SESとは?SES企業のエンジニアの職種・年収・仕事内容・将来性を解説
掲載日:2024年09月19日
記事まとめ(要約)
- SESとは、ITエンジニアがおもに客先に常駐し、システムの開発・保守・運用等に労働力を提供するサービスのこと
- 労働時間に応じて対価が支払われるので収入が安定しやすく、スキルアップ次第で単価を上げられる
- プロジェクトによって労働環境が変わる、業務が限定的になりかねないなど、SES企業で働くデメリットもある
- SES企業には未経験からスタートできる求人が多く、さまざまな経験を重ねながらキャリアの可能性を広げられる
IT業界ならではの用語「SES(エスイーエス)」。ITエンジニアへの転職を検討する際には、少なからず見聞きする言葉です。その一方で、実態が分かりにくいという声もよく聞かれます。
そこで本記事では、SESの意味や派遣との違い、将来性、働く立場から見たメリット・デメリット、SESに向いている人、SES企業を選ぶ際のポイントなどを解説します。
SESとは?意味・他サービスとの違い
SESとは、「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略称です。
エンジニアがおもにクライアント先に常駐し、クライアントが手掛けるソフトウエアやシステムの開発・保守・運用プロジェクトにて技術者の労働力を提供するサービスのことをいいます。
SESとSIの違い
IT業界でもう一つよく見聞きする言葉に、「SI(エスアイ)」があります。ITエンジニアに転職する際、SESとSIの違いを知っておくことは非常に重要です。
SIとは、「System Integration(システムインテグレーション)」の略称です。インテグレーションとは統合を意味し、IT業界ではクライアントからシステムやネットワークなどの構築依頼を受け、その企画から設計・開発・導入・運用・保守などを総合的に請け負うサービスのことをSIと呼んでいます。
SESとはエンジニアの労働力を提供するサービスだと解説しました。一方、SIは、プロジェクトとして各種システムの構築を請け負い、完成したシステムを成果物として納品します。労働力なのか、成果物なのか、提供するサービスの内容に違いがあります。
SES企業とSIerの違い
SESを提供する企業をSES企業、SIを提供する企業をSIer(エスアイヤー)と呼びます。
SIerは和製英語で、英語での正しい表記は「System Integrator」です。システムの設計・開発・導入・運用・保守などを総合的に請け負う企業の総称として使われます。
SES企業ではITエンジニアが社員として雇用されていますが、エンジニアが自社内で業務を行うことは少なく、おもにクライアント先に常駐して業務を遂行しています。これが、客先常駐と呼ばれるスタイルです。
一方、SIerは、ITプロジェクトを一括して請け負い、工程全般をコントロールする立場です。SIerのエンジニアはおもに顧客との折衝や要件定義、基本設計といった、いわゆる上流工程を担います。
クライアントから直接受注する元請けSIer(一次請け)は、二次請けのSIerに仕事を委託し、更に二次請けSIerが三次請けSIerへ委託することがあります。
元請けSIerは、おもに要件定義などの上流を手掛け、二次請けがプロジェクトの全体管理を、三次受け以降が開発・運用などの実務を担うという構図が一般的です。
SES企業は元請けSIerを含め、各SIerから技術要件に合ったエンジニアの提供を依頼され、SESエンジニアが各工程の実務を行うことになります。
- クライアントからSES企業が直接受注するケースもあります
客先常駐のSESエンジニアは、1社に所属しながらさまざまなクライアント先で実務を経験できるチャンスがあります。未経験からでもプログラミング、ネットワーク・サーバ構築、運用・保守などの実務スキルを磨くことができ、多彩な案件を経験しながらスキルの幅を広げることができます。
早くから上流工程の経験を積みたいのであれば、プロジェクト全体または一部を企画から手掛けるSIerでキャリアをスタートすることが近道となるでしょう。
SES契約と派遣契約・請負契約の違い
