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ズバリ解説! 「転職」そのメリット・デメリット【転職GOOD&BAD】

転職は、人生の中でも一大事。決めるからには、事前にそのメリットとデメリットを知っておきたいものです。そこで“転職経験12回”の経済評論家・山崎元氏が、自身の経験をもとに「転職のメリットとデメリット」をズバリ解説! 転職の良い面と悪い面を知っておくことで、あなたらしい選択をして、より良いワークライフを見つけてください。

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転職で収入は増えるか? 減るか?

収入が増える可能性は大いにあり【GOOD】

転職は収入改善の有力な手段。主に二通りあります。まず、効果的に稼げる場に移ることで直接的な収入増を得る場合。例えば、外資系の会社に移って、これまでと基本的に同じ内容の仕事をしていても、年収が2倍、3倍になった、というのはよくある話ですね。

もう一つは、転職することで新たな仕事を覚えて、自分の商品価値が向上し、その後の収入がアップするケース。会社を変えると新しい知識や経験が飛躍的に増えることがあり、環境が変わった緊張感も手伝って、仕事のレベルも改善し、結果、収入が増えるというわけです。
私の場合、収入改善を目的とした転職ではなかったものの、生涯所得は増えました。1社にずっと居ることを前提とするよりも、転職後のあらゆる可能性を視野に入れることで、収入を増やす可能性も大きく拡大するものです。

「転職貧乏」になる危険性あり【BAD】

転職すると、収入が減る傾向にあるという結果を、各種調査でよく目にします。自発的でない転職も含まれているのでしょうが、誰もが転職で収入アップするほど、現実、特に現在の経済環境は甘くないというわけです。

また「引っ越し貧乏」という言葉があるように、「転職貧乏」になる可能性もあります。転職前後にボーナスを貰い損ねるとか、退職金・年金で不利になることがあるのです。年金は、15年とか20年在職しないと支払われる権利が発生しない制度を取っている会社もあります。転職時の年齢や、企業にもよりますが、前職の年金・退職金で被る損を埋めるには、転職後の年収が2、3割増えないと追いつかないケースもあります。

多重転職者の私は、ボーナスを満額貰い損ねたことが過去6回ありますし、年金もウンザリするくらい損をしました。

転職で収入は増えるか? 減るか?【結論】

私の経験上、ボーナスや年金では損をしていますが、結果的には生涯所得が増えてきています。そこで言えるのは、収入が増える・減る、というのは、永久的なものではないということ。目先の増減に必要以上に過敏になる必要はないと思うのです。

むしろ、<1>自分の仕事の能力をどうやって作り、向上させるか、次に<2>仕事の能力をもっと有効に生かせる場はないか、と考えていくことで、収入はおのずと後からついてくるものだと思います。

転職で人事評価は上がるか? 下がるか?

人事評価がリセットできる【GOOD】

転職すると、人事評価をリセットすることができます。日系の会社の場合、入社してから培ってきた人事評価が、自分にこびりつくように付いて回って、何となく「限りある将来」が見えてしまうことがあります。

外資系の会社の場合でも、なかなか職務内容も進歩しないし、昇進の可能性もないというようなことがあります。いずれにせよ、転職すると、新しい人事評価のもとで再スタートできるというのは、大きなメリットになります。

転職の場合は、必ずしも「引き抜き」ではなくとも、相手が自分を必要としているから採用されるということが前提です。最初から責任ある仕事を任されることも多いですね。また、これまでの人事評価を前提に、仕事に受け身で待つというストレスもありません。転職することで、前の人事評価のしがらみを捨て、フレッシュな気分で仕事に取り組むことができるのです。

イチから評価し直してもらわなくてはならない【BAD】

転職先に、今までの人事評価を持って行くことはできません。「割合、いい線行ってたかも」と思っていた人も、自分の仕事の能力を認めてもらうために、イチからスタートしなければなりません。

知らない人に認めてもらおうというのですから、ある意味、新入社員のような緊張感を強いられることになります。

大きな会社の場合、入社年次を換算して「換算同期」の標準並みの処遇からスタートすることが多いのですが、「5段階評価の3くらい」と言われても、「3の上」ではなくて「3の下」くらいのことがよくありますし、年次を換算する時に、何年分かを差し引かれるケースもあります。

それに、旧来型の大企業の場合、どうしても「生え抜き」を大切にしようとする傾向があるので、例えば将来、社長にはなりにくいかもしれないといった、見えない壁にぶつかることもあります。

転職で人事評価は上がるか? 下がるか?【結論】

最近は、成果主義の浸透で、過去の人事評価を延々と引きずることも少なくなりました。ですから、良くも悪くも報酬制度も含めて人事評価のルールは入社前によく確認しておくべきですね。

ルールを理解して、納得してから入社するのが大前提です。転職の場合は、仕事の内容や評価ルールを自分で選ぶことができますし、時には交渉もできます。自分のやりたい仕事ができ、しかも、これまでの人事評価のしがらみを捨てることができるというのは、転職の大きな魅力ですね。

転職に資格は役立つか?

