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ゼネコンとは?事業・仕事内容・年収・やりがいを分かりやすく解説

更新日:2025年11月05日

ゼネコンとは?事業・仕事内容・年収・やりがいを分かりやすく解説
小西 克典

監修者小西 克典

一級建築士/小西克典設計室 代表

記事まとめ(要約)

  • ゼネコンとは総合建設業者の事で、建設工事や土木工事を一括して請け負い、プロジェクト全体を管理・統括する企業のこと
  • ゼネコンは、一般的に売上高の規模によって「スーパーゼネコン」「準大手ゼネコン」「中堅ゼネコン」の3種類に分類される
  • 地域に根ざして活動する「地場ゼネコン」も存在する
  • 今後もゼネコンに対する需要は継続して伸びていくことが予見されている

スタジアムや電波塔の建設、都市の再開発など、建設に関する話題に「ゼネコン」がフォーカスされることもあり、その存在を知っている人は多いことでしょう。

しかし、具体的な仕事内容や、建設会社・ハウスメーカーとの違いまでは意外と知られていません。

そこで、そもそも「ゼネコンとは?」という部分から、業界のトレンドや職種・業務内容、働くメリット、転職のポイントなども解説します。

目次

    ゼネコンとは?意味・役割

    ゼネコンとは、大規模なオフィスビルや商業施設、工場などの建築工事や、道路・橋・トンネルなどの土木工事を一括して請け負い、プロジェクト全体を管理・統括する企業のことです。

    「General Contractor(ゼネラル・コントラクター)」の略で、「General=全般的な」、「Contractor=請負業者」という意味を持つことから、日本語では総合建設会社(総合建設企業)と訳されます。

    ゼネコンの事業内容

    ゼネコンの事業内容

    ゼネコンは、建築分野では商業施設やオフィスビル、電波塔、大学、総合病院、庁舎、スタジアムなど、各地のランドマークとなるような大型建築物を手掛けています。

    土木分野についても大規模な公共事業を中心に、高速道路や橋、堤防、トンネル、鉄道、空港など、社会の基盤となるインフラ整備に貢献しています。

    こうしたプロジェクトについて、調査・計画、設計、施工、アフターフォローまで一手に担い、プロジェクト全体をコントロールするのがゼネコンのメイン事業です。

    案件に応じて、建設コンサルタントや設計事務所、サブコン等に業務を委託してプロジェクトを推進します。

    ゼネコンに工事案件を発注するのは、公共事業の場合は官公庁や地方自治体等の行政、民間事業の場合は土地・建物の取得・開発を手掛ける不動産デベロッパーが中心です。

    ゼネコンの職種・仕事内容

    建設プロジェクトを総合的に請け負うゼネコンには、技術系から営業・事務系までさまざまな職種があり、活躍フィールドが多岐に広がっています。

    その中でも代表的な職種と仕事内容を紹介します。

    営業

    不動産会社や官公庁から案件の情報・ニーズ等をヒアリングし、社内外の関係各所と連携して入札書類や提案書をまとめ、工事の受注を目指します。

    受注して終わりではなく、プロジェクト全体の進捗や予算状況を追い、売上計上まで責任を持ちます。

    設計

    顧客のニーズをもとに、デザイン性や利便性、法令順守、施工性など、さまざまな角度から検討を重ね、建築物・構造物を図面にします。

    専門分野によって、建物をデザインする「意匠(建築)設計」、建物の骨格や土台部分を設計する「構造設計」、電気・ガス・給排水・空調などの設備全般を担う「設備設計」に分かれます。