IT業界での契約形態には、おもに準委託契約、派遣契約、請負契約の3つがあり、SES契約は準委託契約に該当します。
準委託契約とは、一定期間に定められた業務を行うといった内容の契約で、仕事の完成義務は負わないというものです。
これら契約形態における大きな違いは、「指揮命令権がどこにあるか」です。まずは、それぞれの契約形態の特徴を解説します。
SES契約
SES契約は、クライアントにエンジニアの労働力を提供する際に結ぶ契約です。
その対価は、エンジニアの労働時間に対して支払われます。エンジニアはクライアント先に常駐して業務を行うことが多いですが、契約内容によっては常駐しないで業務を遂行する場合もあります。
SES契約は法的には準委託契約に該当し、指揮命令権はエンジニアの雇用元であるSES企業にあります。エンジニアがクライアント先に常駐していても、クライアントから直接業務の指示を出すことはできません。
業務内容を変更するなどの指示を行う際には、まずクライアントがSES企業に連絡します。SES企業がその内容を検討したうえで、エンジニアに指示を伝えるというのが原則です。
派遣契約
派遣契約の場合も、エンジニアはクライアント先に常駐して業務を行います。
対価はSES契約と同様、派遣されたエンジニアの労働時間に対して支払われます。その点はSESと似ていますが、派遣契約ではクライアント先に常駐することが前提条件になります。
派遣契約の場合、指揮命令権はクライアントにあります。派遣エンジニアの雇用元は派遣会社ですが、派遣先のクライアントの責任者が上長となり、エンジニアは上長の指示に従って業務を遂行します。
請負契約
請負契約は、システム構築などの業務をクライアントから請け負い、その成果物を納品するという契約です。SIerとクライアント間の契約の多くがこれにあたります。
成果物に対して報酬が支払われるため、エンジニアが何時間稼働するか、どこでどう業務を進めるかといったプロセスは、請け負ったSIerの裁量に委ねられています。クライアントがエンジニアの勤務場所を指定することもできません。その分、SIerが成果物に対して責任を負います。
請負業務の場合、指揮命令権はエンジニアの雇用元、つまりSIer にあります。クライアントが指示を出す際には、SES契約と同様に雇用元へ連絡することが大前提になります。
SES契約 (準委託契約に該当) |
派遣契約 | 請負契約 | |
---|---|---|---|
常駐先 | クライアント先
|
クライアント先 | 決まっていない
|
仕事の完成義務 | ない | ない | ある |
報酬 | 労働時間に 対して支払われる |
労働時間に 対して支払われる |
成果物に 対して支払われる |
業務指揮命令 | エンジニアの雇用元(SES企業) | クライアント先 | エンジニアの雇用元(SIer) |
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SES業界のトレンド・将来性
DXの推進やデータ活用の浸透、AI・IoTの普及などを追い風に、IT関連の市場規模は拡大しており、それに伴ってIT業界の人材不足が今後も続くことが予想されます。そのため、SES業界の将来性は高いといえるでしょう。
システム開発や運用の現場でエンジニアの確保が必要になる企業が増えています。そのなかで自社のエンジニアの人材不足を補うために、必要な期間に即戦力となるエンジニアを派遣できるSES企業への需要は、ますます高まっていきます。特にクラウド、AI、IoTなどの分野におけるSES市場は、今後も継続して成長・拡大することが期待できます。
Slerが上流工程を取りまとめ、SES企業が下請けの業務を行うことも少なくありませんが、案件によっては現場の第一線でクラウド、AI、IoT、データサイエンスといった成長分野に取り組めるチャンスがあります。転職後にスキルアップを目指すなら、どういった案件を取り扱っているSES企業なのかを見極めることが必要です。
また、SESエンジニアの働き方に目を向けると、プロジェクトによって異なりますが、従来の客先常駐からテレワークへ移行しているSES企業もあります。今後もそうした動きが広がることが予想されますので、通勤時間を気にせず働きやすい環境でSESの仕事ができるようになっていくでしょう。