自己演出のためには役立つ【GOOD】

採用する側は、応募者について詳しい情報をほとんど持っていないので、履歴書に書かれた資格は参考にします。近年の人材採用では、経営環境の変化に早くついていけるように、「完成品」を求める傾向が強まっており、候補者がすでに仕事の能力を身に付けていることを期待する傾向が強まっています。

ですから、資格の取得を通じて、ある程度の勉強を済ませていることは有利なのです。弁護士、医師、公認会計士といった、その資格を持っていなければできない業務につながる大型資格は、もちろんプラス評価の対象ですが、直接仕事に関係がなくても、「税理士」とあれば「努力家なのかな」とか、「英検1級」とあれば「外国に興味があるのかな」などと、どんな資格を持っているかで、人物像を想像することもあります。こうした自己演出をするためにも、資格は役に立ちます。

求められるのは、資格よりも能力【BAD】

会社は、採用する人物の業務上の能力を求めているのであって、資格を求めているわけではありません。資格は能力を推測する情報の一つに過ぎないので、「資格を持っているから有利だろう」と過剰な期待を持たないほうがいいでしょう。

例えばMBA(経営学修士)でも、転職である程度有利に働くのは全米トップ5クラスの有名大学院のMBAで、かつ本人がせいぜい30代前半まで。それ以外のケースでは、「英会話とエクセルくらいはできるな」という程度の判断材料にしかなりません。

資格所有自体が直接的な減点材料ではないのですが、資格所有者は過剰なプライドを持っていることがあり、また、仕事に集中できないタイプであったり、自己アピールが苦手であることから資格取得に走っていたりするケースも見受けられます。特に資格マニア的な履歴書には、採用側が警戒感を抱くことがあります。

転職に資格は役立つか?【結論】

転職の際に認められるビジネスパーソンの能力とは、実際の仕事を通じて明らかになった能力のことです。自分のやりたい仕事で能力を認められるためには、MBAなどの資格を取るよりも、ともかくその仕事にかかわることができる会社なり部署なりに移るのが早道であり、同時に王道だと私は思います。

「資格をとれば、俺(私)の人生変わるかも」という期待は、現実的ではありません。勉強の手段として資格を取るのはいいのですが、資格自体が適職への通行手形になるというようなイメージを持つのはやめたほうがいいでしょう。

人材紹介会社を使うべきか?

転職が早く決まって給料の交渉もラク【GOOD】

人材紹介会社の人材コンサルタントと転職希望者は、多くの場合、利害が一致する。共通の目的を持つパートナーだといってもいい。お互いに転職を早く決めたいし、新しい給料は高いほうがいい。転職が決まらないと人材紹介会社にとっても収入にならないので、可能性のある企業に精力的にあたってくれるから、転職までの時間を短縮することができる。

また、人材紹介会社は、転職者を採用する企業から、採用される人の年収に応じた手数料を取るので、なるべくなら高い給与で決めたいと考えて交渉してくれる。

人材紹介会社を利用する大きなメリットは、金銭面での条件交渉がやりやすいことだ。多くの人にとって、お金の話を直接するのはやりにくいものだから、これは助かる。また、検討した結果、相手先に断りを入れる場合にも、人材紹介会社経由だと気が楽な面もある。

焦って転職先を決めてしまう懸念がある【BAD】

人材紹介会社は通常、転職者の新しい年俸の25%~35%程度の手数料を採用する側の企業から取る。これは、採用する側にとっては、当然コスト・アップ要因だから、転職希望する企業に直接コンタクトが取れるようであれば人材紹介会社は使わないほうが良い。

また、人材紹介会社は、ともかく転職を決めないと収入にならないから、自分の手持ち案件の中で、転職を早く決めようとする傾向がある。転職する本人の意向を尊重する態度を取っていても、どうしても「早く決めたい」という意志が働くので、ベストの転職先でなくても決めてしまうことになりかねない。