    施工管理

    施工計画の策定から工事現場の安全・工程・原価・品質などの管理を担う、案件の司令塔のような役割です。

    発注先のサブコンや、施主、社内の営業・設計・調達など、さまざまな関係先とやりとりし、完成を目指します。担当分野は「建築」「土木」「設備」に分かれます。

    調達

    受注した建設プロジェクトに必要な資材や工事会社などを発注・調達する仕事です。案件に応じて適した取引先を選定し、予算・納期などの交渉を行います。

    日ごろから情報収集を広く行い、新たな技術や資材等の導入も検討しながらより良い調達を目指します。

    研究開発

    更なる安全性や耐久性・耐震性の確保、コスト削減、短工期の実現などに向け、施工技術や工法、構造、資材などの研究開発を行い、各社独自の技術を生み出す研究職です。

    ゼネコン各社の競争力に関わる、重要なセクションの一つです。

    エンジニア

    生産・製造工場、再生エネルギー発電所、リサイクル施設、水処理施設といったプラントのコンサルティング・設計・施工・保守、および情報システムの構築を手掛ける技術職です。

    おもにスーパーゼネコンが同職種の活躍するエンジニアリング部門を擁し、高度な技術力を発揮しています。

    事務

    人事、総務、経理、財務、法務など、本社・支店にて会社・事業全体の経営戦略や組織編成、制度策定などに関わるバックオフィス業務です。

    各建設現場において、電話・来客対応、各種書類の作成、図面の修正などを担う事務職もあります。

    ゼネコンと似ている言葉

    ゼネコン、サブコン、ハウスメーカー、工務店をはじめとする建設会の役割と関係

    ゼネコンは建築業界における代表的な存在ですが、似たようなビジネスモデルや役割を持つ企業も多く、混同されがちです。ここでは、それぞれの違いや特徴をわかりやすく解説します。

    ゼネコンとサブコンの違い

    国や自治体、法人・企業などの発注元から工事一式を請け負うゼネコンは、自らはプロジェクト全体の指揮・管理を行い、実際の工事業務については下請けの建設会社に委託しているのが通例です。

    そうした下請けの建設会社のことを、サブコン(Subcontractorの略)と呼んでいます。

    建設工事の工程は、杭工事、仮設工事、躯体工事、内外装工事、電気設備工事、空調設備工事、給排水設備工事など多岐にわたり、専門技術を持つサブコンが各工事を担っています。

    いわばゼネコンが総合監督として全体のとりまとめを担い、サブコンが各現場・工程の部門リーダーとして監督・実務を行うという構図です。

    ゼネコンと建設会社・工務店の違い

    建設会社は、建築・土木工事の設計・施工に特化し、その多くは地域に根ざし、比較的小規模なビルやマンション、店舗、道路、公園などの建設を請け負います。

    建設会社と工務店は基本的には同じ意味ですが、そのうち工務店はおもに個人向け住宅の新築・リフォーム工事を手掛け、地域のお客さまのニーズにきめ細かく対応しています。

    一方、総合建設会社であるゼネコンは、設計・施工に限らず、調査・計画・研究などを含め総合的に手掛け、その点で建設会社とは異なります。

    また、地域密着型の多い建設会社と違って、フィールドは日本全国、大手ゼネコンの場合は海外にも広がり、大規模なプロジェクトをダイナミックに手掛けます。

    ゼネコンとハウスメーカーの違い

    ゼネコンは、大型の商業施設やオフィスビル、タワーマンション、スタジアム、庁舎、駅舎といった大規模な建築を幅広く請け負います。

    一方、ハウスメーカーはその名のとおり、個人向けの住宅に特化し、戸建住宅や小規模なマンション・アパートの商品企画・建築・販売を手掛けています。

    1件あたりに費やす人員や予算、段取り、工期、更には取り扱う工法や資材も大きく異なります。同じ建築を手掛ける企業といっても、別物といえるでしょう。

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    ゼネコンの種類

    ゼネコンの種類

    ゼネコンは、一般的に売上高の規模によって「スーパーゼネコン」「準大手ゼネコン」「中堅ゼネコン」の3種類に分類されます。また、こうした全国規模のゼネコンとは別に、特定の地域に根ざして事業を展開する「地場ゼネコン」も存在します。それぞれの特徴を見ていきましょう。