SESエンジニアの年収・働き方
SES契約では、エンジニア技術や担える業務によって対価が決まります。そのため、自身のスキルを向上させ、対価の高い業務・案件を担えるようになれば、年収アップに結び付けることができます。
更に、専門性や希少性の高い分野に強いエンジニアや、顧客折衝やプロジェクト管理などを担えるエンジニアになれば、高年収も期待できるでしょう。
SESエンジニアの働き方の特徴としては、残業が少ないことが挙げられます。SESエンジニアはクライアントの指揮命令を受けないため、残業を直接依頼されることもないからです。
また、クライアントはエンジニアの労働時間に応じて対価を支払うため、予算をやりくりするうえでも業務効率化を図り、残業を少なく抑えようとする傾向にあります。とはいえ、システムのリリース前や急なトラブル対応などの際には、残業が発生することもあります。
SES案件選択制度
SESエンジニアの対価や勤務時間、業務内容などの契約は案件ごとに結ばれるため、エンジニアの年収や働き方は担当する案件によって違いが生じる場合があります。
そのため、エンジニアにとってはどんな案件を担当するのかがとても重要になり、近年は案件の決定に際し、エンジニアの意向を優先的に考慮する企業が増えています。営業担当者やアサイン担当者が、エンジニアとの面談を通して希望する年収や働き方、勤務地、キャリアプランなどをヒアリングし、エンジニアの意向に沿った案件を一緒に検討します。
エンジニア志向をより重視するSES企業では、「SES案件選択制度」という仕組みを導入し、エンジニア自身が自分のスキルや希望条件、キャリアプランに合わせて案件を選択できるようにしています。
SES案件選択制度の内容や運用方法は、企業によって異なります。エンジニアがすべての案件を社内システム上で閲覧し、自由に選択できる場合もあれば、企業側がエンジニアの意向をふまえてある程度選択肢を絞り、そのなかから選択するという場合もあります。
SES案件選択制度のあるSES企業の特徴
SES案件選択制度のあるSES企業では、エンジニアが自ら選んだ案件に携われるため、エンジニアにとっては納得感をもって仕事に取り組むことができるでしょう。
経験・スキルを積み上げるにつれて、案件の選択肢が広がり、単価が高い案件を選択することで、年収アップ期待できます。
SES案件選択制度を設けられるということは、その企業は幅広い案件を豊富に扱い、さまざまなスキルレベルのエンジニアに案件の選択肢を提示できるということです。
同制度を設けた企業の求人には、「案件選択制度あり」「エンジニア案件選択権100%」などと記載されている場合がありますので、企業選びの参考にすると良いでしょう。
SES企業のエンジニアの職種・仕事内容・求められるスキル
システムエンジニア
SE(エスイー)と呼ばれ、システム開発のプロジェクト全般に関わる仕事をします。
クライアントからヒアリングした要望・課題をもとに、どんなシステムをつくれば良いかを考え、設計し、プログラマーと連携して開発を進めます。
システムの構成やプログラミングに関する知識に加え、クライアントや協力会社との折衝が多いため、コミュニケーション力や調整力も求められます。
プログラマー
システムエンジニアが作成した設計書・仕様書にもとづき、プログラム言語を用いてシステムやアプリケーションをつくるためのプログラミングを行います。PG(ピージー)とも略されます。
プログラマーには、担当案件に用いられるプログラミング言語の知識が必要になります。主要なプログラミング言語として、Java、JavaScript、Python、Ruby、PHPなどが挙げられます。
テスター(デバッガー)
仕上がったシステムやアプリケーションが想定どおりに動作するかどうかをテストする役割を担います。手順書をもとにテストを実施し、その結果を取りまとめます。
テストを通してシステム・アプリケーションの仕組みを理解できるため、テスターからエンジニアのキャリアを始めるケースもあります。特別なスキルは求められませんが、ITに関する基本知識やバグを見逃さないための集中力が必要です。