加えて、採用企業と自分との間に、人材紹介会社が介在すると、情報が正確に伝わらない場合がある。これは、人材紹介会社がすべての業務に精通しているとは限らないからだ。

人材紹介会社を使うべきか?【結論】

人材紹介会社の人材コンサルタントは、基本的に転職者の側に立ってくれる良い相談相手だし、何といっても転職に関する情報を豊富に持っている。

相手を見る必要はあるが、積極的に付き合ってみることをおすすめする。人材紹介会社から電話が掛かってくる場合は、何らかのチャンスを持ってきてくれていることが多いから、会ってみて損はない。

相手の会社の実績や、自分の業務について詳しく知っているかをチェックしたうえで、相談相手にしよう。筆者の転職(12回目)も知り合いの人材コンサルタントの紹介によるものだった。

知り合いの紹介による転職は良いか?

ムダな労力と緊張なくして転職できる【GOOD】

相手の会社の事情も自分のこともよく知ってくれている知り合いが、自分に向いた転職先を紹介してくれるというのは、最も恵まれた転職の形と言っても良いでしょう。

特に、紹介者が相手の会社の適切な人物に、良いタイミングで紹介してくれるなら、転職には非常に好都合です。同年代の社員に会社の様子をヒアリングしたい時、採用の決定責任者にダイレクトに働きかけたい時など、知り合いがこちらのニーズに合わせたセッティングをしてくれるなら、求人広告を見て、履歴書を送り、面接してくれるかどうか結果を待つといった、普通の転職活動につきまとう面倒と緊張感を味わわなくて済みます。

持つべきものは、良い友だち!

断るのが気まずくなる懸念あり【BAD】

知り合いが紹介してくれた転職案件で一番困るのは、断るのが気まずいことです。紹介者は、紹介の際に、候補者がいかにその会社と職に向いているかを熱烈に推薦してくれていることがあり、相手側も相当の期待を持って、しかるべき権限を持った人が無理に時間を作ってくれていることもあります。

こうした場合、紹介者の顔をつぶすことになりかねないので、自分は何となく気が進まないという程度の理由では断りにくいことがあります。また、相手の会社で紹介可能な知り合いのそのまた知り合いが、自分の転職にとって必ずしもピッタリのポジションの人とは限りません。働きたい部署の人ではない場合に、適切な人につないでくれないこともあります。

こうした場合、公募なり、ホームページなりの公式の窓口を使うほうが良いこともあります。

知り合いの紹介による転職は良いか?【結論】

転職は自分という商品を売る商談です。使える人間関係は有効に使いましょう。知人の紹介もその一つです。 商売をする際に、紹介者をたどって相手の会社なり人なりにアプローチするというのはよくあることですし、恥ずかしいことではありません。

注意点はありますが積極的に利用していいでしょう。有能なビジネスパーソンであれば、自分が興味を持った会社に自分で接近できるぐらいであってほしいものですし、むしろ、これが本来の転職活動だと言っても良いでしょう。

ベンチャー企業への転職は良いか?

仕事の自由度が大きく、創意工夫の余地が大きい【GOOD】

何といっても、仕事が増えて業績の伸びている会社は活気がある。会社と一体になって「伸びている」と実感できる職場は貴重だ。

ベンチャー企業は、新しい仕事が多いし、社員も若いことが多いので、仕事の自由度が大きく、創意工夫の余地が大きい。仕事のやり方がすっかり固まっていて、上には上司・先輩がみっしり詰まっているといった古い会社にはない働きがいがある。

それに、株式を公開する時、そして、更に成長力のある少数の会社ならその後にも、社員が自社株やストックオプションなどで数千万円(場合によっては億円単位)のお金を手にする可能性があるのもベンチャー企業に勤める魅力だ。若くして大金持ちになる可能性があるのはベンチャーが一番!

