
この記事でわかること
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令和5年度の基本情報技術者試験の合格率は、約56%
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ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験よりも難易度は高め
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基本情報技術者試験は過去問と類似した問題が多く出題されるため、過去問の対策が重要
目次
基本情報技術者試験の合格率はどれくらい?

2023年4月(令和5年度)から通年試験に移行した基本情報技術者試験。
基本情報技術者試験は、IT人材に求められる情報処理の基本的な知識・スキル・活用能力が試される試験です。令和4年度における試験では、約10万人もの人が受験しました。情報処理技術者試験の中では基本レベルですが、一方で「難しすぎる」という声もあります。そこで本記事では、実際の合格率や難易度はどれくらいなのかを解説します。
【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験区分一覧
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料
基本情報技術者試験の合格率は上昇傾向

基本情報技術者試験は一般的にそれほど難しくないと思われがちですが、合格率はそれほど高くはありません。ただし、ここ数年の合格率は高め傾向です。ここからは実際のデータを元に、難易度や合格率の推移、社会人と学生の合格率の違いを見ていきましょう。
基本情報技術者試験の合格率の推移
基本情報技術者試験は令和5年度から通年実施となっていますが、令和4年度までは春と秋の年に2回行われていました。ここでは、平成21年度から令和4年度までの春秋合計の合格率と、最新の令和5・6年度および、令和7年度4~6月の合格率を紹介します。
年度 合格率
平成21年度 31.8%
平成22年度 22.8%
平成23年度 25.4%
平成24年度 25.5%
平成25年度 22.5%
平成26年度 23.7%
平成27年度 25.8%
平成28年度 26.6%
平成29年度 22.1%
平成30年度 25.6%
令和元年度 25.7%
令和2年度 48.1%(年内1回のみの実施)
令和3年度 40.7%
令和4年度 37.4%
令和5年度 47.1%
令和6年度 40.8%
令和7年度 39.9%(4~6月実施分)
昨年までで最も合格率が低かったのは平成29年度の22.1%、最も合格率が高かったのは令和4年度の48.1%です。平成21年度から令和4年度までの春秋累計合格率は27.9%です。
同じくIPAが主催している基礎レベルの、ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験の合格率は50%程度のため、それほど高いとは言えないことがわかります。
ただし、通年実施が開始となった令和5年度(2023年)4月の合格率は56.4%と、例年よりもかなり高めでした。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料
【参考】:情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料
CBT移行後に合格率が上がった?

基本情報技術者試験は令和2年度よりCBT方式に移行しており、上述した合格率の推移を見ても、CBT移行後から合格率が上がっています。CBT移行前までは20〜30%程度の合格率でしたが、CBT化をした令和2年12月以後、合格率が50%を超えるようになりました。その後、令和5年度4月以後の合格率は50%を超えることもありましたが、現在は40%前後に収まっており、開催月によっては30%台になることもあります。
合格率上昇の最大の要因は、試験が簡単になったからではなく、CBT化で「仕上がった人から順に受験できるようになった」からです。記念受験組が減り、本気組の割合が増えただけなので、難易度自体は変わっていないと認識すべきです。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料
【参考】:情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料
学生よりも社会人の方が合格率は若干高め
令和7年度6月の基本情報技術者試験では学生が38.8%、社会人が40.7%と社会人の合格率の方が上回っています。理由として、社会人の方がITの実務に携わる機会が多く、深い知識を持っている方が多いことが挙げられます。
しかし、大学生以上の学生に絞れば51.4~68.5%とかなり高い合格率です。小中学生で合格するケースもあるので、実務経験がなくとも勉強次第で十分合格できる資格と言えます。
【参考】:情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料
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基本情報技術者試験とは