ネットワークエンジニア
ITインフラの一つであるネットワークの設計、構築、運用・保守を担うエンジニアです。
ネットワークの高速化やセキュリティの高度化などを見据え、ネットワークの構成や機器・回線の選定・構築を行います。運用・保守では、稼働状況に応じたネットワーク構成の変更やトラブル対応を行います。
ネットワーク・通信に関する知識に加え、サーバーやクラウドに関する知識も関連して必要とされます。
サーバーエンジニア
ネットワークエンジニアと同じくITインフラの一つであるサーバーの設計、構築、運用・保守を行うエンジニアです。
サーバーの性能や稼働台数、接続回線などをシステムの要件に沿って設計し、構築時にはサーバーをラックに納めるラッキングや配線、OSやミドルウエアの設定などを行います。
運用・保守では、稼働するサーバーの状況を監視し、障害発生時の対応やOS・ミドルウエアのアップデートなどを担います。
サーバーを含むITインフラ全体の仕組み、OS・ミドルウエアに関する知識が求められます。
データベースエンジニア
データの利活用があらゆる業界で重視されるなか、そのもととなる膨大なデータベースの設計・開発、運用、管理を担うのがデータベースエンジニアです。
企業がどんなデータをどのように活用したいのかを把握し、それに応じたデータベースを作成し、サーバーやセキュリティ面の管理・運用を行います。
Oracle Database 、 MySQL 、Microsoft SQL Server、PostgreSQLといったデータベースアプリケーションの知識やセキュリティに関する知識が求められます。
WEBエンジニア
WEBエンジニアは、WEBサイトやSNS、ECサイト、WEB上で稼働するアプリケーションなどの設計・開発、運用・保守を行います。
ユーザーの目に触れる部分を構築するフロントエンドエンジニアと、裏側のサーバーやデータベースとの連携を手掛けるバックエンドエンジニアに分かれます。
HTML、CSS、Java、PHPなどのプログラミングスキルに加え、サーバー、ネットワーク、データベースなど、インフラ面に関する知識があると良いでしょう。
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SESエンジニアとして働くメリット
多くの案件を経験してスキルアップ・人脈の構築ができる
SESエンジニアは多種多様なクライアントのプロジェクトに参画する機会があり、時には大手企業の有名サービスの開発に携わるチャンスを得ることも可能です。
多くの案件を経験することで、幅広い技術・業務に触れ、スキルをマルチに広げることができるでしょう。AI、IoT、クラウドなどの先端技術を吸収するチャンスも十分にあります。
また、クライアント先の社員やSIer、ほかのSES企業のエンジニアなど、さまざまな企業の人たちと協力してプロジェクトを推進するため、社内外を問わず人脈を広げやすいでしょう。人脈を通じて将来のキャリアが広がる可能性もあります。
労働時間に対して報酬が支払われるため収入が安定しやすい
SESエンジニアは、SES企業の正社員として雇用され、クライアント先での労働時間に対して報酬が支払われます。
成果に対して支払われる請負とは異なり、高額な報酬は期待できませんが、毎月働いた分だけ収入を得られるので、安定しやすいといえるでしょう。
次の案件が決まるまで待機期間が生じる場合、その間も雇用は維持され、給料が満額支給されるのが通例です。ただし、待機期間を休業扱いとし、休業手当の最低額で支払いする企業もあります。待機期間には自宅でe-ラーニングを受講したり、出社して社内業務を行ったりします。
さまざまな案件があるため未経験でも入社しやすい
SES企業に寄せられる案件依頼は幅広く、未経験から参画できる案件も多くあります。サポート業務からスタートし、徐々に設計・開発や運用へスキルを広げていくことも可能です。
多くのSES企業では、配属前にITやプログラミングの基本を学べる研修を用意し、配属後も自社チームの先輩が業務習得をフォローしています。
