
年齢のハンディを強みにする方法
年齢の不利が有利に変わる売り込み方
自分が採用されると企業は何を得するのか考えてみる
年齢が高いほど転職は不利だと思っている人が大半です。しかし年齢が高くても転職に成功した人はたくさんいます。両者の違いは、年齢の高さを強みにする発想があるかどうかです。
年齢が高い分、経験、人脈、専門知識など、さまざまな点で若手より優れていることがあるはずです。そうした点に目を向けることなく、年齢が高いだけで不利だと思い込み、転職をあきらめている人が実に多いのです。
40代のMさんの成功事例を紹介します。Mさんがまず行ったのは、志望企業の業務分析。ノートに問題点を書き出し、もっと効率的な方法はないか、革新的な方法はないか、利益を上げる方法はないか、を徹底的に分析します。そして自らがプロジェクトリーダーとして志望企業に貢献するビジネスモデルを考え、それを1枚の企画書(事業計画書)にまとめます。
もちろん、Mさんならではの実務経験やマネジメント経験、専門知識、人脈、スキルを生かしたビジネスモデルであり、若手にはまねのできないものです。Mさんは、この方法で数社受け、メーカーの営業部門からマスコミの管理部門という異業界・異職種への転職に成功しました。
若い応募者と同じような志望理由・自己PRでは、志望企業に採用メリットを感じてもらえず、年齢の高さが不利になるだけです。そこでビジネスモデルで自分を売り込んだわけです。
長く働いたことによる経験や人脈、専門知識などを他の企業に適用すると、さまざまなビジネスモデルが生まれる可能性があるものです。
経験の棚卸し作業をすると、自分ならではのビジネスモデルが見える
例えば、接客のプロフェッショナルの経験を生かして若手を指導し新たなサービスに進出するビジネスモデルや、専門的な技術・知識をこれまでとは違う分野の製品に適用するビジネスモデル……など、その組み合わせは無数に考えられます。
ビジネスモデルを考えるのは難しいと感じている人には、まず自分の経験を棚卸ししてみることをお勧めします。ノートに、社会人1年目、2年目と順に、経験した仕事や学んだ知識、身につけたスキル、構築した人脈を個条書きにしていきます。
この要領で現在までのすべてを書き出してみましょう。手帳や業務日誌などを見ながら行えば、かなりの数が書き出せるはずです。ちなみにMさんは、1年につき20ほど書き出したので、なんと合計500あまりになったそうです。経験の棚卸し作業を実際にやると、意外に多くのアピールポイントやビジネスモデルを組み立てる材料があることに気づくものです。
年齢が高いからと転職をあきらめないでください。「私を採用すると御社はこんな得をする」。これを具体的なビジネスモデルで伝えることができれば、あなたも未来を切り開けます。
case study 06「年齢・経験を生かす」ビジネスモデル作成シート
誰でも簡単にビジネスモデルが作成できるワークシートと共に、ビジネスモデルを考えるためのポイントをご紹介します。難しく考える必要はありません。ぜひ取り組んでみてください。
ビジネスモデルを考えるのは難しくありません!
もしかするとビジネスモデルを考えることに難しさを感じている人がいるかもしれません。①自分の経験の棚卸しをして、②志望企業に生かせることを分析すれば、意外と簡単にビジネスモデルを組み立てることが可能です。
①と②のポイントを、以下のビジネスモデル作成シートにまとめました。これを活用すれば、ビジネスモデル作成のコツがつかめます。早速記入してみましょう。

作成シート書き込み実例と、まとめ方のヒント
このビジネスモデル作成シートの書き込み実例をご紹介します。これは、福祉業界経験20年で、教育業界(資格試験対策スクール)に管理職での転職を成功させたAさんのものです。

これは、①の2、3、4と、②のBを組み合わせて、ビジネスモデルにした例です。このような売り込み方は、年齢が高くて実務経験が長いからこそ、説得力を高められる方法です。年齢が高くても転職をあきらめる必要はありません。自信を持って、粘り強く受け続けてください。自分を必要とする企業は必ず見つかります。
自分の実務経験を志望企業に当てはめてみれば、ビジネスモデルが見えてくる
長く働いたことによる経験や人脈、専門知識などを他の企業に適用してみると、さまざまなビジネスモデルが生まれる可能性があります。大別すると3つのタイプにわけられます。
1.問題解決型ビジネスモデル
志望企業が現在抱えている問題の解決法を、自分の専門知識や課題解決経験に基づいたプロジェクトとして提案する方法。
2.新分野進出型ビジネスモデル
志望企業が未着手の分野に対して、自分の実務経験や人脈を織り込んだ新規プロジェクトとして提案する方法。
3.新手法導入型ビジネスモデル
志望企業の業務に、自分が前職で身につけた手法を導入することで、従来の業務フロー以上に成果を挙げる(改革をする)プロジェクトとして提案する方法。
いずれも、自らの実務経験、役職経験、専門知識、人脈、スキルを生かしたものです。年齢が高く、経験、人脈、専門知識が豊富だからこそ有利にできる転職活動の手法です。若い年齢の応募者との差別化に大変効果があります。
プロフィール
就転職・キャリアコンサルタント
坂本直文(さかもと・なおふみ)
キャリアデザイン研究所代表。劇的就職塾主宰。大学講師。全国各地の大学にて年間200回以上講義。著書多数。近著に『就活ノート術』(日本実業出版社)、『人生のエントリーシート』(PHP研究所)。
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