実際の面接体験談をもとに、過去1万人以上を面接した人事のプロ『ヤドケン(谷所 健一郎氏)』が回答内容を評価。「自分なら質問にどう答えるだろう?」と面接を受けているつもりで読みながら、回答のコツを盗み取ってください。
面接でのやりとりを知ることで、緊張や不安が和らぐだけでなく、面接本番で使える回答のバリエーションも増やすことができますよ。
Episode.02 航空会社パイロット(面接官が複数)
ひろのぶさん(27歳・男性)
希望職種:パイロット
応募企業:某航空会社
面接時間:15分程度(1次面接)
面接官:3名
概要:最初は、普通のあいさつ程度から始まり、だんだん和やかなムードに。一人の面接官(面接官B)が、私の履歴書に興味を持たれて、趣味などについて話をしたことが、強く印象に残っています。
Check! 面接官が複数名の場合
複数の面接官の場合、どうしても質問をしてきた人に視線を集中してしまう傾向があるけど、全体に気配りをすることがポイントだよ。質問をしないで、黙って聞いている人がキーパーソンだったりすることもある。質問をした面接官に対して答えながら、ほかの面接官にも目配り、気配りすることが大切なんだ。
*複数の面接官の場合、全員に目配り、気配りをしよう
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面接レポート
【自己紹介:名前などを紹介する】
面接官A 「提出した書類に所持資格について、記入漏れがありますが、資格はお持ちですね?」
私 「申し訳ございません。持っています。」(記入漏れに気が付かず、素直に謝りました)
素直に誤りを認め、謝罪したことは評価できるね。 慌てて動揺してしまうと、この先の面接に影響するんだ。 冷静かつ謙虚な気持ちで、誤りを認めることが大切だよ。 面接の初期段階で、記入漏れについてどのように対処すべきか面接官に確認してもいいけど、面接の流れを変えてしまう危険性もあるから、ひろのぶさんの対応のように謝罪するだけで良かったと思う。
確認については礼状を送付する時に行ってみてもいいね。 ミスをしたことに対してどのような行動を起こすか、ということも評価されることがあるんだ。
*ミスをすることが問題ではなく、どのような対処をするかがポイントになる
【他社への応募の有無とその不採用の原因について聞かれる】
私 「熱意を伝えることができなかったためだと思います。」
面接官A 「面接する立場から言わせてもらうと、不採用の原因は熱意が伝わらなかっただけではないと思いますよ。」
私 「はい。」(特に、その後何も言いませんでした。圧迫質問かなと思いました)
文章から判断する限り、この時点で面接官Aは、ひろのぶさんに対してあまり好感を持っていないような気がするね。圧迫質問だと受け止めれば、表情を変えずに面接官Aの主張を認めているから、問題はないと思う。
ただし「はい」と言うだけで、何が原因かということがお互いあいまいなまま、次の質問に切り替わってしまった点はやや気になる。面接官Aは熱意のほかに何が原因だったと考えたのかな?
会話が途切れないように「はい、そのほか……が原因だと考えています」と簡潔に答えてもいいね。
一言「勉強不足でした」と言い切ってもいいかもしれない。「勉強不足でした」ときっぱり言うことで、今回は「しっかり勉強しています」というニュアンスを伝えられるよ。
*圧迫面接では、まず面接官の主張を認めてから、自分の考えを述べること
面接官B 「大学時代に大手航空会社のパイロット自社養成を受験しましたか?」
私 「はい。一次試験で不合格でした。」
面接官B 「一次試験は面接試験ですか?」
私 「はい。そうです。」(パイロットの採用面接ではよくある質問です。事実をそのまま述べただけです。答えとしては、失敗後の反省点と、それを解決するために何をしたか述べるべきだったのでしょうか?)
