AI頼みは逆効果?ChatGPTで“勝てる面接”を準備するには【生成AI×転職活動シリーズ】
転職活動において、面接は「自分の価値を伝える最終プレゼン」。
最近では、ChatGPTなどの生成AIを使って面接対策をする人が増えていますが、使い方を誤ると逆効果になることも――。
「AIっぽい回答ばかりで、候補者の人柄が見えない」と採用担当者が感じるケースも少なくないようです。
では、どうすればAIの力を借りながらも“自分らしさ”を伝える面接対策ができるのでしょうか?
今回も、ライフシフトラボ代表・都築辰弥さんに「ChatGPTを活用した面接対策のおすすめステップ」を伺いました。
企業情報の収集から模擬面接のプロンプト、NG回答の回避方法まで、実践的なノウハウが満載です。
ChatGPTの回答は必ずしも正解とは限らないため、あくまで参考として受け止め、自分自身の視点で確認することが大切です。また、自己分析の際には、取引先の情報や個人情報など機密性の高い内容について、入力情報がAIの学習に利用されないように設定*1するなど十分に注意しましょう。安心・安全に活用することが、AIとの良い付き合い方の第一歩です。
※本記事は、「生成AI×転職活動シリーズ」の第3回です。
シリーズ第1回(自己分析)、第2回(職務経歴書作成)についてはこちら↓
第1回:【ChatGPTプロンプト付き】職務経歴書に差がつく!AIとワークシートで良い転職のための自己分析をする方法
第2回:転職成功者の職務経歴書はChatGPTで効率よく仕上げる!
著者
都築辰弥(つづき たつや)
東京大学工学部システム創成学科(コンピュータサイエンス)卒。新卒でソニーに入社し、スマートフォンXperiaの商品企画担当として2019年フラグシップモデル「Xperia 1」などをプロデュース。その後、2019年に人材系スタートアップである株式会社ブルーブレイズ(現ライフシフトラボ)を立ち上げ、45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」を開講。人生後半のキャリア形成支援に取り組む。国家資格キャリアコンサルタント資格を持ち、フルスタックエンジニアでもある。
この記事はMEETS CAREER by マイナビ転職で
2025年10月16日に掲載された記事の転載です
「なんだか最近、いかにもAIっぽい回答をする候補者さんが多いですよね……」
私は仕事でさまざまな会社の中途採用担当者の方々と話す機会があるのですが、面接のテーマに及んでこのような話を聞くことが増えました。
転職活動を行う求職者にとって、生成AIは間違いなく強力な面接対策ツールです。しかし、使い方が未熟だったり、詰めが甘かったりすることで、せっかくの対策が逆効果になっているケースは、実は少なくありません。
たとえば、「◯◯社の中途採用面接の質問と模範回答を考えて」などとChatGPTに入力して得た回答をそのまま話す方。これは、もったいないAI面接対策の典型例です。
そもそも、準備した質問は当日の面接で本当に聞かれるのでしょうか。模範回答を目指すあまり、あなたらしさが欠けた紋切り型の回答では、かえってネガティブに評価されてしまいます。
また、面接は一問一答がぶつ切りで繰り返されるような時間ではなく、連続した会話のキャッチボールですから、このような対策では、想定外の流れになったときに対応できなくなってしまうでしょう。
そこで今回は、安易なChatGPT依存による面接の失敗を防ぐべく、AIの強みを最大限に引き出した実践的な面接対策メソッドをお伝えします。
本記事で言及するノウハウやプロンプトは、私が代表を務める45歳からのマンツーマン転職塾「ライフシフトラボ」で培い、実際に使用しているものです。ライフシフトラボの受講者は40〜50代が中心ですが、本記事は世代を問わずに通用します。
面接対策は「情報収集」から始めよう
受験勉強において、志望校の過去問を一度も解かず、何が出題されるのかもわからないまま入試当日を迎えるとすれば、それは無謀だと多くの人が感じるところでしょう。
転職活動でも同じように、これから面接に臨むのはどのような会社で、どのような事業を行い、どのような課題を解決するためにどのような人材を求めており、選考では何を聞いてくるのかを調べ尽くすことは欠かせません。
面接前に調べておきたい情報は、企業情報と選考情報の2種類です。それぞれ具体的なステップを解説します。
企業情報の収集
特定の企業に関する網羅的な情報収集は、生成AIの得意分野です。高度な情報収集に特化したChatGPTのDeep Researchモードを使って、面接に臨む上で必要十分な企業情報をしっかりと頭に入れておきましょう。
