「ご教示」と「ご教授」の意味の違いとビジネスシーンでの例文
更新日:2024年07月23日

記事まとめ(要約)
- 「ご教示」と「ご教授」はそれぞれ使う場面が違う
- 「ご教示」と「ご教授」は目上の人に対して使う言葉
- 「ご教示」と「ご教授」は書き言葉で会話では使わない
ビジネスシーンでは、適切な言葉を間違いなく使うことで、相手に良い印象を与えることができます。さまざまな表現方法を身に付け、その場に応じて適切な言葉を選べられれば、相手と良好なコミュニケーションが図れるでしょう。
「ご教示」と「ご教授」は響きが似た言葉ですが、持っている意味は異なります。この記事では、「ご教示」と「ご教授」の違いについて具体例を示しながら解説します。
また、近い意味を持っている別の言葉とそれぞれの活用方法についても紹介するため、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
「ご教示」と「ご教授」の意味の違い
まずは、「ご教示」と「ご教授」の意味の違いについて解説します。
「ご教示」の意味
「ご教示(ごきょうじ)」には、「教える」「示す」という2つの言葉が含まれており、不明点を教え示してもらう意味で用いられます。
相手がその場で回答できる内容を教えてもらう時に使う言葉です。
「ご教授」の意味
「ご教授(ごきょうじゅ)」には、「教える」「授ける」という2つの言葉が含まれており、物事の専門的な知識や本質的な内容を学び理解する際に用いられます。
その場ですぐに習得するのは困難で、時間をかけて学ぶ内容について教えてもらう時に使う言葉です。
「ご教示」と「ご教授」の使い方と相手
「ご教示」と「ご教授」の使い方と、それぞれ誰に対して使うのが適切なのかを見ていきます。
「ご教示」と「ご教授」の使い方
いずれもビジネスシーンで用いられることが多い言葉ですが、教わる期間で使い分けられます。
「ご教示」は、比較的短期間で相手にとって簡単に教えられるものを指します。例えば、資料の作り方、書類を作成するうえでの不明点、作業の流れなどを尋ねる際に使います。
「ご教授」は、中長期で継続的に教えてもらう場合に使われます。知識やスキルに関する内容を深く理解したい時に用いるため、質問をした際にその場で理解できる内容を聞く時には「ご教授」は使いません。
「ご教示」と「ご教授」を使う相手
「ご教示」と「ご教授」には、それぞれ「ご(御)」という尊敬語が含まれています。従って、いずれも目上の人に対して用いられる言葉です。
あなたの上司や先輩に加え、取引先や顧客も基本的には目上の人に当たります。逆に、後輩や部下に対して使うと違和感のある表現になってしまいます。
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「ご教示」「ご教授」のビジネスシーンでの例文
「ご教示」と「ご教授」は、ビジネスシーンにおいてそれぞれどのような使い方をするのか、具体例を参考に見ていきます。
「ご教示」の例文
「ご教示」を用いるビジネスシーンでの例文は以下のとおりです。
- 資料作成が完了しましたので、この後の流れについてご教示いただけますでしょうか。
- お打ち合わせに関しまして、来週貴社のご都合よろしい日時をご教示いただけますと幸いです。
- 貴社オフィスへ伺いますので、入館方法についてご教示いただけますでしょうか。
相手にとっては定型的な手順や方法を伝える内容で、基本的にはすぐに回答できるものです。
「ご教授」の例文
「ご教授」を用いるビジネスシーンでの例文は以下のとおりです。
- 部長には、製造業における知見をご教授いただきましたこと、あらためてお礼申し上げます。
- 貴社のダイバーシティ推進の取り組みについて伺いたく、ご教授いただくことは可能でしょうか。
- 先生からご教授いただいたおかげで、会計領域の理解を深めることができました。
「ご教授」に該当するのは、物事の本質などを伝える内容であり、その場ですぐに教えられるものではありません。その場限りのやりとりではなく、一定期間相手から学ばせてもらう場合に適切な表現です。
「ご教示」や「ご教授」を使う際の注意点
続いて、「ご教示」や「ご教授」を使う際の注意点について解説します。
より丁寧な言い回しを意識する
「ご教示」や「ご教授」は、目上の人に用いる尊敬語です。命令形ではなく、丁寧な言い回しの中で使用するとベターです。
「ご教示願います」「ご教授ください」といった締め方の表現で使用している人もいますが、状況や相手によっては、やや強い印象を与えてしまう可能性があります。
より丁寧に表現するために、「ご教示いただければ幸いです」「ご教授お願い申し上げます」などの言い回しが適切です。
「享受」と間違えない
「教授」と同じ読みで「享受」という言葉があります。ただ、「享受」は受け取って自分のものにすることで、「教授」とは大きく意味が異なります。
例としては、「自然の恵みを享受する」「円安の恩恵を享受する」などの形で用いられ、「ご教示」や「ご教授」に比べてビジネスの場で使う頻度は少ない言葉です。
パソコンを使う際には、「教授」と「享受」で変換ミスなどがないように気を付けましょう。
会話では使わない
「ご教示」と「ご教授」は共に書き言葉であるため、会話では使いません。ビジネスや面接の場で使う際には、「教えていただけますでしょうか」「ご指導いただけますでしょうか」などが適切な表現です。
