ベトナム転職に役立つ! 家族(子ども)も一緒に暮らす場合、学校とかどうしたらいい?

ベトナムはもちろん海外への転職や赴任で気がかりなのは家族のこと。独り身ならば気は楽ですが、家族同伴で赴く場合は子どもの生活・教育環境に不安を覚えることも多いのではないでしょうか。学習内容や使用言語、学費など、日本とは異なる部分が多いため、さまざまな要素をよく考えて最適な1校を選んでください。

学校で学ぶ子供の写真

1.海外で育てるということ

海外生活において、子どもたちの周りには現地の言語や文化が溢れています。他国の文化を自然に身につけられる点は良いのですが、反面、日本文化を学ぶ機会は乏しい環境といえます。そのため子どものアイデンティティの形成や将来をしっかりと考えた上で、学校を決める必要があります。

ベトナムには大きく分けて日本人学校をはじめとする日系校と、アメリカやオーストラリア、イギリス系などのインターナショナル校があります。現地ベトナムの学校もありますが、両親が「日本人×日本人」、「日本人×ベトナム以外の外国人」の場合、日系またはインターナショナル校を選ぶのが一般的です。

ただし、ベトナムの日系校は現在、幼稚園と小学・中学校のみとなっています。高校進学を機に日本へ帰国する家庭も少なくなく、「子どもが将来どの国の学校に進学するのか」、さらには「どの国での生活を基盤とするのか」なども含めた判断が必要です。

2.幼稚園選びは母語選びを念頭に

幼児期は母語となる言語や、基本的な文化・習慣の学習に大切な時期とされています。特に言語は背景となる文化の理解にも関わるため、幼稚園選びは子どもの母語を選ぶことと同じと思ってよいかもしれません。

たとえば日系の幼稚園では日本語が使われます。ホーチミン市やハノイには、各5つほど日本式保育を行う幼稚園があり、そのほとんどに日本の幼稚園教諭の有資格者が常駐しています。そのため日本の教育要領に則した保育だけでなく、四季に合わせた祭事など日本文化を学習する機会も多く設けられています。保育料は月額500~800USドル程度。通園にはスクールバスが用いられ、100〜200USドル程度の交通費が別途必要となります。

対してインターナショナル系の幼稚園では、英語が主言語となります。保育料は日系より高額ですが、早期英語学習ができるだけでなく、多国籍の子ども達と接することで、国際的な感覚が身に付けられる点が魅力といえます。

ベトナムの幼稚園の外観写真
▲ホーチミン市にある日系幼稚園。遊具や砂場など、日本同様の設備も備える

3.小・中学校は日本人学校が定番

初等・中等教育では、ハノイに「日本国大使館付属ハノイ日本人学校」が、ホーチミン市には「日本国総領事館付属商工会議所立ホーチミン日本人学校」があります。

ともに日本の文部科学省が定める学習指導要領に基づいた授業が行われ、修業年限は小学部6年、中学部3年。進出企業の増加により生徒数が増えており、父兄の話によるとホーチミン市だけでも数百名におよぶといいます。また、校内には体育館などの設備が充実しており、日本同様の学校生活を過ごせると同時に、在外校らしく英語や外国文化の学習にも力をいれているそうです。

なお、学費は月額400USドル程度から。その他の入学金やスクールバス使用料なども合わせると、日本の私立学校と同程度の費用が必要となります。

一方、インターナショナル校はオーストラリアやイギリス系の学校が人気で、幼稚園と同じく英語や国際感覚の学習に長けています。

学費はさらに高額で、授業料だけでも年間1万〜3万USドル。ベトナムの富裕層にも人気があり、定員オーバーで入学待ちとなる場合があるため、入学や編入の計画は早めに立てるようにしましょう。

ベトナムのインターナショナルスクールの外観写真
▲高級住宅地の2区にある、インターナショナルスクール

4.高校以上は日本帰国か現地のインター校へ

ベトナムにある日系校は中等教育までのため、高等学校以上は日本へ帰国するか、現地のインターナショナル校を選ぶことになります。シンガポールなど他国に行く道もありますが、在住日本人は日本に進学することが一般的です。

進学にはもちろん受験が必要ですが、小・中学校を日本人学校に通っている場合、日本的な基礎学力は学校で身につきます。しかし、受験用の特別な勉強が必要な場合は、ホーチミン市やハノイには日本人向けの学習塾があるため、それらの受講も検討するようにしてください。

いずれにしても、ベトナムの学校は日系、インターナショナル系、現地ベトナム系と、それぞれ言語や教育内容などに大きな違いがあります。そのため、学校を選ぶ際は、家族や子どもの将来をしっかりと見据えた上で決定されることをおすすめします。

※2018年9月現在

この記事を書いた人
日本の出版社で編集者として勤務の後、2003年に渡越。ベトナムの日本語フリーペーパーやベトナム航空機内誌などの編集長を歴任し、現在は制作ブロダクション「GRAFICA CO., LTD.」代表を務める。日本の旅行誌やガイドブック制作のほか、撮影やデザイン、印刷、取材コーディネートなどを通じ、ベトナムの最新情報を発信している。