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企業の安定性・将来性は分かる?調べ方・見るポイント

掲載日:2025年12月25日

企業の安定性・将来性は分かる?調べ方・見るポイント
谷所 健一郎

監修者谷所 健一郎

キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)/有限会社キャリアドメイン 代表取締役

記事まとめ(要約)

  • 売上や利益の推移を見て、安定しているか判断
  • 自己資本比率や財務情報で経営の健全性をチェック
  • 数字だけでなく、企業の方針や事業姿勢も確認
  • 新商品やサービスの開発状況から将来性を見極める

転職や就職活動で企業を選ぶ際、「安定しているか」「将来性があるか」は気になるポイントです。しかし、知名度や規模だけで判断すると「入社してみたら想像と違った」という失敗も。

企業の安定性・将来性を見極めるための調べ方とチェックポイントを解説します。

目次

    安定性・将来性を判断するための基本視点

    企業の魅力を測る指標には「安定性」「将来性」「収益性」「生産性」があります。

    これらを見極めるには、資金力や営業力、開発力、経営者のビジョンなど多角的な視点が必要です。

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    財務情報を確認する

    財務情報とは、企業の経営状況を数値で表したものです。売上や利益、資産・負債のバランスなどを分析することで、安定性を客観的に評価できます。

    企業の安定性や将来性を見極めるためにチェックしておきたいポイントを紹介します。

    営業利益はどれくらい出ているか?

    営業利益とは、売上高から原価を引いた売上総利益(粗利)から販売費・一般管理費(経費)を差し引いた利益のこと。本業でどれだけ効率良く稼げているかを示し、企業の経営状態を把握するうえで重要な指標です。

    上場企業なら、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書を確認できます。過去3期分の推移を見て、毎年順調に伸びていれば理想的。先行投資で一時的に利益が減っていても、翌期以降に回復していれば安定成長と判断できます。

    自己資本比率で安定性を見極める

    自己資本比率は、総資本に占める自己資本の割合を示す数値です。比率が高いほど借入金に依存せず、自社資金で事業を運営できるため、不況下でも資金繰りの安定性が高く、財務の健全性が高い傾向があります。

    一般的に中小企業では30%以上、上場企業では40%以上あると財務が安定している目安とされますが、業界によって平均値が異なるため、一概に高い・低いというだけでは判断できません。同業他社と比較をして判断することが重要です。

    上場企業なら、ROA・ROE・EPSもチェック

    • ROA(総資産利益率):総資産をどれだけ効率的に利益に変えているかを示す指標。一般的に5%以上が一つの目安とされ、業界平均以上なら資産を効果的に活用できている収益性が高い企業といえます。
    • ROE(株主資本利益率):株主資本を効率よく活用して利益を上げているかを示す指標。高水準で安定して推移していれば将来性も期待でき、一般的に10%~20%程度あれば優良な水準と判断されます。
    • EPS(1株当たり利益):企業の当期純利益を発行済株式総数で割って算出する、株式1株当たりが生み出す利益を示す指標。数値が高いほど利益体質が強い企業ですが、数値そのものより、過去の推移で伸びているかが重要です。

    売上推移と投資状況を確認

    ここ数年の売上高の推移をチェックし、同業他社と比較しましょう。過剰な借入で売上を伸ばしている企業には注意が必要です。

    また、将来の成長に向けた研究開発費や設備投資が、売上高に対してどれくらいの割合を占めているかもチェックしましょう。積極的な投資は、成長意欲を示す指標になります。

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    経営者の理念・事業姿勢を見極める

    面接で「業績を伸ばしている理由」を質問してみましょう。市場や顧客を分析した具体的な回答が返ってくる企業は信頼度が高いといえます。

    更に、経営理念や事業ビジョンが従業員に浸透し、事業戦略に一貫して反映されているかという点も確認しましょう。

    創業間もない企業では、経営者の理念や目的が企業運営に大きく影響するため、ホームページで理念や経歴を確認しておきましょう。

    組織運営と社員定着率(離職率)を確認

    組織が円滑に運営されているかも重要なポイントです。

    離職率が高い企業は要注意ですが、算定基準が企業ごとに異なるため、現役社員の声や口コミも参考にしてみるのも一つの方法です。

    また、社員のスキルアップやキャリア形成への投資、人事評価制度の透明性なども、組織の健全性と社員の定着意欲に大きく影響するため、面接などで確認しましょう。

    主要取引先から信用度を判断

    業界大手企業との取引があるか、複数業界にまたがる取引があるかを確認しましょう。

    大手企業との取引では、品質管理や納期遵守などの基準を満たす必要があります。そのため、継続的に取引できている企業は、営業力・技術力などにおいて一定の水準を備えている傾向があります。

    更に、複数業界にまたがる取引がある場合は、特定の市場や経済の変動に業績が左右されにくいというリスク分散の観点から、その企業の経営安定性が高いと判断できます。

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    新商品・サービスの開発状況を調べる

    企業の成長性を測るには、新商品やサービスの開発姿勢を確認しましょう。

    公式サイトの「ニュースリリース」や業界紙で、過去1年のリリース状況をチェック。積極的に開発している企業は将来性が高い傾向があります。

    ただし、リリース数が多いだけでなく、それが市場のニーズや将来のトレンドに合致しているか、また既存の事業との相乗効果を生むものかという質的な視点も重要です。

    企業の安定性・将来性の調べ方についてよくある質問

    企業の見極め方について気になる質問に、キャリアアドバイザーが回答します。

    企業の安定性はどこで確認できますか?

