主体性とは?意味・自主性との違い・高める方法について解説
更新日:2025年07月14日
記事まとめ(要約)
- 主体性とは自ら目標を立て、責任を持って行動する力
- 自主性との違いは、目標があらかじめ決められているか否か
- ビジネスを取り巻く環境変化が激しい現代では、主体性のある人材が求められる傾向にある
- 自己PRで主体性をアピールするなら、企業が求める主体性について把握すること(例文あり)
仕事で求められる「主体性」とは一体何でしょうか。意味や定義のほか、「自主性」との違いや、主体性を高める方法についてもご紹介します。
転職活動において「主体性」を自己PRでアピールポイントとして使いたい場合の例文や注意点も参考にしてください。
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主体性とは
そもそも、主体性とはどんな意味を持つのか。また、自主性とは何が違うのでしょうか。
主体性の意味や定義
主体性とは「物事に進んで取り組む力」のことです。2006年、経済産業省が「社会人基礎力」を提唱。その中で「前に踏み出す力(アクション)」の能力要素の一つとして「主体性」が挙げられています。
例えば、現状の課題に対して自ら目標を立て、その改善のために動くようなことを指します。必要に迫られて行動するのではなく、自分でやるべきことを決めて、責任感を持って行動を起こせるのが主体性です。
自主性との違い
主体性と似た言葉に自主性がありますが、意味は異なります。
自主性とは、あらかじめ決められた目的に対して、自分で判断し、率先して取り組む姿勢のことです。目的がすでに明確であり、行動の責任は目的を決めた人にある点が大きな違いになります。
自主性が、「与えられた枠組みの中でどう動くか」に焦点を当てるのに対し、主体性は、「自分で枠組みを作り、それに沿ってどう動くか」に焦点を当てています。
また、積極性という言葉もありますが、こちらも必ずしも自分の意思で目的を設定しているとは行動が自分発信とは限らない点で主体性とは意味が異なります。
能動性との違い
能動性とは、指示を待たずに自分から積極的に行動する姿勢を指します。例えば、会議の準備や資料の印刷など、周囲を見て先回りする動きがこれにあたります。
一方、主体性は、物事の背景や目的を自ら考え、判断し、その結果に責任を持って行動する姿勢です。議題に対して自分なりの意見を持ち、解決策を提案するような行動が主体性です。能動性が「まず動く力」なら、主体性は「考えて動く力」ともいえます。
当事者意識との違い
当事者意識とは、物事を自分事として捉え、責任感を持って関わろうとする姿勢を指します。当事者意識の特徴は、会社やチームの課題に対して、他人事とせず、積極的に関与しようとすることです。
一方、主体性は、自ら考え、判断し、責任を持って行動する力です。当事者意識が、「姿勢や意識」に重きを置くのに対し、主体性は、「実際の行動」を重視します。
主体性の対義語
主体性の対義語には、他律性や受動性が挙げられます。
主体性とは、自分の意思に基づき、自ら積極的に判断し行動する性質を指します。それに対し、他律性は、外部からの指示や強制によって行動する性質を意味します。受動性も同様に、自ら行動を起こさず、ほかからの影響を受け入れるばかりの姿勢を表します。
主体性が自己決定と行動を重んじるのに対し、これらの対義語は外部からの影響や指示に依存した行動を示します。
仕事において主体性が重視される理由・背景
経済や時勢が急激に変化する現代、ビジネスを取り巻く環境も想定外のできごとに直面するシーンが増えています。企業が成長するためには、変化に対応すべく自分の意思や判断に基づき、責任感を持って主体的に行動できる社員の存在が欠かせなくなりました。
また、コロナ禍の影響でリモートワークが浸透し、社員一人ひとりが自分のすべきことを判断したうえで、最善の行動を取る必要性が高まっています。管理職が不在の緊急事態でも、主体的に動くことができれば、トラブルを解決することができるからです。
主体性がある人の特徴
主体性がある人には、以下のような特徴があると言われています。
- 責任感が強い
- 目的意識がある
- 何事にもチャレンジしようと考える
- 行動力がある
