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デル・テクノロジーズのグローバルCTOが明かす2026年のテクノロジー業界予測を紹介

thumb_dell_01デル・テクノロジーズ グローバルCTO & チーフAIオフィサー(CAO) ジョン・ローズ(John Roese)氏(画像:オンラインメディアブリーフィングの模様を齋藤公二氏がスクリーンショット)

デル・テクノロジーズは2025年12月11日、グローバルCTO & チーフAIオフィサー(CAO)のジョン・ローズ(John Roese)氏による「2026年のテクノロジー業界予測」に関するオンラインメディアブリーフィングを開催した。

【参考】:デル・テクノロジーズ、2026年の予測とAPJC地域の展望を発表 AIの加速、導入の拡大、ソブリンAIとガバナンス

2025年はエージェンティックAI、ソブリンAI、AI実装の拡大が実現

まず、アジア太平洋 日本 & グレーターチャイナ担当プレジデントのピーター・マース(Peter Marrs)氏が、2026会計年度第3四半期のビジネス概況として、AI需要を受けてAIサーバー出荷台数が伸び、売上は前年同期比11%増の270億ドルになったこと、今後も旺盛な伸びが期待できることなどを紹介した。

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デル・テクノロジーズ アジア太平洋 日本 & グレーターチャイナ(APJC)担当プレジデント ピーター マース(Peter Marrs)氏(画像:オンラインメディアブリーフィングの模様を齋藤公二氏がスクリーンショット)

「アジア太平洋 日本 & グレーターチャイナ(APJC)における売上はグローバルで見ても大きい。昨年の予測として、エージェンティックAI、ソブリンAI、AI実装の拡大などを挙げたが、実際にAPJCでもそれらによって大きく成長した。事例としてはAIを活用したスマートマニュファクチャリングで32%の製造コスト減、54%のリードタイム減を実現したSanDiskマレーシアや、エージェンティックAIとデータソブリンの採用で、サービス提供時間を向上させたインドZoho、生成AI向けのサービス基盤GMO GPU Cloudを自動車産業向けにすばやく提供した日本のGMOグループなどがある。シンガポールにあるDell APJCのAI Innovation Hubを中心にAIエコノミーで顧客を支援している」(マース氏)

2026年のテクノロジー業界はどうなる?--5つのテーマを解説

続いてローズ氏が、2026年の予測として、5つのテーマを取り上げて解説した。

1つめは、ガバナンスだ。ローズ氏によると、適切なガバナンスのフレームワークがなければAIの成功はない。

「数百人のCAOや各国の政府関係者と話をしてわかったことは、AIの複雑性を排除するにはしっかりとしたガバナンスの構造をつくり、取り組みに優先順位を付け、効率よく進めることが重要ということだ。デル・テクノロジーズは、企業や政府機関がAIガバナンスのルールを明確化し、ガバナンスの構造、ルールを作れるように支援していく」(ローズ氏)

2つめは、データマネジメント。AIを本番環境に投入するにはコンピューティング環境を整えるだけでは不十分だ。

「ITシステムに関して3つの要素が必要だ。1つめはデータ。System of Recordなどに格納されているデータを取り出して利用する。2つめはナレッジレイヤー。従来のデータ活用向けの基盤にくわえ、AIで活用するための基盤が必要だ。ベクトルストレージ、グラフストレージ、ナレッジグラフなどだ。3つめはAIコンピュート。AI PC、エッジ、データセンター、クラウドで活用できるようにする」(ローズ氏)

3つめは、エージェンティックAI。生成AIは、自律型のAIエージェントの時代に入ってきている。

「現在、AIエージェントと呼んでいるもののほとんどは真のAIエージェントではない。真のエージェントは単なるLLMやチャットボットではなく、自律型であり洗練されたものだ。ソフトウェアコンポーネントとしては、LLM、ナレッジグラフ、MCP(Model Context Protocol)、A2A(Agent2Agent)プロトコルの4つが重要だ。エージェントは単なるツールではない。人とチームを作ることができ、その意味では、人と組織のあり方を変えるものだ」(ローズ氏)

4つめは、レジリエンシー。工場やロボットなど物理的な世界も含めてAIを活用するためのソリューションを業界的に「AI Factory」と呼んでいる。AI Factoryが進むと、従来のレジリエンシーやディザスタリカバリを再定義する必要があるという。

「AI業界はまだ、どのようにしてAI Factoryのレジリエンシーを担保するか考えていない。従来のITシステムと同じような手法で、AI Factoryのリソースを冗長化して可用性を確保しようとすると、GPUなどが高価なため、非常に高価なシステムになる。AIデータセンター向けに提供されるさまざまなツールを使いながら、効率良く、レジリエンシーを高めていくことが求められる」(ローズ氏)

5つめは、ソブリンAI。政府や民間企業、各業界が、データ主権やプライバシー保護などを考慮して、自らの領域内でAIを活用していく取り組みだ。

「自国や自社で専用に利用するソブリンAIのインフラは、非常に大規模になる。ただ、その分、従来のような学習や推論にとどまらない、新しい価値を生むことになる。ソブリンAIのユースケースとしては、ロボティクスがある。ロボットのバックエンドをソブリンAIで提供することで、国益や自社利益を戦略的に保護できる。また、国益や自社利益に関連するAIエージェントを管理する場所や、AI Factoryのレプリカの保管場所、独自に行うファインチューニングのサービス提供場所、国境を越えたAIコミュニケーションの基盤などとして活用できる」(ローズ氏)

これらの予測に対処していくうえでは、新しいソリューションやサポートも必要になる。ローズ氏は「さまざまな製品やサービスでデル・テクノロジーズは顧客を支えていく」と強調した。

ライター

齋藤 公二 (さいとう こうじ)
インサイト合同会社 代表社員 ライター&編集 コンピュータ誌、Webメディアの記者、編集者を経て、コンテンツ制作会社のインサイト合同会社を設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集に従事する。IT業界以前は、週刊誌や月刊誌で、事件、芸能、企業・経済、政治、スポーツなどの取材活動に取り組んだ。
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