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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.247 お笑い芸人 徳井健太
かけられた意外な言葉に導かれてきた

Heroes File Vol.247
掲載日:2022/04/08

徳井健太さんの写真1

お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」としてバラエティー番組を中心に活躍し、2018年にテレビの深夜番組「ゴッドタン」の“腐り芸人”としてブレークした徳井健太さん。今では芸人やバラエティー番組を的確に“考察”することでも有名だ。
しかし20歳で吉村崇さんとコンビを結成しからの15年間は、ほとんど無気力で、人から言われるままに仕事をしていたという。そんな徳井さんを変えてくれたのは芸人の先輩たち。そこから徳井さんは新たな気持ちで歩み出した。

Profile

とくい・けんた/1980年生まれ、北海道出身。2000年に吉村崇さんとお笑いコンビ(後の「平成ノブシコブシ」)を結成。18年にテレビの深夜番組「ゴッドタン」で注目を集める。ユーチューブチャンネル「徳井の考察」開設中。22年2月に『敗北からの芸人論』(新潮社)を出版。

2022年2月、著書『敗北からの芸人論』を刊行した、お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の徳井さん。先輩の東野幸治さんや加藤浩次さん、そして相方の吉村崇さんら、お笑い芸人を中心に21組の人生、生き様を愛情あふれる熱いまなざしでつづっている。

「一度『負け』の状態を経験し、そこからはい上がって成功をつかんだ芸人たちのエピソードをまとめました。若手がもがく姿や先輩の金言は誰の心にも響くと思います」。そんな徳井さんも負けを意識してからのスタートだった。

高校時代、「東京へ出て料理人などに」と思っていたら、同級生の女の子が「徳井君みたいな人はお笑い芸人になったほうがいい」と意外な一言。特にクラスの人気者でも、面白いと言われるタイプでもなかったが、なぜかその言葉を信じて吉本総合芸能学院(NSC)の東京校へ。

しかし入学して間もなく絶望を味わうことになる。「同期で、後に『ピース』を結成する又吉直樹君と綾部祐二君が桁違いに面白かった。僕はせっかくなら大好きな『ダウンタウン』さんみたいになりたいとちょっと思っていたのですが、そんな夢も一瞬で砕け散りました」。それ以降、学校にも行かなくなってしまった。 

徳井健太さんの写真2

それが、卒業間近になって吉村さんからコンビの誘いの電話がかかってくる。「実は同期ながらしゃべったこともなく意外でした。そんな僕に声をかけてきた吉村は、かなり切羽詰まっていたんだと思います。僕はと言えば特にやりたいこともなくふらふらしていたので、断る理由もなかった。ほぼ初対面の状態から、平成ノブシコブシは始まりました」

吉村さんはとにかく売れたかった。でも徳井さんにはそこまでの強い気持ちはなかった。思いのズレでぎくしゃくすることも多かったが、最初の10年間は「基本的にすべて吉村に任せ、言われるがまま仕事をこなしていました」。

それでも、結成から10年経った頃から徐々に仕事が増え始める。きっかけは海外ロケに行く番組。原始的な生活を営むさまざまな部族の集落を訪れ、勧められれば虫も平気で食べる徳井さんに注目が集まって、その後、バラエティー番組「ピカルの定理」のレギュラーに抜擢(ばってき)され広く知られるようになる。

「ただ、この頃もまだ人に言われたからやっているという感じでした。今思えば大変失礼な話ですが、芸人なのに自分がウケてもスベっても関係ないという感覚でテレビに出ていました」。そんな徳井さんを変えてくれたのが先輩芸人たち。「特に小籔千豊さんと『千鳥』さんに出会わなかったら、僕の人生は完全に崩壊していたと思います」

自分と比べないから他人を応援できる

徳井健太さんの写真3

お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の徳井さんは、最近、お笑い番組や芸人を的確に「考察」することで注目され、「悟り芸人」とも呼ばれている。「そんなふうなれたのも先輩たちのおかげ。35歳の頃、『千鳥』のノブさんがさりげなく『徳井のままで頑張ってみたら』と。そんなことを言われたのは初めてで目からうろこでした」

