(画像提供:paiza株式会社)ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォームを運営するpaiza(パイザ)は8月21日、同社が実施した「生成AI時代のエンジニアのスキルと学習に関する意識調査」の結果を公表した。
調査は同社のプラットフォームに登録しているITエンジニア向けに7月3〜19日に行われ、629名から回答を得た。それによると、7割以上のエンジニアは「生成AIの登場によってプログラミングのスキルは不要」とは考えておらず、エンジニアの「学習意欲が向上した」と回答した。また「本質的な知識」への回帰する傾向も確認できた。
質問としてはまず「生成AIの登場により、プログラミングスキル(要件定義・設計・成果物レビューができる力)は不要になったと思いますか?」がある。これに対しては、74.1%のITエンジニアが「思わない」と回答した。

さらに、「コンピュータサイエンスの基礎(OS、ネットワーク、アルゴリズムなど)やソフトウェア工学の原理といった普遍的な知識の重要性はどのように変化したか」という問いに対しては、29.5%が「より重要になった」、62.9%が「変わらず重要である」と回答するなど、92.4%のITエンジニアが、基礎知識の重要性を強く認識していることが分かった。
paizaでは、生成AIは一般的なパターンに基づいてコードを生成するため、複雑な業務ロジックなどを完璧に汲み取ることが困難であり、生成AIの登場以前から重要とされてきたアルゴリズムやデータベース、ネットワークといった普遍的な知識が、生成AIを使いこなす上で求められるとしながら、今回の結果について「ITエンジニア自身も自覚していることが、結果からうかがえる」と指摘した。

また、生成AIの登場による学習意欲についても「非常に向上した」「向上した」が全体の64.4%に達し、「非常に低下した」「低下した」と回答したITエンジニアはわずか5.5%だった。これについてpaizaでは「『プログラミングスキルが不要になるのでは』という世間のイメージとは反対に、現場ITエンジニアの学習意欲は高まっている」とした。

このほか、調査結果を踏まえながら、「ITエンジニア学習の開始は半数近くが社会人以降」であり「半年〜2年程度で一人前のITエンジニアへなる」と考えられており、「AI時代に客観的なスキル証明が価値を持つ」と解説している。


ライター