この場面では、前の質問も不採用のことに関して話をしているから、長々と他社で不採用になった原因について、語る必要はないと思うな。不採用の話に集中してしまうことは、できる限り避けたいからね。
ただしその後、今回の試験に向けて、特別に努力したことなどが具体的にあるのならば、簡潔に話をすることで、ネガティブな話題をポジティブな話題へ切り替えることもできるんだ。
*ネガティブな話から、ポジティブな話題へ、速やかに展開しよう
面接官B 「パイロットになりたいと思ったのはいつですか?」
私 「大学に入学して1年目です。パイロットの仕事は、特殊です。ですから、専門学校を出ない限り、一般の大学生が就くことができる職業ではないと考えていました。しかし、自社養成試験や、某飛行学校の存在を知り、私もパイロットになれることが分かりました。それからは、パイロットになるという目的に向けてまっしぐらでした。」
前半のネガティブな話題から、ポジティブな内容にうまく切り替えているね。
「いつからですか?」という質問に「~からです」とだけ答えてしまえば、ひろのぶさんのパイロットに対する熱意をアピールできなかったと思うよ。パイロットに本気でなりたいという気持ちが十分に伝わってくる内容で、この答えから面接官の意識が変わったような気がするな。
*「はい」「いいえ」というワンセンテンスで終わらないこと
面接官A 「英語の能力はすごいね。評価できるよ。」
私 「はい、ありがとうございます。」
面接官Aの質問内容が変わってきているね。前半の記入漏れ、不採用の理由などでややマイナスに捉えられていた点が、パイロットになりたい気持ちを具体的に語ったことで、好感を持ったのではないかな。
「すごいね、評価できるよ」というのは、かなり好印象を持たれているような感じがするね。
*面接官の気持ちを捉え、興味を持たれた話題に引き込もう
面接官A 「どこで勉強したのですか?」
私 「独学です。学生時代にESSでディベートをしておりました。そこでは、「聞く・話す」の生きた英語を身に付けるために努力しました。御社では、信頼されるパイロットになるという目標に向かって、一生懸命努力します。」
質問に対して、端的に答えているね。分かりやすいだけでなく、一生懸命努力しますという言葉を何気なく付け加えている点が評価できる。質問の主旨と違うけど、短いセンテンスで熱意を示すことは大切だと思うよ。
しかしこれ以上長くなると、質問の主旨を理解していないと受け取られ、逆にマイナスになるから注意しようね。
*質問の主旨から、大きく外れないように注意しよう
【履歴書の趣味(釣りと野球)について聞かれる】
(面接時間の半分は、この部分に費やしていたと思います。熱く語りました。面接官はいろいろ興味を持たれて、会話が発展したと思います。その趣味に対する熱意にからめて、パイロットになりたいという熱意を、目標に向かう原動力にして頑張るということをアピールしました )
面接官に興味を持たれて会話ができたことは良いことだと思うけど、面接時間の半分がこの部分に費やされていたというのが、やや気になるね。
面接の質問の中で、無駄や無意味なことはないんだ。どんな質問も採用側の意図があると思っていいよ。1対1の面接で、たまたま趣味の話に集中するというのは理解できるけど、4対1の面接でこの部分に時間を費やしたということは、パーソナリティについてチェックされたとも受け取れるね。
いずれにしても、ひろのぶさんが熱く語り、面接官も興味を持って聞いてくれたということであれば、問題はないと思う。
面接官C 「最後に自分をアピールすることがありましたら、おっしゃってください。」
私 「私は、粘り強さがあり、目標達成意欲が強いです。 学生時代、パイロットになりたいという目標に向けて、語学力を身に付けるために、一歩ずつ力を積み重ねることでビジネスレベルの力を付けることができました。語学を通じて目標を達成できたことで、自分に自信が付きました。
私には頼りになるパイロットになるという目標がございます。その目標に向かって、安全運航に必要な知識を積み重ね、御社にございます訓練環境を最大限活用して、目標に向かって突き進みます。将来は、後輩に自信を持って指導できるような信頼されるパイロットになりたいと思っています。」
要点が良くまとまっていて、いいと思うよ。興味を持たれた語学力についても、自己PRで具体的に説明できたことも評価できる。説明の長さも良く、あいまいな表現もないから、自己PRの部分は評価されたと思うよ。
*自己PRは、経験を引用し、応募企業に貢献できる人材だとアピールしよう
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面接を終えた感想
面接後、面接の機会をくださったことに対する感謝の気持ちと、私が目標に向かって努力するには、御社にある環境が必要で、その結果安全運航を提供します、という内容のはがきを書きました。
全体的な感想は、パイロットになりたいという熱意と、入社後の目標と目標に向かっていくにはどうするか、その結果何ができるか、ということを伝えることができたと思っています。
面接官は、私の質問に対する受け答えや身振りに興味を持たれたようで、笑いがあるなど、終始和やかなムードでした。
はがきを送付したことは、いいことだね。礼状の場合、あくまでも面接をしていただいたことに対して感謝の気持ちを書くことが大切なんだ。
礼状の中で、短く自己PRすることは構わないけど、長くだらだらと自己PRをすると、なぜ面接の時アピールしなかったのか、とマイナスに受け止められてしまうから注意しよう。
前半の記入漏れ、不採用に対しての質問から、短い時間で好転できたことはとても評価できると思う。あこがれだけで応募してくる人が多い中で、ひろのぶさんのパイロットになりたいという真剣さが伝わったのではないかな。
限られた採用枠で、応募者の中から選抜するという相対評価の部分があるから、一概には判断できないけど、後半の語学力が評価されたことや和やかな雰囲気で面接を終えられたことを考えると、評価は悪くないのではないかな。お疲れさまでした。
*応募企業に対する熱意と職種への適性が、採用のポイントになる

有限会社キャリアドメイン代表取締役
谷所 健一郎(ヤドケン)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。主な著書「はじめての転職 必ず成功する転職」(マイナビ)ほか多数。
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