実際の面接体験談をもとに、過去1万人以上を面接した人事のプロ『ヤドケン(谷所 健一郎氏)』が回答内容を評価。「自分なら質問にどう答えるだろう?」と面接を受けているつもりで読みながら、回答のコツを盗み取ってください。
面接でのやりとりを知ることで、緊張や不安が和らぐだけでなく、面接本番で使える回答のバリエーションも増やすことができますよ。
Episode.07 企画営業(サービス業/1次面接)
半蔵さん(35歳・男性)
希望職種:旅行業界の営業
応募企業:観光バス会社
面接官:社長(1次面接)
概要:まず筆記試験が1時間ほどあり、終了後、社長室に呼ばれました。1次面接でいきなり社長ということで緊張してしまったこともあり、会話がぎこちなくなってしまったように思います。
Check! サービス業の面接の場合
サービス業の面接では、応募者の第一印象がポイントになる。第一印象は、笑顔や視線、姿勢、声のトーン、そして応募企業に対しての熱意で、判断される。入社したいという気持ちが強ければ、事前に応募企業の研究を行い、入社後の自分の働く姿を想像することができるはず。具体的にイメージすることで、熱意が表情に表れ、面接官にアピールすることができるんだ。
サービス業の場合、企業の特性や、扱う商品に惚れ込むことが大切だよ。面接を受ける前に、身近に店舗や商品がある場合は、ぜひ自分自身で触れてサービスを感じ取ってみよう。仮に、商品などに問題がある場合でも、前向きな改善策を考え、より素晴らしいサービスを提供したいという気持ちで面接に臨もう。
常に人とのかかわりが多い仕事だから、何よりも「人が好き」ということがポイントになる。いくら能力があっても、社内、社外の対人関係に不安を与えるようでは、採用されない。サービス業の本質である「顧客に奉仕し喜ばれたい」という気持ちを、面接中に表現することを意識してみよう。
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面接レポート
社長 「前職は営業職だったようですが、どのようなことをされていましたか?」
私 「御社と同じく旅行業でしたので、今回の募集と同様の仕事をしておりました。」
前職で旅行業として行ってきた主な業務と「強み」について、簡単に説明したほうがいいね。同業種であれば、面接官も話の内容に興味を持つと思う。
長々と説明することは問題だけど、ワンセンテンスで終わらせるのではなく、面接官と会話ができる内容を引き出すためにも、具体的に語ることが大切なんだ。
今回の募集職種と共通する前職の業務については、「同様の仕事」ではなく、具体的に営業方法や実績をアピールしよう。
*応募企業で、前職の経験が生かせることを、具体的に示そう
社長 「その前は、新卒で就職した会社に勤めておられたのですね?」
私 「はい、ドラッグストアの販売員として就職しましたが、入社後4カ月で店長に昇進いたしました。」
社長 「店長の仕事とは、具体的にどのようなものだったのですか?」
私 「店舗運営と商品仕入れ、売上金管理に従事していました。」
面接官は、半蔵さんの強みとなる部分を、引き出そうとしているね。
店長の仕事内容に興味を持ち、具体的な仕事内容を聞いていることから、応募企業でもリーダーシップを求めていることが考えられるよ。半蔵さんが説明したことに加えて、実績や貢献したこと、更に店長としての人事管理について、差し支えのない範囲でアピールしよう。
*事前に、前職における「強み」について考えておこう
社長 「前職を辞められた後は、何をされておられたのですか?」
私 「友人の仕事を手伝いながら、転職活動をしておりました。また、職業能力開発促進センターに入所しました。」
友人の仕事を手伝ったことについて、もう少し具体的に話したほうがいいね。空白の期間を、友人の仕事を手伝っていたと答える応募者は意外と多いけど、あいまいな表現だと受け止めてしまう面接官もいるんだ。なぜ手伝うことになったのか、そして、貢献できたことについて説明することで、理解を得られると思う。
友人の仕事が長期間ではなく、特にアピールすることがない場合は、「技術を身に付けたいと考え、職業能力開発促進センターで、~の技術を修得し、転職活動を行ってきました」と言っても構わないよ。
社長 「そこでは、どのようなことを学んだのですか?」
私 「パソコン操作、マーケティング、営業プロモーション、企画書作成などを修得しました。」
営業希望であれば、マーケティングや営業プロモーションについて学んだ内容を簡単に説明し、その知識をどのように営業職として生かせるか説明すると、面接官は興味を示すと思うよ。
自分自身をプロモーションすることが面接だと理解し、限られた時間の中で、最大限にアピールすることを意識してみよう。
*今までの経験から、応募企業で生かせることを考えてみよう
Check! 1次面接を突破するポイント
1次面接では職務経歴書や履歴書など、提出書類に書かれいている内容を確認したり、深堀りする質問が多いんだ。職務経歴書に記載されている経験や能力が、求めているレベルを満たしているかどうかをチェックする質問や、退職理由、志望動機や、職歴にブランク期間がある場合はその間に何をしていたかなどがよく聞かれる。
例えば、退職理由が人間関係に問題があったという理由の場合、面接官は、組織に適応できないのではという不安を感じることがある。また、職務経歴書に記載されている内容に信憑性がなく、職務能力に疑問を持たれると不採用になるケースが多い。1次面接では、大きなミスをしないように注意し、応募企業だからこそ入社したいという熱意を示すようにしよう。
今回は社長だったけど、1次面接では人事担当者などによる形式的な面接の場合が多いから、ほかの応募者に差をつけられるよう、さわやかさやビジネスマナーを心掛け、好印象を与えるようにしよう。
<1次面接で気を付けるポイント>
- 面接官が自分より年下でも、見下した態度は慎むこと
- 職務経歴書に記載した内容を、事前にチェックしておくこと
- 退職理由、志望動機は丸暗記ではなく、自分の言葉で語れるように練習しておくこと
- ビジネスマナーを心掛け、時間厳守で臨むこと
- 面接官との会話から、求められている人材像を探り、マッチングさせること
- 面接官が採用担当者や採用部署の社員の場合、社長や役員でなければ答えられないような質問は避けること
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面接を終えた感想
一通り確認し、2、3日後に連絡します、ということで面接が終わりました。
もっと具体的に答えなければ、と反省しています。
半蔵さんは理解していると思うけど、振り返ってみるとワンセンテンスで答えていることで、面接官とのやりとりが一方通行になり、会話になっていない点が反省事項だね。面接官は、半蔵さんが、語りやすい材料をかなり提供しているから、もう少し詳細に答えるようにしても良かったかもしれない。面接官の質問にただ答えるだけでなく、質問の意図を理解し、面接官が興味を示す話題を提供することが大切だよ。
面接官が社長の場合、応募企業に対する熱意や仕事への信念が、採否のポイントになることが多い。
いきなり面接で答えを考えても、見つからないことが多いから、事前に前職における強み、応募企業で生かせること、志望動機、退職理由、そして将来のキャリアビジョンについて書き出して、整理をしておこう。今回志望動機について聞かれなかった点がやや疑問だけど、最後まで聞かれない場合は、半蔵さんから、応募企業だからこそ入社したいという理由を、最後に自ら語ることで、面接官の印象が変わると思うよ。

有限会社キャリアドメイン代表取締役
谷所 健一郎(ヤドケン)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。主な著書「はじめての転職 必ず成功する転職」(マイナビ)ほか多数。
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