
応用情報技術者試験は意味ない資格?
応用情報技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の1つであり、難易度としては高度系試験区分と基本情報技術者試験の間に位置付けられる試験です。基本情報技術者試験がプログラマー向けの試験になった昨今、応用情報技術者は、IT全般の知識や技能が一定水準以上であることを証明する資格というポジションになっています。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験は「意味ない」「難しすぎ」と言われることも少なくありません。そこでこの記事では、応用情報技術者試験が「意味ない」と言われる理由や、資格取得におけるメリット・難易度・勉強方法について解説します。受験を検討中の方はぜひ参考にしてください。
年収アップや転職面で大きなメリットがある
結論から言うと、応用情報技術者試験を取得することで得られるメリットは多くあります。詳しくは後述しますが、資格を取得することで年収アップにつながったり、転職の際に自身のスキルを証明するための有力な武器になったりします。
応用情報技術者試験はIT系の資格の中でも中級者向けの資格であるため、資格取得は「意味ない」どころか、今後のキャリアアップにおいてはぜひチャレンジしたい資格です。
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応用情報技術者試験について
ここでは、応用情報技術者試験の概要・受験資格・難易度の他、資格を活かせる職種やその年収事情についても紹介します。
応用情報技術者試験の概要
応用情報技術者試験はIPAが主催する国家試験であり、ITに関する応用的な知識やスキルがあることを証明できます。令和7年度(2025年度)までは春と秋の年に2回ペーパー方式で実施されていましたが、令和8年度(2026年度)の試験からはCBT方式での実施に移行予定であることが発表されています。これにより、実施時期は一定期間内に複数日で実施する方式に変更となります。 また、科目名「午前試験」は「科目A試験」に、「午後試験」は「科目B試験」に名称変更となる予定です。科目A(旧:午前)試験と科目B(旧:午後)試験の両方に合格することで資格を取得可能です。
合格基準は科目A(旧:午前)試験と科目B(旧:午後)試験ともに60%以上の得点率を得ることですa。また科目B試験では、記述式の問題が出題されるのが特徴です。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)
【参考】:応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について|IPA
応用情報技術者試験におすすめの参考書13選!過去問・問題集を紹介
受験資格
応用情報技術者試験に受験資格の条件はなく、出題範囲も「基本情報技術者試験」と似ています。そのため、下位資格であるITパスポート試験や基本情報者試験を飛ばすという行為も可能です。また、大学生などで応用情報技術者試験を取得している方も少なくありません。
【参考】:ITパスポート試験
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
応用情報技術者試験は、ITに関する幅広い知識を問われるため、きちんと対策を練って勉強時間を割けば、独学でも合格を目指せます。また科目A(旧:午前)試験は、過去問と同じ問題、および過去問題を理解して解けるようになっていれば解ける問題が中心に出題されるため、勉強方法に過去問は欠かせません。
難易度
応用情報技術者試験の難易度についてですが、令和7年度の合格率は春期で22.1%でした。この合格率においては毎年約20%前後であるため、他の情報処理試験と比較すると難易度は高めであることがわかります。
【参考】:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)
しかし、アルゴリズムやプログラミングの問題は基本情報技術者試験では科目Bで必須ですが、応用情報技術者試験では選択できるため、プログラミングが苦手な方の場合、応用情報技術者試験の方が簡単に感じることもあるでしょう。
資格を活かせる職種
応用情報技術者試験を活かせる職種としては、システムエンジニアが挙げられます。応用情報技術者試験は現役のエンジニアが受験することが多く、資格取得によってエンジニアとしての基礎知識であるプログラミング・アルゴリズム・ハードウェアなどのITスキルの他、マネジメントやストラテジー関連の知識までも網羅できます。基本情報技術者試験がプログラマー向けの試験に変わったため、ITエンジニアにとっての共通言語的な(誰もが知っている)基礎知識があることを示す試験区分と位置づけられるようになりました。
また、上位職であるシステムエンジニアやマネジメント職へのキャリアアップにも活かせるでしょう。
資格取得者の年収
応用情報技術者試験の資格を活かせる職種としてプログラマーを紹介しましたが、ここではそのプログラマーの年収について紹介します。