ちょっとしたつまずきで会社が傾く不安定感があり【BAD】

期待どおりに成長すればいいけれども、ちょっとしたつまずきで会社が大きく傾く不安定感がベンチャー企業の宿命だ。ハイリスクな勤め先には違いない。

そして、ベンチャー企業はおしなべて人使いが荒い。株式公開まで漕ぎつけた会社だと、経営者や創業メンバーは大金を持っていることが多いが、その一方で、安い給料で残業に次ぐ残業に追われる多数の「働きアリ」のような社員が彼らを支えている。働きアリになると、労働のきつさが肉体にこたえ、同時に、埋めようのない貧富の差が精神をむしばむ。

また、強烈な個性を持つ創業経営者のワンマン・カンパニーが多い。社長と合わなくなった場合には、働きにくいばかりでなく、人事上の不利や、最悪はクビを覚悟しなければならないこともある。

ベンチャー企業への転職は良いか?【結論】

ベンチャー企業に入る場合に重要なことは2つ。経営者との相性が悪くないことと、再び転職しなければいけなくなっても世渡りできる自信があることだ。

例えば、新しい仕事を1~2年で覚えることができそうで、これが自分の身に付くと思うなら、多少のリスクをとっても大丈夫だ。 会社の先行きを見通すのはプロでも難しいし、株式公開の時期などによる損得もあるが、将来、思いもよらない大きなお金・大きな仕事が手に入る「可能性」がある。

最悪の場合は、もう一度転職すればいい。ベンチャー企業のチャンスに賭けてみるのは張り合いのある選択だ。

グループ転職はOKか?

仕事の立ち上がりが早くて確実!【GOOD】

同じ会社で一緒に働いている者同士が、グループで別の会社に転職するケースは、初めからグループ転職として交渉する場合と、誰かが先に転職していて後から仲間を呼ぶ場合の、大まかに2通りある。若い人の場合でも、先輩に誘われて転職して、結果的に「グループ転職」になることがしばしばある。

「グループ転職」の最大のメリットは、仕事の立ち上がりが早くて確実なことだ。お互いに知っている同士で仕事ができるので、仕事の連携がスムーズで、新しい会社の仕事に不安なく臨むことができるのは単独での転職にないメリットだ。

単独の場合、同僚に恵まれないことがあるし、仲間に溶け込むまでに時間がかかることがある。仕事のうえで時間が節約できるのが、グループ転職の最大のメリットだ。また、顔見知りの仕事仲間が1人でもいると、環境が変わっても緊張が少なくて済む。一緒に働いたことのある仲間と一緒の転職は、精神的にも大幅に楽だ。

仲間に依存しあってしまう懸念あり【BAD】

グループで転職すると、仲間に依存し合うことが大きなデメリットだ。グループ転職では、メンバーそれぞれの仕事の持ち場が決まっていることが多いし、お互いに同じ会社出身という強い仲間意識を持つ。

こうした仲間から自分だけが抜けるのは相当に気が引けるし、また、自分でなく、仲間に辞められた場合にも、仕事上困ることがしばしばある。それに、働くうえでの人間関係が変わらないし、前の会社の上下関係を引きずることも少なくないから、転職が気分転換になりにくい。

また、悪くすると、同じ会社から転職してきたグループが一種の派閥のようになって、新しい会社の中で人間関係的に浮いてしまうことがある。よほど気を付けていないと、周囲もそのように見がちだ。意外に不自由なことがあるし、「グループ転職」独特のリスクもあるのだ。

グループ転職はOKか?【結論】

仕事がやりやすいことと安心感のメリットは、やはり捨てがたい。グループで転職活動をしてもいいし、先に転職した先輩などからの誘いによる転職を前向きに考えることは構わない。せっかくできた仕事上の仲間は貴重だ。

ただし、2つ注意すべきことがある。お互いを過剰に制約し合わないことと、転職仲間だけで派閥を作らないことだ。一緒に転職する同士で、どのように働くかをよく話し合うべきだし、共同で仕事をする場合でも、入社後何年経ったらお互いに自由にしていいかを決めておくといいだろう。

複数回の転職はOKか?

自慢にならずとも、何ら恥ずべきことではない!【GOOD】

「何度も転職できることは能力の証だ」というのは褒めすぎとしても、その人物を採用したいと判断した会社が現実に複数あったということだから、複数回の転職を経験していることは悪いことではない。自慢にはならないが、何ら恥ずべきことではないと思う。

それに、最初に就職した会社が合わなくなって辞めたのが初回の転職なのだから、転職で入った会社だって、時間が経って本人に合わなくなってもおかしくない。

また、転職活動から決断にいたる流れは、初めての転職よりも2度目以降の転職のほうがはるかに楽でスムーズだ。初回の転職は、転職すること自体に対して迷いがあり、緊張もするが、2回目以降の転職は、「転職してもやっていける」という自信を持っているので、自分のペースで活動し、決断することができる。