    スーパーゼネコン

    スーパーゼネコンとは、売上規模がとりわけ大きく、日本の建設業界のトップに君臨するゼネコンです。鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店の5社がこれにあたります。

    いずれの企業も年間の単独売上が1兆円を超え、日本を代表するプロジェクトはもちろん、海外の建築やインフラ整備、新幹線敷設などにも参画しています。

    準大手ゼネコン

    一般的に準大手ゼネコンとは、スーパーゼネコンに次いで規模が大きく、年間売上高3,000億円以上の会社です。

    長谷工コーポレーションや五洋建設、フジタ、戸田建設、三井住友建設、熊谷組、西松建設、安藤ハザマなどが準大手ゼネコンのおもな顔ぶれです。

    長谷工コーポレーションは2023年に売上高が1兆円を突破し、2024年、2025年と連続で過去最高を更新。スーパーゼネコン5社に迫る業績をあげています。

    スーパーゼネコンと同様に、準大手ゼネコン各社も大規模な複合ビルやタワーマンション、公共施設などの建設を請け負ってきた実績を多数有しています。

    中堅ゼネコン

    中堅ゼネコンとは、一般的に年間売上高1,000~3,000億円未満の会社です。

    奥村組、東急建設、東亜建設工業、東洋建設、鉄建建設、大豊建設、淺沼組などが該当します。

    日本全国をカバーしているスーパーゼネコンや準大手ゼネコンに比べると、地域密着型を強みとする企業が中心です。

    地場ゼネコン

    地場ゼネコンとは、特定の地域に根ざして活動する中小規模のゼネコンを指します。

    地域密着型のビジネスモデルを展開し、地方自治体の公共工事や地域の住宅・商業施設の建設を中心に手がけています。

    地域事情への深い理解や信頼関係を武器に、安定した受注を確保しているのが特徴です。

    近年では、地元のインフラ整備や災害復旧工事などでも重要な役割を果たしています。

    ゼネコン業界の動向・トレンド・将来性

    今後もゼネコンに対する需要は継続して伸びていくことが予見されます。

    理由として、ターミナル駅周辺をはじめとする都市の再開発事業や、大型施設の建築、高速道路の延伸計画など、近年は大規模な建設プロジェクトが全国各地で稼働していることや、高度経済成長期に建設された建築物やインフラの老朽化が進み、改修や整備が必要とされていることが挙げられます。

    また、新興国を中心に海外の水処理施設や発電所、高速道路などのインフラ開発に日本のゼネコンが参入しており、今後も将来性の高い海外マーケットへの進出は活発化することでしょう。

    しかし、課題も少なくありません。ウクライナ情勢や円安の進行などの影響によって、建設資材の仕入れ価格が高騰し、ゼネコンの経営を圧迫している状況も見られます。

    また、少子高齢化や産業の多様化などさまざまな要因から、建設業界では人材不足が深刻化しています。2024年4月からは働き方改革の一環として、建設業に対して時間外労働の上限規制や割増賃金の引き上げが実施され、残業抑制の取り組みがいっそう強く求められています。

    こうした課題に直面するゼネコン業界は、ドラスティックな変革期にあるといえます。

    その大きな一つが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やロボットの導入です。

    国土交通省の「i-Construction」などの支援を背景に、建設現場ではドローン測量、AIによる施工管理、配筋ロボット、遠隔操作の重機など、デジタル技術の活用が広がっています。更に、BIM(3次元建築情報モデル)による設計・施工の効率化も進んでいます。

    こうした技術導入により、現場の負担軽減、施工精度の向上、工期短縮が期待されており、資材高騰や人手不足といった構造的課題への対応策として注目されています。

    これらの動きは、特に大手・準大手ゼネコンを中心に加速しており、今後は中堅・中小企業にも広がっていくと見込まれています。

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    ゼネコン(建設業界)の年収・働き方・求人に関するデータ