- 自分ごと化できる人
それぞれ詳しく解説します。
責任感が強い
主体性がある人は、責任感が強い傾向にあります。自らの意思や考えで目標を立てることで、自分の言動に自責思考が働くためです。
また、失敗やトラブルを人のせいにせず、自分の責任として受け止めます。
行動した結果、思うような結果が得られなかったとしても、失敗を反省し次の行動に生かすことができます。
目的意識がある
主体性がある人は目的意識があり、仕事の目的や自分の役割を明確化するのが得意な傾向があります。
自己分析が得意であるケースも多く、自ら見いだした目的や役割に対し、やるべきことを明確にし、能動的に行動できるでしょう。
何事にもチャレンジしようと考える
主体性がある人には好奇心旺盛な人が多く、何事にも貪欲にチャレンジしようとします。
分からないことは積極的に知ろうとするなど、新しいことに挑戦することが負担ではありません。その結果、求められている以上の行動ができるため、社会人としての成長が早い人もいるでしょう。
行動力がある
主体性がある人は、周囲を巻き込みながら、速やかに行動に移すことができます。
また、常に目的意識があり、課題や問題への気づきが早いのも特徴で、その気づきをすぐに行動に移す力を備えています。
自己PRで「行動力」をアピールしたい場合は以下の記事も併せてご覧ください。
自分ごと化できる
与えられた仕事を自分のこととして捉えられる、いわゆる「自分ごと化」できる人が多いのも特徴です。
何事も自分ごと化できれば、仕事に情熱を持ち、言われたこと以上の成果を出そうという意識が芽生えます。その影響で仕事の生産性が上がるだけでなく、個人の成長にもつながります。
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主体性がない人の特徴
主体性がない人の特徴としては下記の4点が挙げられます。
- ネガティブな思考になりがちな人
- 失敗し、責任を負うことを恐れる人
- 流されやすい人
- 言われたことしかやらない人
自分が上記に当てはまっていると感じる場合は、後述する「主体性を高める方法」を実践してみてください。
主体性を高めるメリット
主体性を高めると、仕事においてさまざまなメリットがあります。ここでは主な3つのメリットをご紹介します。
仕事の幅が広がる
主体的に行動できると、与えられた仕事をこなすだけでなく、新しいことにチャレンジする意欲や気持ちが生まれます。結果として仕事の幅が広がり、新たなビジネスチャンスを得ることにもつながります。
自身の成長につながる
主体性がある人はさまざまなことに果敢にチャレンジできるため、経験値が高まります。経験値が高まればスキルや知識の幅も広がり、社会人としての成長にもつながります。
自己肯定感が上がる
自ら目標を立てて行動し、一定の成果を得ることができれば、成功体験が得られます。
また、目標の設定が自分の意思や思考に基づいているため、成功するたびに自信が積み重なり、自己肯定感につながります。
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主体性を高める方法
主体性を高めることは決して難しくはありません。主体性を高める5つの方法をご紹介します。
目的・目標を決める
最初から主体性のある行動を取ることは難しいため、まずは目的や目標を自分で決めるところから始めてみましょう。
小さなことでも良いので、自分で目標を立てて、目標を達成するために行動し、成功体験を作っていくことが大切です。
そのためには、目標を立てることが、主体性を高める第一歩となります。
自分から動くことを習慣化する
目的や目標を決められるようになったら、自分から動くことを習慣化してみましょう。
これも小さな行動からで構いません。言われたことをこなすのではなく自分でやることを決めて動くことを習慣化してみてください。
なお、自分で行動を決める際はただ漠然と決めるのではなく、「なぜこの行動をするのか?」と、自分の意思や考えをよりクリアにすることで、主体性を高められます。
失敗を恐れない
主体性の高い人とは、失敗をしない人ではなく、失敗を振り返り、次の行動へとつなげられる人です。
