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直行直帰とは?移動も労働時間になる?制度のメリット・注意点を解説

掲載日:2025年12月11日

直行直帰とは?移動も労働時間になる?制度のメリット・注意点を解説
篠田 恭子

監修者篠田 恭子

特定社会保険労務士/おひさま社会保険労務士事務所 代表

記事まとめ(要約)

  • 直行直帰とは、出社せずに現場へ直行し、業務後に会社へ戻らず帰宅する働き方
  • 移動時間が労働時間に含まれるかは、会社の指揮命令下にあるかで判断される
  • 効率的に働ける反面、勤怠管理が難しいというデメリットも
  • 交通費や管理ルールは会社ごとに異なるため、転職時には事前確認が重要

転職を検討する際、働き方の柔軟性は重要な判断基準の一つです。特に営業職や現場対応の多い職種では、直行直帰制度の有無が日々の働きやすさに大きく影響します。

しかし、直行直帰について「移動時間は労働時間に含まれるの?」「残業代はどうなるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、直行直帰の基本的な仕組みから、労働時間の考え方、メリット・デメリット、そして転職時に確認すべきポイントまで、詳しく解説します。

目次

    直行直帰とは?

    直行直帰とは、職場を経由せずに、自宅から直接訪問先や現場に向かい(直行)、業務終了後も会社に戻らずそのまま帰宅(直帰)する働き方のことです。

    直行直帰には大きく分けて2つのパターンがあります。

    一つは、臨時的に発生する直行直帰です。例えば、午前中に遠方の顧客との商談があり、その日だけ直行するケースや、出張で自宅から直接遠方の職場へ向かうケースなどがこれにあたります。

    もう一つは、日常的な直行直帰です。営業職や保守・点検スタッフ、配送担当者など、毎日のように顧客先を訪問する職種では、基本的に直行直帰が標準的な働き方になっている場合も少なくありません。

    直行直帰は労働時間に含まれるの?

    直行直帰における最大のポイントは、移動時間が労働時間に含まれるかどうかです。

    基本的に、労働時間とは「使用者の指揮命令下にある時間」を指します。つまり、会社の管理下で業務として行動している時間は労働時間に該当します。この原則に沿って、直行直帰時の移動時間も判断されます。

    直行直帰の始業時間と終業時間は?

    直行直帰の始業時間と終業時間

    直行直帰の場合でも、業務が始まる時点が始業、業務が終わる時点が終業となります。

    つまり、「会社に出社するかどうか」にかかわらず、実際に仕事を開始・終了したタイミングが労働時間の起点と終点になる点は、通常の勤務と変わりません。

    ただし注意が必要なのは、自宅から訪問先への移動時間や、訪問先から自宅への移動時間です。

    この移動が単なる通勤であれば労働時間には含まれませんが、移動中に会社の指示を受けて業務を行っている場合や、業務の一環として移動している場合には、労働時間に含まれることがあります。

    このように、直行直帰における始業・終業の判断は、移動時間が「通勤」なのか「業務」なのかによって変わります。

    次に、どのような場合に労働時間に含まれるのか、また含まれないのかを詳しく見ていきましょう。

    労働時間に含まれる場合

    移動時間が労働時間に含まれるのは、会社の指示のもとで業務として行動している場合です。

    例えば、移動中に業務に関する電話・メール対応、資料作成などを行っている時間は労働時間とみなされます。

    また、機材や資料を運ぶ、運転を業務として行う、移動経路や手段を会社が指定しているといったケースも、移動自体が業務にあたるため労働時間に含まれます。

    更に、接待や顧客との会食が業務の一環として行われている場合も、その参加時間は労働時間に含まれます。

    ただし、接待が終わって解散した後の帰宅までの移動は、原則として通勤時間にあたり、労働時間には含まれません。一方で、得意先を送っていく・上司を社に送り届けるなど、会社の指示や業務目的で移動している場合は、その移動も引き続き業務として扱われます。

    このように、会社の指揮命令下がどこで途切れるかが、労働時間と通勤時間を分ける判断のポイントになります。

    労働時間に含まれない場合

    移動時間が労働時間に含まれないのは、業務とは関係のない通勤としての移動にあたる場合です。

    自宅から最初の訪問先まで、または最後の訪問先から自宅までの移動が、会社の指揮命令下にない単なる通勤であれば、労働時間には含まれません。

    つまり、業務の指示が終了した後や、解散後に自宅へ帰るだけの移動などは、通勤時間として扱われます。

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    直行直帰で残業代はつく?

    直行直帰で残業代はつく?