ChatGPTの入力画面左下の「+」ボタンからDeep Researchモードを選び、次のプロンプトを入力してください。
あなたは情報収集力に長けた転職コンサルタントです。私が以下の志望企業の面接に臨む前に知っておくべき情報をまとめてください。
# 回答の形式
レポートには次の項目を含め、**必ず出典を示して**情報提供してください。
- 基本情報
- 財務情報
- 事業内容
- 事業の競合優位性
- 最近の取り組み
- 企業理念
- 企業文化・社風
- 従業員からの評判
- 業界の動向・今後の成長性
# 志望企業
{企業名 ※「株式会社アシスト」のように同名の企業が複数ありそうな場合は、会社ホームページのURLも追記すると良いです。}
Deep Researchモードでは、さまざまな出典元を要約した1万字程度のレポートが出力されます。ひとまずこれを読んでおけば「そんなことも知らずにウチを受けに来たの?」とひんしゅくを買うことはありません。
編集部補足:生成AIによる情報収集の注意点
生成AIは、広範な情報を短時間で整理するのに役立つ一方で、誤った情報(ハルシネーション)を含む可能性があります。特に企業名が類似している場合や、古い情報が混在している場合には、他社の情報が紛れ込むリスクも否定できません。
そのため、AIが生成したレポートはあくまで情報収集のとっかかりとして活用し、以下のような確認作業を怠らないことが重要です。
・企業の公式HPやIR情報を自分の目で確認する
・最新のニュースやプレスリリースをチェックする
・求人票の記載内容を隅々まで読む
・面接前には、企業理念や最近の取り組みを自分の言葉で整理しておく
最終的な確認と判断は、必ずご自身で行うようにしましょう。
情報収集の話題から少しそれますが、このチャットに続いて、逆質問のネタ出しをChatGPTに手伝ってもらうのもおすすめです。
面接の終盤に「何か質問はありますか?」と聞かれるいわゆる逆質問で、筋の良い質問を繰り出せるかは、実は面接全体の評価に大きく影響するポイントです。
調べればすぐにわかるようなことを聞かない、「何もありません」と答えない、といったティップスは広く知られていますが、では何を聞くのが効果的なのか。
次のプロンプトでアイデアを得ることができます。
レポートを踏まえ、私の同社に対する志望度の高さや理解度が面接官に伝わるような逆質問を10個考えて。
選考情報の収集
情報収集に話を戻しましょう。次は選考情報。今度の面接はどのような目的で行われ、誰が担当し、何を聞かれるのかを調べます。
ご想像どおり、選考情報はインターネットでは公開されていないことが多く、生成AIに聞いても正しい回答を得ることは難しいでしょう。
もし面接に臨む企業が人材紹介会社の紹介求人であれば、情報源としてはまず、担当のキャリアアドバイザー(転職エージェント)を頼りにしてみましょう。通常は惜しみなく協力してくれるはずです。
担当キャリアアドバイザーがいない自主応募の求人の場合は、やりとりしている採用担当者に直接聞く手もあります。
面接の日程調整をするメールで「可能な限り万全の準備をして臨みたいので、面接のご担当者様や面接内容について、伺える範囲でご教示いただけないか」と、正々堂々と聞けばいいのです。
もちろん教えてくれないケースもありますが、その場合でもマイナス評価になることはありません。
それでも情報を得られない場合は、ダメ元でインターネット上を探します。会社口コミサイトやXで調べると、まれに有力な情報が見つかります。ただし、信頼できる情報かどうかは慎重に検討してください。
脱・一問一答の面接対策プロンプト
「志望動機は?」「当社で活かせる強みは?」といった質問に対し、一問一答形式で回答を用意するのは、実際の面接の流れとかけ離れており実践的ではないことは、冒頭でお伝えした通りです。
回答して終わりではなく、あなたの回答内容を踏まえた別の質問が筋書きなしで展開されるのが普通のリアルな面接です。
面接に苦手意識を持つ求職者は、往々にしてこのキャッチボールをうまくつなげない点に課題があります。
そこで、キャッチボールが続くことを前提にした企業ごとの面接対策プロンプトを用意しました。
あなたは、{会社名}の採用担当者です。私は、次の求人票に応募した採用候補者です。
{面接の目的を記入。例:求人票に記載の求める人物像と、添付の職務経歴書に記載の私の経歴・強みの合致度を評価するための}模擬面接を展開してください。## 求人票
