フロントエンドエンジニアとは?仕事内容や未経験から転職するポイントは?
掲載日:2024年09月26日
記事まとめ(要約)
- フロントエンドエンジニアとは、Webサイトのユーザーが直接触れる部分を構築する
- JavaScriptのライブラリやフレームワークなどの最新技術を吸収する機会が多い
- デザインやUI、バックエンドなどのスキルも幅広く習得できる
- 転職活動や実務に役立つ資格が複数ある
- 実務未経験でもスキルの習得や実績づくりを行うことで転職のチャンスが広がる
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接見て触れる画面部分を構築し、快適なWebサイト・アプリケーションづくりを担う存在です。
ここではフロントエンドエンジニアの仕事内容や求められるスキル、バックエンドエンジニアとの違い、未経験から転職を実現するポイントなどを詳しく解説します。
フロントエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアとは、Webサイトやアプリケーションのブラウザに表示される要素、つまりユーザーが直接見て、触れて、操作する部分を構築するエンジニアです。
直接ユーザーの目に触れる部分をフロントエンドということから、フロントエンドエンジニアと呼ばれています。
Webサイト・アプリケーションのホーム画面やログイン画面、入力画面、ECサイトの商品ページやカート・決済画面などのプログラミングをはじめ、案件によってはデザインや制作全体のディレクションに携わることもあります。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションのフロントエンド全般に携わります。
その主な仕事内容にはコーディング、プログラミング、デバッグ作業が挙げられます。そのほか、デザインやSEO対策などの関連領域に対応する場合もあります。
作業名 | 概要 |
---|---|
コーディング | Webデザイナーが作成した画面デザインに沿って、HTMLやCSSを使ってWeb上に文字や写真、イラストなどが表示されるように指定します。この工程はマークアップとも呼ばれています。 |
プログラミング (実装) |
Web画面上のスクロールやタブ、ページ遷移、ポップアップ表示、ユーザー認証などの動作処理をJavaScriptやフレームワークを使ってプログラミング(実装)します。 |
デバッグ (バグ確認) |
プログラミングを行ったWebサイトやアプリケーションをブラウザ上に表示し、動作確認を行い、バグを見つけて修正します。 |
関連領域への 対応 |
ユーザーの使いやすさを考えた画面の設計(UI・UX)、デザイン、検索エンジンで上位表示させるためのSEO対策などに携わることもあります。 |
完全在宅勤務・
フルリモートワークの求人
通勤がつらい!
出社しなくても仕事ができる求人を紹介!
毎月25万円以上は欲しい!
固定給25万円以上の求人をまとめました。
賞与5カ月以上!
賞与・ボーナス5カ月以上の求人をまとめました。
毎週2日間休みが欲しい!
完全週休2日制の求人をまとめました。
フロントエンドエンジニアと似ている職種・仕事の違い
フロントエンドエンジニア以外にも、Webサイト・アプリケーションの開発に携わる職種は領域別に細分化され、それぞれがスキルを発揮して一つの制作物を作り上げています。
ここでは、フロントエンドエンジニアと関連する下記の職種について、違いを見ていきましょう。
- バックエンドエンジニア
- マークアップエンジニア(Webコーダー)
- Webデザイナー
- UIデザイナー
- Webディレクター
バックエンドエンジニアとの違い
フロントエンドエンジニアはユーザーが直接触れる部分の開発を担当するのに対して、バックエンドエンジニアはユーザーからは見えない裏側で動作しているサーバーサイドの開発を担当します。
具体的にはデータベースの設計や、アプリケーションを接続するAPIの開発、セキュリティ対策などが挙げられます。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアでは、担当する領域が大きく異なり、使用するプログラミング言語も違います。
フロントエンドエンジニアは主に HTML、CSS、JavaScript、バックエンドエンジニアはPHP、Ruby、Javaなどを用います。
マークアップエンジニアとの違い
マークアップエンジニアとは、Webサイトの文字やデザイン、レイアウト、画像などが正確に表示されるよう、HTMLやCSSを使ってコンピューターに指示を与える仕事です。この業務はコーディングといいます。
フロントエンドエンジニアとマークアップエンジニアでは、業務領域の面に違いがあります。
コーディングの役割に特化したマークアップエンジニアに対して、フロントエンドエンジニアはJavaScriptによるプログラミング、ユーザー認証、Webサイトの制作・運用を行うCMSの構築、バックエンドとの接続などを幅広く担います。
