AIの急速な進化には、海外の大手IT企業の存在も大きいです。
やはり海外の大手IT企業が、資金や技術者といった巨大な資本を生成AIの開発に投資しています。
生成AIのディープラーニングや言語処理の能力が上がる。同時に、そういった大手企業が切磋琢磨し、資本の投資を積極的に行っていく。その結果、現在のAIの急激な進化につながっていると考えています。
更新日:2026年09月28日
監修者細川 義洋
ITコンサルタント、政府CIO補佐官
記事まとめ(要約)
文章を作る、情報を集める、データを整理するといった作業では、すでにAIの活用が広がっており、「AIに仕事を奪われるのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。
しかし、職種だけを見てAIに仕事を奪われるかどうかは判断できません。一つの職種のなかにもAIに任せやすい業務と、人間のほうが力を発揮しやすい業務があります。
この記事では、ITコンサルタントで、内閣官房政府CIO補佐官を務めた細川義洋さんに、AIの得意・不得意から、AIに奪われにくい仕事の特徴、これから求められるスキルやキャリア戦略まで聞きました。
AI時代に人が担う仕事にはどのような特徴があるのか、これからどんな力を伸ばすべきかも解説しているので、参考にしてください。
AIが仕事を奪うと言われる背景には、主に次の2つがあります。
文章作成や情報整理など、身近な業務にもAIが入り始める一方、企業側でも人手不足や業務効率化を背景に活用が進んでいます。以下では、それぞれ詳しく見ていきます。
AIを使って業務を効率化する取り組み自体は以前から存在しており、1990年代にもコンピューターに一定の推論をさせる仕組みがありました。
しかし近年では、ディープラーニングの実用化によって、AIのできることが少しずつ増えてきました。なかでも、生成AIの登場は大きな転機になり、2023年ごろからは急激な進化を続けています。
これまでコンピューターが得意としてきた大量のデータ処理だけでなく、文章を書く、要約するといったテキスト生成、情報を整理するといった作業までできるようになりました。更に、コードや画像、動画の生成まで可能になっています。いずれも、さまざまな職種の人が日常的にパソコンで行っている仕事です。
生成AIが急速に進化していくと同時に、企業では人手不足や業務効率化へのニーズが高まってきました。
人数の限られた会社では、契約書の確認や帳簿管理、問い合わせ対応など、一つひとつの業務に十分な人員を配置できるとは限りません。規模の大きな会社でも、人や時間をどう配分するかは課題になります。
その中で、定型的な作業や繰り返しの多い業務をAIに任せられれば、人間は判断や企画、顧客対応などにより多くの時間を使えるようになるなど、需要と供給がマッチしたのです。
AIの急速な進化には、海外の大手IT企業の存在も大きいです。
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AIを仕事に取り入れるうえでは、どのような作業を任せやすく、どんな場面で人間の判断が必要になるのかを知っておく必要があります。
ここでは、現時点で見られる特徴をもとに、得意なことと苦手なことを整理します。
AIが力を発揮しやすいのは、繰り返しの作業や、ルールに沿った処理、大量の情報を扱う業務です。
例えば、情報を集めて整理する、文章を要約する、議事録をまとめる、翻訳するといった作業です。書類の内容を一定の基準で確認したり、多くのデータを分類したりすることにも向いています。
営業なら顧客情報の整理、経理ならデータの分類、企画職なら下調べというように、多くの仕事の中にAIに任せやすい業務があります。
AIが苦手とするものの一つが、必要な文脈や情報が十分に与えられていない場合の、個別の状況に応じた判断です。
例えば、同じ「大学生」でも、興味や考え方、家庭環境、置かれている状況は一人ひとり違います。こうした個別の情報が十分に与えられていなければ、AIは「大学生にはこういう傾向がある」という一般論に引っ張られ、目の前の一人を正確に捉えられないことがあります。
また、生成AIは、事実ではない内容をもっともらしく答える「ハルシネーション」を起こすことがあります。仕事で利用する際には、一次情報や公的資料などと照らし合わせて出力内容を確かめ、必要に応じて情報や条件を加えながら修正していく作業も必要です。
AIは演繹法。そのため、個別の事象に答えるのが苦手です。
生成AIはたしかに効率的に情報を処理し、答えを出すことができます。しかしそれは、全体的な傾向パターンを捉えて、確率の高いものを答えとして持ってきます。そのため、個別具体的な答えを出すことは難しいのです。