    ゼネコンの年収や働き方、求人の特徴を見ていきましょう。

    「マイナビ転職」に掲載された求人情報をもとに、参考値として「建設・土木」のデータを紹介します。

    モデル年収平均

    661万円

    年間休日120日以上

    56.56%

    原則定時退社

    18.09%

    リモートワーク可

    8%

    転勤なし

    73.91%

    職種未経験OK

    49.56%

    第二新卒歓迎

    71.69%

    学歴不問

    56.47%

    平均年収の661万円とは、「建設・土木」の求人に掲載されたモデル年収例の平均です。

    業種別ランキングで11位に入っていることから、他業種と比べて高水準であることが推察できます。

    なかでも予算規模の大きな案件を請け負うゼネコン各社は、売上が大きく、平均年収も高水準といえるでしょう。

    働き方については、年間休日120日以上の企業が56.56%と半数を超えており、一定の休日日数を確保している企業が多い一方で、「原則定時退社」が可能な企業は18.09%にとどまっており、まだ少数派です。

    ただし、近年ではDXの推進や業務分業の見直しによって、現場でも残業削減の取り組みが進められており、今後は定時退社の割合が伸びていくことが期待されます。

    また、「転勤なし」が73.91%と高く、職種未経験OK(49.56%)や第二新卒歓迎(71.69%)、学歴不問(56.47%)といった柔軟な採用条件も多く見られ、ゼネコン業界の中でも働き方やキャリア形成の多様性が広がりつつある状況がうかがえます。

    ゼネコンの着工までの流れ

    ゼネコンの仕事は、単に工事を行うだけでなく、企画から着工に至るまでに多くのプロセスを経ています。ここでは主な流れを紹介します。

    ①調査・企画の段階

    まずは土地や周辺環境の調査を行い、クライアントの要望に応じた企画案を検討します。地域のニーズやルールも考慮しながら、計画の土台を作っていきます。

    ②建物の設計を進める

    建物の概要を定める基本設計と、実際に施工可能な図面を作成する実施設計を行います。構造や設備計画もこのフェーズで具体化されます。

    ③費用やスケジュールの調整

    設計に基づいて見積もりを作成し、発注者と金額・スケジュールの調整を行います。

    ④役所への申請・手続き

    建築確認申請や各種法的手続きを行い、工事着手のための許可を取得します。建物を建てる前段階で土地の形や用途を大きく変えるような開発行為を伴う場合は、更に詳細な申請が必要です。

    ⑤施工計画・工事準備を整える

    工事の施工計画を立案し、協力会社との連携や資材手配を進めます。近隣対応や安全管理体制の整備もこの段階で行われます。

    ゼネコンで働くメリット・やりがい

    建築・土木工事を総合的に請け負うゼネコンには、建物をつくるやりがいはもちろん、総合建設企業だからこそ得られるメリットややりがいがあります。なかでも強く実感できる3つを紹介します。

    ビッグプロジェクトに携わり、社会に貢献できる

    都市の再開発や高層ビル、高速道路、鉄道など、大規模な建設工事に携わるチャンスを得られるのは、ゼネコンならではの魅力です。

    完成を迎えるのは数年先というケースも少なくありませんが、それだけに大きな達成感を得られます。

    しかも、公共性の高い建物・構造物が中心で、自分の仕事が未来に受け継がれます。

    多くの人々の生活やビジネスの基盤となり、快適な街づくりや災害対策にもつながるため、社会貢献の意義・やりがいも日々のモチベーションになるでしょう。

    キャリアを重ね、高収入を目指せる

    経験の積み重ねがキャリアアップにつながり、自らの責任と裁量が大きくなります。

    プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、動かす予算が大きく、売上規模は数百億円におよぶこともあります。

