最近は中途採用でも、採用時点の能力ではなく、伸びしろを重視する「ポテンシャル採用」や「第二新卒採用」を実施している企業が増えています。そのため、さきこさんのようにものづくり業界が未経験であっても転職するチャンスはあるでしょう。
2015年度のものづくり業界の求人動向として、採用基準が緩和傾向にあります。これは日本経済の回復を受け、業界全体が好況であることが一因と言えます。リーマンショックにより採用を控えていた企業が中途採用を再開し始めたほか、大手企業を中心に人手不足や労務構成を改善していく流れがあり、職場環境を整える意味でも中途採用が活性化しているのです。新しい道へ進むなら、今は良い時期と言えるかもしれません。
さきこさんが気にされている新卒でものづくり業界に入社しなかった理由に関しては、「なぜ今ものづくりの仕事にチャレンジしたいのか」を明確にすること、そして「改めて本当にやりたい仕事を認識した」ということをきちんと説明することができれば問題ありません。自身が今までどういう理由で就職先を決めてきたのかや、これから目指すキャリアを見つめ直しておくと良いでしょう。
ただし、メーカーや大手企業に多いのが総合職採用です。入社後の配属によっては、必ずしも希望する分野に就けるとは限りませんので注意が必要です。また、中途採用では即戦力も求められますので、専門分野の知識以外にも、仕事の進め方や段取りのスキルは欠かせません。後輩の教育や全体を取りまとめる力も、年齢を重ねるにつれて重視される傾向にあります。未経験の職種にチャレンジする場合でも、ご自身の経験の中から応募先で生かせそうなスキルや知識をアピールできるように準備しておきましょう。