例えば、マスコミュニケーションの営業であれば一定の成果は出るかもしれません。しかし、担当者との密なコミュニケーションが必要な1on1の営業では、うまくいきづらい。
そういった、個別に見て、いろいろな情報を捉え、分析するといった部分は、AIにはまだまだ難しいでしょうね。
人間にしかできない仕事は、大きく分けて3つあります。
「非連続的な思考」とは、一見すると関係のない知識や経験を結び付け、新しい考えを生み出すことを指します。
AIも、既存の情報を組み合わせて新しい案を生み出すことはできます。ただし、人間のように、自らの経験や直感を手掛かりにしているわけではありません。
人間は、経験や直感をもとに、論理だけでは導きにくい発想へ飛躍できる点に特徴があります。
基準に沿った評価や順位付けはAIにもできますが、何を目指し、どの基準を重視するのかは、人間が決める必要があります。
例えば、商品企画なら、価格を重視するのか、デザインを重視するのか、使いやすさを優先するのかなど、プロジェクトの評価基準によって選ぶ案は変わります。
仕事の目的や方針、評価基準を定め、AIが示した候補の中から最終的にどの案で進むのかを決めるのは、人間の判断が必要です。
そして、候補を絞った後には、「本当にこの案で進めるのか」という決断が待っています。こうした最終判断を下すのは、やはり人間です。
過去の成功や失敗を通じて蓄積してきた知識や学び・経験をもとに、ロジックを組み立てる。そして、失敗する可能性も踏まえたうえで、リスクを引き受けて決める。
実際の仕事では、その判断を誰が承認し、どの人や組織が結果に責任を持つのかまで決める必要があります。AIが責任を持つことはできないからこそ、最終判断は人間に委ねられるのです。
まったく関係ないものを結び付ける。それができるのは人間なんです。
例えば、「携帯電話にカメラをつけたら売れる!」なんて発想、今のAIでもピックアップするのは難しいでしょうね。
人間のこういったひらめきとか思いつきというか。一見、まったく関係ないことから、一つの結論を導き出すことは人間にしかできないのです。
そして、それを「成功に導く!」という頑張り・モチベーションの部分。ここも一番人間らしいところであり、AIにはできないことでしょう。
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AIに奪われにくい仕事の特徴について解説します。
信頼関係や責任、現場での対応、課題の発見、創造性といった視点から見ていきます。
人との信頼関係を築き、相手の感情や反応をくみ取りながら進める仕事では、人間の役割が残りやすいです。
例えば、教育現場では、相手の理解度を見ながら、話すテンポや言葉の強弱を変えることがあります。更に、教える人の熱量や伝え方によって生徒の受け止め方が変わったり、普段から築いてきた信頼関係があるからこそ届く言葉もあります。
現場で状況に応じて目の前の相手に合わせて行動することを、AIに代替することは難しいでしょう。
最終的な責任や意思決定を伴う仕事では、人間が担う役割が残ります。AIは、膨大な情報を整理したり、判断材料や選択肢を示したりできます。実際の仕事では、そこからどの案を選び、その判断を誰が承認し、どの人や組織が結果に責任を持つのかまで決める必要があります。
例えば、コンサルタントなどでは、重要な判断を任せる相手として、これまでの実績や仕事ぶりも影響します。「この人の判断なら任せられる」と周囲が感じられるかどうかは、それまでに築いてきた信頼によって変わります。
判断した本人が結果について説明し、失敗した場合には責任を引き受ける。そうした積み重ねも、周囲からの信頼につながっていきます。
状況が刻々と変わり、その場で判断を求められる仕事では、現場で得られる情報や経験が大きく影響します。
例えば営業の場合、競合他社がどんな提案をしてきたのか、市場がどう動いているのか見ながら対応を考える。商談では、相手の表情や話しぶりを見ながら説明の仕方を変えたり、その場で紹介する商品やサービスを選び直したりするなどです。
こうした場面では、相手や状況の変化を見ながら、優先順位や伝え方をその都度調整していく柔軟さが求められます。
未知の課題を発見し、探究する仕事では、人の経験や感覚が生かされやすいでしょう。仕事の中には、まだ解くべき問題が明確になっていないものもあります。
研究開発の分野で、新しい医療や技術を開発する仕事は、AIに代替されにくい仕事の代表例です。また、それ以外にも人事職などでは「人事異動後に生産性が下がっているのは、チームの相性が合っていないのでは?」といった違和感を覚えることも、未知の課題の発見です。