失敗は誰にとっても怖いものですが、失敗の後にどう行動するかによって経験値に変えることができます。恐れずに次の一歩を踏み出すことで、失敗は学びとなり、成長の糧となるでしょう。
自分の考えや意見を持つようにする
他人の意見に流されることなく、常に自分の考えや意見を持つようにしてみましょう。
協調性のある行動は大切ですが、相手の話や意見に流されているだけでは、主体性は高まりません。自分の考えや意見を持ち、それを周囲に伝えられるようになることが重要です。そうすることで、協調性を保ちながら、主体的に行動できるようになります。
ただし、自分の考えや意見を伝える際は、相手の意見を否定するような言い方にならないように注意しましょう。
主体性の高い人をお手本にしてみる
今の自分自身ができる範囲で、周囲にいる主体性の高い人をお手本にしてみてください。
主体的に動いている人の行動パターンや思考パターンを観察すると、自分と何が違うのかが明確になり、自分の行動を変えていくためのヒントになります。
主体性を高められる職場の共通点
主体性を発揮できる職場には、いくつかの共通点があります。自分の役割を理解し、自ら判断して行動できる環境は、個人の成長を促すだけでなく、チーム全体の成果にもつながります。主体性を高められる職場の特徴を見ていきましょう。
仕事の裁量が大きい
仕事の裁量が大きい職場では、与えられたタスクをこなすだけでなく、業務の進め方や目標達成へのアプローチを社員自身が考え、決定する機会が増えるため、自然と主体的な行動が増えていきます。
自分で意思決定し、責任を持って業務を進めることで、「自分の仕事だ」という意識が芽生え、やらされ仕事ではなく、自らの手で創り上げる感覚と責任感が得られます。
仕事の目的が明確
自分の業務が組織全体の目標にどう貢献しているのかがはっきりしていると、単なる作業ではなく、目的達成のための重要な担い手としての意識が高まります。
その結果、指示を待つのではなく、困難な状況でも工夫を凝らして乗り越えようとする力が育ち、モチベーションとパフォーマンスの向上にもつながります。
フィードバック文化が根付いている
自分の仕事に対する上司からの評価や同僚からの意見をもらえる環境は、自身の強みや改善点を明確に把握する機会となります。これにより、常に自身の行動を振り返り、より良い成果を出すために何をすべきかを主体的に考えられるようになります。
適切なフィードバックを受けることで、自分の成長スピードが上がり、チーム全体の成果にも良い影響を与えることができます。
チャレンジを歓迎する風土
失敗を恐れずに未知の領域へと踏み出せる職場では、自らアイデアを提案し、実現に向けて行動することが自然に促されます。
このような環境は、やりがいを大きく高めるだけでなく、既成概念にとらわれない想像力を引き出してくれます。
フラットなコミュニケーションの促進
役職や立場に関係なく自由に意見を言える環境では、萎縮せずに自分の考えを表現できるため、新しい発想が生まれやすくなります。
このような風通しの良い職場では、主体的な行動が促され、新しいアイデアや改善提案が次々と出され、組織全体の活性化にもつながります。
「主体性」の自己PR例文
履歴書や職務経歴書の自己PRで主体性をアピールしたい場合のポイントを紹介します。職種別の例文3パターンを基に見ていきましょう。
事務職
事務職は他部署や取引先と関わりながら仕事を進めるため、主体性が重視されます。
目標に向けてコツコツ作業を続けるだけでなく、突発的なトラブルが起きた時も主体的に行動する必要があります。
例文
私の強みは、主体性を持って突発的なトラブルにも対応できるところです。
前職ではExcelを使用した受注管理を中心に担当していましたが、ある時期、部署内で発注ミスが相次いだことがありました。原因を探ったところ、Excelの誤入力が主な理由であることが社員へのヒアリングで判明しました。
そこで、関数やマクロを組むことで入力する箇所を最小限にとどめ、誤入力が起きた場合はエラーが分かりやすく表示されるよう工夫しました。
結果、発注ミスを大幅に減らすことができただけでなく、残業時間が3割短縮され、人件費削減にも貢献できました。
貴社においても、事務職として状況に応じて適切な対応策を考え、自ら行動していきたいと考えます。
