シゴトサプリトピックス

転職先を決める一つの指標にも！　企業年金・401k（確定拠出年金）って何？

掲載日：2015.9.17

「老後資金は3,000万円必要」「年金はもらえなくなる」といった話を聞くと、まだ先のこととはいえ将来が不安になるばかり……。そんななか「企業年金」があれば、老後に備えることができるという話をキャッチ！

「企業年金とは、定年退職後に企業が社員に対して年金を支給する仕組みのことです。制度について知らないと、定年退職後にお金が足りずにパニックになるかもしれません」

こう話すのは、ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さん。実は、退職金は会社が倒産したら、もらえないことがほとんどです。その点、企業年金は外部積立されているので、万が一の時もそこにあるお金は配分される仕組みです。また、受け取り方も退職時に一括で支給される退職金と違い、一括でもらうこともできれば、年金のように分割でもらうこともできます。

「今は4社に1社の割合で、企業年金の制度を取り入れています。ひとくくりに「企業年金」といっても、種類がいくつかあり、最近では「確定拠出年金（日本版401k）」（以後、401k）の加入が増加傾向にあります。自分の会社は制度を導入しているのか、あるならどのタイプかまで把握しておきましょう。給与明細を見たり、人事部に確認したりすれば分かりますよ」（山崎さん　以下同）

401kとは、将来もらう予定の退職金を毎月分割して個人の401k専用口座に入金し、退職時までに定期預金や投資信託などを使って自分で運用してください、というもの。プラス運用できれば、増えた分だけ受取額もアップすることになります。とはいえ、運用は難しそうで、不安定な制度にも思えますが？

「401kを実施している企業は、投資教育が義務付けられているので、勉強会などがあります。また運用といっても毎日売り買いする必要はなく、ほったらかしにしていてもかまいませんし、毎月入金があるので元本はどんどん積み上がっていきます。不安定な制度に見えますが、会社の都合で支給額が減らされないなど、とてもありがたい制度です」

年金関連の専門誌「年金情報」（格付投資情報センター刊）によれば、2015年3月末時点で調査では99%の人がプラス運用になっているといいます。

「転職時は給料を基準に企業を選びがちですが、老後のことを考えれば、企業年金の制度がある会社かどうかも意識してみてください。制度があるかないかで、生涯収入が1000万単位で変わってくる可能性もありますよ」

実施している企業は、求人票などに明記している場合が多いそう。転職をする際は、ぜひチェックしてみよう！

（名久井梨香＋ノオト）

取材協力／山崎俊輔

フィナンシャル・ウィズダム代表。投資教育家。AFP、消費生活アドバイザー。All About「賢く生きる3分間マネーハック」、日本経済新聞電子版「20代から始めるバラ色老後のデザイン術」などを連載。著書に『20代から読んでおきたい「お金のトリセツ」！』（日本経済新聞出版社）、『稼ぐ・貯める・増やす　20代のお金の教科書』（学研パブリッシング）、最新刊に『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』（明日香出版社）がある。