
情報処理推進機構(IPA)は7月14日、「ドローン航路運営者向けドローン航路導入ガイドライン 1.1版」およびその附属書と「運航事業者向けドローン航路運航ガイドライン 1.1版」を公開した。2025年5月に公開していた1.0版に対してパブリックコメントを実施し、微修正をしたうえで今回の改定に至った。
ドローン航路とは、ドローンが飛行する立入管理措置がされた範囲をもとに、地上や上空の制約要因に基づいて立体的に最外縁が画定された空間で、航路運航支援や航路リソース共有を実現するもの。
例えるならば、これは鉄道における線路、駅、車両をドローン航路における航路、離着陸場、ドローンと考え、立入管理等措置のなされた航路(線路)と離着陸場(駅)を航路運営者が整備し、サービスとして運航事業者に提供することで、ドローン(車両)の安全かつ簡便な運航を支援するものである。
2025年5月には、ドローン航路普及戦略ワーキンググループにおいて、ドローン航路ロードマップが策定され、中期(2025年〜2026年度)の航路整備計画として、全国の一級河川直轄管理区間上空や関東地方、中国地方の中山間地域をはじめとした送電線上空が示されていた。
従来、運航事業者がドローンを運航する際には、地域の関係者との調整・周知や飛行経路のリスク評価など煩雑な手続きを個別に行う必要があった。そこで、運航事業者に代わってドローン航路運営者がリスクアセスメントや地域関係者との調整・周知等を協調領域として集約することで、運航事業者のドローン運航の事前準備等に係る時間とコストを大幅に削減することを見込んでいる。
今回のガイドラインは、ドローン航路の社会実装にあたって、ドローン航路運営者が遵守すべきドローン航路の仕様、規格、運用方法、運航事業者が遵守すべきドローン航路の利用方法を定めた規範文書となる。
当該ガイドラインは2025年度実施予定の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「デジタルライフライン整備事業」の検討結果をふまえ、再度改定をおこなう予定である。また、改定後のガイドラインでは、2026年度以降開始予定の、ドローン航路運営者やドローン航路等を認証する「ドローン航路登録制度」の評価基準にも用いられる予定である。
ドローン航路により、山間部でのドローンを使った物流やドローンを使った送電線等のインフラ設備の保守メンテナンスなどが進みやすくなると考えられる。
ライター