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仕事のやりがいは無理に見つける必要はない。でも心掛け一つできっとたどりつける。

「今の仕事が不満」という人の中には「仕事にやりがいを感じられない」「仕事がつまらない」という声も多いようですが、そもそも「仕事のやりがい」とはどういうものなのでしょうか。必要なものなのでしょうか。どうすれば、「やりがいのある仕事」に出合うことができるのでしょうか。

そこで、キャリアカウンセラーとして幅広い層の就職・転職の悩み相談に答えてきた三上温子さんに、「仕事のやりがい」についてお話を伺いました。

三上温子さんの写真1

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相談者の多くは「やりがいなし」の「不満あり」

――三上さんのもとにご相談に来る転職希望者の方々は、どんな理由で「今の仕事に不満」と感じていることが多いですか?

三上:理由を伺うと、やはり多くの方が「やりがいがない」とおっしゃいますね。ただ、なぜそう感じるのかを一緒に探っていくと、「単調な仕事に飽きてしまった」「仕事がつまらない」「職場での人間関係がうまくいかなくて」「頑張っているのに全然給料が上がらない」など、「実は……」といろんな不満を打ち明けてくださいます。「勤務先が遠くて通勤が大変」「残業が多くて休みもなかなか取れない」といった職場環境面の不満を口にされる方も少なくありません。

転職のご相談をされる方々は、今の仕事に何かしらの不満や不安を抱かれています。しかし、「そんな小さなことで悩んでいるなんて」「考えが甘い」と思われてしまうのではないかと危惧されているためか、そうした不満をひっくるめて、総じて「やりがいがない」という言葉でひとくくりにされているのでしょう。

――「やりがい」という言葉は漠然としていて、何となく口にしている方も少なくないのかもしれませんね。では、そもそも「仕事のやりがい」とは何なのでしょうか?

三上:「仕事のやりがい」とは、社会と本人の関係の中で生まれるものだと思っています。自分の仕事の成果が社会にどう生かされ、どんな「評価」を得られるのか。それによって自分は「何を得られ」て、自分の「将来」にどうつながっていくのか。このストーリーに対して自分なりに満足感を得られている状態が、「やりがいがある」ということだと考えます。

つまり、やりがいの軸となるのは、社会と本人との関係の中にある「評価」「報酬」「将来」という3つの要素。ここでいう「報酬」とは、何もお金だけに限りません。お客さまから感謝された時の喜び、チームに貢献できた時の充実感など、目に見えない形でも仕事に対する報酬は得ることができます。

――社会との関係性は、なかなかつかみにくいものではないでしょうか?

三上:社会というと大げさに聞こえるかもしれませんね。もっと身近な視点で考えていただけると分かりやすいと思います。

例えば職場の同僚や友達、家族という自分の周囲の存在も、「社会」の一部分に含むことができますよね。「あなたの作った資料がすごく役に立ったよ」。職場の同僚からそんな感謝の一言をもらうだけでも、「私は頼りにされているんだ」と、自分の存在意義を確認でき、また友人や家族からの励ましがあれば、満たされた気持ちになりますよね。

なおかつ、その働きによって経験・スキルが磨かれ、自分の将来の成長につながっていくのなら、やりがいはますます膨らんでいくものです。

やりがいは無理に見つける必要はない

――そうした「やりがい」は、やはりあったほうが良いのでしょうか。

三上:無理に見つけようと焦る必要はありません。ただ、仕事は支え合いのうえで成り立つもの。自分の仕事が誰かのためになり、その成果が自分にも返ってくる。そんな実感を得られるほうが、仕事へのモチベーションも前向きに変わっていくと思います。

最初に挙げた不満も、支え合いの関係性に起因していると思います。「単調な仕事に飽きてしまった」「仕事がつまらない」というのは、仕事の成果が周りにどう生かされているのかが見えにくく、「このまま続けていいのか」という将来の不安もぬぐい切れない状態だと言えます。

