年収とは?手取りや所得との違い、計算・確認方法、よくあるQ&A
更新日:2026年08月05日
記事まとめ(要約)
- 年収とは、税金や保険料が差し引かれる前の年間総支給額を指す
- 1年の期間は入社時期や決算月にかかわらず、一律で1月1日から12月31日まで
- 最も正確な年収の確認方法は、源泉徴収票の支払金額欄を見る
- 手取りからおおまかな年収を知りたい時は「手取り÷0.8×12カ月」で計算する
転職の希望条件や動機に挙げられることの多い年収ですが、その意味を正しく理解できていますか?
年収について、手取りとの違いや、年収額の確認・計算方法、よくある質問などをまとめました。転職してから後悔したりトラブルにならないよう、この機会にチェックしておきましょう。
年収とは?
一般的に年収とは、税金や保険料が差し引かれる前の年間総支給額を指す言葉です。税金には所得税や住民税、保険料には健康保険料や厚生年金保険料などが該当します。定義が分かりやすいよう、税込年収や額面年収と呼ばれることもあります。
ちなみに、1年の期間は入社時期や会社の決算月にかかわらず、一律で1月1日から12月31日までです。その期間に、実際に支給された分がその年の年収となります。また、年収を12カ月で割った金額が月収です。
年収と所得の違い
所得とは、収入から必要経費(仕事をするうえで必要な支出)を差し引いた金額です。
個人事業主の場合は、パソコンなどの購入費や取引先へ行くための交通費なども必要経費に含まれます。収入から必要経費を差し引いた額を基に、所得税が決まります。
会社員の場合は「給与所得」とも呼ばれ、給与所得控除を差し引いた金額を指します。
年収と手取りの違い
手取りとは、年収(総支給額)から税金や保険料などが差し引かれた後に手元に残る金額、つまり実際に得られる金額です。会社によっては積立金や親睦会費なども総支給額から引かれる場合があります。
なお、年収(総支給額)から税金などを差し引くことを天引きと呼ぶことがあります。社会保険料など一定のものについての天引きは法律で認められています。
年収と年俸の違い
年収と年俸は、どちらも1年間に得る収入のことですが、決定方法や支給のされ方に違いがあります。
年収は、月々の基本給や残業手当、各種手当と、業績で変動する賞与などをすべて含んだ1年間の実際の総支給額です。そのため、確定的な年収は後から判明することになります。
一方で年俸とは、1年間の支給額をはじめに合意して固定する仕組みです。プロスポーツ選手や外資系企業などに多く、成果やスキルで評価されます。
ただし、年俸制だからといって年俸額が一度に支給されるわけではありません。一般的には、労働基準法第24条第2項に基づき年俸を12分割して毎月支給されたり、賞与月が設定され、14分割や16分割で支払われます。
年収と額面の違い
年収と額面は、どちらも税金などが引かれる前の金額を指しますが、表す期間が異なります。
年収は1年間に得た給与や賞与の総支給額のこと。一方で額面は、基本給や手当などを合わせた月ごとの総支給額(いわゆる月収)を指すのが一般的です。どちらも手取りとは異なるので注意しましょう。
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年収が必要になる場面とは?
