20代の生き方・働き方を応援

運用助言会社30代社長に聞く。20代で1,000万円を貯める！その方法とは？

掲載日：2017.6.26

20代で資産が1,000万円に到達！夢のようにも思えますが、預貯金や運用で資産を1,000万円にするのは不可能ではないというのは、20代、30代向けに資産運用のアドバイスを行う株式会社クレア・ライフ・パートナーズの社長、工藤将太郎さん（33歳）です。確かに金融広報中央委員会の調査（*1）を見ても、20代で1,000万円以上の資産を持つ人は意外にいることが分かります。最初からあきらめるのではなく、どうやったらその目的を達成できるかを考えることで、お金を貯める・増やす力を磨くことにつながるかもしれません。まずは資産を1,000万円にした人の例をヒントに、その方法を探っていきましょう。

20代で資産1,000万円！どう貯めた？増やした？

金融広報中央委員会の調査（*1）の「20歳代の単身世帯の金融資産保有額」で、「資産が1,000万円以上ある」と回答した人は約700人中20人ほどと意外に多い印象。年間手取り年収との関係では「300万円未満」から「1,200万円」まで、それぞれに資産1,000万円以上の人はいるため、年収の額とさほど密接な関係はないようです。

表1：20代で1,000万円の資産を持つ人の割合は？　（表）

（*1）の「金融資産保有額（年令・年収別）」より資産1,000の万円以上のデータを抽出。それぞれの回答者総数はこの調査に回答した20歳代の単身世帯数を年間手取り収入ごとに区分したもの。

工藤：「当社に資産運用の相談に見えた方の中にも、20代で1,000万円以上の資産をお持ちの方はいらっしゃいました。例えば年収300万円ほどの20代女性は、将来に不安を感じて1,000万円の資産形成を目指され、投資はしたくないからと積立預金で目的を達成されましたね」

このケースを参考にすると給与から毎月8万円ずつを積立し、生活費が少し残ったら貯蓄へ。さらにボーナスなどの臨時収入も貯蓄すれば、10年足らずで1,000万円貯められる計算になります。ある程度の時間と続ける努力が必要ですが、堅実なやり方で1,000万円の資産を作ることができるのです。

工藤：「またアベノミクスが始まった2012年以降に株式投資を始めて、今では1,000万円以上の資産を作られた方もいらっしゃいます。ただこれはかなり特殊なケースで、どなたにもお勧めできる方法とはいえません」

1,000万円達成者の共通点は明確な目標があること

さらに少し視点を変えると、歩合給の多い営業職への転職で収入がアップし、それをきっかけにお金を貯め始めて1,000万円の資産を作ったケースもあるそうです。

工藤：「つまり1,000万円を目指してお金を貯める・増やすには、自分が頑張るパターンとして、（1）コツコツと積立で頑張る、（2）転職で年収アップさせるなど仕事を頑張ること、（3）お金に頑張ってもらう資産運用の3つがあるといえます」

そしてこれらのやり方で成功する人の共通点は、将来への不安解消のため家を買う頭金にする、憧れのクルマを買うといったように、「何のために1,000万円を貯めるのか」の明確な目標を持っていることだと工藤さんはいいます。

工藤：「ただ意外なことに資産が1,000万円に達しても、当初の予定通りに使える方は少ないようです。貯まったお金を使い切るのがもったいないとか、お金を貯めたことである程度目標を果たした気持ちになる、ということかもしれません。ただ私は20代で頑張って1,000万円を貯める努力をすることの方が大事で、貯まったときに考えが変わってもまったく問題ないと考えています」

貯めた1,000万円は貴重な経験をするために使おう

では最後に、工藤さんから20代で貯めた1,000万円の使い途を提案してもらいました。

工藤：「本来はその方の将来設計に応じて、必要な金融資産を組み合わせた運用をお勧めします。例えば本格的な不動産投資はある程度資金がないとできませんが、一度購入すると継続した利益が見込めますから、20代から始めておくと安定収入の支えになってくれます。しかしあえて使うとしたら、20代だからできる冒険に挑戦してはどうでしょうか？例えば100万円以下でも買える世界一周航空券で、いろいろな国を回るという方法もあります」

世界一周航空券とは、例えば日本の成田空港から出発し、世界を一周して成田空港に戻ってくるまでの搭乗券をセットにしたもので、航空会社連合などが扱っています。あらかじめルートを設定して購入し、利用するための条件や有効期限もありますが、世界一周という響きは確かに魅力的です。

工藤：「そのほか仕事で使うスーツや靴などを、その本場まで行ってオーダーしてみるのもいいですね。その後の仕事に取り組む励みになると思いますし、手入れをしながら長く使える品と、めったにできない経験の両方を手に入れることができますから」

今回の取材を通じて、20代で資産が1,000万円以上あるという人が存在し、それは年収の額とさほど密接な関係はないということが実際のデータから分かりました。そして、コツコツと積み立てるのか、転職やキャリアチェンジするなどして年収を上げるのか、手持ちの資産を運用していくのか。どれも簡単な方法ではありませんが、明確な目標が出来れば、20代で1,000万円の預金を貯めるという事は不可能ではないようです。