「人間関係がうまくいかない」というのは、職場でお互いを認め合う関係性が薄れてしまっていることが考えられます。給料や休みなどの待遇に対する不満は、自分はこれだけ価値を提供しているのに、満足のいく報酬が返ってこないと感じるからです。このように、周囲との関係性のなかで「評価」「報酬」「将来」のバランスが崩れると、不満や不安がむくむくと押し寄せてしまいかねないのです。

やりがいを見つけるには「当事者意識」を持つこと

――では、今の仕事にやりがいを感じるためには、どんなことを心掛けると良いでしょうか。

三上:その仕事の当事者としての意識を持って仕事に取り組むことだと思います。これは、どんな仕事にも共通することです。指示どおりにこなし、他者に依存していたほうが楽ですよね。ただ、その状態が続くと、自分の存在意義を見失い、やがて “やらされている感”ばかりが募ってしまいかねません。

当事者には仕事に対する責任が伴います。納期を守るために関係先との調整に奔走したり、お客さまの要望に応えるために知識の習得に励んだり、苦労もつきものです。しかし、自分なりに考え、行動を起こすという姿勢で仕事に臨めば、周囲に影響を及ぼすことで「評価」が生まれ、自分自身も鍛えられるという「報酬」を得て、「将来」への成長にもつながり、こうしてやりがいに近づいていくのだと思います。

――具体的にはどんな行動に移すとよいでしょうか?

三上:与えられた仕事に対して、自分なりに課題を立て、業務の改善や効率化のための工夫にチャレンジすること。そうした積極的な行動が大切です。また、その仕事のスキルを突き詰めていく、例えば後輩にその仕事を教えられるようになるくらいまでその業務への理解を深める、これをひとつの基準にしてその仕事のスキルを突き詰めていくのも良いでしょう。周囲から「あなたに任せれば安心」「後輩のサポートもしてくれて助かる」といった評価に結び付き、やりがいを実感しやすくなると思いますよ。

――ただ、一人で黙々と進める仕事や、ルーティン業務を繰り返す仕事など、周囲とのかかわりや変化が少ない仕事もあります。そんな場合には行動に移しにくく、やりがいを見いだしにくいのでは?

三上:ひたすらコツコツと、淡々と仕事を積み重ね、決められた役割を全うすることに満足感を得られる方もいるはずです。その積み重ねを通じて、業務一つひとつが熟練されていくことに喜びを感じることができるでしょう。更に踏み込んでいくと、慣れていくにしたがって、「もっとこうしたほうがいいのに」という改善の芽もきっと見つかるはずです。そこから目を背けるか、積極的にかかわっていくか。そこも一つの分岐点では?

また、どんな仕事であっても、その仕事を取りまとめる責任者がいますよね。例えば責任者に作成した資料など成果物を報告・提出する際、「こんなやり方をすればもっとスピードアップができると思いました」といったコメントを付ける。ちょっとした工夫でいいんです。そんなコメントに対して、責任者は意欲を認めてくれて、工夫を取り入れてくれるかもしれません。たとえ認められなくても、当事者として仕事にかかわっている自覚を得ることができ、更にそれによってスピードアップという目に見えた成果に結び付けば、やりがいをいっそう強く感じられるはずです。

「見切りをつけて転職」してもいい。人生は自分でコントロールできる

――そうした行動に移しても現状が変わらず、やりがいを見いだせない場合には?

三上:まずは自分なりにやってみることが大切ですが、それでもやりがいにたどりつけなければ、無理に我慢することはないと思います。「工夫を重ねても当事者としての自覚が得られない」「これ以上のスキルアップが見込めず、将来が不安」。そんな不満や不安を払拭(ふっしょく)できないようなら、スパッと見切りをつけて転職に臨む。それでいいと思います。

大切なのは、「自分の人生は自分自身でコントロールできるんだ」という意識を持つことです。今の仕事を続ける選択肢もあれば、新しい仕事に変える選択肢も自分の中にあるのですから。

三上温子さんの写真2

――もしやりがいを求めて転職するなら、同じような不満や不安を繰り返さないためにどうすればよいでしょうか。

三上:やりがいの軸である「評価」「報酬」「将来」の何を重視するのか、どんなバランスで満たされるのが自分に合っているのかなど、やりがいの感じ方は本人によって違うと思います。だからまず、自分が仕事に対して「何を求めるのか」「何をやりたいのか」を考えることが大切ですね。「やりがいがない」と感じ始めた時は、自分を見つめ直し、点検してみるいい機会なんです。

