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長く愛されるものづくり哲学。「体にフィットするソファ」ロングセラーへの開発秘話。 依田徳則さん
ユーザーへの販売責任を果たす
ダイレクトな消費者の声を聞きたかった イメージ画像

1980年に「わけあって、安い」をキャッチフレーズに開発された、良品計画のブランド「無印良品」

「人をダメにするソファ」と評される、「無印良品」ブランドの「体にフィットするソファ」。2002年に生まれたロングセラー商品だ。

内部に超微粒子ビーズを使った、体に合わせて変形する一人掛けのソファで、包み込まれる感覚が受けて発売当初からよく売れた。途中大きく失速した時期もあったが、改良したことで再び火がつき、昨年は売り上げが前年度比約6割増、そして海外でも好調と勢いが止まらない。

依田さんは、この商品の企画や改良を行う部署のマネージャーを務めている。元々、山あいの町で育ち、自然や木が大好きだったという。前職も家具を扱う会社にいた。

「前の会社は小規模だったので、バイヤー業務の他に生産や在庫の管理、物流センター業務など幅広く仕事をさせてもらえ、いろいろと学べました。ですが店舗の品ぞろえ決定機能がなく、もっと消費者の近くで生の反応を感じたいという思いが募って、生活者の声を大切にしている良品計画に転職したのです」

売り上げが下降品質改良へ向かう イメージ画像

「体にフィットするソファ」は座った体に合わせて形を変え、包み込むような感触が心地良い

「体にフィットするソファ」は、消費者の声を生かして商品を作るという、同社が展開していた消費者ネットワークから生まれたものだ。形状やデザインなどを企業と消費者が相互にやり取りして作り出された。依田さんが転職した06年は発売後4年目で、順調に売れていた時期。「こんなに売れる家具があるのかと驚いたほどです」

だが、やがて低価格の競合品が出回り、売り上げは落ちていく。09年に年間で約10万個売れていたものが、11年には約4万個まで急降下。販売中止も検討したが、依田さんたちが選んだのは品質改良という道だった。当時の同ソファには、生地のポリウレタンが汗を吸って徐々に劣化し、やがて伸びて戻らなくなるという問題点があり、そこに目を向けたのだ。

「正直、社内では次なる商品の企画も検討していました。でもそれには時間がかかるし、それ以前に、うちにはお客さまに物を届けているという責任がある。とにかくご迷惑をお掛けしている点があるならそれをないがしろにはできないと、まずは問題点を改善しようと決めました」

依田さんは研究部門の担当者や、生地を担当する繊維メーカーの技術者たちと話し合いを重ね、ついに品質改良を実現。生地はへたりにくくなる。ただ、リニューアル後の売り上げは落ちることはなかったものの横ばいへ。ところが2年後、ある出来事が思いもよらぬ人気再燃のきっかけを生む。

腹に落ちたら最後までやりきってみる
改良した商品に再び注目が集まる イメージ画像

上記写真の「体にフィットするソファ」のカバーは今季人気のデニム。今後は色合いだけでなく素材にもこだわっていきたいという

良品計画の「無印良品」ブランドから販売されている「体にフィットするソファ」。この商品を13年のある日、一般のブロガーが「人をダメにするソファ」と紹介した。座り心地の良さを言い得て妙のその評価はSNSで拡散し、売り上げが急伸。

「ただ、メディアで紹介されて売り上げが伸びても効果が一時的なことが多いので、当初は静観していました。でも落ち着くどころか数字は上がり続け、もちろんうれしかったけれど、『このままでは欠品になる、まずい!』という気持ちも強くなりました」

生地に使う糸の確保には半年もかかり、量もたくさん必要になる。依田さんは自社の販売担当や繊維メーカーの工場長、営業担当と、それまでの約3倍となる生産ラインの確保のため協議を重ねた。

「工場の生産ラインを変えるのは相手先にもリスクがあることなので、自分の意見がどれだけ信憑(しんぴょう)性があるかを具体的な数字を基に示し、交渉しました。でも、実際に3倍確保が決まった時にはプレッシャーでクラクラしてしまった(笑)。それで、改めて売るしかないと覚悟しました」

新生活シーズンに向けた販売促進で通常は取り上げない同商品を目玉にしたり、海外戦略に力を入れたり。そういった努力が実を結び、14年は前年より約6割増の年間約13万8千個を売り上げた。

専門知識のある人と対話し、学ぶ イメージ画像

ソファに座った時の心拍数に合わせ、リラックスできる音楽を自動生成するアプリが今春登場した

「SNSの発達で評判や情報の広がり方は変わったけれど、家具は使い心地の良さが大切という本質は変わりません。お客さまは情報を豊富に持ち要望も細かくなっていますし、海外への商品展開もあるので、ユーザーの声には今まで以上に耳を傾け、品質に気を使うようにしています」

そこで、家具の技術的な専門知識を持つ製作スタッフを、依田さんが所属する部署に配置。商品企画の途中から彼らが引き継いで仕上げられるよう体制を組んだ。社内はもちろん産地や工場、店舗などにいる専門知識のある人と腹を割って話し、学ぶこと。これを依田さんは意識する。

「無印良品は皆がコンセプトを共有しているのでぶれませんが、半面この商品は無印の製品として正しいのかということを常に考え抜く必要があります。会社の哲学、利益、品質のどれが欠けてもダメなので、バランス調整が大変です。私は人の話を聞き、自分が納得してやると決めた仕事は、どうしたら実現できるかを考え、とことんやりきろうと決めています。結果が良くも悪くも、やりきってみないと分からないことってありますから」

私の情熱を支えてくれるモノ

「出張で行った現場の写真」

私たちは国内外の工場や産地など、あちこちのものづくりの現場に出張に出かけて行き、そこで出会う方々の思いに深い感銘や刺激を受けています。でも本社のオフィスにいると、日常の仕事でそういうことがついつい薄れがち。だから、出張の時に撮影したさまざまな写真を見て、その時のことやいろいろな方の思いを胸によみがえらせています。右の写真はホワイトオークの産地、北米の森。木の状態や森の様子などを実際に見ただけでなく、森を管理する方の考えにも触れ、とても心が動きました。今後は特に素材の探求にも更に力を入れ、国内外での新しい産地の掘り起こしや、グローバルな供給体制づくりを行っていきたいですね。

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