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雇用契約書がないと違法?起こりうるリスクやトラブルとは

掲載日:2024年05月02日

雇用契約書がないと違法?起こりうるリスクやトラブルとは
塚本 泰久

監修者塚本 泰久

社会保険労務士/ツカモト労務管理事務所 代表

記事まとめ(要約)
  • 雇用契約書の交付がなくても違法ではないが、労働条件が書面で通知されない場合は違法となる
  • 労働条件は、雇用契約書や労働条件通知書、内定通知書などの書面で確認できる
  • 内定受諾前に書面での労働条件通知を企業に依頼するなど、入社前に労働条件を確認できるよう動く必要がある

転職した際に企業から雇用契約書が交付されなかった場合「違法なのでは?」と心配になる人もいるのではないでしょうか。しかし、雇用契約書は必ず交付されるものではありません。

交付されなかった場合の対処法などを詳しくご紹介します。

目次

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    雇用契約書や労働条件通知書がもらえない! これって違法?

    内定・入社のタイミングで渡されることが多い雇用契約書や労働条件通知書。もし、雇用契約書や労働条件通知書が渡されなかった場合、どう対応すればよいのでしょうか?

    そもそも雇用契約書とは何か、労働条件通知書との違い、もらうタイミングなど、詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしてください。

    雇用契約書の作成・交付義務はない

    雇用契約書とは、労働者が労働を提供し雇用主が対価として賃金を払うことを約束する契約書です。給与や就業場所、時間、業務内容、昇給、退職などの労働条件が記載されます。

    ただし、企業には雇用契約書の作成・交付義務はない(労働契約法第4条)ため、交付されなかったとしても違法になるわけではありません。

    労働条件通知書には交付義務がある

    労働条件通知書は、労働条件などを明示するために雇用主が発行する書類です。労働基準法第15条第1項労働基準法施行規則第5条で、企業は労働者を採用する際は労働条件を書面などで明示しなければならないと義務付けられています。

    つまり、労働条件通知書が交付されない場合は、法律に反することになります。

    雇用契約書以外に労働条件を確認できる書面

    雇用契約書、労働条件通知書のほか、労働条件は「内定通知書」や「採用通知書」で確認できることもあります。

    また、本人に適用される労働条件を「就業規則」に明記し、交付することで、法的な労働条件の通知とする場合もあります(ただし、就業規則だけでは不足部分もあるため、個別に労働条件通知書などを作成する必要があると考えられます)。
    参照:「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」(平成11年1月29日基発第45号)

    労働条件の書面での明示は、雇用主の義務です。どのような形で労働条件を確認できるのか、会社に確認しましょう。

    雇用契約書と労働条件通知書、大きな違いは合意の有無

    雇用契約書も労働条件通知書も、労働条件を確認できますが、どう違うのでしょうか?

    雇用契約書と労働条件通知書の大きな違いは「合意の有無」です。

    雇用契約書は、労働条件などについて会社と社員が同意して署名や押印を行います。一方、労働条件通知書は、会社が社員に一方的に交付する書面です。

    雇用契約書のように、労働条件を明示したうえで、合意したことを書面に残すとトラブルを未然に防ぐことができます。

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    労働条件が明示されないと起こりうるリスクやトラブル

    雇用契約書がないと起こりうるリスクやトラブル

    前述のとおり、企業には雇用契約書の交付義務はありません。しかし、雇用契約書が交付されないとリスクやトラブルが生じるのではないかと不安を感じる方もいるでしょう。

    ここでは、雇用契約書や労働条件通知書が交付されず、労働条件が明示されない場合のリスクやトラブルをご紹介します。

    求人内容と実際の労働条件が異なる場合がある

    労働条件が明示されないと、求人内容と実際の労働条件が異なっていても確認できないリスクがあります。

    企業の業務命令権がどこまで及ぶのかも不明確なため、「こんな仕事をさせられるとは思わなかった」というようなトラブルに発展する恐れもあります。

    労働者にとって不利な労働条件になる可能性がある

    労働条件が明示された書面がない場合、労働者にとって不利な労働条件になってしまう可能性があります。

    例えば、固定残業代制が導入されている企業の場合は、雇用契約書で固定残業代に含まれる残業時間など(注)について明記するのが一般的です。

    しかし、雇用契約書がない場合、規定が曖昧なため、長時間残業しても固定残業代内とされてしまう可能性があります。

    (注)固定残業代制を採用する場合、
    ①固定残業代を除いた基本給の額
    ②固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
    ③固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
    を明示する必要があります。