    直行直帰でも、労働時間が所定労働時間を超えれば残業代は発生します。これは通常のオフィス勤務と同じ仕組みです。

    例えば、所定労働時間が8時間で、移動を含めて9時間働いた場合は、1時間分の残業代が支払われます。

    ここで重要なのは、「どこからどこまでが労働時間にあたるか」という点です。会社の指示による移動が労働時間に含まれる場合は、その時間も残業時間の計算に含まれます。

    一方、事業場外労働のみなし労働時間制が適用されている職種では、実際の労働時間ではなく、あらかじめ定められた「みなし時間」で残業計算が行われます。

    例えば、みなし労働時間を9時間に設定している場合は、実際に働いた時間が8時間でも9時間勤務したとみなされ、法定労働時間を超えた1時間分の残業代が発生します。

    また、深夜・休日労働が発生した場合には、追加の残業代が支払われます。

    直行直帰が多い職種では、残業代の算定方法や労働時間の管理ルールを、事前に就業規則で確認しておくことが大切です。

    定時前に直帰すると早退扱い?

    直行直帰で業務が早く終わった場合でも、早退にあたるかどうかは就業規則や雇用契約の内容によって異なります。

    基本的には、所定労働時間を満たしていない場合は早退扱いとなります。

    例えば、所定労働時間が8時間で、9時に業務を開始し15時に最後の訪問先で仕事を終えた場合、5時間勤務(1時間休憩)のため早退とみなされます。

    ただし、上司の業務命令により早めに退勤した場合や、フレックスタイム制が適用されている場合は、早めに帰宅しても早退とされません。

    勤務時間や報告方法のルールは、事前に上司と確認し、あいまいな点を残さないようにしましょう。

    直行直帰のメリットとは?

    直行直帰のメリットとは

    直行直帰には、従業員にとっても企業にとっても多くのメリットがあります。転職先を選ぶ際の重要な判断材料となる点もあるため、詳しく見ていきましょう。

    無駄な移動が減り、効率的に働ける

    直行直帰の最大のメリットは、移動時間を大幅に削減できることです。

    従来の「自宅→会社→訪問先→会社→自宅」という移動パターンでは、会社への往復が無駄になるケースがあるでしょう。

    例えば、自宅から会社まで片道1時間、会社から訪問先まで30分かかる場合を考えてみましょう。

    通常は往復3時間の移動が必要ですが、自宅から訪問先が40分の距離であれば、直行直帰によって移動時間は往復1時間20分に短縮できます。

    1日あたり約1時間40分の削減となり、その分を業務や休息の時間に充てることができます。

    複数の顧客を回る営業職などでは、移動ルートを最適化することで訪問件数を増やすことも可能です。

    また、出社を伴わないことで通勤ラッシュの時間帯を避けやすくなる点もメリットの一つです。

    混雑状況や訪問先の場所によっては、移動時のストレスや体力的負担を軽減できるでしょう。

    計画通りに動きやすく、時間を有効に使える

    直帰を活用すれば、1日のスケジュールをより計画的に進めやすくなります。

    オフィスに戻ると、急な打ち合わせや上司・同僚からの相談など、予定外の対応が発生することがあります。

    いずれも必要なやり取りではありますが、その結果、退勤が遅くなってしまうことも少なくありません。

    一方で、訪問先から直接帰宅できる直帰であれば、業務が終わり次第スムーズに1日を締めくくることができます。

    例えば「17時に最後の訪問が終わる」とあらかじめ決めておけば、自然と時間管理の意識が高まり、仕事の区切りもつけやすくなります。

    プライベートの予定を立てやすくなることで、仕事と生活のバランスを整えやすいのも大きなメリットです。

    更に企業側にとっても、勤務時間の見通しが立てやすくなり、全体の生産性向上につながる効果が期待できます。

    直行直帰のデメリットとは?

