シゴトサプリトピックス
「劇団ほぼ無職」主宰者に聞いた、失業した場合の立ち直り方
掲載日:2016.2.1

予期せぬリストラや倒産、不意の病気など、いつ誰が失業しても不思議ではない現代。もし自分がそういう事態に陥ったら、目の前が真っ暗になり途方に暮れてしまいそうです。
万が一失業したら、どういう心構えでいるべきなのでしょうか? 無職の人のためのイベント「無職FES」や、職がない人を劇団員として募り公演を行う「劇団ほぼ無職」など、“無職のためのセーフティネット”を展開し続ける岩井ゆうきさんに教えてもらいました。実は、岩井さんご自身も2010年12月から約1年は無職。その後、ごく最近まではフリーターとして生活していたそうです。

岩井さんが会社を辞めた理由
「以前は不動産会社で賃貸マンションの営業をしていたのですが、営業成績が悪くて社長と険悪になり、解雇という形で無職になりました。会社では、社長から物を投げられたり、『もう会社に来なくていいよ!』と言われたりしました」(岩井ゆうきさん 以下同)
辞め方がパワハラのような形だったので、退職時は疲れ切っていた岩井さん。すぐには何もする気が起きなかったものの、2011年2月にはイベント「無職FES」開催にこぎ着けました。

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無職の人たちが集まれる「無職FES」を開催
「無職になったばかりのころは社会に居場所がない感覚があり、当時の自分は不安で生きづらい状態でした。でも、そういう人はほかにもいるだろうと思い当たり、無職の人たちが集まれるイベントがあればと考えたんです」
無職FESでは、さまざまなゲストによるトークライブが行われています。飲食店やライブハウスのオーナーが経営の難しさを語ったり、ホームレスが登壇して路上生活者になった経緯を話してくれたり。
「どんな人でも、それぞれに苦労がある。『無職でも経営者でもホームレスでも、生きていくのは大変なんだ』と共有することが、無職FESの趣旨です。私としても参加者にそれほど再就職を勧めているわけではなく、まずは前向きな気持ちになっていただくことを優先しています」
それにしてもホームレスの人の話を聞くとは、かなり大胆な試みです。
「無職者が落ち込む気分になる最大の理由は、将来への不安です。例えば、『自分も将来ホームレスになるかもしれない』という不安があるなら、『ホームレスになったらどうしたらいいか?』を当事者に教えてもらえばいいと考えました。話を聞くと、今はボランティア団体があるし、ご飯はどこかへ行けば毎日もらえるし、服も靴ももらえるということが分かったんです。死にはしないということを知って、その時は参加者全員が安心できる場になりました」
その後、2012年3月に岩井さんは「劇団ほぼ無職」を旗揚げします。

「劇団ほぼ無職」を通じて、外部との接触を作る
これは「お仕事、何やってるんですか?」と聞かれ「無職です」と言いづらい人のために、「劇団員」という肩書を与える目的で旗揚げした劇団です。“夢を追っているから職に就いていない”というフリができる「劇団ほぼ無職」には、現時点で300人以上の劇団員が所属しているそう。とはいえ、肩書を与えることが第一目標なので、活動自体はゆるゆるです。「練習には来ても来なくてもどっちでもいい」が基本ルールで、その大半が幽霊部員。この気軽なテンションで、現在では年2回のペースで公演が行われています。
「職を失うことで外部との接触が途絶え、一人だけで家に居続けると不安になってしまいます。劇団へ来ることで知り合いができ、明るくなった劇団員も多いですよ」
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失業してもすぐに再就職を考えないほうがいい
これらのような“無職のためのセーフティネット”を仕掛け続ける岩井さんは、突然無職になってしまった人たちに対し、どのようなアドバイスをしてきたのでしょう?
「職を失うと、焦りや不安から『早く再就職しなきゃ!』と考えがちですが、焦っているうちはまだ働かないほうがいいと思います。『働かなきゃいけない』という切迫感のみで動くと、見える選択肢が狭まってしまうんです。焦りがリセットされて、そこで初めて自分の進路に対して正しい判断ができると思います」

焦って再就職を目指しても、同じことを繰り返す可能性が高い。自分と合わない職場を選んでしまったり、またしても貧乏くじを引いてしまったり……。焦りをなくしてから再出発したほうがいいと、岩井さんは説きます。
とはいえ、現実的に生活費の問題は避けられません。働かないと、収入は途絶えてしまいますが……?
「役所へ行けば、意外と何かしらの相談を受けてくれるものです。もしくは私もTwitterアカウントに電話番号を載せているので、そういう人に相談してみるのもいいと思います。無責任なことは言えませんが、『なんとかなる』と思ってみてもいいかもしれないと私は考えています」
“焦り”と“不安”をあおるような考え方こそが大敵。楽観的な思考回路が、事態の好転を招くのです。当の岩井さんご自身は現在、教育系のNPO法人に勤務しているそう。
「今までプロデュースしてきたイベント活動などを評価してくれる職場と出会い、再就職という形になりました。『とりあえず、当面の生活費を』と興味のない業界に就職しなかったからこその結果だと思います」

無職の期間は“無駄”ではなく、自分を見つめ直す機会
岩井さんも、再就職するまでは週3日だけ事務のアルバイトに励み、月10万円の収入のみで生活していました。自分の時間がたっぷりあるので自炊にも没頭でき、ストレスフリーなので衝動買いもしない。こうしたお金のかからない生活を送ることで、次第に“焦り”と“不安”がリセットされていったそう。そんな状態になったからこそ、岩井さんは正しい判断が可能となりました。
しかも、無職の期間は決して無駄ではなかったとまで言い切ります。
「毎日働いていた忙しさがなくなり、自由な時間が増えると、自分の良いところが出てくるんです。困っている人がいても今までは構っていられなかったのですが、余裕ができて他人に親切になれました。また、今までは気づかなかった花の奇麗さにも気づくことができました」
もしも無職になってしまったら、まずは焦りや不安から解放され、リセットされた状態になるまで待つことが先決です。それにプラスして、「人間的に成長するいい機会」だと考えたほうがいいのかもしれません。
(寺西ジャジューカ+ノオト)

取材協力/岩井ゆうき
大学卒業後、就職先からリストラされ、2010年末ごろよりイベントの企画・運営を開始。2011年2月「無職FES」を開催。その後、「ホームレスBAR」「みえないBAR」など次々とユニークなイベントを開催している。2012年3月、「劇団ほぼ無職」を旗揚げ。現在では団員数300以上のマンモス劇団になった。
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