実は周囲に合わせるのが苦手だった。でも、だからといって自分の思ったことを発言して場の空気を変えるのも嫌で、バラエティー番組に出演しても何も話さないことが多かった。「それが、ノブさんの言葉をきっかけに自分が思ったことは何でも言ってみることにしました。そうしたら意外にウケたり、先輩芸人が拾って笑いに変えてくれたりして手応えがあり、仕事が面白いと感じるようになっていったんです」

そして、小籔千豊さんも徳井さんを変えてくれた先輩の一人だ。「共演させていただいた番組で、小籔さんの周りへの気遣いなどを見聞きし、人としてすべき当たり前のことを教えてもらった感じです。僕の中にあった青臭いガキのような発想が全部覆されました」

そうした中で徳井さんは気づいた。自分がこうして仕事ができているのは、自分のために頭を下げたり奔走してくれたりする人たちがいるからなのだと。「恥ずかしながら、35歳にしてようやく周りに感謝できるようになりました。それ以降、自分のために尽力してくれている人たちに恥をかかせたくないという、その気持ちがモチベーションになっています」

このように仕事への向き合い方は大きく変化した。でも、芸人になった20歳の頃と同様、「売れたい」「お笑いで天下を取りたい」という思いは一切ないと断言する。「NSC(吉本総合芸能学院)へ入った途端、同期の実力を目にして自信を失い、それから他人と比べることをしなくなりました。むしろ好きな芸人たちを応援する立場を貫ければそれで十分です」

徳井さんの芸人たちへの愛は著書『敗北からの芸人論』に表現されている。「先輩たちが僕にしてくれたように、『あの時、徳井さんにあんなふうに言われたことが励みになった』と後輩や芸人仲間に言ってもらえたら何よりうれしい」

ちなみにコンビの相方・吉村さんとの関係は年々良くなっているという。「吉村の弱点を個性だと思うようになったんです。今だったら互いの個性を生かして面白いことができそうな気がします(笑)」。吉村さんからは最近、「世間や人に迎合せずに仕事をする徳井がうらやましい」と言われるそうだ。35歳を過ぎて自分らしい働き方をつかんだ徳井さんが、決して遅すぎることはないと教えてくれる。

ヒーローへの3つの質問

徳井健太さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

料理人になっていたのではないでしょうか。と言っても、すし屋の職人のように接客までするタイプではなく、裏の調理場でひたすら唐揚げやポテトサラダを作っている感じだったと思います。

人生に影響を与えた本は何ですか?

三島由紀夫の『金閣寺』です。学生時代でしたが、それまで読んだ本の中で一番意味が分からなかった。でも、一文一文がすごい熱量で書かれていることだけは伝わってきて、僕自身も熱くなっていったんです。途中から完全に感情移入し、金閣寺が燃えることを願っている自分がいたほどでした。あの思春期の感覚は今も覚えています。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

いざ勝負という時って、もうこれで死ぬかもしれないなんて思う時なので、そういう日の前日は「蒙古タンメン中本」のラーメンなど自分が好きなものを食べることにしています。

Infomation

著書『敗北からの芸人論』が発売中!

「ある世代以上の芸人は全員、絶望を経験している。なぜなら、一番面白くなりたいという思いで芸人を目指したのに、“「ダウンタウン」よりは一生面白くなれない”ということに気づくから」と語る徳井健太さん。その著書『敗北からの芸人論』(新潮社/1,430円〈税込み〉)が2022年2月に発売された。次々に後輩に追い抜かれ、酒と競馬に明け暮れていた加藤浩次さんがはい上がった思考法や、長い下積みを経て今売れ続けている「オードリー」の瞬発力、爆発的ブレークを果たす「かまいたち」が覚醒した理由など、一度負けた状態からスタートし、自分なりのスタイルをつかむまでもがき続けた21組の生き方を紹介。徳井さんが悟りの境地で繰り出す、熱く、それでいて的確なお笑いの“考察”はネット連載時から反響を呼び、満を持してそれが一冊の本になった。「ネットでの連載もうれしかったのですが、書籍化されて本当に感無量です。芸人の話が中心となりますが、ぜひ社会人の方々にも読んでいただけたらうれしい。自分と重なるようなエピソードが必ずあるはずです」

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