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スクラムマスターから一転、Office 365チームの技術リードとして働く

転職者プロフィール

日本マイクロソフト
カスタマーサービスアンドサポート マイクロソフトサービスサポート パートナーテクニカルリード
新海美咲さん(2011年5月入社)
【仕事内容】
外資系の会社にて、開発部門に所属。自社開発システムのプロジェクトリード。スクラムマスター。

クラウドサービス「Office 365」のサービスサポート。プリセールスと課金専用のコールセンターの立ち上げ、ベンダマネジメント。

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スクラムマスターから、クラウドサービスのテクニカルリードへの転職

これまで培ったスキルや経験が、自分の思いもよらなかった場所で生かせることがある。

2011年5月に日本マイクロソフトへ転職した新海美咲さんも、転職活動を通じて、自身のスキルや経験が生かせる新たな分野を発見した1人だ。

新卒でプログラマとしてシステム開発会社に入社した後に、外資系企業へ転職。そこでITトレーナーやスクラムマスターとしてのチームマネジメント業務を行っていた。その新海さんが、今ではクラウドサービス「Office 365」のプリセールスと課金のコールセンターサポートサービスの立ち上げ、ベンダマネジメントの業務で活躍している。

一見、前職と本職では何の接点もなさそうである。新海さん自身、最初は「自分には合わないと思っていた」という。だが、今は「これまでの経験がすべて生きて、驚いている」と語る。

これまでのスキルや経験を、求められる分野で十分に生かせれば、エンジニアとしてこれほどうれしいことはないだろう。転職を契機に、最先端の分野に関わりつつ、新しいキャリアを築く面白さを聞いた。

プログラマ、トレーナー職を経てオーストラリアに転勤。プロジェクトリーダーに

新海さんは大学卒業後、日本のシステム開発会社にプログラマとして入社した。2年ほど働いた後、外資系の会社に転職した。「学生時代にニュージーランドに留学していた経験があり、仕事で英語を使いたかった」と、当時の会社選びを振り返る。

転職先の会社はプロパティビジネスを展開しており、新海さんは、国内のトレーナー兼ユーザー対応を行うITサポートとして入社した。

チャンスは1年ほど過ぎた時に訪れた。ちょうど来日中の本社スタッフに見出され、オーストラリアの本社に転勤となったのだ。オーストラリアに渡った新海さんは、同社の開発部門で、コーポレートサイトをはじめ、ユーザー向けの会議室予約システムや売上管理システムのバックエンドなど、さまざまなシステムの開発のプロジェクトリードを担当した。

「マーケティング部門がやりたいことをどのようにシステムに落とし込んでいくかといった要件定義から、工程管理、サポート業務へつなぐところまで、プロジェクトを推進するあらゆる業務を任されていました」

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スクラムマスターとしてチームを構築するも、訪れた転職の契機

当時、新海さんと新海さんの上司は、新たなシステム開発に向けてチームの生産性を上げるため、アジャイル型開発の一種である“スクラム”手法を導入しようとしていた。スクラムによる開発プロジェクトをリードするにあたり、新海さんはスクラムマスター(ScrumMaster)の資格を取得。自身も含め、チーム全員にプロフェッショナルスクラムデベロッパ(ProfessionalScrumDeveloper)の資格を取得してもらうなど、本格的なチーム体制を築いていた。

スクラムの導入は順調に進み、間もなくインプリメントを開始するところまで来た頃に突然、転機がやってきた。会社の方針が変わり、これまでのように自身がリードするチームで開発ができなくなったのだ。

このままだと自身の業務も職種も変わりそうだと感じた新海さんは、転職を考えるようになる。

自分では思いつかなかった、「クラウド」という選択肢

「オーストラリアと日本、両方での転職を考えた」という新海さんは、オーストラリアで転職活動をしつつ、エージェントを通じて日本での転職活動も始めた。

会社選びは、「前職でのスキルや経験が生かせるところ」を中心に行った。前職と同業のオーストラリア企業や、日本の事業会社のIT部門、スクラムによる開発をしている会社などが候補に上がった。

「2年ほど開発経験があるものの、技術スキルがそれほど高いわけではありません。ですが、エンジニアとマーケティングなど、違った部門の人をつないで、お互いの言いたいことをまとめることは得意でした。なので、プロジェクトマネージャなどの職種が自分に合っていると考えていました」と、自己分析する。

そんな新海さんに、エージェントが持ちかけたのが日本マイクロソフトのクラウドサービスにおけるサービスサポートの仕事だった。

「正直なところ、最初は“サポート”という仕事は自分が目指すものとは方向性が違うのでは? と思っていました」

とはいえ、日本マイクロソフトという会社自体には魅力を感じていたので、取りあえず話を聞いてみることにした。オーストラリア在住だったので、採用担当者とのやりとりはすべて電話で行った。そして、話を聞くうちに、サービスサポートが自分の得意とする領域の仕事であるという採用担当者の話に、心を動かされた。

これまで新海さんは、マーケティング部門と開発部門とをつなぐ“中継ぎ”のポジションで活躍してきた。そのスキルや経験は、顧客とサービス構築とをつなぐポジションでも十分に生かせると気付いたのだ。

「チーム内で抜けているところを埋めていくのが、私の得意分野。だからこの仕事でも私のスキルや経験が生かせるのでは、と思うようになりました」と、選考過程で、次第にモチベーションが上がっていったことを振り返る。

クラウドサービスという、成長分野のビジネスである点も魅力だった。採用担当者に「クラウドは、これからだよ」と言われたことが決め手となり、2011年5月に同社へ入社する。