日々の生活のなかで自分の年収を意識することは少ないかもしれませんが、人生の転機や大きなお金が動く場面では、必ずと言っていいほど正確な年収の提示を求められます。
いざという時に慌てないよう、毎年の源泉徴収票や住民税の決定通知書は大切に保管し、自分の正確な年収を把握しておきましょう。
具体的にどのような場面で必要になるのか、代表的なケースをご紹介します。
転職活動
まずは転職活動時です。
中途採用の応募書類や面接では、ほとんどの場合、前職の年収を確認されます。これは企業側が給与交渉の基準にするためです。
また、内定後には金額に嘘がないか証明するために、源泉徴収票の提出を求められるのが一般的です。
クレジットカード作成・ローン申請
次にクレジットカードの作成やローンの申請時です。
カードや住宅ローン、自動車ローンなどを申し込む際、金融機関は「この人に貸したお金がきちんと返ってくるか」という返済能力を審査します。
年収はその最も重要な指標となります。特に住宅ローンでは、年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)が厳しくチェックされます。
賃貸物件の契約時にも年収は必須です。家賃を滞納せずに払い続けられるかを判断するため、入居審査の際に年収が確認されます。一般的に、無理なく支払える家賃の目安は、月の手取りの3割や年収の3分の1以下とされており、これを基準に審査の合否が決まります。
各種給付金・補助金申請
最後に各種給付金や補助金の申請時です。
国や自治体の支援制度、例えば各種奨学金や自治体の家賃助成などは、世帯の年収(所得)に応じて支給額が変わったり、対象外になる所得制限が設けられていたりします。
年収の確認方法
年収の額を確認する方法は主に3つあります。それぞれ詳しく見てみましょう。
源泉徴収票を確認する
出典:国税庁
源泉徴収票の支払金額欄に記載されている額が、最も正確な年収です。源泉徴収票は年末調整が終わると会社から渡されますが、その時期やタイミングは会社によって異なります。必要になる場合は早めに担当部署に確認をしておきましょう。
以下の記事では源泉徴収票についてより詳しく解説しています。
給与明細を確認する
給与明細には、振込額だけでなく、税金などが引かれる前の総支給額も記載することになっているため、年収の確認ができます。1月~12月の給与明細、賞与明細を用意し、各月の総支給額と賞与を合計すれば、年収が計算できます。
給与明細の見方は以下の記事を参考にしてみてください。
募集要項を確認する
転職を考えていて採用後の年収を知りたい時は、募集要項の給与欄を参考にするのが一般的です。
ただし、募集要項に記載の年収はあくまで想定額です。人によって支給される手当や条件が異なるため、採用前の段階では年収の確約はできないことを頭に入れておきましょう。
年収の計算方法
源泉徴収票が渡される前に年収を知りたい場合や、給与明細を紛失してしまい確認できない場合の計算方法をご紹介します。実際の金額を入れた計算例も記載しているので、ぜひ参考にしてください。
【賞与なし】月給×12カ月で計算する
12カ月分すべての給与明細がそろっていない場合は、1カ月分の総支給額を12倍にして、おおよその年収額としましょう。
【計算例】
総支給額34万円×12カ月=年収408万円
月によって総支給額が変動する方は、平均額を算出してから12をかけると、より正確な年収に近づけられます。
【賞与あり】月給×12カ月+賞与で計算する
賞与の支給がある場合は、月給の総支給額にすべての賞与額も合計します。
【計算例】
総支給額34万円×12カ月+夏の賞与30万円+冬の賞与20万円=年収458万円
賞与も給与と同じく、税金や保険料が引かれる前の額で計算します。企業によっては賞与ではなくボーナスや手当、寸志といった呼び方を使うケースもありますが、いずれも年収に含みます。
手取り÷0.8×12カ月で計算する
個人差はありますが、税金や保険料として差し引かれる額は、一般的に月の総支給額の2割程度です。手取り額を0.8で割り、12をかけるとおおまかな年収を計算することができます。
手取りは会社から口座に振り込まれている金額なので、通帳を確認しましょう。
【計算例】
手取り額28万円÷0.8×12カ月=年収420万円
賞与がある場合も同様に、手取り額を0.8で割ってから合算してください。
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年収から手取りを計算する方法
月収から手取りを計算できるように、年収からも「1年間の手取り」を計算することができます。
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」(令和7年9月発表)によれば、全国の給与所得者全体における平均給与は478万円でした。
ここでは年収を420万円と仮定し、そこから手取り額を計算する方法をご紹介します。
年収420万円の場合
年収420万円と想定した際に、控除される社会保険料や源泉所得税の金額は以下のとおりです。
なお、計算の前提条件は月収と同様です(月35万円、40歳未満、雇用保険料率5/1000、東京の会社に勤務 ※)。
出典:令和8年度の雇用保険料率について|厚生労働省
出典:令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|協会けんぽ
| 総支給額 | 4,200,000円 | |
|---|---|---|
| 控除額 | 健康保険料 | 212,760円 |