こうした新しい分野の探求や、日々の仕事の中から違和感を見つけ、課題を掘り下げていくところには、人の経験や感覚が必要になります。
創造性やオリジナリティが価値となる仕事でも、人間が担う役割は残りやすいでしょう。前述した「非連続的な思考」が関わることが多い仕事です。
新しい企画や商品を考える場面では、情報収集や案出しなどにAIを活用できますが、そのうえで、どんな企画を目指すのか、何を重視して候補を選ぶのかは、人間が責任を持って決めていきます。
時々刻々に変わる状況に対応するのは、やはり「人」でないとできない。
リアルタイムで確認して臨機応変に対応するなどは、やはり、人間にしかできないでしょうね。AIは「想定していないこと」「未知の事象」にはめっぽう弱いです。
例えば、営業の仕事に落とし込むなら、相手の反応を見ながら、「今回、受注可能性は低いだろうから、関係だけ築いておくだけにしよう」といった判断など。
情報収集をし、整理するといったルールベースの仕事であれば代替可能ですが、人と関わる部分は、まだまだ人間の役割が大きいでしょう。
AIの普及によって、一つの職種を構成する業務の一部がAIに置き換わり、人間に求められる役割も変わりつつあります。では、どのような業務がAIの影響を受けやすいのでしょうか。
「定型作業」「反復作業」「ルールベースの作業」は、AIの影響を受けやすい業務です。
例えば、一定のルールに沿って情報を分類する、決まった形式で文書を作る、同じ処理を何度も繰り返すといった業務です。こうした作業は、処理の流れを明確にしやすく、AIの得意分野と重なります。
こうした部分をAIに任せられれば、人間は内容を確認したり、改善点を考えたり、その先の判断をしたりする仕事に時間を使えるようになります。
記憶に頼る作業も、AIの影響を受けやすい業務です。これまで、「この人に聞けば社内のことは何でも分かる」という人が重宝されてきた職場もあるでしょう。
例えば、伝票を出す時に何を確認するのか、誰の承認が必要なのか。あるいは、社内の制度や細かな業務手順を覚えていて、周囲から頼られている人もいます。
こうした知識は、これまでは一つのスキルとして評価されてきました。しかし、社内規則や過去の事例をAIからすぐに引き出せるようになれば、「覚えていること」だけの価値は下がっていく可能性があります。
情報収集や資料作成を中心とした業務も、AIによって変化しやすい業務です。
例えば、競合商品の情報や市場の反応、ニュースなどの情報収集です。情報源や更新日、内容の正確性などは人間が確認する必要がありますが、単純な作業のみの場合、AIで事足りるでしょう。
AIが情報収集を担うようになると、人間は「どの情報を見るのか」「そこから何を読み取るのか」に、より時間を使えるようになります。
資料作成では、AIが作ったたたき台を精査し、誰に何を伝える資料なのかを考えながら内容を整えていくことになります。
判断を伴う仕事でも、基準がはっきりしているものはAIに任せやすくなります。
例えば、「この条件に当てはまればA」「この場合はB」などと、明確な基準に沿って整理できる業務です。大量の書類を一定の基準で確認したり、情報を振り分けたりする一次的な判断は、その一例でしょう。
AIに一次的な判断を任せる場合も、例外への対応や判断基準そのものの見直しは必要です。運用を続けながら、基準が実態に合っているかを確認し、必要に応じて修正する役割を人間が担います。
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AI時代には、AIを活用しながら自分の仕事をどう変えていくかを考えることが重要です。ここでは、3つのポイントを解説していきます。
一つの仕事は、いくつもの業務から成り立っています。AIの活用が進めば、その中でも定型化しやすい業務からAIへ移っていくでしょう。
例えば、情報収集、分析、資料作成、商談の4つの業務があった場合、情報収集と資料作成はAIに任せて効率化し、人間は分析と商談の時間に時間を割くようになる、などです。
自分の仕事を業務ごとに分けてみると、AIに任せられる部分や、自分が担う部分、更に伸ばしたい部分が見えてきます。
AIに任せられる業務が増えるほど、人間とAIが役割を分担して働く場面も増えていきます。その中で^人間が担う役割の一つが、仕事の方向を決めることです。
例えば、新しい企画を考えるなら、情報収集やデータ整理、案出しなどにAIを活用できます。人間は仕事の目的や評価基準を定め、AIから出てきた案を確認しながら、どれを採用するのかを判断していきます。
AIを活用できる人材には、適切な指示を出し、返ってきた答えを見極める力が求められます。プロンプトの書き方など、AIをうまく操作する技術もその一つです。