帰国して入社後すぐに米国へ、そして国内出張へ

「チーム内で抜けているところを埋めていくのが、得意分野」

帰国後に新海さんが担当したのは、同社のクラウドサービス「Office 365」のプリセールスと課金部門のサポートサービスチームの立ち上げだった。同サービスはMicrosoft Officeのクラウドサービスで、電子メールやWeb会議、ドキュメントや予定表の共有を通じて、Officeを核とした共同作業を行う環境を提供する、統合サービスである。

日本向けのプリセールスと課金のサポートサービスは、2011年10月から日本国内に移管される予定だったため、入社後の新海さんの仕事は多忙を極めた。米国でのトレーニング、トレーニングマテリアルのローカライズ、日本向けトレーニングの構築など、コールセンターの立ち上げに向けて、ありとあらゆる分野の準備に追われた。

「つなぐ仕事が私の得意分野」と語る新海さんがつなぐのは、ユーザーとサポート部門、マーケティング部門など、異なる部門同士だけにとどまらない。米国本社のクラウドサービス部門と日本の部門など、国境を超えてあらゆる人たちが含まれる。

そのため、入社後の半年近くは、ほとんどオフィスにいることがなかったという。オーストラリアから帰国して4週間もたたないうちに米国に渡り、1カ月半ほど滞在。米国の担当者とサービスの引き継ぎなどを進めた。米国から帰国後は、コールセンターの立ち上げに伴うパートナー企業のトレーニングのために、国内出張をし、3カ月ほど東京を離れた。まさに新海さんがハブとなって、「Office 365」のプリセールスと課金のサポートサービスの日本移管が推し進められた。

「大勢の人が関わっているため、まず担当者が誰かを探すところから始めなければならず、大変でした」と、言葉と裏腹に笑顔で語る新海さん。英語を駆使して、米国の担当者と日本の担当者の“間を埋める”仕事は想像どおりとても忙しいがその分、やりがいも感じているそうだ。

ローカライズの難しさに立ち向かう

「日本へ移管する」と、一言でいっても、その内容は簡単ではない。米国の手法を、そのまま日本に持ち込めばいいわけではないからだ。日本の商習慣に合わせることも、重要なミッションである。

例えばビリングシステム1つをとっても、返金する際アメリカでは小切手を使うのが普通だが、日本では口座振込みを行うシステムが新たに必要となる。

コールセンターも同様だ。サービスに関する知識を、英語から日本語へ直訳するだけでは使えない。日本のビジネスに馴染むよう、分かりやすい表現にしなければならない。こうしたニーズを、サービスに反映していくところで、新海さんの語学力や高いコミュニケーション能力が発揮された。

コールセンターの立ち上げも済み、ようやく自分のオフィスに戻ってきた新海さんだが、まだまだ多忙を極めているようだ。今は、どうしたらより良いサービスが提供できるか、どうすれば日本のビジネスにクラウドサービスがなじみやすくなるか、その手助けをどうやるかについて、国内外の担当者と折衝し、引き続きサポートサービスチームの支援をしているからだ。現在は、“顧客のニーズとサービスの間を埋める”仕事に取り組んでいるといえる。

サービスは、日々進化していく。だから、「これをすればいい」という定型はほとんどないといっていい。むしろ、今動いているメンバーたちが、クラウドビジネスの基盤を作っているのだ。

新海さんにあらためて「Office 365」のサービスサポートという仕事の魅力を聞くと「日本におけるクラウドビジネスを、パイオニアとして“今自分たちがつくっている”という手応えが感じられること」だという。

クラウドサービスの分野にはどんなチャンスもある

転職を機に、システム開発からクラウドサービスへと、新たな活躍の場を見出した新海さんだが、将来のキャリアプランについては、どのように考えているのだろうか。

「明確なキャリアプランがあるわけではありません。でも、クラウドサービスの分野には、どんなチャンスもあると感じています。キャリアチェンジはしていくものだと思っているので、今できることは、チャンスが来た時に逃さずつかみ取る準備をしておくことですね」

それまで縁がないと思っていたクラウドサービスと出合い、可能性の大きさを実感したのは、大きな収穫だったに違いない。日本マイクロソフトは、トレーニングが充実している。トレーニングを通じて、さまざまなことを学んでいくうちに「自分に足りないところが見えてくる」と新海さんは語る。それを、さらなるトレーニングで補うことで、チャンスをつかむ準備をしておきたいそうだ。

「今、自分が抱えている仕事を、1つずつ後進に渡せるようにしたいですね」と、最後に笑顔で付け加えてくれた。

開発エンジニアからシステム開発のプロジェクトリードを経て、クラウドサービスのサポートという、まったく想像していなかった転職で成功した新海さん。“間を埋めること”や“英語力”といった自身の得意分野を冷静に見つめ直し、柔軟に視野を広げていったことが、良い結果に結びついたと言えるだろう。

これから転職を考えるエンジニアも、まずは自分の得意分野は何かを考えることから始めてみてはいかがだろうか。思わぬところに、自身の価値を発揮できる新たなフィールドが見つかるかもしれない。

人事に聞く、新海さんの評価ポイント

前職ではプロジェクトリード以外に、ユーザーサポートやカスターマーサポート、トレーニング講師なども経験されており、これらの経験は、目前に迫る「Office 365」サービスの国内移管に伴う業務に欠かせないものでした。

加えて高く評価した点は、常に笑顔を絶やさない人柄です。日本になじみのないクラウドサービスを導入していくパイオニアとして活躍するには、「忙しい」と言いながらも、常に前向きに仕事へ取り組む姿勢が大切だと思っています。

当社のクラウドサービスは「Office 365」だけではありません。今後、さまざまなサービスが各国に移管されるでしょう。そのときには、さらに上のポジションで積極的に取り組んでくれるものと、期待しています。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※JOB@ITの記事(2012年3月)に再編集を加えて掲載しています。

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