    メリットの多い直行直帰ですが、一方でいくつかのデメリットや注意すべき点もあります。転職先を選ぶ際には、こうした側面も理解しておくことが大切です。

    自分で勤務時間を管理する必要がある

    直行直帰では、自己管理能力がより求められます。

    オフィス勤務のように上司や同僚と一緒に働く環境ではないため、始業・終業・休憩などの勤務時間を自分で管理しなければなりません。

    特に営業職など外回りが中心の仕事では、訪問先の予定や移動時間、商談の間の空き時間などを踏まえ、効率的にスケジュールを組む能力が欠かせません。

    時間管理が苦手な方にとっては、負担に感じることもあるでしょう。

    また、労働時間の記録を正確に残すことも重要です。勤怠管理システムの入力や業務日報の作成を怠ると、残業代の算定などで不利になる可能性があります。

    更に、モチベーションの維持も課題の一つです。

    オフィスでは同僚との交流や上司の声かけが刺激になりますが、直行直帰では一人で行動する時間が多いため、自分なりに意欲を保つ工夫が求められます。

    労務問題が起こる可能性がある

    直行直帰では、労働時間の把握が難しいため、労務トラブルが発生しやすい点に注意しましょう。

    代表的なのがサービス残業の問題です。

    移動時間が労働時間に含まれるにもかかわらず、会社が認めずに残業代が支払われないケースがあります。

    また、みなし労働時間制の運用が不適切で、実際には長時間労働になっている事例も見られます。

    勤務状況の把握が曖昧だと、過重労働や健康被害につながるおそれもあります。

    特に成果主義の職場では、目標達成のために労働時間が長くなりやすく、本人が気づかないうちに疲労を蓄積させてしまうこともあります。

    加えて、移動中の事故が発生した場合、その状況によっては「業務災害」ではなく「通勤災害」として扱われることがあります。

    通勤災害も労災保険の対象ですが、業務災害に比べて保障の範囲がやや限定される場合があり、注意が必要です。

    こうしたリスクを防ぐためには、会社が労働時間や移動経路を正確に管理できる仕組みを整えているかどうかが重要です。

    転職を検討する際には、直行直帰時の勤怠管理方法やシステムの運用体制を確認しておくと安心です。

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    直行直帰だと交通費はどうなる?

    直行直帰における交通費の扱いも、転職先を選ぶ際に確認しておきたい重要なポイントです。

    一時的な直行直帰の場合

    臨時的に直行直帰を行う場合、交通費は実費精算が基本です。

    通勤定期代が支給されている社員が自宅から直行直帰した場合は、自宅から訪問先までの交通費を別途申請します。

    多くの企業では、交通費精算システムや経費精算システムを通じて、事後的に申請する仕組みになっています。

    この場合、自宅から訪問先までの交通費を実費で申請しますが、通勤定期区間については重複しないよう調整するのが一般的です。

    交通費精算の際は、領収書やICカードの利用履歴が必要になる場合があります。後日申請する際に困らないよう、交通費の記録は必ず残しておきましょう。

    また、タクシーを利用する場合は、事前に上司の承認が必要なケースも多いため、会社の規定を確認しておくことが大切です。

    日常的な直行直帰の場合

    営業職や保守点検員など、日常的に直行直帰が発生する職種では、交通費の扱いが異なる場合があります。

    一つは、毎日実費精算する方式です。その日の移動ルートに応じて交通費を申請し、月末にまとめて精算します。この方式は正確ですが、事務作業の負担が大きくなります。

    もう一つは、月額で一定の交通費を支給する方式です。

    例えば、「営業交通費として月3万円」といった形で定額支給されるケースです。

    この場合、実際の交通費が3万円を下回っても返金する必要はなく、超過した場合は別途申請するという仕組みが多くなっています。

    また、社用車が貸与される場合や、カーシェアリングサービスの利用が認められる場合もあります。この場合、燃料費や駐車場代の扱いについても確認が必要です。

    直行直帰の多い業種は?

    【業種別】直行直帰ができる求人の割合

    1位 不動産・建設・設備 19.6%
    2位 環境・エネルギー 16.3%
    3位 マスコミ・広告・デザイン 14.8%
    4位 商社 13.8%
    5位 コンサルティング 12.9%
    • 調査対象:2025年12月1日時点でマイナビ転職に掲載された求人情報から「直行直帰可」のフラグが付いている割合を算出

    直行直帰が多い業種のトップは、「不動産・建設・設備」で約2割を占めています。

    この分野では現場対応や顧客訪問など、オフィス以外での業務を行う場面が多いのが特徴です。

    次いで、「環境・エネルギー」や「マスコミ・広告・デザイン」も高い割合を示しています。これらの業種では、外出先での作業や打ち合わせが発生し、直行直帰の働き方が取り入れられるケースもあります。

    直行直帰の多い職種は?