Webデザイナーとの違い
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを担当する職種です。
WebサイトやWebページ、バナーのレイアウトや背景、色使い、文字・ボタンの体裁などをデザインし、ビジュアル面を作り込みます。
それに対してフロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが作成したデザインを技術面で具現化できるか精査し、Web画面上への実装や動的な要素の処理、データベースとの連携などを検討・設計・開発します。
Webデザイナーとフロントエンドエンジニアの間では、デザインデータが共有され、技術面でデザインのイメージを具現化できるかどうかなどの検討が行われるため、役割に違いはあるものの関わりが深い職種です。
UIデザイナーとの違い
UIとは「ユーザーインターフェース(User Interface)」の略で、Webサイトではユーザーが直接操作する接点の部分を差します。
そのデザインを行うUIデザイナーは、Webデザイナーと重なる面が多いですが、Webデザイナーと比べてよりユーザー目線を意識し、使いやすさ(ユーザビリティ)の観点からブラウザ画面のデザインを検討・制作します。
UIデザイナーはUIの面に専門性を発揮しますが、フロントエンドエンジニアはUIを含めたフロントエンドに広く携わるという点で役割の違いがあります。
Webディレクターとの違い
Webディレクターとは、Webサイトやアプリケーションの制作・開発プロジェクト全体をまとめる立場です。
どんなWebサイトにするのかを企画・検討する段階から関わり、決まった企画・方向性に応じてデザイナーやエンジニアなどに実務を手配、進捗を管理しながら完成を目指します。
Webディレクターは企画や取りまとめ、進行管理などを行い、フロントエンドエンジニアはWebディレクターの指揮のもとで設計・開発を担うため、立ち位置や対応領域に違いがあります。
フロントエンドエンジニアのやりがい
Web上のコンテンツやアプリケーション、サービスは、多様化し続けています。
ユーザーとの接点を担うフロントエンドエンジニアの活躍フィールドもますます広がり、多様なやりがいを得ることができるでしょう。
なかでも強く実感できるのが、下記3つのやりがいです。一つひとつ解説します。
- 最新の技術に触れられる
- さまざまな分野に関われる
- クライアントの声から達成感を得られる
最新の技術に触れられる
フロントエンドエンジニアは、ライブラリやフレームワークなどを活用し、ユーザーの操作に対する制御などの実装を担当します。
そのために駆使されるWebページ生成・表示の技術や、ライブラリ、フレームワークの技術は常に進化しており、フロントエンドエンジニアは実務を通して最新技術に触れることができます。
さまざまな分野に関われる
WebディレクターやWebデザイナー、マークアップエンジニア、バックエンドエンジニア等、多職種と連携しながらフロントエンド全般に幅広く関与できることは、フロントエンドエンジニアならではの魅力です。
Webサイト・サービスの企画・設計においても、実現性の検証や技術・フレームワークの選定といった面で貢献できます。
更にはサーバーサイドとの調整・連携、運用後の改善など、フロントエンドに留まらない幅広い分野に携わることが可能です。
クライアントの声から達成感を得られる
フロントエンドエンジニアは、クライアントや自社のプロモーション・サービス担当等の要望・イメージを目に見えた形で具現化するため、その反響や評価などのフィードバックを受けやすいでしょう。
また、フロントエンドはユーザーが直接接触する部分であり、「使いやすい」「便利になった」「ここは改善してほしい」など、実際に利用したユーザーからの声も励みにできます。
こうしたクライアントやユーザーからの反響が届きやすく、仕事の達成感を得られることは大きなやりがいになります。さまざまなフィードバックをもとに、スキルアップに取り組みやすい仕事です。
フロントエンドエンジニアの平均年収・相場
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、フロントエンドエンジニアを含むシステムエンジニア(Webサイト開発)の平均年収は557.6万円とあります(※1)。
同サイトの年齢別の年収によると、年齢に応じて年収が挙がっていく傾向があり、25~29歳の平均年収は453.91万円、ピークは55~59歳で732.17万円という結果が見られます。
国税庁によると、給与所得者全体の平均は458万円(令和4年度)である(※2)ため、比較的年収の高い職種といえるでしょう。
また、「マイナビ転職」の2024年版 職業別 モデル年収平均ランキングによると、フロントエンドエンジニア・コーダーのモデル年収平均は548万円で、調査対象の全322職種中114位です。