根気がない、忠誠心が乏しいと思われやすい【BAD】

転職回数の多い履歴書を見ると、採用を検討する側では、「根気が続かない性格なのか」「会社に対する忠誠心が乏しいタイプなのか」といった心配をする。筆者も、たぶんそういった事情で履歴書レベルで落とされたことが何度かあるし、面接でも「どうして、こんなに転職したのか?」と聞かれたことがある。

複数転職の経歴が、人材評価上プラスになりにくいことは知っておくほうがいい。

また、引っ越しにも費用と手間がかかるように、転職を重ねることによるコストも小さくない。現行の多くの企業の制度では、年金や退職金の不利があるし、転職の時期によってはボーナスで損をすることもある。

加えて、転職活動に費やす時間、転職後に新しい環境に適応するための努力に緊張感もあって、転職で消耗するエネルギーは相当なものだ。転職は何度も繰り返さないほうがいいに決まっている!

複数回の転職はOKか?【結論】

複数回の転職は、しないで済めばそれに越したことはないが、転職が必要な場合や大きなチャンスがある場合に、「経歴上まずいから」という理由でこれを避けるべきものではない。

「転職は1回だけ」と決める理由はないし、1回だけで足りるかどうかはその人次第、会社次第だ。筆者の場合も、「転職はもうこれで最後にしよう」と思って転職したことが一度ならずあるが、それが最後にはならなかった。

でも、それで困ったわけではない。柔軟に考えよう。 ただし、1回1回の転職の理由については、誰にでも説明できるようにきちんと整理しておきたい。

転職は人生にとってプラスか?

転職すると大人になれる【GOOD】

大人になることが転職の第一のプラス効果だ。一つの会社の中だけにいると、自分にとっての会社、社会にとっての会社といったものが見えにくいが、転職を経験すると、会社との距離感が分かってくる。

特定の会社が自分にとって不可欠でもないし、また会社にとって自分が不可欠でもないことが実感として分かる。そして、自分の意志で自分の進路を決めて転職して、現実に生活できているということが自信にもなる。客観性と自信は大人の必要条件だが、転職経験がプラスに働く。

仕事の知識が増えることも転職のプラスだ。同じ仕事でも、場を変えてみることによって見え方や必要な知識が異なるから、仕事における転職の学習効果は大きい。新しい職場で負けたくないとも思うから、転職は勉強のきっかけにもなる。

知識・経験と共に、友人が増えることも挙げておこう。一緒に仕事をすることは深い友情のきっかけになるし、会社を変えるとタイプの違う友人ができやすい。

ないで済むなら、転職はしないほうが幸せ【BAD】

転職すること自体は経済的に損だ。退職金や企業年金では明らかに損になることが多いし、転職の時期によってはボーナスを満額もらえないこともある。

新しい会社に慣れるための努力も必要だし、場合によっては転居を伴うこともある。「引っ越し貧乏」という言葉があるように、転職のコストもバカにならない。何度も転職した筆者は、実感を持って分かる。

それに、個人個人が自分の人生に責任を持たなければならないとはいえ、会社や同僚との一体感にも捨てがたいものがある。自分も他人を知り、周囲も自分を知ってくれている環境で働くことによる安心感とやりがいの価値は大きい。しないで済むなら、転職はしないほうが幸せな職業人生だという考え方もあるだろう。

転職は人生にプラスだ。【結論】

とりあえず、そう考えてみてほしい。転職にはコストもかかるし、転職せずに済む会社人生が幸せなこともあるのは事実だが、「転職もあり得る」と考えることで、一生の間に自分にできることが大幅に拡大する。

山崎 元(やまざき・はじめ)

楽天証券経済研究所 客員研究員、経済評論家 1958年生まれ。東京大学経済学部卒業後、三菱商事、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、明治生命保険などを経て、2005年楽天証券経済研究所入社。現在まで12回の転職を経験する。雑誌やウェブサイトで多数連載を執筆し、テレビのコメンテーターとしても活躍。1994年東洋経済高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。著作に、『僕はこうやって11回転職に成功した』(文芸春秋)、『ファンドマネジメント』(金融財政事情調査会)、『お金がふえるシンプルな考え方』(ダイヤモンド社)、『ビジネスマンあなたの市場価値』(ビジネス社)、近著に『転職哲学』(かんき出版)など多数。

マイナビ転職 編集部

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