AIは、時に誤った情報をもっともらしく示します。そこで、「この答えは本当に正しいのか」と疑い、AIが誤りやすい条件や出力の傾向を把握したうえで、必要な情報を与え直したり、指示を修正したりする力が求められます。
自分の専門知識を使ってAIの答えを確かめ、仕事に使える形へ整える力も必要になります。
AI時代に求められるスキルについて、解説していきます。
「帰納法的思考」とは、複数の個別事象を見比べ、共通点や規則性を見いだし、一般的な傾向や仮説を導く考え方です。導き出した仮説が妥当かどうかは、その後、更に検証していきます。
現場で起きていることを観察し、「そもそも何が問題なのか」を考える場面でも、帰納法的思考が役立ちます。前述した「違和感から課題を見つける力」ともつながっています。
ここでいう「正しい懐疑」とは、AIの出力をそのまま信じず、本当に正しいのかを確かめる姿勢です。
生成AIは、誤った内容をもっともらしく示すことがあります。そのため、出力を見た時に「これは本当だろうか」「何かおかしくないか」と疑い、自分の知識やほかの情報と照らし合わせる必要があります。
更に、間違いに気づいたら、どの情報や前提、指示が誤りにつながった可能性があるのかを確認し、必要な情報を追加したり、指示の仕方を変えたりします。AIが誤りやすい条件や出力の傾向を把握し、より正確な答えを得やすい状態に整える力も、これまで以上に必要になっていきます。
AIを仕事に生かすには、目的に応じてデータを整理・分類し、方向づける力が必要です。AIから役立つ答えを得るには、まずどんな情報を与えるのかを考える必要があります。
偏りや抜け漏れの少ないデータをそろえたうえで、「何のために使うのか」に合わせて分類や評価の仕方を決めます。同じデータでも、マーケティングに使うのか、営業活動に使うのかによって、見るべき項目は変わります。
AIを仕事で活用するうえでは、考えを筋道立てて整理する「論理的思考」も求められます。何を知りたいのか、どんな情報を与えるのか、どのような条件で考えてほしいのかを整理することで、AIへの指示も組み立てやすくなります。
AIから返ってきた答えに問題があれば、情報や前提、指示のどこに原因があるのかを考え、情報を追加したり、指示を組み直したりします。そのうえで、重要な内容は一次情報や信頼できる資料と照らし合わせて確認します。こうした論理的に考える力は、経験を重ねながら身に付けていくこともできます。
「非連続的思考」とは、一見すると関係のない情報を結び付け、新しい発想につなげる考え方です。
例えば、ある出来事と、まったく別の分野で起きた出来事を見て、「この2つを組み合わせたら何かできないか」と考える。企画や新しいサービスは、こうした飛躍から生まれることがあります。
非連続的思考を鍛えるには、仕事と直接関係がなさそうな情報にも触れ、知識や経験の幅を広げておくことが役立ちます。普段からさまざまな分野にアンテナを向けることで、発想の材料を増やしていけます。
問題・課題を発見する力は、AI時代だからこそ必要になる。
一見すると問題なくプロセスが進んでいる業務で、問題点・課題点を捉えられる力も、重要になっていくでしょうね。
例えば、経理業務だとして、帳簿上は記入の間違いはないものの、「あれ?この経費、いつもより高くない?」といった違和感に気づく能力です。
異常検知特化のAIは別として、基本的にAIは、最初に設定したルール上問題なければ指摘しないですから。
こういった感覚的に課題点・問題点に気づき、業務改善に生かすといった能力も、今後必要になっていくと思います。
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AI時代のキャリア戦略では、次の3点が軸になります。
AI時代のキャリアでは、自分の強みや専門性を軸に、AIに何を任せるのかを考えていくことがポイントになります。
最初に整理したいのは、自分が今の仕事でどんな力を発揮しているのかです。
例えば、経理の仕事でも、帳簿への入力や決められた処理を正確にこなすことだけを強みにしていると、その部分はAIの影響を受けやすくなります。一方、数字の変化から違和感を見つけたり、その背景を考えたりする仕事には、人間の判断が入ります。
自分の仕事を細かく分けてみると、「AIに任せやすい部分」と「自分がこれから伸ばしたい部分」が見えやすくなります。まずは後者を見つけることが、キャリアを考える出発点になります。
自分が伸ばしたい分野が見えてきたら、次に考えるのは、そこでAIに何を手伝わせるかです。
