(画像提供 NTTレゾナントテクノロジー株式会社)NTTレゾナントテクノロジーは9月1日、ソフトウェア開発・テスト現場における生成AIの活用に関する実態調査を実施し、その結果をまとめたホワイトペーパー「テスト・検証分野における生成AI利用状況調査レポート」を公開した。
調査結果のサマリーとして「生成AIによる業務効率化は進む一方、業務全体の抜本的な最適化にはまだ課題が残る結果になった」こと、「生成AIの主戦場はコーディングから広がりつつあり、後工程の補完が今後の焦点になっている」こと、テストプロセスの自動化率は限定的で、「テスト工程の高度化に向けた転換期にある」ことを挙げている。


生成AIの主な活用領域は「コーディング」が51.7%など、開発の中核工程に集中しており、「要件定義」の43.0%、「設計・アーキテクチャ決定」の39.9%など、上流工程にも広がりを見せている。

今後活用したい工程としては「テストケース作成」が最も多く32.4%、次いで「単体テスト自動化」が30.3%となり、テスト領域への応用に期待が寄せられている。

生成AI導入による効果は「開発スピードの向上」が43.6%で最多となり、次いで「ドキュメント作成の負担軽減」が40.9%、テストの効率化が39.3%と続いた。

ただし、稼働削減の効果は一部にとどまっており、稼働削減率として「11〜30%」との回答が32.6%で最多となった。「31〜50%」は18.8%、「51%以上」は7.7%にとどまっている。

テスト・検証プロセス全体に占める自動化率は、「0〜25%」が約半数で、部分的な試行にとどまっている企業が多い。また、テスト自動化は導入後の継続率が下がる傾向が見られた。
NTTレゾナントテクノロジーでは「生成AIやテスト自動化といった手段を取り入れても、それらを支える業務環境や実行体制が整っていないと、十分な成果につながらない」「ツール単体の導入だけでなく、それを活用できる体制やテスト環境のあり方も含めて考えること」が重要と指摘している。


レポートは同社のホームページからダウンロードできる(要登録)。
【参考】:生成AI活用の成果が出始めたスマートフォンアプリ開発――それでも稼働削減はわずか3割。効率化が進まない共通の壁とは? | NTTレゾナントテクノロジー株式会社のプレスリリース
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