プログラマーの年収は厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」を参考にすると、平均年収は574万円(※2025年8月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマー(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁令和5年度の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は459万円なので、プログラマーは一般平均年収と比較すると、やや高めであることが分かります。
プログラマーは現場で用いるC言語・Python・Java・PHPなどの様々な言語を身につけ、多種多様な要求に答えられるようにスキルアップを目指すことで、より高収入を目指せます。
【参考】:職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省|プログラマー
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7)
【参考】:令和5年分民間給与実態統計調査-国税庁
応用情報技術者試験が「意味ない」と言われる理由
応用情報技術者試験はプログラミング・アルゴリズム・ハードウェアといった基礎知識を証明するために有効な資格ですが、なぜ「意味ない」と言われてしまうのでしょうか。ここでは応用情報技術者試験が「意味ない」と言われてしまう理由について詳しく紹介します。
単に知らないだけ
IT業界で働いている人にとって情報処理技術者試験の試験区分はお馴染みですが、IT業界以外の人は、そもそも情報処理技術者試験にどのようなものがあるのかを知りません。ITパスポートや基本情報技術者試験を知っているぐらいで、応用情報技術者試験や高度系の試験区分に関しては認知されていないのです。
ITパスポートと(情報処理技術者試験の最高峰の資格と言われている)ITストラテジストが同レベルだという認識をする人も少なくないぐらいです。一昔前は「必要ない」と考えている風潮もありましたが、現在は、もうありません。
IT業界で働いている人には「ITエンジニアの共通言語」として不可欠だという認識は広まってきています。
独占業務がない
これは、情報処理技術者試験の全ての区分に言えることですが、応用情報技術者試験の資格には独占業務がありません。言い換えると、応用情報技術者試験の資格がなければ就けない職種というのはないため、「意味ない」と言われることがあります。
しかし、応用情報技術者試験に合格できる人材は多くないため、特にIT系企業では評価されています。また、応用情報技術者試験に合格するために勉強した経験は、IT系の業務で活かすことができます。
難易度が高く学習コストがかかる
前述の通り、応用情報技術者試験の合格率は約20%程度と難易度は高めです。勉強時間の目安として、基本情報技術者試験の合格者で200時間程度が必要と言われていますが、経験値や個人の力量によって左右されるため注意しましょう。ITパスポートや基本情報技術者試験を飛ばして、ITに関する知識が無い人は500時間以上必要かもしれません。
このように学習コストが大きいように感じますが、メリットの多さを考慮すると一概にデメリットとは言い難いでしょう。資格保有者はそこまで多くないため市場価値が高く、キャリアアップにおいてもかかった学習コストは無駄にはなりません。
また、転職の際にも強みとしてアピールできるため、履歴書に記載する他、資格取得を目指したきっかけや資格勉強で努力したこと、将来の展望を合わせてアピールすることも効果的です。具体的なアピール方法は転職エージェントに相談することをおすすめします。
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応用情報技術者試験の資格を取得するメリット
応用情報技術者試験が「意味ない」とされる理由について解説しましたが、メリットについては具体的にどのようなことが挙げられるのでしょうか。ここでは、応用情報技術者試験の資格を取得するメリットについて詳しく紹介します。
資格試験の一部の免除を受けられる
応用情報技術者試験に合格すると、上位資格の情報処理試験の一部を免除できるというメリットがあります。
応用情報技術者試験の上位資格である、ネットワークスペシャリスト試験・ITストラテジスト試験・プロジェクトマネージャ試験・データベーススペシャリスト試験・システムアーキテクト試験などを受験する場合、これらの試験で共通して実施される「午前I」の試験は申請すれば、免除することが可能です。
ただし、合格した年度を含む2年以内に試験を受ける必要があります。
また、国家資格である「中小企業診断士」「弁理士」の試験でも科目免除を受けることが可能です。中小企業診断士の試験では「経営情報システム」の科目、弁理士の試験では「理工V(情報)」の科目が免除されます。