経理を例にすると、これまで財務会計を中心に担当していた人が、経営判断に生かすための管理会計へ専門性を広げることも考えられます。その場合、事業所別や地域別、季節ごとのデータを分類・評価する場面でAIを活用し、その結果をどう経営に生かすかを考えていきます。
自分が何をしたいのかを決めたうえで、AIに何を手伝わせるのかを考え、そのために必要な機能や使い方を学んでいきます。
AI時代には、自分の軸を持ちながら、技術や環境の変化に対応していくことが大切です。
AIが今後どこまで進化するのかを、何十年先まで正確に予測することは難しいでしょう。変化の中でも生かせる自分の強みを持っておくことが、長期的なキャリアの支えになります。
相手の様子を見て判断すること、仕事の方向を決めること、最後に責任を持って決断すること。こうした部分は、AIの性能が上がっても、人間が担う役割として残る可能性があります。
仕事を取り巻く環境や使える技術が変われば、仕事のやり方も柔軟に変えていく必要があります。自分の強みや価値観を軸として、外から入ってくる情報や世の中の変化に対応していくイメージです。
自分のコアスキルをブレずに伸ばし続ける。それが変化の激しい時代を生き抜く秘訣(ひけつ)です。
これまでの時代の急激な変化があると、今後、20年後、30年後は、世の中がどう変わるか分かりません。
そんななかでも、責任を持つ、非連続的な思考、違和感に気づくなど、人間らしいコアスキルの部分は変わらない。そこをブレずに磨いておけば、変化が起きても対応はできるはずです。
AI時代に活躍するために今日からできることは、年代や立場によって異なります。
以下では、それぞれの立場で意識したいことを具体的に見ていきます。
若手が意識したいのは、人の顔を見て、声色を聞き、相手の反応を感じ取ることです。こうした感覚は、研修や教材で知識として覚えるというより、さまざまな人と話す中で少しずつ磨かれていきます。あわせて、仕事の外にも興味の範囲を広げることが大切です。
人との会話や社会で起きていること、身の回りの変化にも目を向けておくことで、帰納法的思考や非連続的な発想につながる材料を増やせます。
シニア層は、AIから距離を置かず、まず実際に触れてみることが大切です。経験や専門知識を持っていても、「AIはよく分からない」と最初から距離を置いてしまうと、その強みを生かしにくくなります。
まずはAIの基本的な仕組みや、何ができて何ができないのかを知り、プロンプトの作り方やデータを整理・分類する基本に触れることが第一歩です。
長年培ってきた専門性は、AIに何を任せるのか、返ってきた答えに違和感がないかを判断する際にも生かせます。
中堅社員や管理職には、「インタープリター(通訳者)」としての役割があります。新しい技術を使いたい若手と、組織全体を見て判断する経営層やシニア層との間をつなぐことです。
若手が進めようとしているAI活用について、何が便利で、どんな価値があるのかを上の世代に伝える。その一方で、現場の不安や負担、導入に伴うリスクも理解し、若手側に伝える必要があります。
更に、AIの導入が本当に業務改善につながるのか、どんなリスクがあるのかを冷静に見極めることも、中堅・管理職に求められる役割です。
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特定の「AIに奪われない仕事」を探すよりも重要なのは、自分の強みが生きる仕事を見つけ、AIを活用しながら自分の価値を高めることです。
自分の仕事を見直し、AIに任せられる業務はAIに任せる。その分、自分だからこそ価値を発揮できる仕事により多くの時間を使う。そんな働き方も、AI時代のキャリアの選択肢になります。
自分の強みや向いている仕事を知りたい人は、まずはマイナビ転職の「ジョブリシャス診断(適職診断)」や「仕事適性診断」も活用しながら、これからの働き方を考えてみてはいかがでしょうか。
AIの進化によって、これまで人が担ってきた業務の一部は、今後更にAIへ移っていくでしょう。どの業務が変化するのかを一つずつ捉えることで、自分の仕事も見直しやすくなります。
自分の強みや専門性を磨きながらAIを活用し、環境の変化に応じて仕事の進め方を更新していくことが、AI時代のキャリアを考える土台になります。
監修者
細川 義洋
ITコンサルタント
政府CIO補佐官
システム開発・運用の品質向上や企業のIT戦略立案の支援を行いながら、著述、講演も行う。現在は、政府CIO補佐官としてデジタルガバメントの推進やIT化による行政改革などに取り組むほか、行政におけるAI活用の研究を行っている。近著に「ある日突然AIがあなたの会社に」(マイナビ出版)がある。
マイナビ転職 編集部
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