全体の中位以上にランクインしていることからも、比較的高い水準にあることが推察できます。
フロントエンドエンジニアに求められる6つのスキル
フロントエンドエンジニアは、フロントエンド全般の開発に携わり、デザイン面~設計・開発面に関するスキル、更にはマーケティングスキル、バックエンドに関する理解など、幅広いスキルが求められます。
ここでは、フロントエンドエンジニアに求められるスキルを下記6つに整理し、一つひとつ解説します。
- HTMLやCSSなどを用いたコーディングスキル
- JavaScriptやフレームワークを活用したプログラミングスキル
- CMSでのWebサイト構築に対応できるスキル
- バックエンドやデザインに関するスキル
- UI・UX設計に関するスキル
- チームやメンバーを管理するためのマネジメントスキル
HTMLやCSSなどを用いたコーディングスキル
Webサイトを構築するためのベースとして、ブラウザへの表示を指定するHTMLや、テキストの色や大きさ、位置といったスタイルを設定するCSSなどを使いこなすスキルが必要になります。
決して習得が難しいスキルではなく、プログラミング初心者でも身に付けやすいため、独学で学んだというエンジニアも少なくありません。
とはいえ、フロントエンドエンジニアは自らHTMLやCSSを使ってWebサイトを構築するだけでなく、マークアップエンジニアからの相談や、各プロジェクトのHTML・CSSに関するガイドラインの策定などに対応するケースもあるため、より高度な理解が求められるでしょう。
JavaScriptやフレームワークを活用したプログラミングスキル
Webサイト・アプリケーションのフロント周りでは動的な表現が駆使されており、その構築を行うプログラミング言語・JavaScriptの活用スキルも、フロントエンドエンジニアにとって必須といえます。
最近のフロントエンド開発では、JavaScriptのよく使われるコードを集めたライブラリや、開発の枠組み・テンプレートとして機能するフレームワークを活用することが多く、それらを効率的に使いこなすスキルも求められます。
プロジェクトによって何を使うのかは異なりますが、ライブラリではjQueryやReactなど、フレームワークではAngularJSやVue.jsなどを活用することが主流です。
CMSでのWebサイト構築に対応できるスキル
Webサイトは構築して終わりではなく、編集・更新が随時行われます。
編集・更新の際にはHTMLやCSSを使うことなく、テキストや画像、レイアウト、デザインの変更・更新、新規ページの制作などを簡単に行うことができるCMSが欠かせません。
CMS導入の際には、フロントエンドエンジニアがCMSをWebサイトに組み込む必要があるため、フロントエンドエンジニアにはCMSの導入・運用に関する知識・スキルが求められます。
現在はさまざまなCMSがあり、主にWordPress、Movable Typeなどが挙げられます。
バックエンドやデザインに関するスキル
フロントエンドは他領域と広く連携しながら機能するため、フロントエンドエンジニアは関連する領域の知識・スキルを広く身に付けておく必要があります。
その一つとして重要なのが、バックエンドに関する知識です。
サーバーサイドでの処理やデータベースの構成などについて、バックエンドエンジニアと情報共有や検討を行うシーンが多く、バックエンドに関する知識がないと話がかみ合わない事態になってしまいます。
また、デザインに関する知識も持ち合わせておく必要があります。
フロントエンドエンジニアは、デザインについてWebデザイナーと検討を重ねることが多く、時には自らデザインしたり、修正したりすることもあります。
バックエンドやデザインについては専門的な知識・スキルまでは求められませんが、それぞれバックエンドエンジニア、Webデザイナーと円滑にコミュニケーションや連携を取れるよう、基本的なところは理解しておくことが大切です。
UI・UX設計に関するスキル
文字の大きさや行間、画像やボタンの配置、見やすい色使いやレイアウト、商品購入に至るスムーズな導線など、使いやすさや見やすさに関わる要素は、ユーザーとの接点を担うフロントエンドエンジニアにとって重要な要素です。
UI・UXについて理解しておくと、WebディレクターやWebデザイナー、UI・UXデザイナーと企画・デザインについて検討する際、エンジニア側から提案・指摘をしやすく、ユーザー目線に配慮した設計・開発に生かすことができます。
チームやメンバーを管理するためのマネジメントスキル
フロントエンドエンジニアは、単独で仕事に取り組むのではなく、フロントエンドの開発チームや他領域・他職種の人たちと連携・調整することの多い立場です。
リーダーやマネジャーとしてチームのまとめ役や他領域との調整役を担うこともあります。
チームやメンバーの管理を的確に行うことが、成果物の品質にも大きく関わるため、技術面だけでなく、マネジメントスキルを磨いていくことが大切になります。
完全在宅勤務・
フルリモートワークの求人
通勤がつらい!