| 子ども・子育て支援金 | 4,968円 | |
| 厚生年金保険料 | 395,280円 | |
| 雇用保険料 | 21,000円 | |
| 所得税 (源泉徴収) | 95,000円 | |
| 手取りの給料 | 3,470,992円 | |
- 今回のシミュレーションでは、住民税は給与天引き(特別徴収)ではなく、自分で納付(普通徴収)することを想定しています。
会社から天引きされる場合は、上記の項目に住民税が加わります。また、健康保険料は加入している保険組合や協会けんぽの地域、雇用保険料は働く業種によっても保険料率が異なります。
月収計算と同じように、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、所得税(源泉徴収)を差し引いた額「3,470,992円」が手取りとなります。
しかし、実際の手取り額は賞与の支給月数によっても変わるため、一概には言えません。
独身・扶養家族なしの場合は、年収の約8割が手取りとして手元に残る金額と言われており、日本では年収が高くなるほど税率が高くなる「累進課税」という仕組みが取られているため、年収が上がるほど手取り額の割合が少なくなります。
- 地域によって異なる場合もあります。
年収別の手取り早見表
以下の表では、年収600万円までは8割(×0.8)、700万円~800万円は7.5割(×0.75)、900万円は7.4割(×0.74)、1,000万円は7.3割(×0.73)で算出しました。
| 年収 | 手取り年収 | 手取り月収 (ボーナス 考慮せず) |
|---|---|---|
| 年収300万円 | 約240万円 | 約20万円 |
| 年収400万円 | 約320万円 | 約26万円 |
| 年収500万円 | 約400万円 | 約33万円 |
| 年収600万円 | 約480万円 | 約40万円 |
| 年収700万円 | 約525万円 | 約43万円 |
| 年収800万円 | 約600万円 | 約50万円 |
| 年収900万円 | 約660万円 | 約55万円 |
| 年収1,000万円 | 約730万円 | 約60万円 |
Q&A年収でよくある質問
最後に、年収に関してよくある疑問にお答えします。ボーナスや立て替え経費の扱い、年収を尋ねられた時の答え方などを確認しておきましょう。
年収にボーナス(賞与)は含まれる?
年収は、「会社から支払われるお金全部(年間の総支給額)」のことですので、そこにはボーナス(賞与)も含まれます。
ただし、ボーナスは毎月の給与とは異なり、会社が必ず支払わなければならないという義務はありませんので、年収にボーナスが含まれていない会社もあります。
また、支給されるとしても会社ごとに支給の基準が違い、その年の業績によってもボーナス支給額は大きく変動する可能性があります。
転職先のボーナスの有無や支給の基準については、思い込みで判断せず、求人情報や会社の採用ホームページを見る、面接時に確認するなど、しっかりチェックしておきましょう。
年収に交通費など立て替えた経費の払い戻しも含まれている?
通勤定期代も社会保険の計算上は収入に含まれます。営業車の駐車場代や交際費などの立て替えは収入に含まないため、年収に影響することはありません。
所得税と社会保険での取り扱いに注意
所得税法上、通勤交通費の非課税分については除いて計算しますが、社会保険の計算においては、通勤交通費を含めて計算します。年収を聞かれたら通勤交通費は除いて答えるのが一般的です。
「現在の年収は?」と聞かれたら手取りと額面どちらを答えるべき?
現在の年収を聞かれた場合も、額面をベースに計算した金額を回答するのが一般的です。
ただし、質問を投げ掛けてきた相手が「年収=手取り」をイメージしている場合もあります。事前に年収は総支給額のこと、という前提を確認したうえで回答すると良いでしょう。
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まとめ
年収とは、税金や保険料が差し引かれる前の年間の総支給額のことです。面接などで希望年収や現在の年収について聞かれた場合は、この総支給額をベースにした金額を答えましょう。
実際の手取り額は、年収よりも2割程度低い金額になるのが一般的です。転職で年収を落としたくない、アップさせたいといった希望をお持ちの場合は特に、年収について正しい知識を持ち、不安のない転職活動を進めてください。
監修者
中野 裕哲
起業コンサルタント®、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー
起業コンサルV-Spiritsグループ、税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人V-Spirits、V-Spirits総合研究所株式会社 代表
起業準備から起業後の経営まで、窓口ひとつで支援するV-Spiritsグループを主催。年間約1,000件の起業相談を無料で受け、多くの起業家を世に送り出している。経済産業省後援「DREAM GATE」にて12年連続相談件数日本一。
専門分野はビジネスプランのブラッシュアップ、事業計画書作成、創業融資・補助金・助成金の支援、税務会計、人事労務、会社設立、許認可、ブランディング、マーケティング、集客・販促などのアドバイス、人脈の紹介まで行う。
マイナビ転職 編集部
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