このように応用情報技術者試験の資格を取得すれば、次に受ける資格試験の一部を免除できるため、学習コストの削減にもつながります。
【参考】:IPA 免除制度の概要
資格手当や報奨金を受けられ年収アップが期待できる
IT系企業では、国家資格の取得者数がその企業の技術力を表す指標ともなるため、応用情報技術者試験の資格取得者に対して、資格手当や一時的な報奨金を与える企業は少なくありません。
なお支給額や支給条件などは、企業によって異なるため注意が必要です。資格手当を受けられれば、年収アップも期待できます。
また、応用情報技術者試験を昇格条件としている企業もあるため、IT系企業で出世や昇進していきたいと考えている方は、できる限り早く応用情報技術者試験の資格を取得するのがおすすめです。
進学・就職・転職に有利になる
応用情報技術者試験の資格を取得すると、ITに関する一定の基礎知識があることを第三者に証明できるため、進学ではかなり有利に、若ければ就職や転職に有利に働くことが多いです。
大学生が就職活動する際に応用情報技術者試験を取得していると、大手企業の人事担当者からも一目置かれます。IT系企業に対する就職活動でも強大な武器になることは間違いありません。
下位資格である基本情報技術者試験の資格でも新卒採用では十分に評価されるため、応用情報技術者試験の資格ではよりアピールできるでしょう。
一方、転職においては実務経験が重要視される傾向にあるものの、資格を取得していることで自発的に継続した学習ができる人材であることをアピールできます。昨今は、自発的に継続学習できる人材が求められているため、若ければ、そこが評価される可能性が高いと思います。
あえて「若ければ」と伝えたのは、30代になると応用情報技術者試験よりも高度系試験を一つ二つ保有していることが求められるからです。応用情報技術者試験では不十分だということですね。
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応用情報技術者試験に合格するための勉強方法
情報処理技術者試験は独占業務がなく、その割に、応用情報技術者試験は難易度が高いため、取得する必要性はないと考えたり取得を諦めたりする人もいることが理解できましたが、やはりITエンジニアとしてスキルアップしたいと考えている方にはおすすめの資格の1つです。
ここでは、応用情報技術者試験に合格するための勉強方法について詳しく紹介します。なお勉強方法は経験値などで異なるため、参考程度にして自分に適した勉強法を見つけましょう。
過去問を活用して科目Aを仕上げる
応用情報技術者試験の科目A(旧:午前)試験対策に有効な勉強方法は、過去問を活用して多くの問題に触れておくことです。非常に範囲が広いので、広く浅く全範囲を網羅するような学習が必要になります。
過去問と同じ問題が数多く出題されるし、過去問題を十分理解して解けるようになり、選択肢の用語や意味も含めて1問で最大4つのことを覚えることができれば、基本的には60点を切ることはありません。
そのため、過去問で対策を行うのが基本になります。まずは、過去問題と個々の問題に対する解説を入手して、少なくとも直近5年分(10期分)くらいの、できれば10年分(20期分)くらいの過去問題を解けるようにしておきましょう。
科目B試験の対策を練る
科目A(旧:午前)試験で合格点が取れるレベルになったら、科目B(旧:午後)試験の対策に移りましょう。科目B(旧:午後)試験は11問中5問を解答する試験です。ただし問1の情報セキュリティの問題は解答必須であるため、きちんと対策を行ってください。
残りの4問は選択できるため、自分の得意ジャンルを作るのがおすすめです。科目B(旧:午後)試験の対策では科目A(旧:午前)試験とは異なり、幅広く勉強するのではなく、ターゲットを絞って集中的に学ぶのが良いでしょう。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)
キャリアアップのためにも応用情報技術者試験はおすすめ
これまでに、応用情報技術者試験の概要・受験資格・メリット・「意味ない」と言われる理由・勉強方法について解説しました。応用情報技術者試験はIPAが主催する国家試験であり、基本情報技術者試験の上位資格です。
応用情報技術者試験を取得すれば、就職・転職に有利になったり、他の資格試験を受験する際に一部の試験を免除できたりするというメリットがあります。また企業によっては資格手当がもらえるため、年収アップも期待できます。
難易度が高く、独占業務がないため、取得しても「意味がない」を言われることもありますが、この資格を取得することは、『目標に向けて努力し、結果を出せる能力』を客観的に証明することに他なりません。転職時の具体的な条件提示の根拠として役立つことも多いはずです。
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執筆:アンドエンジニア編集部
※本記事に記載されている情報は2025年8月時点のものです。
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