出社しなくても仕事ができる求人を紹介!
毎月25万円以上は欲しい!
固定給25万円以上の求人をまとめました。
賞与5カ月以上!
賞与・ボーナス5カ月以上の求人をまとめました。
毎週2日間休みが欲しい!
完全週休2日制の求人をまとめました。
フロントエンドエンジニアに向いている人の5つの特徴
前項ではフロントエンドエンジニアに求められるスキル面を解説しましたが、では人物面ではどんな人が向いているのでしょうか。向いている人の特徴を下記5つにまとめました。
- さまざまな人と円滑にコミュニケーションを取れる
- 最新の技術や情報に興味があり日々収集している
- 状況に合わせて臨機応変に対応できる
- ユーザー目線で考えられる
- 人を感動させたい・楽しませたい
さまざまな人と円滑にコミュニケーションを取れる
フロントエンドエンジニアは、WebディレクターやWebデザイナー、マークアップエンジニア、バックエンドエンジニアなど、それぞれの役割を担う人たちとコミュニケーションを取り、方向性を合わせながら業務を進めます。
お互いの意見・意向が合わないことも珍しくなく、ユーザーやクライアントにとってより良い成果物になるよう、それぞれの意向をふまえながら丁寧にすり合わせて調整することが大切になります。
プログラミングを進めるだけでなく、いろいろな人と関わるシーンが多いため、円滑なやりとりができる人がフロントエンジニアに向いています。
最新の技術や情報に興味があり日々収集している
Webサイト・アプリケーションの操作性やレスポンスの向上、サーバーへの負荷軽減など、ユーザーの使いやすさを更に高めるべく、フロントエンドでは新しい技術が続々と生まれ、取り入れられています。
フロントエンドエンジニアにも、常に技術の更新が求められます。
最新のWebサイトにはどんな技術が用いられ、どんな仕組みでページが生成・表示されているのか、React、AngularJS、Vue.jsなど最新のライブラリやフレームワークをどう活用するのかなど、最新情報をこまめに収集し、新しい動きに気づくアンテナを張っている人が、フロントエンドエンジニアに向いているでしょう。
状況に合わせて臨機応変に対応できる
フロントエンドの開発は、デザインやバックエンドなど他分野と連携して進めるため、他分野の状況に影響されることが少なくありません。
予期せぬトラブルが起きた際にも、単独で解決するだけでなく、他分野にも目を向け、原因を特定して対処する必要があります。
また、開発に着手した後にも、クライアントから追加の要望が届いたり、バックエンドの仕様が変更されたりすることもあり、そうした変更に応じてフロンドエンドの軌道修正を行うことが求められます。
このように幅広い領域に関与するフロンドエンドエンジニアには、他分野の動きを含めてプロジェクト全体の状況を冷静に見極め、臨機応変に対応できる人が向いています。
ユーザー目線で考えられる
フロントエンドエンジニアはユーザーが直接見て触れるインターフェースを構築するため、仕事の成果がクライアントからはもちろん、ユーザーから直にコメント等で評価されることも多いでしょう。
フロントエンドエンジニアはユーザーとの距離がそれほど近い仕事のため、大切になるのはユーザー目線で考えることです。
初めて利用したユーザーでも直感的にサクサクと使えるように設計ができるなど、ユーザー目線を常に意識して取り組める人ほど、クオリティやパフォーマンスの高いサイトづくりができ、ユーザーからの高評価に結びつくでしょう。
人を感動させたい・楽しませたい
フロントエンドエンジニアは、JavaScriptやフレームワーク等による動的な演出や、スムーズな操作性の実現、ページ読み込みの高速化などを目指し、サイトの利便性やエンターテインメント性を高め、そのサイトやアプリケーションで得られる体験をより充実したものにしていきます。
「画面をスクロールするとアニメーションが連動し、見ているだけで楽しい」「ちょうど知りたいと思った情報がポップアップで出てきた」など、既存の枠にとらわれずさまざまな技術や表現を通して、ユーザーを楽しませたい、感動を与えたいと考えている人に向いています。
フロントエンドエンジニアに役立つ資格
フロントエンドエンジニアになるうえで必須の資格はありませんが、下記の資格を取得するとスキルの証明になり、資格取得時に身に付けた知識・スキルは実務に役立ちます。