    こうした仕事の成果が月給や賞与にて還元されるため、ゼネコンは建設業界の中でも給与水準が高く、高収入を目指せます。

    しかも、インフラを支える業種であり、社会に求められ続けるため、安定した事業環境で高収入を叶えることが可能です。

    スキルアップにつながる

    ゼネコンではビルやタワーマンション、スタジアム、テーマパーク、橋、トンネルなど、大型の建築物・構造物に幅広く携わるチャンスがあり、市場価値の高い経験・技術を積み上げることができます。

    総合的に請け負っているので、各工程間の連携も取りやすく、建設全体について理解を深めることもできるでしょう。

    いずれの職種においても社内外と連携・調整を行う場面が多く、さまざまな人たちから経験・技術を吸収できると共に、マネジメント力や折衝力も磨かれます。

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    ゼネコンが激務といわれる理由

    ゼネコンは激務というイメージを抱いている人が少なくないかもしれません。

    たしかに、決して簡単な仕事ではありません。多くの工程を限られた工期内に完了させる必要があり、遅れが生じた際にはどこかでリカバーしなければいけない状況になることも考えられます。

    作業量が多く、残業が増え、現場が佳境を迎えると休みも取りにくくなるという可能性もあるでしょう。

    しかし、ゼネコン各社では、労働環境の改善に積極的に取り組んでおり、経営者自らが働き方改革を主導している企業もあります。

    残業時間削減や安全性確保のため、現場においてもデジタル化やロボットの導入が進められ、設計や事務についても、原価管理や台帳管理のデジタル化、クラウド環境による業務・情報の共有化などによって効率化され、テレワークを実践する企業も増えています。

    また、働き方改革によって2024年4月から時間外労働による上限規制が実施されているため、激務というイメージのあったゼネコン業界では、DXによる労働環境の改善や業務効率化、柔軟なワークスタイルの実践がいっそう促進され、ワーク・ライフバランスが良好に保たれていくことが期待されます。

    ゼネコンに向いている人・適性がある人の特徴

    ゼネコンに向いている人・適性がある人の特徴

    ゼネコンの職種は多岐にわたり、職種によって求められる素養やスキルが異なります。

    とはいえ、職種の違いに関わらず、ビッグプロジェクトを担い、多くの人たちと協力して仕事を進めるという性質は共通しています。

    そうしたゼネコンの仕事に共通して向いている人・適性がある人の特徴をまとめました。

    コミュニケーション力が高い人

    施主や建設コンサルタント、設計事務所、建築資材メーカー・商社、サブコンなど、プロジェクトを推進する各工程では、さまざまな関係先と連携し、調整・確認を行うことが必要不可欠です。

    建設の仕事は多くの人の安全に関わるため、不明点や疑問点があればうやむやにせず確認すること、不可能なことは曖昧にせず伝えることが求められ、特にコミュニケーションが重要になります。