ここからは、基本情報技術者試験がどういう試験なのかを改めて解説します。試験の内容や、試験に合格することで年収がどう変わるのかも見ていきましょう。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構であるIPAが主催している試験で、情報処理技術者試験である国家試験の1つです。ITエンジニアの登竜門とも言われている試験で、企業によっては基本情報技術者試験の資格が昇格条件となっていることもあります。
試験はCBT方式で行われており、令和5年度4月より通年実施となりました。そのため、自分の好きな日程で受験可能です。
また、令和6年度の基本情報技術者試験の受験者数は、上期・下期合わせて15万人以上です。受験年によって変動しますが、例年15万人前後が受験するかなりの人気資格と言えます。
【参考】:基本情報技術者試験
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料
基本情報技術者試験の受験者層
令和7年6月の基本情報技術者試験に合格した方の平均年齢は25.6歳でした。年齢が低い理由の1つとして、受験者のうち学生が占める割合が多いことが挙げられます。学生のうちに基本情報技術者試験の資格を取得することで、IT企業への就職に役立てられます。ちなみに、令和7年度6月の最年少合格者は10歳未満の小学生、最高齢合格者は67歳の方でした。
もちろん、現在就労中の社会人にも十分役立つ資格です。社会人受験者ではIT系の職種の方が最も多く、約半数を占めています。特にIT系企業に所属している新人社員には、基本情報技術者の資格取得を推奨している企業も多くなっています。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 平均年齢
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料
基本情報技術者試験の内容
基本情報技術者試験は科目A試験と科目B試験に分かれており、両方の試験に合格することで資格を取得できます。試験時間は科目A試験が90分で、問題数60問の四肢択一式です。また、科目B試験は100分で、問題数は20問の多肢選択式です。
科目A試験では「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野から問題が出題され、特にテクノロジ系の問題が多く占めています。科目B試験では「アルゴリズム・プログラム言語分野」「情報セキュリティ」の知識が必要です。合格点はどちらも1000点満点中600点です。
【参考】:基本情報技術者試験
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
基本情報技術者試験合格者の年収
システムエンジニアの年収は厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」を参考にすると、574万円(※2025年8月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマーを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁令和5年度の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は459万円なので、システムエンジニアの年収は、調査媒体によってバラつきがあることが分かります。
システムエンジニアを含むITエンジニアの報酬は、実績が重要視される傾向があるため、さらに年収を上げるにはスキルアップを図る方法が効果的です。人気の国家資格である基本情報技術者試験に合格すれば、スキル証明ができるので、年収アップや上位職へのキャリアアップに繋がる可能性があります。
【参考】:職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省|システムエンジニア(受託開発)
【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7)
【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
基本情報技術者試験に合格するメリット

ここからは、基本情報技術者試験に合格することで具体的にどういったメリットがあるのかを解説します。
ITの基本知識を身に付けられる
基本情報技術者試験は、IT関連の仕事で活躍するための入門的な試験です。ITエンジニアに必要な基礎知識を浅く広く、体系的に習得することができます。
特に若いうちに合格へ向けた学習をすることで、システムエンジニア・プログラマー・アプリケーションエンジニア・サーバーエンジニア・WEBデザイナーなど、多くの職業における基本知識が身に付きます。
スキルの証明ができる
IT業界は実務経験が重要であり、「資格は役に立たない」という声もあります。しかし、国家資格である基本情報技術者試験に合格していれば、基本的なITスキルが身に付いていることを対外的に証明できます。また、合格することで自らのITスキルに自信がつき、より仕事への意欲が湧いてくるでしょう。
転職や就職に役立つ
基本情報技術者資格を取得すれば、履歴書に保有資格として記入することができるため、より有利に作用します。この資格は、即戦力を求めるベンチャー系企業よりも、大手企業への就職・転職に有利です。
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基本情報技術者試験に合格するための勉強時間・勉強方法

