
Googleは9月17日、AIエージェント向けのオープンな決済プロトコル「Agent Payments Protocol(AP2)」を発表した。AP2は、Agent2Agent(A2A)プロトコルとModel Context Protocol(MCP)の拡張として使用できる。
Googleでは、業界のルールや標準に準拠することで、ユーザー、加盟店、決済サービス提供者があらゆる決済手段で安心して取引を行える、決済に依存しないフレームワークを確立するとしている。
新プロトコルを開発した背景は、エージェントの取引権限を安全に認証、検証、伝達するための共通基盤を確立することにある。人間にかわってエージェントが決済行為を行うためには「承認」「真正性」「説明責任」などが課題になる。
例えば、「承認」では、ユーザーがエージェントに特定の購入を行うための特定の権限を与えたことを証明する必要がある。また「信頼」では、エージェントのリクエストがユーザーの真意を正確に反映していることを販売者が確認できるようにする必要がある。「説明責任」は、不正な取引や不正確な取引が発生した場合の説明責任だ。
AP2は、ユーザー、加盟店、決済サービス提供者がこれらの課題を解決できるようにするオープンな共有プロトコルとなる。技術的には、デジタル署名された委任状であるMandatesと、検証可能な資格情報であるVerifiable Credentials(VC)を活用する。
AP2は、人間がエージェントに指示して立ち会いのもとで商品を購入する場合や、エージェントに購入を委任して立ち合わずに購入する場合の両方で利用できる。これにより、よりスマートなショッピングやパーソナライズされたオファー、複数の加盟店や決済サービス提供者が連携した決済などが可能になるとしている。
例えば、ほしい商品が在庫切れのときに、通常よりも高い価格で購入したいことを伝えて在庫されたときに自動的に購入したり、旅行する時期にあわせたキャンペーンを提供してもらい、必要な商品をセット割引で購入したりできるという。
AP2にはすでに多くの加盟店、決済サービス提供者が賛同を示しており、実際に利用できるシーンも増えると予想できる。
【参考】:Announcing Agent Payments Protocol (AP2) | Google Cloud Blog
ライター