一方、請負開発や自社サービスの開発を行っている企業は即戦力を求める傾向が強く、未経験から入社するチャンスは限定的といえます。
そのため、未経験からエンジニアを目指す場合、まずはSES企業をファーストキャリアに選び、SESエンジニアとしてさまざまなスキル・経験を積むことで、将来のキャリアの可能性を広げていくと良いでしょう。
SESエンジニアとして働くデメリット
スキルアップの機会が少ない場合がある
SESエンジニアは、多彩な案件を経験しながらスキルアップを目指せます。ただし、常駐先の業務によっては、資料作成やテスト、システムユーザーの問い合わせ対応などを担い続ける場合もあります。
もちろん、こうした業務はITプロジェクトにおいて不可欠であり、エンジニアとしての基礎を固めるうえで大切な経験になります。しかし、同じ業務・役割が続くと、設計やプログラミング、運用などスキルを広げることが一向に叶わなくなるかもしれません。
そのため、入社前にあらかじめ参画可能な案件や業務内容、育成方針などを確認しましょう。
プロジェクトや客先常駐により環境が異なる
SESでは、案件が終われば次のプロジェクトや常駐先に移るため、案件が変わるたびに働く場所や人間関係など環境の変化に適応する必要があります。
働く場所が変われば生活習慣も変化します。また、人間関係も新しい環境で一から築くことになります。
クライアントや案件によっては長期的に常駐できる場合もありますが、基本的には一定の期間を経ると環境の変化が訪れますので、変化を好まず働きたいという人にはデメリットになるでしょう。
下請け構造のためプロジェクトの一部しか経験できない
IT業界では大手SIerが元請けとしてプロジェクトを受注し、下請けとして二次請け、三次請けのSIerとSES企業がプロジェクトの一部や実作業を担当するケースが珍しくありません。
下請けが三次請け、四次請けと下位になればなるほど、顧客との間に距離が生じ、プロジェクトの全容や動向を把握することが難しくなります。
運用・保守だけ、一部機能のプログラミングだけというように、プロジェクトの一部だけを単純にこなすという携わり方にもなりかねず、スキルの幅やキャリアが広がりにくくなってしまいます。
SESエンジニアのやりがい
多くの案件に携わることでエンジニアとしての成長を実感できる
常駐先によってプロジェクトの内容も違えば、業務の進め方や用いるプログラミング言語、開発環境、チームの顔ぶれなども違います。
順応する難しさはありますが、新しいスキル・経験を吸収するチャンスにあふれ、「開発経験を生かし、次は設計に挑みたい」と、次のステップにもつながります。
その成長が、単価アップという目に見える形で報われることにも、やりがいを感じられるでしょう。
常駐先で必要とされていると実感できる
SESエンジニアは、技術の提供を前提に常駐先でチームメンバーの一人として迎えられ、リーダーやほかのメンバーから頼りにされるシーンが多くあります。
「迅速に対応してくれてありがとう!」「おかげで無事にリリースできました。助かりました!」といったうれしい言葉をもらうたびに、自身の存在意義を実感できるでしょう。
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SESエンジニアに向いている人・適性がある人の特徴
環境の変化に適応できる人
客先常駐のSESエンジニアは、プロジェクトごとに働く環境や人間関係が一新されるため、新しい環境に柔軟になじみ、初対面の人たちとコミュニケーションを取りながら関係を築いていく必要があります。
また、プロジェクトによって使用するプログラミング言語や技術、ワークフローなども異なるため、新しい技術や仕事の進め方を柔軟に学び、適応できる人が向いています。
さまざまな案件を経験したい人
さまざまなクライアント先で幅広い案件に携われることは、SESエンジニアのメリットの一つです。しかし担当する案件は、エンジニア本人の意向だけでなく、クライアントの状況や会社側の意向、エンジニアの経験・スキルなどもふまえて決定されます。
必ずしも「この案件をやりたい」という希望がとおるわけとは限らないため、特定の案件や業務に対するこだわりが強い人にとってはギャップが生じかねません。「いろんな案件を経験したい」と前向きに考えられる人が向いています。