    転職活動で企業の安定性を確認するには、上場・非上場企業で情報の集め方が大きく異なります。

    上場企業はIR情報、財務諸表、決算説明資料が公開されており、売上や利益の推移だけでなく、経営者のビジョン、市場での評価も読み取れます。特に財務面では、自己資本比率やキャッシュフローの推移を確認し、借入に依存しない安定した経営基盤があるか見極めましょう。

    一方、非上場企業は情報が限られるため、採用ページや公式サイトの情報、新規事業、他社との提携実績などから事業の継続的な成長を読み取ります。また、取引先の範囲や事業の分散度合いで特定顧客への依存度も見極められます。

    面接では、今後の事業展開や組織の課題について質問し、企業の透明性や改善への取り組みを確かめることができます。

    非上場企業の財務情報は確認できますか?

    非上場企業の財務情報は上場企業ほど公開されませんが、いくつかの方法で確認が可能です。

    まず、「官報」に掲載される決算公告で、最低限の貸借対照表を確認できます。また、企業信用調査会社の有料レポートでは、売上規模や利益動向、信用度などをより詳細に把握できます。

    更に、商業登記簿から資本金や役員構成を確認し、企業の規模や安定性を見極める際の判断材料とすることも可能です。加えて、企業の公式サイトの沿革、取引先、採用情報の更新頻度、プレスリリースの内容などから、成長性や財務面の健全性を間接的に読み取ることができます。

    非上場の場合は複数の情報を組み合わせて判断することが重要です。

    将来性のある企業を見極めるポイントは?

    将来性のある企業を見極めるには、「安定性」だけでなく「成長できる土台」があるかを確認することが重要です。

    まず、新商品・サービスの開発状況をチェックし、継続的に市場へ価値を提供できているかを評価します。業界ニーズや社会課題への対応力も大切です。変化に合わせ事業をアップデートできる企業は成長しやすい傾向にあります。経営者が明確なビジョンを持ち、それを社内・外に発信しているかも注視すべき点です。

    これらは企業の公式サイト、中期経営計画、ニュースリリースから読み取れます。加えて、新規提携や投資の動きも確認し、将来の成長に向けた取り組みがあるかを総合的に判断します。

    その際、市場の成長性や、競合他社に対して明確な優位性を持っているかも併せて確認することが大切です。

    離職率はどのくらい気にすべきですか?

    離職率をどの程度気にすべきかは、一概に数値だけで判断するのは難しく、業界特性や企業規模、事業の状況によって大きく異なります。

    厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、日本企業全体の平均離職率は 全常用労働者で14.2%、一般労働者(常用労働者のうち、パートタイム労働者を除いた労働者)は11.5%です。また、「新規学卒就職者の離職状況 (令和4年3月卒業者) 」によると、新規大卒就職者の3年以内離職率は33.8%とされています。

    これらはあくまで平均値であり、サービス業や小売などは高め、製造やインフラは低めといった業界差があります。そのため、離職率だけで「良い・悪い」を判断するのではなく、募集背景、働き方、組織体制などと併せて総合的に見ることが重要です。

    離職率が公開されていない場合、どう判断する?

    離職率が公開されていない企業の場合でも、ある程度の判断は可能です。まず、公式サイトの社員インタビューや口コミサイトで、職場環境や人間関係の状況を確認します。

    また、採用ページの募集頻度や人員補充の理由からも、社員の定着状況を読み取れます。

    更に面接の場で、離職率や社員の定着状況、異動や退職の背景について直接質問するのも有効です。その際は「職場の雰囲気や成長環境を知りたい」といった前向きな理由で尋ねると、面接官に配慮した聞き方になり、企業の透明性や課題への対応力も把握できます。

    このように、複数の情報源を組み合わせて総合的に判断することが大切です。

    業界全体の将来性を調べる方法は?

    業界全体の将来性を把握する場合も、複数の情報源を組み合わせることが重要です。

    まず、業界団体や公的機関の統計データ、政府の産業レポートで市場規模や成長率、人口動態や業界に関わる規制の影響を確認します。

    次に、業界誌やニュース記事、専門メディアでトレンドや新技術の導入状況、競合動向を把握します。

    更に、上場企業の決算資料やIR情報から収益構造や事業拡大の方向性を読み取ることも有効です。

    業界セミナーや展示会、ウェビナーに参加して現場の声や新規参入企業の動きもチェックすると、数字だけでは見えない変化や課題が理解できます。これらを総合的に分析することで、業界の成長性や安定性、将来のリスクを判断しやすくなります。

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    まとめ

    企業の安定性や将来性は、知名度や規模だけでは判断できません。財務指標、売上推移、経営者の理念、組織運営、新商品開発、取引先などを総合的にチェックすることが重要です。

    面接での質問や企業の公式サイト、業界紙の情報も活用し、入社後に「想定外」を避ける準備を整えましょう。

    監修者

    谷所 健一郎

    谷所 健一郎(ヤドケン)

    キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
    有限会社キャリアドメイン 代表取締役

    有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。

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