    【職種別】直行直帰ができる求人の割合

    1位 建築・土木 21.3%
    2位 営業 18.8%
    3位 企画・経営 16.7%
    4位 クリエイティブ 16.0%
    5位 WEB・インターネット・ゲーム 14.2%
    • 調査対象:2025年12月1日時点でマイナビ転職に掲載された求人情報から「直行直帰可」のフラグが付いている割合を算出

    直行直帰が多い職種のトップは、「建築・土木」で21.3%です。

    この職種には、施工管理など現場での業務が中心となる仕事が多く含まれています。

    次いで「営業」が18.8%、「企画・経営職」が16.7%と続きます。

    いずれも外回りや打ち合わせの機会が多く、こうした業務特性から、直行直帰の働き方が選ばれると考えられます。

    直行直帰の企業に応募する際に注意したいこと

    直行直帰が一般的な企業に転職する際は、以下のポイントを事前に確認しておくことが重要です。

    労働時間の管理方法を確認する

    直行直帰の職場では、勤怠管理の仕組みが特に重要です。

    スマートフォンでの打刻や勤怠管理システムが導入されているかを確認しましょう。

    管理体制が整っていない企業では、労働時間の把握が曖昧になり、残業トラブルにつながるおそれがあります。

    移動時間の扱いを明確にする

    移動時間が労働時間に含まれるかどうかは企業によって異なります。

    「移動中も労働時間として扱うのか」「みなし労働時間制を採用しているのか」など、事前に確認が必要です。

    回答が曖昧な場合は、運用ルールが不透明な可能性があります。

    交通費の支給ルールをチェックする

    交通費の精算方法も忘れずに確認しましょう。

    実費精算か定額支給か、上限額やタクシー利用の条件などを具体的に聞いておくと良いでしょう。

    営業職や外回りが多い職種では、交通費の扱いが実質的な収入に影響することもあります。

    コミュニケーション環境を把握する

    直行直帰では上司や同僚との接点が少なくなりがちです。

    オンライン会議やチャットツールの利用状況、定期的なミーティングの頻度などを確認しておくと、入社後の働き方をイメージしやすくなります。

    キャリア形成の仕組みを確認する

    直行直帰中心の職場では、社内での学びや交流の機会が限られることがあります。

    研修制度や上司からのフィードバックの機会について質問し、入社後はどのように周囲から学び、成長していけるのかを見極めましょう。

    面接での質問例

    面接では、次のような質問を用意しておくと効果的です。

    「直行直帰が多いと伺いましたが、労働時間はどのように管理されていますか?」

    「直行直帰が多いとチームメンバーが集まる機会などが限られるように思いますが、チーム内ではどのようにコミュニケーションを取られていますか」

    「移動時間は労働時間として扱われますか?」

    企業の回答から、労務管理への意識の高さや入社後のサポート体制を判断することができます。

    なお、労働時間や通勤手当等の就業条件については内定時の就業条件通知書に記載される場合もあります。

    面接では入社後のキャリアや業務内容をイメージするための質問にとどめましょう。

    「移動時間が労働時間として扱われるか」といった労務管理や通勤手当の支給範囲などの細かな制度に関する質問は、内定後から入社までの間に確認することをおすすめします。

    移動時間が労働時間として認められなかった時は?

    直行直帰の移動時間が労働時間として認められず、適切な賃金が支払われない場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。

    まず冷静に状況を整理しましょう。

    その移動が本当に労働時間に該当するのか、就業規則や雇用契約書の内容を確認し、会社の指示による移動かどうかを客観的に判断します。

    労働時間に含まれると考えられる場合は、まず上司や人事部門に相談し、具体的な事例をもとに説明しましょう。

    制度の誤解や認識の違いであれば解決できるケースもあります。

    社内で改善されない場合は、労働基準監督署に相談するのが効果的です。無料・匿名でも相談でき、必要に応じて会社に指導が入ることもあります。

    また、労働組合がある場合は組合を通じた交渉も有効です。未払い残業代が高額になる場合や会社が対応しない場合には、弁護士への相談も検討しましょう。

    いずれの場合も、実際の勤務時間や移動経路の記録が重要な証拠になります。日ごろから記録を残しておくことが、自分の権利を守るための確実な対策です。

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    移動時間を労働時間に含めるための証跡の残し方

    移動時間を労働時間に含めるための証跡の残し方

    直行直帰では、普段から労働時間の記録を残しておくことが大切です。

    トラブルになった際に困らないよう、移動や業務の開始・終了時間を日常的に記録しておくと良いでしょう。

    スマホやアプリを使う

    スマートフォンを活用すれば、直行直帰時の労働時間を手軽に記録できます。

    勤怠管理アプリを使えば、出発・到着時刻をGPS情報と共に残せるため、客観的な証拠として有効です。会社のシステムがある場合は必ず利用しましょう。

    カレンダーアプリに訪問先や商談予定を「9:00〜A社訪問」「11:00〜B社商談」と具体的に入力しておくのも有効です。

    交通系ICカードの利用履歴(Suica・PASMOなど)も行動記録として活用できます。履歴は一定期間で消えるため、月に一度はスクリーンショットなどで保存しておくと安心です。