ここでは、基本情報技術者試験に合格するための勉強時間と勉強方法についてご紹介します。
基本情報技術者試験の勉強時間
こちらは、学習開始時点での知識の量によって変わります。科目Aは、ITパスポートレベルの知識があればプラス100時間ほど、無ければ200~300時間は見ておいた方がいいでしょう。1日3時間、週15時間勉強すれば3-5月程度の学習時間が必要です。一方、科目Aについては、現役プログラマーならセキュリティの勉強だけでクリアできるので、特に勉強しなくてもクリアできるかもしれません。プログラミング未経験者なら、科目B対策だけで50~100時間は必要になると思います。
基本情報技術者試験の勉強方法
基本情報技術者試験について独学で合格を目指す場合、勉強方法が重要です。勉強の仕方によって合格までに要する時間や知識の身に付き方が大きく変わります。ここからは、基本情報技術者試験の勉強するにあたっての順序を解説します。
1.スケジュールを立てる
まずは学習スケジュールを立てましょう。合格までの道筋を明確にさせることで、勉強のモチベーションを維持できます。試験までの時間や試験範囲を把握した上で、自分に適した勉強時間やペースを設定してください。
すべての範囲を満遍なく対策するのではなく、頻出範囲や苦手分野を重点的に学習するようなスケジュールプランを立てます。
2.参考書を利用して学習する
ITパスポートレベルの知識もなく、まったくITの知識がない状態で基本情報技術者試験の学習を始める場合は、まずは市販の参考書を活用して基礎から学習を始めることが大切です。
参考書だけで合格レベルに到達するのは難しいかもしれませんが、いきなり過去問題に取り組むのはハードルが高く、非効率になる可能性があります。
一方で、すでにITパスポートに合格している、あるいは同等レベルの知識を有している場合は、参考書を使った基礎学習を省略し、過去問題から学習を始めても問題ありません。
ITの知識がゼロの方は、まずは参考書にひと通り目を通し、掲載されている内容を順に覚えていくところからスタートしましょう。分野によって得意・不得意がある場合は、苦手な分野に重点を置いて学習するのも効果的です。理解があいまいな箇所は繰り返し読み直すことで、着実に知識が定着していきます。
3.過去問を活用して演習を行う
先に書いた通り、科目A試験では、試験範囲が広すぎるため、参考書1冊完全に覚えても全範囲をカバーできているわけではありません。
そこで、全範囲に対して「広く・浅く」学習していくことが必要なので過去問題を利用します。基本情報技術者試験の過去問は、IPAのサイトや 勉強サイトよりダウンロード可能です。過去問を解きながら知識の補充を進めます。
なお、基本情報技術者試験の過去問題は、令和元年以後CBT化されたことにより全問題が公開されることはなくなりました。現在、公開されているのは下記だけです。
①平成21年から令和元年秋期試験までの基本情報技術者試験の過去問題
②平成21年から令和7年までの科目A試験免除制度の修了試験の過去問題
(年4回、各回60問)
③令和5年~令和7年までの参考問題(科目Aで20問/年、科目Bで6問)
2023年度の制度変更で、科目B(旧午後)の出題形式がガラリと変わりました。古い「午後問題」は長文読解の要素が強いため、対策としては効率が悪いです。必ず2023年以降の「公開問題」や「サンプル問題」を優先して解きましょう。
【参考】:過去問題
基本情報技術者試験に合格してスキルを証明しよう

ここまで、基本情報技術者試験の合格率・受験者層・難易度などについて解説しました。また、試験に合格するための勉強時間と勉強方法もあわせて紹介しました。
基本情報技術者試験の合格率は昔よりも高くなったものの、最近は低下傾向にあります。しかし、基本情報技術者試験はITに関する基本問題が出題されるため、丁寧に対策を行えば合格することは決して難しくありません。
合格すればITのスキル証明となり、転職などのキャリアアップの場でも有利になります。しかし、基本情報技術者試験の資格が転職で本当に生かせるのか心配な方も多いでしょう。
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執筆:アンドエンジニア編集部
※本記事に記載されている情報は2025年8月時点のものです。
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