```
{ここに求人票の内容をすべて貼り付けてください}
```## 模擬面接の展開方法
1. 目的合理的な質問を1つ提示する
2. 私の回答入力を待つ
3. 私からの回答内容をさらに深堀りする質問を1つ提示する
4. 私の回答入力を待つ
5. その回答内容をさらに深堀りする質問を1つ提示する
6. 私の回答入力を待つ
7. 以上を1セットとし、合計3セット9問になるまで繰り返す
8. ここまでのコミュニケーションで私が不合格の評価を受け得る点を挙げ、フィードバックする
\**注意点:質問は1度に1つ。**
このプロンプトならば、本番の面接さながらの流れのある問答を再現できます。
ここで重要なことは、目的の設定です。一般に、面接には回ごとに異なる目的が設定されています。どのような目的を定めるかは企業によって異なりますが、一例を示します。
回ごとに異なる面接の目的例
一次面接(採用担当者):求める人物像とのマッチ度を評価
二次面接(所属長):担当業務やチームとのマッチ度を評価
最終面接(部門責任者・社長):中長期のキャリアプランや社風とのマッチ度を評価
目的が違えば、当然質問内容も違ってきます。実態に合った目的をプロンプトに含めることで、より精度の高い面接対策が可能になるのです。
先述の選考情報の収集に際して、具体的な質問内容は開示しない企業であっても、次回の面接の目的程度であれば教えてくれる場合がほとんどです。
また、テキストでのやりとりに慣れたら、次はChatGPTの入力画面右側にある「音声モード」を利用してみましょう。
音声モードとは、マイクで話しかけるとChatGPTがリアルタイムでそれを認識し、自然な音声で回答を返してくれる機能です。回答に瞬発力が求められ、臨場感のある面接練習が可能です。
最後に次のように入力すれば、回答例の提案を受けることも可能です。
以上の合計9問について、それぞれ模範回答を作成してください。
ただし、面接において「これを言えば間違いない」というような正解は存在しません。
必ず告白が成功する口説き文句なんて無いのと同じです。回答例はあくまでも参考にとどめるようにしましょう。
面接の基本質問は、NG回答を避けることで対策する
適切な回答を準備するのとは真逆のアプローチで、NG回答を言わないように意識しておくことは非常に有効な面接対策だと私は考えています。
白状しましょう。実際に私も自社の面接官を務めていると、それまでどんなに順調に面接の問答が進んでいても、採用候補者のたった1つの、不適切に感じる、あるいは違和感のある回答がどうしても気になり、好印象だった評価が内心覆ってしまった経験が何度もあります。
誤解を恐れずに言えば、高評価を得ようという意識と同じくらい、低評価につながる減点を避けようという意識も面接では重要ではないかと思うのです。
正解の回答は企業によってバラバラですが、NG回答は比較的共通しており、対策しやすいと言えます。
先述の告白のアナロジーを用いるならば、必ず成功する口説き文句はなくても、相手が誰であっても必ず失敗するようなお寒い口説き文句は存在するのではないか、ということです。
面接対策の締めくくりとして、思わず言ってしまいそうなNG回答をあらかじめChatGPTに作っておいてもらいましょう。
「これを言わないようにしよう」と心がけておくだけで十分です。
過去の私の連載(【ChatGPTプロンプト付き】職務経歴書に差がつく!AIとワークシートで良い転職のための自己分析をする方法)で作った自己分析用ワークシートがあれば、それを添付するとさらに精度の高い回答を得ることができます。
あなたは、中途採用の面接官としての経験が豊富なキャリアアドバイザーです。面接でよく問われる次の質問事項に対し、私が思わず言ってしまいそうだが、言えば確実にお見送りになるであろう回答のアンチパターンをそれぞれ3つずつ挙げてください。
## 質問事項
- 志望動機
- 転職理由
- 仕事をする上での強み・弱み
- 転職先を選ぶ上で重視すること
面接は、あなたの人柄や価値観、企業との相性を見極める重要な場面です。
今回ご紹介した情報収集のステップや、リアルな模擬面接プロンプト、NG回答の回避法は、ChatGPTを活用して“あなたらしさ”を伝えるための有効な手段となるはず。
生成AIをうまく使えば、働きながらでも効率よく「採用担当者の心に残る面接対策」が可能になります。この記事が、あなたの転職活動を一歩前に進めるヒントになれば幸いです。
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