転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

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自己PRすることがなくても転職できる方法

あなたの志向の方向性を「未来志向」に変えてみよう

今から「行動する」ことでアピールすることができる

今あなたが、自分には自己PRにつながるようなスキルや経験、資格などがないと思っているとして、仮にそれが事実だとしても致命的な問題ではありません。それらがなくても転職を成功させている人は多いのです。では、なかなか転職できない人と転職を成功させている人では何が違うのでしょうか。

なかなか転職できない人は過去を振り返ることしかしません。自己PRすることがない、とすぐにあきらめます。要するに「過去志向」で、自己成長が止まっているのです。一方、転職を成功させている人は自分にスキルや経験、資格がなくてもあきらめません。今から自己PRできることを作ろうと考え、即行動します。要するに「未来志向」で、向上心と実行力があるのです。

例えば製菓メーカーに転職したNさんは、まず志望企業の商品をすべて食べ、ライバル社の競合商品も食べて、味、素材、パッケージデザイン、価格、キャンペーン、陳列の仕方の比較をしました。工場見学で最新情報を収集し、図書館では業界・企業に関するデータも調べ上げました。そして履歴書と3種類の提案リポートを入念に作成し、書類審査、面接を突破したのです。

提案リポート3連発作戦のすすめ

自己PRすることがない人におすすめしたいのは、このように提案リポートを作成して自己PRする方法です。

リポートは1枚程度で簡潔明瞭(めいりょう)にまとめ、3種類作成します。一つ目のリポートは「他社商品との比較リポート」。これは面接開始直後に採用担当者に手渡し、商品の魅力を他社商品との比較をしながら熱く語ります。

この話が一段落したら、次に二つ目のリポートを取り出して面接官に渡します。これは「商品の売り上げアップの提案リポート」です。このリポートで重要なのは根拠となるデータです。入手したデータの価値が高いと判断されれば、情報収集力の高さを認められ、それだけでも高評価が得られます。データ収集の手段には、図書館で業界誌や業界新聞、一般紙、ビジネス雑誌の過去記事検索をすることなどがあります。データはコピーを取り、資料としてリポートに添付してください。

重要なのは、畳みかけて三つ目の「新商品の提案リポート」を手渡すことです。採用担当者はあなたの実行力の高さに驚くことでしょう。2、3年後の世相を予測し、それに合わせてどんな新商品を出すといいかをアピールします。これも重要なのは根拠となるデータです。政府が刊行する各種白書、シンクタンクが発行している白書や調査物、将来予測のデータなどを参考にしてみるとよいでしょう。自分本位の思い込みだけの提案とは違う客観性の高い提案ができれば、それが自己PRに代わる、あなたの強みになります。

case study 11提案リポートの作り方のコツと、データ収集先のヒント

提案リポートの作成ポイントと共に、具体的なデータ収集先を紹介します。新卒の就職試験の時にはデータを念入りに調べても、転職時には意識しない人が多いようですが、むしろ転職希望者にこそ役立つ情報なのです。

提案リポート3連発作戦

提案リポートには、以下の3種類があるということは前ページで述べました。

  1. 他社商品との比較リポート
  2. 商品の売り上げアップの提案リポート
  3. 新商品の提案リポート

ポイントは、提案内容そのものを、それぞれA4用紙1枚で、ごく簡潔明瞭にまとめることです。時間のない採用担当者に「短い時間」で「分かりやすく」あなたの提案を伝え、興味を持ってもらう必要があるからです。そして、同じくA4用紙で数枚~10枚程度の資料(データ)を添付します。リポートの内容も重要ですが、拠りどころとなる資料の内容が極めて重要です。「よくこんなデータを見つけたね」と採用担当者から感心されるデータを資料として添付しましょう。収集した資料の質が良ければ、情報収集力と行動力の高さ、着眼点の良さ、業務に対する適性、潜在能力に関しても高評価が得られます。

資料(データ)の収集手段

あなたの提案リポートが、「自分本位の思い込みだけの提案」にならないことが重要です。ここではそのための具体的な手段を紹介します。(※ご紹介するURLは、今後変更になる場合があります。その際はご自身で、キーワード検索をして新しいURLを調べてください。)

1.店舗・ショールーム・工場見学

  • パンフレット収集
  • 実態調査
  • 写真撮影(※事前に撮影の許可を取る)
  • など

自ら足を運ぶことが行動力の高さのアピールになります。調査結果をもとにして比較表を作ったり、デジタルカメラなどで撮影した写真を使うとビジュアル的にも非常に分かりやすい資料になります。

2.図書館・書店で調査

  • 専門紙(業界専門誌)
  • 関連書籍
  • 新聞や雑誌の過去記事
  • など

社会人になってから図書館を利用したことはありますか。図書館はデータの宝庫です。図書館に行き、業界名、企業名、商品名で検索すると、業界専門誌・関連書籍・新聞や雑誌の過去記事を一気にたくさん見つけることができます。業界専門誌、関連書籍については、各図書館ホームページの蔵書検索機能を使って、予め調べて目星をつけておくとよいでしょう。

専門紙(業界専門誌)は、業界特有のデータの宝庫です。提案リポート作成に非常に役に立つでしょう。専門紙(業界専門誌)は、大手書店等でも入手することが可能です。 また、新聞の過去記事検索は、大量のデータをリストアップすることができるので特におすすめです。数十~数百ものデータがリストアップできることも少なくありません。実はこれだけでもリポート用のデータとしてかなりの量を確保できます。ただし、やみくもにデータを集めればいいわけではありません。あなたの提案リポートに役立つものを的確にピックアップすることが大切です。