仕事を探す前に「手に入れたいモノ・コト」を挙げてみる

――とはいえ、何からどう考えていけばいいのか、難しいように思います。

三上:最初は難しくとらえず、「こんな車が欲しい」「こんな上司と一緒に働きたい」など、欲しいもの、手に入れたいことを思い付くまま気楽に書き出してみてください。たくさん出てくると思います。ただ、それだけでは、単なる自己満足やワガママの羅列で終わってしまいます。

自分のニーズを探ったうえで、大切なのは、手に入れたいモノ・コト、つまり「報酬」を得るために自分と社会との関係性に立ち戻ること。何かを提供すれば欲しいものを得られる、という物々交換の原則に立ち返り、自分が社会に提供できるものは何かを考える、という視点です。

ここでも「社会」と「報酬」を最初から大げさにとらえるのではなく、「家族のため」「友達のため」など、身近な人と自分との関係性の中で考えてもいいと思います。例えば身近な人からありがとうと感謝されうれしく思う、これも立派な「報酬」と言えるでしょう。

そこから、「こんな商品をつくれたら、友達もみんな便利になるだろうな」「こんなサービスに携われば、親の世代も喜んでくれるだろうな」と、考えを広げていきます。こうして何かを提供することで得られる報酬、これを「やりがい」と名付けることで、やりがいとは会社や仕事そのものがもともと持っている性質ではなく、自分の中から湧き出てくる価値観であると言うことができます。

――自分に身近なところから考え始め、視野を広げていくということですね。

三上:そうです。視野を狭めてしまったままでは、自分にとってのやりがいにたどりつけるはずもなく、不満のループを断ち切れず、「この会社も自分に合わなかった」と、納得のいかない転職を重ねてしまいかねません。視野を広げるためには、今自分が考えていることについてできるだけたくさんの人と話し、意見に耳を傾けることが大切です。

仕事ややりがいについては、10人いれば10とおりの意見や感じ方があります。アンテナを張り、いろんな人の考え方に触れることで、「実は自分の求めているものは、今まで考えてもみなかった分野での仕事にあるかもしれない」と、新しい発見に出会えるチャンスも広がっていくはずです。

興味を持った仕事は、ニュースや企業情報も調べてみて

――視野を広げ、そこから具体的な仕事・企業選びにどう落とし込んでいけばいいのでしょうか。転職サイトの活用方法も含め、アドバイスをいただけますか?

三上:業界、職種、働き方など、何でもいいので自分なりにピンと来たキーワードがあれば、転職サイトで検索してみるといいと思います。そして、興味を抱いた仕事や企業が見つかれば、求人情報だけではなく、企業情報を広く検索し、ホームページやニュース記事、経営者や社員のブログなども広く読み込み、経営トップや社員の思い、スタンス、社風などを自分なりに解釈し、それが自分に合っているかどうかを検討してみること。

でも、文面だけでは判断せず、興味がある企業には積極的に応募し、企業を訪れ、そこで働く社員の話を聞いてみることをおすすめします。それぞれに事情があると思いますが、「転職先を早く決めないといけない」と焦るのではなく、いろんな仕事・企業にアプローチし、話を聞くだけでなく自分自身の想いを人に語る機会を多く持つことで、自分の求めるやりがいとは何であるのか、きっとたどりつけると思いますよ。

三上温子さんのプロフィール写真

三上 温子(みかみ あつこ) profile

キャリアカウンセラー。「組織コンサルの会」所属。
就職・転職相談対応、キャリアデザイン講座、国家資格キャリアコンサルタント養成講座、企業の新卒・中途採用業務支援を通じ、個人と組織の理想的な在り方を追求。「番外編」としてアーユルヴェーダセラピストの資格を持ち、キャリアと心身の健康の両面から自分らしく力強い生き方を支援する活動も展開中。

マイナビ転職 編集部

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