営業職
営業職は、売り上げなど目標達成のために主体性が求められるシーンが多い職種です。主体性を発揮することで成果に結び付けた経験をアピールしましょう。
例文
私の強みは、主体性を持って課題を見つけ出し、行動できる点です。
前職では、IT業界で課題解決型の提案営業を中心に行っていました。IT業界ということもありスピード感のある提案が求められていたため、お客さまから課題が上がってくるのを待つのではなく、自ら状況を分析して課題を見つけ出し、目標計画を策定するよう心掛けました。
顧客がまったく認識していなかった課題の解決に貢献したこともあり、その結果、顧客の業績は大きく改善し、IPOのお手伝いをすることもできました。
今後も顧客の課題を見つけて、最善の解決方法を実践していくことで、営業職として売り上げに貢献していきたいと考えます。
エンジニア職
変化のスピードが速いIT業界で働くエンジニアは、特に主体性が求められるようになっています。新たな技術領域に取り組んだり、想定外の事態に直面したりするシーンが多く、自ら考えて柔軟に対応する必要があります。
トラブルが起きた時も周囲と協働しながら解決策を見いだし、それを実現するために自ら動くことができる人材を評価する傾向にあります。
例文
自ら課題を見つけ、主体性を持って改善に取り組める点が私の強みです。
私は前職でAIエンジニアをしており、対話設計を行う中で技術的な課題に直面したことがありました。AI分野が新たな取り組みであったため、すべてが手探り状態で、なかなか課題を解決できずにいました。
そこで、プロジェクトマネジャーなど社内の人間だけではなくクライアントにも直接ヒアリングをして課題点をあらためて洗い出し、自ら目標計画を作成しました。その結果、課題を解決でき、クライアントが求める以上のシステムを納品できました。
今後もAIエンジニアとして、課題点を明確にして解決策を実践していくことで、より良いシステムを開発していきたいと考えます。
そのほかの主体性をアピールする自己PR例文はこちら
職種・シチュエーション別の自己PRの例文も参考にしてください。
主体性を自己PRする際のポイント
主体性を自己PRする際に注意しておきたいポイントを2点ご紹介します。
企業や職種に求められている主体性を把握する
ひと口に主体性といってもさまざまな側面があり、企業や職種によって求められる主体性の種類は異なります。
求人情報や企業ホームページをよく読み、求める人物像や仕事への取り組み方などから、求められている主体性を把握することが大切です。
主体性にまつわる具体的なエピソードと成果を盛り込む
主体性にまつわる具体的なエピソードを盛り込むことが重要です。
「主体性があります」だけだと、求めている人物像と合致しているのか、企業側が把握できません。また、主体性が高いというだけでは「自分勝手に動く人」とも捉えられかねません。
具体的なエピソードを盛り込むことで、主体性の方向を明らかにでき、入社後に一緒に働くイメージを採用担当者に高めてもらうこともできます。併せてどういった成果を得たかまで記載すると、より主体性の強みが明確になります。
最後に、主体性の高さを生かし、どう貢献できるのかをアピールしましょう。
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まとめ
主体性とは「自ら課題や目標を設定し、責任を持って行動する力」のこと。あらかじめ決められた目的に率先して取り組む自主性とは違い、ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化する現代では主体性のある人材が求められるようになっています。
転職シーンでも「主体性」は魅力的な自己PRポイントです。自己PRする場合は、応募したい企業がどんな主体性を必要としているのかを、求人情報を通してしっかり把握すること。自分の経験と合致する具体的なエピソードとともにアピールすることで、評価につなげてください。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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