3.政府の白書

政府の白書は、信頼性、客観性の高いデータの宝庫ですし、今後の政策と絡めた商品提案をすることもできます。下記のリスト冒頭の「政府統計の検索」を使い、業界名、企業名、商品名で検索すると、関連データを調べることができます。

政府統計の検索 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL02020101.do
政府統計総合窓口 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/statisticsLinkView.do?method=init
経済財政白書 http://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html#keizai
国民生活白書 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html
国民生活モニター調査 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/monitor/monitor.html
青少年白書 http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hakusho.html
食育白書 http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/whitepaper/index.html
少子化社会白書 http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/index-w.html
高齢社会白書 http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
中小企業白書 http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html
情報通信白書 http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/h21.html

4.企業ホームページ、ランキングサイトなどを利用する

  • 応募企業のホームページで、経営計画や中長期経営計画を調査
  • 経営者の氏名をインターネット(googleやYahoo!など)で検索して、インタビュー記事、紹介記事を参照
  • gooランキング
    http://ranking.goo.ne.jp/
  • マクロミル 公開市場調査
    http://monitor.macromill.com/researchdata/index.html
  • など

経営計画、中長期経営計画が公表されている場合は必ず熟読しておく必要があります。gooランキング等を使い、業界名、企業名、商品名で検索すると興味深いデータが得られることがあります。また、「マイランキング」という機能を使うと、応募企業の商品等に関連したランキング調査を自ら行うこともできます。ただし、厳密な裏付けが取れるものではないので、あくまでも参考程度として活用しましょう。

5.シンクタンク発行の調査物・白書

シンクタンク発行の調査リポートや白書には、市場のトレンドや未来予測のデータが多く出ているので、リポートの2と3を作成するのに大いに役立ちます。ここで紹介したシンクタンクだけでもかなりの量のデータを収集できます。時間の余裕がある方は、このほかのシンクタンクの情報も活用することをおすすめします。

博報堂生活総合研究所 http://seikatsusoken.jp/
「生活動力」 日本の社会構造の変化と生活者の変化が詳細に分析されており、資料も豊富で分かりやすい。商品の売上アップや新商品のアイディアを考える際のヒントになる。
「生活定点」 衣食住、その他における意識調査のデータ。日本人の意識、価値観、ライフスタイルのトレンドがわかる、1200を超える項目があり、参考資料として活用しやすい。
「未来年表」 未来予測関連の記事やレポートの集大成。「西暦○○年には何が起きるか」ということが年表形式で分かりやすくまとめられている。新商品のアイデアを得るのに便利。
電通総研 http://www.dentsu.co.jp/di/index.html
「消費潮流」 消費者の価値観、消費行動の分析と、ヒット商品が誕生した理由の分析が緻密に行われている。商品の売上アップや新商品を具体的に考える際のヒントになる。
「トレンドボックスリサーチ」 アンケート調査をもとに、トレンドの分析が行われている。商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に役立つ。
「研究レポート」 生活に大きな影響があるテーマが取り上げられていて参考になる。問題点の分析・未来の予測が、商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に役立つ。
野村総合研究所 http://www.nri.co.jp/
「未来ナビ」 今の世の中の動き、数年先の社会の姿の分析レポートの集大成が収載されている。商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に役立つ。
「未来年表」 「西暦○○年には何が起きるか」ということが年表形式で一覧できる。新商品のアイデアを得るのに便利。博報堂生活総合研究所の「未来年表」と併用すると説得力が増す。
「提言・調査レポート」 社会的なテーマが取り上げられている。現状分析と未来の提言が、商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に役立つ。
三菱総合研究所 http://www.mri.co.jp/
「内外景気見通し」 景気の見通しに関して、1、2年程度先までを展望したレポート。商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に参考になる。
三井物産戦略研究所 http://mitsui.mgssi.com/
「レポート」 グローバルな視点で、社会的なテーマが取り上げられている。商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に参考になる。 ※特に海外向けの商品
「THE WORLD COMPASS」 グローバルな視点で、タイムリーなテーマが取り上げられている。商品の売上アップの指針や新商品のコンセプトを考える際に参考になる。 ※特に海外向けの商品

資料収集・提案リポート作成は、とても楽しい

<実例紹介:Wさんの資料収集>

ホテル業界に転職を成功させたWさんが、提案リポート作成にもっとも活用したのは、ホテル・レストランの業界専門誌などの書籍です。ここから「全国のホテルの客室稼働率データ」を入手し、「リポート1(他社商品との比較リポート書き)」に引用しました。また、国土交通省・観光庁の統計や白書、シンクタンクの「未来予測」などの調査物から、今後の消費者動向を予測し、「リポート2(商品の売り上げアップの提案リポート)」と「リポート3(新商品の提案リポート)」の提案に盛り込みました。

リポート作成は難しいと思うかもしれませんが、それは誤解です。資料さえ収集できれば意外に簡単にできるものです。まずは十分な時間をかけて、上記で説明した1~5の手段を使って、資料を集めてみてください。この作業だけでも、あなたにとって多くの興味深い発見があるはずです。本気でその企業(業界)を目指しているならば、資料収集と提案リポート作成はとても楽しく感じられますよ。

プロフィール
就転職・キャリアコンサルタント
坂本直文(さかもと・なおふみ)

キャリアデザイン研究所代表。劇的就職塾主宰。大学講師。全国各地の大学にて年間200回以上講義。著書多数。近著に『就活ノート術』(日本実業出版社)、『人生のエントリーシート』(PHP研究所)。

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