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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.243 劇作家/演出家/俳優 長塚圭史
新たな試みはまだある。挑んでいきたい

Heroes File Vol.243
掲載日:2021/12/24

長塚圭史さんの写真1

劇作家で演出家で俳優の長塚圭史さん。学生時代から演劇かいわいを闊歩(かっぽ)してきた。
そのフィールドが2021年4月、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任して以降、更に広がっている。演劇の魅力を伝えるため、時間の許す限り神奈川県内を東奔西走。
そんな長塚さんがこれまで歩んできた道、そしてずっと取り組んできた演劇というものへの思いを語っていただいた。

Profile

ながつか・けいし/1975年東京都生まれ。96年に演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を旗揚げ。2021年4月、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市)の芸術監督に就任。同劇場にて22年2月8日(火)から上演予定の演劇「冒険者たち」の上演台本・演出も手掛ける。

劇作家・演出家で俳優の長塚さんは2021年4月、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市)の芸術監督に就任した。「新しく自分に与えられた視界はとても刺激的です」と声を弾ませる。5年の任期の間に、誰でも気軽に立ち寄れる開かれた劇場にするのが目標。そのためにまず始めたのがシーズン制の導入だ。

春夏をプレシーズン、秋以降をメインシーズンとし、テーマに沿った企画を展開することで劇場に季節感とリズムをもたせるのが狙い。1年目のシーズンテーマは「冒」。「飛び出す、はみ出す、突き進む」という意味を持ち、その言葉どおり、劇場ではなくあえて同劇場1階の吹き抜け空間で演劇を上演したり、観客が演者と同じ舞台に上がって観賞したりと、実験的な試みを始めている。

そして、冒シーズンのラストを飾るのが「KAATカナガワ・ツアー・プロジェクト」の第1弾公演「冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~」。あの「西遊記」をベースに長塚さんが書き下ろした新作だ。三蔵法師一行が神奈川県内各地や現代を旅するという一風変わった冒険譚(たん)だが、ストーリーと同様に、同劇場の公演後に県内6カ所を巡るツアーも実施する。「まだ芝居を観(み)たことがない人たちにその魅力を知ってもらう機会を作るべく、こちらから出向く試みもしたかった。今後も第2弾、第3弾と継続する予定です」

長塚圭史さんの写真2

高校時代から芝居が好きだった。お気に入りの劇団の公演が観たくて、東京・下北沢の駅前劇場に足しげく通っていたという。上演前、受付でチケットを販売したりお客さんの席案内をしたりしていた劇団員たちが、いったん舞台に出ると役の人となり別世界を立ち上げる。そしてこちらも自然に登場人物として見てしまう。「そんな不思議なマジックが起きる劇場という空間がその頃から大好きでした」

初めて自分で長編の芝居を書いたのは18歳。「演出も担当し、僕も俳優として出演して友人たちと公演しました。上演中は自分が出ていないシーンでも観客の反応が気になってヒヤヒヤドキドキ。でもそれが楽しくて仕方なかった。しかも観に来てくれた人たちから褒められてすっかり味をしめてしまいました(笑)」

大学では自らの劇団を立ち上げ、今につながる演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」も始動させる。「20代前半は年に3本ぐらい新作を上演していました。作、演出、そして俳優の三つをやれることがとにかく楽しかった。ただ、こうした演劇活動を仕事にして食べていけるようになるとは、正直考えていませんでしたね」

新鮮に感じた経験が「これだ!」を導いた

長塚圭史さんの写真3

演劇の分野で八面六臂(ろっぴ)の活躍を見せる長塚さん。劇作家、演出家、そして俳優として、自作はもちろん外部の舞台や映画、ドラマにも相次いで出演している。10代後半から演劇に携わってきたが、それをなりわいにできると確信が持てたのは25歳の頃だったという。

