずです。「経験がない」といって躊躇していても道は開きません。まず飛び込んでみることは重要だと思いますよ。
半年くらいやってみてダメだったら、その時は、ちょっと作戦を考え直す必要があるけれど、まだ1社しか受けてないんだしね。頑張ってみてね。
【Check】働きながら就職活動を続ければいい
在職中に転職活動をすることは、時間的な制約もあり、エネルギーが必要ですが、できる限り働きながら転職活動を進めたほうがいいですね。
在職中であれば、応募企業への志望動機も「求人案件を見て、応募企業だから転職を決意した」という説明もできます。離職中に「どこか良い会社がないか」と探して応募する姿勢と、「応募企業だからこそ転職したい」という姿勢では、採用担当者に伝わる熱意が違ってきます。
退職してすぐに次の会社が決まればいいのですが、うまくいかない時の精神的、経済的なダメージは想像以上のものがあります。
在職中の場合は、何としても転職を成功させようとする意気込みに欠けることがありますが、気持ちに余裕が持てますので、希望する会社をじっくり選択することができます。
【転職相談を終えて】「正社員=安定」という考えでは、やりがいある仕事につけない
雇用形態が多様化していますが、大切なことは、自分自身の生き方をしっかり見つめてみることです。派遣社員から正社員を目指している方の中には、安定性を求めてという方も多いでしょう。
しかし正社員だからといって、一生安泰だという保証はどこにもありません。企業は、応募者の生活安定のために、正社員として雇用するのではなく、正社員雇用が企業にとってメリットになるかどうかを判断します。
正社員として採用されるためには、与えられた業務だけでなく、自ら問題を改善していく積極性が、求められます。「仕事のやりがい」が、企業にとっても大きなメリットになることを、アピールすることが大切なのです。
「正社員=安定」「非正社員=不安定」という図式だけでは、やりがいのある仕事には就けません。「何をやりたいのか」ということを明確にして、やりたいことの実現のために、どのような雇用形態を選択するべきか、じっくり考えることで、進むべき道が見えてくるのではないでしょうか。
有利・不利ではなく、希望するキャリアにつながる選択を!
キャリアアドバイザーの転職アドバイス
- 未経験職種へのチャレンジで切り札になるのが「応募先で生かせそうな前職の経験」。一見関連性のない業務やささいな作業も軽視せず、細かく洗い出すと、“オンリーワン”の強みが見つかるはず
- 意欲を見せようと“貴社で成長したい”などと他力本願な志望動機を伝えていませんか? 企業が欲しいのは、自社に負担なくメリットになる人材です。「やる気」は自ら精進する姿で示すが吉
- 正社員になったからといって安定した生活が約束されるわけではありません。やりがいや生活設計、はたまた人生観などさまざまな角度から“自分にとって最良”と思える仕事の条件を「軸」に据え、納得の転職にしましょう
谷所 健一郎
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。主な著書「はじめての転職 必ず成功する転職」(マイナビ)ほか多数。
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