    「言った」「言わない」のトラブルにつながる可能性がある

    口頭で労働条件が伝えられただけの場合、「言った」「言わない」という水掛け論になり、トラブルに発展する可能性もあります。

    水掛け論を防ぐためには、録音などの客観的な証拠が必要となりますが、問題が起こることを見越して録音することは難しいでしょう。

    不満がたまりやすくなる・信頼関係を築くのが難しくなる

    労働条件が不明確だと、日常のふとしたシーンで企業に対する不信感が生まれ、その結果不満がたまりやすくなります。

    双方の信頼関係が築けず、トラブルに見舞われたり、早期退職せざるを得なくなったりする可能性があります。

    試用期間や退職・解雇に関するルールが不明瞭になる

    雇用契約書や労働条件通知書には、一般的に試用期間や退職・解雇に関するルールが明記されています。しかし、書面で条件が通知されていない場合、ルールが不明瞭で、トラブルに発展してしまうかもしれません。

    例えば、試用期間の賃金や待遇が本採用時と異なる場合があります。その認識が労働者と企業の間で異なる場合、大きな不信感につながるでしょう。

    また、退職・解雇に関するルールが文書で示されていないことにより、退職時にトラブルが発生する可能性もあります。退職の通告期限が曖昧となり、退職をなかなか認めてもらえないといったことがあるかもしれません。

    雇用契約書がなかった場合に確認・対処すべきこと

    雇用契約書がない場合には、トラブルやリスク軽減のために、以下のような確認・対処をしておきましょう。

    労働条件通知のタイミングを確認する

    雇用契約書の交付がない場合、労働条件はいつ通知されるのか、確認しましょう。

    雇用契約書は、オファー面談時や入社日に交付されることが多いです。入社後、聞いていた労働条件と違うというトラブルを避けるために、入社前にしっかりと確認しておきましょう。

    また、労働条件通知書は内定や契約更新を受諾し、労働契約を締結するタイミングで渡すことと法律で定められています(労働基準法第15条)。

    転職の場合、内定通知時に「内定承諾のお返事の前に、労働条件の確認のため、労働条件を書面でいただけないでしょうか?」などと確認するとスムーズです。

    労働条件を書面で通知してもらえない場合は労働基準監督署に相談する

    雇用主には雇用契約書の交付義務はありませんが、労働条件は必ず書面などで明示しなければならないと労働基準法第15条第1項に記載されています。

    労働条件を書面で通知してもらえない場合は、労働基準監督署に相談することを検討しましょう。労働基準監督署から企業に対して指導や是正勧告が行われます。

    労働基準監督署から指導が入った後も書面の通知がない場合、労働基準法第120条第1号により、企業に30万円以下の罰金が科せられるため、強制力があります。

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    まとめ

    雇用契約書は、雇用主と労働者の同意を示す重要な書類です。しかし、雇用契約書が交付されなかったとしても違法になるわけではありません。

    雇用契約書には労働条件が明記されるため、文書として確認することで不利な労働条件での雇用契約を防ぐなど、トラブル防止につながります。

    また、提示されていた条件と入社後の環境が異なる場合、雇用条件を書面として持っておけば、「言った」「言わない」の水掛け論を避けることもできます。

    いざという時に自分を守るためにも、雇用契約書はできるだけ交付してもらうことをおすすめします。自分の労働環境を守るために、しっかりと企業に確認しましょう。

    監修者
    塚本 泰久

    塚本 泰久

    社会保険労務士
    ツカモト労務管理事務所 代表

    関西地区を中心に、地域に密着した親切丁寧な事務所を目指しています。会計事務所での経験から、企業の労務管理と財務状況とのバランスを重視した適切なアドバイスを行うことで、より良い企業の体制作りをサポートしています。

    マイナビ転職 編集部

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