資格名 | 内容 |
---|---|
基本情報技術者試験 | ITエンジニアの登竜門とされ、システム・ソフトウエアに関する基本知識を広く網羅した国家資格です。 |
ウェブ解析士 | Web解析データを分析・駆使するスキルを身に付け、デジタルマーケティングを実行できる人材を目指す資格です。 |
HTML5 プロフェッショナル 認定試験 |
HTML5、CSS3、JavaScriptなど、フロントエンドに欠かせないマークアップに関する知識・スキルを認定する資格です。 |
Webクリエイター 能力認定試験 |
Webサイトの制作に必要なデザインスキルやHTML・CSSによるコーディングスキルを認定する試験です。 |
ウェブデザイン 技能検定 |
国家検定制度の一つで、Webデザインに関する知識・技能・実務能力などが問われます。 |
CIW JavaScript Specialist | フロントエンドエンジニアの必須スキルであるJavaScriptに関する知識・スキルを認定する国際資格です。 |
PMP(R) | プロジェクトマネジメントのスキルを認定する国際資格です。資格取得にはマネジメント業務の実務経験と研修受講が求められます。 |
フロントエンドエンジニアの将来性
総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」にまとめられた情報通信機器の保有状況に関する調査結果によると、2022年の情報通信機器の世帯保有率は「モバイル端末全体」で97.5%に達し、そのうち「スマートフォン」は90.1%、パソコンは69.0%と、いずれも高い保有率が示されています。
同概要では2022年のインターネット利用率(個人)は84.9%という結果も見られます。
スマートフォンの保有率が年々上昇し、幅広い世代の個人にインターネットの利用が広がるなか、WebサイトやWebサービス、アプリケーションなどの開発を担う職種として、フロントエンドエンジニアの需要は更に高まっていくことが予想されています。
スマートフォンやパソコンのみならず、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTの普及・進化も今後ますます進むことから、ユーザーインターフェースという重要部分を担うフロントエンドエンジニアの活躍の場はいっそう広がることでしょう。
フロントエンドエンジニアのキャリアパス
フロントエンドエンジニアの役割は、コーディング、プログラミング、バックエンドとの接続、CMS構築などを幅広く包括しています。
そのため、まずはキャリアの入口として、マークアップエンジニアやコーダーとして経験を積み、フロントエンドに関する理解やユーザー目線、JavaScriptによる開発スキルなどを養ったうえで、フロントエンドエンジニアへステップアップするのが一般的なキャリアパスです。
フロントエンドエンジニアからのキャリアパスとしては、UI・UXに特化したエンジニアとして専門性を深めることもできれば、バックエンドやアプリケーション自体の開発までスキルを広げ、サーバーサイドエンジニアやフルスタックエンジニアを目指すことも可能です。
マネジメント志向が強い場合は、フロントエンドの開発チームを取りまとめるリーダーやマネジャーへの道もあります。
あるいは、フロントエンドエンジニアの経験を生かし、WebデザイナーやWeb関連の企画・マーケティング・制作・収益化に関わるWebディレクターや、Webプロデューサーへキャリアチェンジするルートもあります。
フロントエンドエンジニアへの転職を未経験から実現するポイント
フロントエンドエンジニアは、広く高度なスキルが求められるため、まったくゼロからキャリアをスタートさせることは難しいといえます。
しかし、実務未経験であっても、スキルの習得や実績づくりを行うことで転職の可能性は広がります。
ここではそのポイントを下記4つにまとめ、一つひとつ解説します。
- Webサイト構築やコーディングなどのスキルを学ぶ
- スキルレベルをアピールできる成果物を作成する
- 副業が可能な場合はクラウドソーシングで実績をつくる
- 「未経験可」の求人に応募する
Webサイト構築やコーディングなどのスキルを学ぶ
フロントエンドエンジニアに必要となるスキルを習得しておけば、実務経験がなくても転職でのアピール材料になります。