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相手が「ご教示」や「ご教授」を使った時
取引先や顧客から「ご教示」や「ご教授」を用いた連絡があった場合、うまく前置きの言葉を使って、丁寧さや誠意を示すことが大切です。
例えば、以下のような使い方が適切です。
「明日は何時に行けば良いかご教示いただけますか」と連絡があった場合
お手数お掛けいたしますが、明日は13時に弊社にお越しいただけますと幸いです。
「研究の成果に関して、今後もご教授のほどお願い申し上げます」と連絡があった場合
ご期待に沿えるか分かりませんが、私なりの見解を今後もお伝えさせていただきます。
ビジネスシーンにおいては、取引先や顧客といった社外の関係者は目上の人という位置付けです。
その目上の人から「ご教示」や「ご教授」という敬語を使って連絡があった際には、謙遜を示して返答することで、相手に不快感を与えない適切なコミュニケーションが取れます。
「細やかな気遣いができる人だ」と相手に良い印象を与えられる可能性もあるでしょう。
「ご教示」や「ご教授」と似ている言葉
「ご教示」や「ご教授」と意味が似ている言葉は複数存在します。豊富な表現方法を身に付けておいて損はないので、状況に応じて使い分けられるようにしておきましょう。
ご指導
「指導」は、目的や方向に向かうために教え導くことを意味する言葉です。指導を受ける側は相手に対する尊敬を込めて「ご指導」と表現します。
ビジネスシーンでも、主に何かの手順や方法を教えてもらう際によく使われます。例えば、以下のような使い方をします。
人事制度の理解を深める研修では、大変多くのことを学ばせていただきました。引き続きご指導賜れますと幸いです。
メールなどの文書でも会話でも使うことができ、用途の広い言葉です。
ご助言
「助言」は、直接的に助けになることを伝える意味を持つ言葉です。助言を受ける側は相手に対する尊敬を込めて「ご助言」と表現します。
以下のような使い方があります。
資料作成にあたり、私が悩んでいた点に関してご助言いただきありがとうございました。
ビジネスシーンに限らず、日常でも使える便利な表現です。
ご鞭撻
「鞭撻」は、励まし努力させる意味を持つ言葉です。鞭撻を受ける側は相手に対する尊敬を込めて「ご鞭撻」と表現します。
「鞭」という文字が入っていることから分かるとおり、単に励ますだけではなく、少々厳しく、強く励ますニュアンスが含まれています。「ご指導」とセットで表現されることが多く、具体的には以下のように使います。
今後もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。
「鞭撻」を単体で使うことはほとんどないため、「ご指導ご鞭撻」のセットで覚えておくようにしましょう。
ご示唆
「示唆」は、直接的ではなく間接的にヒントを提供する意味を持つ言葉です。示唆を受ける側は相手に対する尊敬を込めて「ご示唆」と表現します。以下のように使われます。
先日は新卒採用手法に関するご示唆をいただき、誠にありがとうございました。
それとなく、さりげなく力を貸してくれた相手に対する表現として適切です。
また、直接的に聞くことはためらわれるものの、それでも教えてもらいたいことがある時、以下のように使うことができます。
恐縮ながらご示唆いただけませんでしょうか。
「何かヒントだけでもいただけませんでしょうか」というニュアンスの表現です。
ご指南
「指南」は、教え示すことを意味する言葉です。指南を受ける側は相手に対する尊敬を込めて「ご指南」と表現します。
ただし、「指南」という言葉を用いるのは基本的に武道や華道のような武術・芸事の場合に多く、ビジネスシーンではほとんど使われることはありません。例えば以下のように使われます。
武道の上達に励みたいので、今後もご指南いただきたく存じます。
このように、武道や華道などを習っている場合、先生に対して用いる適切な表現として使われています。
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「ご教示」や「ご教授」の英語表現
「ご教示」や「ご教授」を英語で表現する場合、どういった単語を使うことになるのかも把握しておきましょう。
「ご教示」は「Please teach me?」「Tell me?」などで表現されます。ビジネスシーンでは、もう少しかしこまったスマートな印象を与えるためにも、「Please advise?」が表現としておすすめです。
「ご教授」は、「Give me a lecture」が近い意味合いの英語表現となります。前述のとおり、知りたい内容がその場ですぐに得られるものではなく、時間をかけて習得する意味が含まれています。
まとめ
「ご教示」はその場ですぐに理解できる手順や対応方法を尋ねる際に、「ご教授」は物事の専門的な知識や本質的な内容について時間をかけて習得する際に使われる表現です。
日本語は、非常に繊細で細やかな表現が可能な言葉です。豊富な日本語の表現力を身に付け、場面に応じた適切な言葉を使うことで、ビジネスパーソンとして相手に認められる存在になりましょう。
マイナビ転職 編集部
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