    リーダーシップを取れる人

    ゼネコンは建設プロジェクトにおけるリーダーの立場であり、プロジェクトに携わる各社を取りまとめ、目標達成のためにチームとして協力・牽引することが求められます。

    営業、設計、施工管理など、いずれの職種においても重要な意思決定を行う場面も出てきます。

    そうした役割を担ううえで、リーダーシップを取れる人は重宝され、関係先からの信頼も得やすいでしょう。

    粘り強い人

    プロジェクトを進めるにあたって、解決すべき課題やトラブルに直面することは避けられません。

    ゼネコンの社員はそうした状況に責任を持って向き合い、根気強く解決策を考え抜く姿勢が大切になります。

    また、ゼネコンが手掛ける案件は数年という長期におよぶことも多く、一つひとつ成果を積み上げながら完成を目指します。

    そのため、短期的な成果を求める人よりも、長い目でコツコツと取り組める人が向いているでしょう。

    ゼネコンの仕事で生かせる資格

    建築士

    建築物の設計・監理を行う技術者の資格です。一級建築士はほぼすべての建築物を設計・監理できます。

    消防設備士

    商業施設やマンション、公共施設などの消防・防災設備の工事・点検・整備に必要となる国家資格です。

    建設業経理士

    一般財団法人建設業振興基金が認定する、建設業の財務や経理に関する資格です。

    施工管理技士補

    施工監理技術者を補佐する資格として位置付けられ、実務未経験でも取得可能です。

    宅地建物取引士

    建物売買において必要な国家資格であり、ゼネコンの営業などで生かせます。

    第三種電気主任技術者

    建設機械や電気関連業務を扱う時に生かせます。

    IT関連資格

    ゼネコンではITの活用が進んでいるため、ITパスポートや基本情報処理技術者などの資格を生かせます。

    TOEIC

    英語力があれば、ゼネコンの海外プロジェクトなどで生かせます。

    未経験からゼネコンに転職する際のポイント

    ゼネコンではインフラ整備や都市の再開発など、需要が今後も続いていく一方、人材不足を補うことが大きな課題になっています。

    そのため、未経験者にも門戸を開き、育成する機運が高まっています。研修や実務を通してどのように知識・スキルを習得していくか、転職後のイメージもふまえて検討すると良いでしょう。

    未経験から転職しやすい職種を選ぶ

    未経験から転職しやすい職種には、営業、事務、施工管理が挙げられます。

    営業は、他業界での経験があれば生かせますが、たとえ営業経験がなくても、社内でプロジェクトをまとめて成功させた経験や、交渉力・コミュニケーション力があれば、転職のチャンスがあります。

    事務についてはDXへの貢献がポイントになり、未経験でもIT関連の知識・スキルがあれば転職しやすいでしょう。

    ITインフラの開発経験があれば、プラント建設の設計・管理を担うエンジニアへ転職できる可能性があります。

    施工管理は、建設業界に限らず、何らかの現場における工程・品質・原価・安全管理や申請書作成などの経験があれば、未経験でも転職を目指せます。

    スキル・経験が生かせる職種を選ぶ

    前職で培ったスキル・経験を生かせることをアピールできれば、未経験から転職する可能性が広がります。

    例えば、社内外の交渉やプロジェクトをまとめた経験があれば、現場のまとめ役を担う施工管理の仕事に生かすことができます。

    不動産取引のスペシャリストである宅地建物取引士の資格があれば、交渉・調整の面で親和性の高い建設業の営業になじみやすいでしょう。

    実務経験がなくても、建設関連の資格・スキルを取得しておけば、職種の幅が広がります。

    建設業経理士の資格があれば、経理職に就きやすくなります。CADシステムの操作スキルを習得していれば、未経験から設計部門にチャレンジすることも可能です。

    求人募集で「未経験可」の企業を選ぶ

    求人募集に「未経験可」「未経験OK」「未経験歓迎」といった記載があれば、未経験でも応募できます。

    ただし、「未経験可」と記載されていても、実務経験や高度な資格がある人材を優先している場合は、採用のハードルが高い可能性があります。

    その見極めとして、求人情報の「対象となる方」などの項目に着目します。

    歓迎する経験や資格が優先して記載されている場合、「経験者寄り」の求人といえるでしょう。

    まとめ

    ゼネコンは、建設業界の中核的ポジションを担う企業です。大規模な建築物や道路、橋、河川などのインフラ整備に技術を注ぎ込んでいます。

    未経験からチャレンジできる職種もあり、近年はIT・ロボット等の活用によって労務環境の改善が図られていますので、興味のある方は「マイナビ転職」の求人をチェックしてみてください。

    監修者

    小西 克典

    小西 克典

    一級建築士
    小西克典設計室 代表

    一級建築士。建築事務所数社での経験を経て、2018年に小西克典設計室を設立。個人住宅から分譲マンション、店舗、事務所、工場、倉庫、クリニック、高齢者施設、児童福祉施設、学校施設まで幅広く設計監理を手掛ける。古民家改修や古建築調査、耐震改修にも取り組み、地域の建築文化継承にも尽力している。

    マイナビ転職 編集部

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