未経験からエンジニアになりたい人
IT業界は人材不足に悩まされており、SESエンジニアのニーズは拡大傾向にあります。
特にSESエンジニアを雇用するSES企業においては、未経験者を積極的に採用しており、未経験からの育成に注力する企業も増えています。
マイナビ転職 エンジニア求人サーチ(2024年8月2日検索)によると、ITエンジニア求人全体のうち、職種未経験OKの求人は5%でした。一方、「SES」が含まれるITエンジニア求人に絞ると、職種未経験OKは23%にのぼりました。
このように実際の求人からも、ITエンジニア求人全体に比べて、「SES」が含まれるITエンジニア求人のほうが、職種未経験OKの求人の比率が高い傾向が見られます。
未経験からエンジニアになりたいと考えている人にとって、未経験者にも広くチャンスの開かれたSESは有効な選択肢となります。SES企業で実務経験を重ねることで、Slerやソフトウエアメーカー、WEBサービス会社等へ転職できる可能性も広がります。
技術力を高めてスキルアップしたい人
さまざまな案件を経験しながら技術・知識を吸収できることは、SESエンジニアの大きな魅力です。案件によっては先端技術に触れることも可能です。
クライアント先では、社内の調整業務などに振り回されることも少ないため、担当領域の業務に専念してスキルアップに励むことができるでしょう。
ただし、与えられることや教えてもらうことを待つのではなく、主体的に学ぶ姿勢が求められますので、スキルアップに意欲的な人が向いています。
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SESエンジニアのキャリアパス
SESエンジニアとして経験を積んで技術力を高めることで、WEBエンジニア、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、AIエンジニアといった、スペシャリストを目指すキャリアパスが開けていきます。
また、SES企業のなかには請負案件の自社開発を行っているところもあります。そうした企業では上流工程のプロジェクトリーダー(PL)や、プロジェクトマネジャー(PM)を目指すキャリアパスもあります。
所属企業で上流工程に携わることが難しい場合には、SIerなどへ転職して上流工程の仕事にチャレンジする方法もあります。SESエンジニアとして培った技術・人脈を生かし、フリーランスとして業務を請け負う道もあるでしょう。
このように、SESエンジニアとして経験を積めば、転職や独立を含め、さまざまなキャリアパスを描くことが可能になります。
SESエンジニアから自社サービス開発に転職した経験談
SESエンジニアは実際にどのようなキャリアを描いているのでしょうか。SESエンジニア出身者の経験談をまとめたインタビュー記事を一つご紹介します。
同記事には、SES企業でシステムの開発・運用に携わりながら技術力を高め、業務や作業工程の改善・効率化について成果をあげた後、自社サービスを提供する事業会社へ転職したエピソードが綴られています。SESエンジニアのキャリアのイメージとして参考にしてください。
SESエンジニアの年収を上げる方法
IT業界では、クライアントの法人から依頼を受けた元請けのSIerが、下請けのSIerへ仕事を委託し、更に下請けのSIerやSES企業が業務に従事するという、多重下請け構造と呼ばれるケースが少なくありません。
SESエンジニアの年収は、常駐先の企業が多重下請け構造のどの階層にあるかによって変わってきます。三次請け、四次請け…… と、下位になればなるほど中抜きの金額がかさみ、請け負う単価が安くなるため、年収も低くなるでしょう。
一方、上流工程を手掛けるSlerに近いSES企業に常駐できれば、比較的高い収入を得ることが可能です。また、現場での働きぶりが認められ、「次の案件にも参画してほしい」と、元請けに近いSIerからの受注に結び付けられれば、所属しているSES企業に給与アップを求めることもできます。