デザイン・コーディングに必要となるHTML、CSSなどのマークアップ言語や、Webサイトに動きをつけるJavaScriptの習得は必須です。
更に踏み込み、開発実務で使う機会の多いJavaScriptのライブラリやフレームワークの活用を習得しておくと、より強くアピールできるでしょう。
フロントエンドエンジニアは、担当するWebコンテンツやアプリケーション、サービスなどによって求められるスキルやレベルが異なるため、志望する企業が決まっている場合には、求人情報から必要なスキル要件を確認し、それらを重点的に学ぶと良いでしょう。
独学で学ぶことも可能ですが、独学では難しい場合には、プログラミングスクールに通う、オンデマンドのオンライン学習を活用して学ぶなどの方法があります。
スキルレベルをアピールできる成果物を作成する
習得したスキルをいかに客観的なかたち、つまり成果物としてアピールできるかが、転職では重要なポイントになります。
未経験の場合は実務上の実績がないため、自主的に成果物をつくることをおすすめします。
具体的には、独学やスクール、オンライン等で学んだ知識・スキルをもとに、動きのあるWebコンテンツやECサイトなどを制作し、オリジナルのポートフォリオとしてまとめておくと、転職活動の際にアピールしやすくなります。
ポートフォリオでは、成果物や使用言語・ツールを羅列するだけでなく、それを制作した要件や背景、こだわったポイントなどを整理して記載しておくと、採用担当がスキルや適性、自社との相性をより理解しやすくなるでしょう。
副業が可能な場合はクラウドソーシングで実績をつくる
前項の自主制作による成果物だけでなく、何らかのかたちで実際の案件を手掛けた実績があると、実務経験者として認識されやすくなり、転職の可能性を広げられるでしょう。
現職で副業が認められている場合は、クラウドソーシングに登録し、習得したスキルをもとにランディングページ(LP)やECサイトなどの制作・構築案件に応募してみることをおすすめします。まずは簡単なところから受注し、地道に実績を積み上げていくことで、自身のスキルアップにつなげられ、ポートフォリオに厚みをもたせることができます。
「未経験可」の求人に応募する
求人情報に「未経験可」「未経験歓迎」といった文言が記載されていれば、実務経験の有無にかかわらず、フロントエンドエンジニアに必要なスキルを習得していれば転職のチャンスがあります。
未経験者にも門戸を広げている企業は、入社後の研修・教育やサポートの体制が整っている場合もあり、研修や職場でのOJTを通して、フロントエンドエンジニアに必要なスキルを習得できます。
留意点として、「未経験可」の求人であっても、実際には実務経験者を優先し、未経験者採用の可能性がごく限られているケースもあります。
例えば、「求める人材」欄に歓迎する経験・スキルが優先して記載されている求人は、経験者寄りの場合があり、保有スキルやポートフォリオのアピールが欠かせないでしょう。
完全在宅勤務・
フルリモートワークの求人
通勤がつらい!
出社しなくても仕事ができる求人を紹介!
毎月25万円以上は欲しい!
固定給25万円以上の求人をまとめました。
賞与5カ月以上!
賞与・ボーナス5カ月以上の求人をまとめました。
毎週2日間休みが欲しい!
完全週休2日制の求人をまとめました。
フロントエンドエンジニアとして開発に携わろう
フロントエンドエンジニアは、Webサイトのブラウザ側(表示部分)をつくる仕事です。
成果が目に見えたカタチとなり、やりがいを強く実感できます。ポータルサイトやプロモーションサイト、動画・音声配信、SNS、EC、業務支援ツール、新しいWebサービスの立ち上げなど、さまざまな開発に携わるチャンスがあり、将来的にスキル・キャリアの広がりを期待できる職種です。
必要な知識・スキルは多岐にわたり、決して簡単な仕事ではありませんが、未経験からの転職チャンスは十分にありますので、「マイナビ転職」で求人情報をチェックしてみてください。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
≪併せてチェック≫
人気求人特集
豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。