    また、メールやチャットで「〇時に訪問先に到着」「これから移動します」と報告しておくことで、その時点の行動を証明できます。

    業務連絡を兼ねて記録を残す習慣をつけておくことが、後のトラブル防止につながります。

    上司からの業務指示メールや業務依頼書を保存

    上司からの業務指示や依頼内容を証明する記録も大切です。

    「明日はA社に9時訪問で直行してください」といった指示メールは必ず保存しておきましょう。

    会社の命令による移動であることを示す有力な証拠になります。

    口頭で指示を受けた場合は、「本日ご指示いただいた件、明日A社に9時訪問で直行、業務終了後は直帰で承知しました」と確認メールを送ると、履歴を残すことができます。

    また、訪問報告書や日報のコピー、タクシー・駐車場の領収書、高速料金の明細も有効な証拠になります。

    日常的にこうした記録を残す習慣をつけておくことで、トラブル時に自分の主張を裏付けやすくなります。

    直行直帰に関するよくある質問

    直行直帰について、実務上よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

    在宅勤務中に外回りをしたら労働時間になるの?

    在宅勤務中に外出して顧客訪問などを行った場合、その移動時間と訪問時間は労働時間に含まれます。

    在宅勤務は自宅を就業場所とする働き方のため、会社の指示で外出する場合は業務の一環とみなされ、自宅を出てから帰宅するまでの時間が労働時間として扱われます。

    例えば、午前中に在宅で会議を行い、午後に顧客先を訪問した場合は、自宅での業務時間に加え、移動と訪問の時間もすべて労働時間に含まれます。

    ただし、昼休みに買い物へ行くなど、私用の外出は労働時間にはあたりません。

    在宅勤務と直行直帰を組み合わせた柔軟な働き方が増えるなかで、業務外出と私用外出を区別し、正確に記録を残すことが重要です。

    移動中に電話対応したら、その時間は労働時間になるの?

    業務中にA社からB社へ移動するなど、仕事の一環としての移動は原則として労働時間に含まれます。

    この場合、電話対応をしているかどうかに関係なく、移動自体が業務行為とみなされます。

    一方、自宅から最初の訪問先、または最後の訪問先から自宅への移動は、通常は通勤時間と同様に労働時間に含まれません。

    ただし、その移動中に顧客対応や上司への報告など明確な業務を行っていれば、その分の時間は労働時間に該当します。

    業務内容や会社の指示によって扱いが異なるため、移動中にどのような業務を行ったかを日々記録しておくと安心です。

    直行直帰以外にも!自分に合った働き方を見つけよう

    直行直帰は自社のオフィスに出勤する必要がなく、効率的に外回りができる働き方です。

    しかし、近年は、リモートワークやハイブリッドワーク、フレックスタイム制、時短勤務など、更に柔軟な働き方を導入する企業が増えています。

    フルリモートワーク

    フルリモートワークなら通勤時間がゼロになり、自己啓発や家族との時間に充てられます。自宅など自分に合った環境で集中して働ける点も魅力です。

    フレックスタイム制

    フレックスタイム制では始業・終業時間を自分で調整できるため、通勤ラッシュを避けたり、家庭の予定に合わせて働いたりすることが可能です。

    営業や外回りの職種では、直行直帰と組み合わせて導入されるケースも増えています。

    転職活動では、制度があるかどうかだけでなく、実際にどの程度活用されているかを確認することが重要です。

    面接で「リモート勤務は週何日可能ですか?」「フレックス制度は実際に利用されていますか?」など、具体的に質問してみましょう。

    また、転職エージェントを活用すれば、希望する働き方に合った企業を効率的に探すことができます。

    直行直帰、リモートワーク、フレックス勤務など、さまざまな働き方に関する制度を知り、自分のライフスタイルやキャリアに合った働き方を見つけることが、充実した仕事と生活を実現するための第一歩です。

    監修者

    篠田 恭子

    篠田 恭子(しのだ きょうこ)

    特定社会保険労務士
    おひさま社会保険労務士事務所 代表

    1977年埼玉県川越市生まれ。システムエンジニアとして約10年勤務。仕事・子育てをしながら、2011年社会保険労務士試験に合格。2013年1月社会保険労務士事務所を開業。2014年4月特定社会保険労務士付記。2018年5月移転を機に事務所名を「おひさま社会保険労務士事務所」に変更。「働くすべての人が『楽しい』と思える職場づくりを応援します!」を経営理念に掲げ、地域の企業を元気にするために、日々活動している。

    全国社会保険労務士会連合会、埼玉県社会保険労務士会、埼玉県社会保険労務士会 川越支部所属。

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