SES契約では労働時間に対して報酬が支払われるため、安定はしているものの、成果に対する報酬とは異なり、収入が低くなる傾向にあります。しかし、SESエンジニアとして経験を積めば、次のステップとして、上流工程の案件に携わるSIerや自社開発を行うSES企業に転職するチャンスが広がり、年収アップを目指すことも可能です。
SESエンジニアは、エンジニアとしての経験や技術力を高める過程・手段だと考えてみると良いでしょう。
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未経験からSESエンジニアに転職する際のポイント
未経験から転職しやすい職種を選ぶ
プログラマーやフロントエンドエンジニア、テスターなどは基本的な知識があれば挑戦できるため、未経験でも転職しやすいでしょう。
システムエンジニアやインフラエンジニアも未経験から挑戦できますが、未経験者はまず運用・保守から経験を積み、設計等の上流工程へと進むのが一般的です。
SESエンジニアは未経験でも始めやすいとはいえ、いきなり高度なスキルが求められる職種に就くことは難しい場合があります。まずは未経験でも挑戦しやすい職種からスタートし、経験を積んだうえでステップアップしていくと良いでしょう。
スキル・経験・資格が生かせる職種を選ぶ
書籍やオンライン教材などを使って、システムの仕組みやプログラミングに関する基本知識を学んでおけば、転職の際のアピールポイントになります。
ITパスポートや基本情報技術者試験など、実務未経験でも取得できるIT系の資格があれば、どの職種にも生かせます。
IT系に関する知識・資格以外にも、システムを利用するユーザーとして、業種・業務に関する知識があれば生かせます。例えば、会計システムの開発・運用においては、経理・会計に関する知識や日商簿記の資格があれば、システムの機能を理解しやすく、ユーザー目線に立った業務に役立ちます。
求人情報から未経験可の企業を選ぶ
求人募集に「未経験可」「未経験OK」「未経験歓迎」といった記載があれば、未経験でも応募することが可能です。ただし、「未経験可」と記載されていても、選考で経験者と比較検討される可能性があります。
求人情報の「対象となる方」などに歓迎する経験やプログラミング言語などが優先して記載されている場合は、「経験者寄り」の求人といえるでしょう。
一方、未経験者の採用・育成実績や研修内容についての詳細が記載されている場合は「未経験者向け」といえます。
研修制度が充実している企業を選ぶ
入社後に知識・スキルをどのように学んでいけるのかを確認しておくことも、未経験からエンジニアを目指す際には大切になります。
研修制度が充実している企業であれば、例えば「配属前に1~2カ月間の研修で基本知識を学び、模擬プロジェクトで一部機能のプログラミングや簡単なECサイトを構築できるようになる、その後、まずは同じ会社の先輩エンジニアがいる案件に参画し、先輩のもとで丁寧なOJTを受ける」といった入社後のステップを具体的にイメージしやすいでしょう。
どのような案件が多いかを見極める
一次請け・二次請けの案件が多いか、上流工程にチャレンジできるか、AIやIoT、クラウドといったモダン分野の案件を手掛けているかなど、SES企業によって案件の特徴があります。ITインフラに特化した企業やWEB系を中心とした企業など、得意分野を絞っている場合もあります。
自分の目指すキャリアやエンジニア像とのミスマッチが起きないように、各社の案件の特徴を確認し、自分の方向性に合っているどうかを検討すると良いでしょう。
確認方法として、求人情報の仕事内容やメッセージには、主な開発業務について記載されていることが多いので、方向性が一致しているかどうか見極めることができます。
また、エンジニアとしてのキャリアパスが記載されていれば、確認してみると良いでしょう。将来、上流工程のシステム開発に携わりたいのであれば、要件定義やプロジェクトの進行管理などの案件に携わることが可能かどうかなど、面接で確認することもできます。
SES企業を選ぶ際のポイント
自社製品を開発していて技術力が高いか
SES企業のなかには、客先常駐の案件でスキルを高めたSESエンジニアが技術を持ち寄り、自社製品のアプリケーションやパッケージシステムを開発・販売している企業もあります。