「僕が作・演出した芝居を観(み)に来てくれたテレビ関係者が、ドラマの脚本を書いてみないかと声を掛けてくれたんです」。主宰する演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」も公演の度に観客数が伸び、俳優としての出演依頼も増えていた。「あの頃はとにかくがむしゃらに仕事をしていました。でも次第に、何のために演劇をやっているのかが分からなくなってしまったんです」

そんなネガティブな気持ちをリセットしてくれたのが、文化庁の海外研修制度で行くことになったロンドン留学。長塚さんが33歳の時だった。そこでイギリス人俳優と一緒に戯曲「父と暮せば」(井上ひさし作)をワークショップで試す機会を得て、それが大きな転機となった。「初めて、アイデアを練るところから俳優と共に取り組んで芝居を創り上げるという経験をしました。自分一人で作品を生み出すことが当たり前だった僕にとって、実に新鮮なことでした。あ、これだ!って思いましたね」

直感してからの行動は早い。ちょうど同じ頃、イギリスで戯曲「浮標(ぶい)」(三好十郎作)に魅せられていた長塚さんは、帰国後すぐに新たなプロジェクト「葛河思潮社」を立ち上げ、「浮標」を上演する準備に取り掛かった。早く「これだ!」と思う方法で芝居をしたかった。「この頃から演劇の作り方ががらりと変わりました。実験おじさんみたいになった(笑)。俳優たちと一緒に芝居を創り上げていく稽古だけではなく、ワークショップで身体の動きを作ってから台本を書くなど、そのつど色々と試すようになっていったんです」

現在はKAAT神奈川芸術劇場(横浜市)の芸術監督としても活躍中。22年2月には書き下ろしの作品「冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~」の上演が待っている。「演劇はお客様の想像力があってこそ成立する参加型の芸術。その面白さを一人でも多くの方に知ってもらうため、今後もKAATで様々な取り組みを予定しています」

長塚さんは学生時代、喫茶店やレストランでアルバイトをしていた。お客さんに喜んでもらうためにどんなサービスを提供したらいいのか、それを考えるのが好きだった。いつでも、人を喜ばせたい楽しませたいという思いがある。それはどんな職種に居ても変わらない。

ヒーローへの3つの質問

長塚圭史さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

飲食店でしょうか。学生時代に喫茶店とレストランでアルバイトをしていたのですが、本当に楽しかった。お客さんに喜んでもらうためにはどうすればいいのか、またスタッフがチームでどう動けばこの店の魅力を最大限に引き出せるのかといったことを考えるのもすごく好きでした。

人生に影響を与えた本は何ですか?

三好十郎の戯曲「浮標」です。ロンドン留学中にその魅力にハマり、帰国してこれまでに3度上演していますが、いつかまた上演したい。ライフワークのような作品です。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

結構「ここぞ」という日が多いのですが、そういう日の朝ご飯で必ず鮭(さけ)を食べます。最近すごくおいしい鮭が食卓に出てくるのでうれしいです。

Infomation

「冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~」が上演予定!

2022年2月8日(火)~16日(水)にKAAT神奈川芸術劇場にて「KAATカナガワ・ツアー・プロジェクト」の第1弾公演「冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~」が上演される予定だ。21年度から同劇場の芸術監督に就任した長塚圭史さんが、アジアの古典「西遊記」をベースに書き下ろした新作。三蔵法師一行が天竺(てんじく)を目指す道中、時空を超えてなぜか神奈川県に迷い込み、県内各地の伝説や昔話の世界、はたまた現代をも旅するという冒険物語である。出演は柄本時生、菅原永二、佐々木春香、長塚圭史、成河。長塚さんがシーズンテーマ「冒」を掲げた今年度のラストを飾る作品の一つ。「まだ演劇を体験したことがない人にもぜひ来てほしい。演劇は参加型の芸術であるということを体感していただけたらと思います」と語る。観(み)終えた後、自分が“冒険”したような爽快感が味わえそう! この作品は同劇場で公演後、神奈川県内6都市(川崎、相模原、大和、厚木、小田原、横須賀)を巡演予定。

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