自社製品を作れるということは、技術力が高い証であり、優良なSES案件や研修制度が充実していることが推察できます。
また、転職せずとも、SESエンジニアとしてスキルを磨き、自社製品の設計・開発にチャレンジすることも可能ですので、キャリアの幅を広げやすいといえるでしょう。
SIerとのつながりが強く、上位の下請けで利益を出せているか
エンジニアの待遇に直結するため、下請け構造のどこに位置するかは企業選びの重要なポイントといえます。
四次請け、五次請けなど、下請け構造の下位に位置するSES企業は、中抜きの影響によって利益が抑えられ、給与などの待遇が良くないケースがあります。
一方、元請けである大手SIerとのつながりが強く、下請けのなかでも上位の一次請け、二次請けとして案件に参画しているSES企業は、相応の利益を出し、経営状況が安定しやすいため、エンジニアの待遇が良く、研修などへの投資も活発です。
営業力が高く、条件の良い案件を取得できているか
営業力の高いSES企業は、クライアントや案件の新規開拓に強く、幅広い案件が豊富に揃っていることが多いです。営業力次第で条件の良い案件を獲得できるかどうかも変わってきます。
面接の際、「私に合う案件は見つかりそうでしょうか?」と率直に尋ねてみて、「希望に合う案件を開拓しますよ」「うちはエンドユーザーとも取引しているので、好条件の案件が多いです」といった言葉が返ってくるSES企業は、営業力に自信を持っているといえるでしょう。
会社が利益を出していて給与・待遇面が良いか
利益を出しているSES企業は、確かな技術力と営業力を持ち、エンジニアが安定して稼働していると推測できます。そうした企業では、エンジニアの給与・待遇にも手厚く還元される傾向にあります。
会社が利益体質にあり、給与や福利厚生などの待遇が手厚いかどうかは、安定して働ける会社かどうかを見極める指針の一つになります。求人募集の給与欄や福利厚生欄を比較検討すると良いでしょう。
評価制度が整備されていて年収アップが見込めるか
モチベーションを高く保ちながら働くためにも、評価制度が整っているかどうかは重要なポイントになります。
客先常駐が中心になるSES企業では、自社の評価者がエンジニアの普段の働きぶりを見られないこともあり、エンジニアにとって納得のいく評価を得にくいという声があります。
しかし、エンジニア目線に立ったSES企業では、クライアントからのフィードバックをこまめに確認し、エンジニアとの面談やスキルチェックを定期的に行うことによって、納得感の高い評価が給与に反映しています。
特に「どんなスキルを身に付け、どんな業務ができるようになれば昇給・昇格」という評価基準をオープンにしている場合には、エンジニアは目標を設定しやすく、年収アップに結び付けやすいでしょう。
高めたいスキルを向上させる研修制度が充実しているか
未経験からエンジニアを目指す場合、研修制度が充実している企業を選ぶことが賢明です。
客先常駐の前に、基本的な知識・スキルを学べる研修があるかどうかはもちろん、継続的にスキルアップを支援してくれる制度があるかどうかもチェックしておきましょう。
研修・教育に注力する企業が取り入れている制度としては、例えば、自社エンジニアが講師を務める社内勉強会の実施や、外部研修・セミナーへの参加費用免除、高めたいスキルに応じてプログラムを選べるe-ラーニングの無料活用、資格取得費用の免除、書籍代補助などがあげられます。
まとめ
SESエンジニアは幅広い案件を経験しながら実践スキルを身に付けることができ、研修が手厚い企業であれば体系的に知識・スキルを学べます。大手企業・有名サービスの開発に携わるチャンスもあります。
未経験からエンジニアを目指すうえで、メリットが大きいといえるでしょう。
SES企業によって、案件の種類や業務内容、給与・待遇、研修制度などが違いますので、ご紹介したポイントを参考にして自分に合う企業を見つけてください。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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