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働き方改革から半年。管理職は「プライベートが充実」、リーダークラスは「仕事の負担増」と効果が二極化

掲載日:

今年4月から施行された「働き方改革関連法」。有給休暇取得の義務化やフレックス、テレワークなど新たな働き方を導入する企業も増え、職場環境の変化を肌で感じる人も多いのではないでしょうか。

残業時間の軽減や有給休暇の取得推進で「プライベートの時間が増える」と喜ぶ人がいる反面で、「サービス残業が増えるのでは」「労働時間が短くなって仕事が終わらないのでは」など懸念の声も上がっています。

今回マイナビ転職では、働き方改革に関する独自の調査を実施しました。働き方改革施行から半年を経て、会社員の皆さんが、職場環境の変化にどのような感情を抱いているのか。また、ライフスタイルはどう変化したのか、気になる実態を調べました。

※調査対象は、入社3年以上の正社員、20~59歳の男女800人です。WEB調査で2019年9月5日~9月6日までに行ったアンケート調査を基にしています。

働き方改革関連の取り組み実施ありが約85%! 最も実施されている施策は?

最初にご紹介するのは、働き方改革関連法施行から約6カ月後における、制度の導入状況です。法律施行以前や施行後早々に制度が職場導入されている人もいれば、まだ導入されていないという人もいるはずです。

そこで、「お勤めの会社で実施されている働き方改革関連の取り組みを教えてください」と聞くと、84.3%の人が回答。大半の会社でなんらかの取り組みが行われていることが分かりました。

[ 働き方改革の取り組み実施状況 ]

「働き方改革の取り組み実施状況」についてのアンケート結果

実施された取り組みについて、最も多かったのが「有給休暇取得の推進」(65.4%)。続いて、「時間外労働/残業の制限」(48.9%)と、長時間労働を改善する取り組みが多く実施されているようでした。

これに対して、あまり積極的に導入されていないのが、「サテライトオフィスの設置」(5.3%)や「在宅勤務・テレワークの導入」(13.5%)、「副業・兼業の許可」(8.5%)など、働く場所や会社にとらわれない働き方を推進する制度でした。

導入されて良かったのは「有給休暇の取得推進」「フレックスタイム制」など

続いて、働き方改革で「導入されて良かった」と思われている制度は何なのでしょうか。「お勤めの会社で、導入されて良かったと思う取り組みを教えてください」という質問に対して、最も多くの人が「導入されて良かった」と答えたのが「有給休暇取得の推進」(68.1%)でした。

そのほか、半数以上の人が「良かった」と答えたのは、「フレックスタイム制の導入/見直し」(57.6%)、「在宅勤務・テレワークの導入」(52.8%)、「時間外労働/残業の制限」(51.4%)でした。先に紹介した調査から、「フレックスタイム制の導入/見直し」は17.4%、「在宅勤務・テレワークの導入」は13.5%と、取り組みを実践している企業自体は少ない一方、実施された場合は、職場での評価が高いことがうかがえます。

[ 導入されて良かった制度 ]

「導入されてよかった制度」についてのアンケート結果

制度はあっても利用しづらい。20代の若手ほど「遠慮してしまう」?

「あっても利用しづらいと感じる制度や遠慮してしまう行動」についても、アンケートを実施。すると、「有給休暇の取得」が28.9%と最も多く、続いて「残業せず定時で上がること」は28.0%と、それぞれ約3割の人が「利用しづらい」と回答していました。

[ 利用しづらい制度 ]

「利用しづらい制度」についてのアンケート結果

性別と年代ごとの結果を比較すると、若手である20代が遠慮しているよう。特に「残業せず定時で上がること」に対して20代女性が遠慮する傾向が顕著で、この層の4割が遠慮している結果となりました。上の世代をおもんぱかってなのか、なかなか早く帰れないという感覚を抱いてしまうのかもしれません。

ここで、「まだまだ制度が利用しづらい」と感じる回答者の生の声を、いくつかご紹介します。

まずは、有給休暇の取得について、

「有給がもっと取りやすくなる雰囲気づくりが必要だと思う」(女性20代 一般社員)

「有給は制度があっても取得しにくい? 働きやすい環境は、人間関係で決まります……」(女性50代 主任クラス)

「本社と違い小規模な営業所では代わりがおらず、休むと次の日の業務が増えるため、休みにくい」(女性40代 一般社員)

といった声が届きました。有給休暇の取得が義務付けられる一方で、上司や周囲との兼ね合いや人手不足の現状があり、自発的に有給を取りづらいようです。

また、残業せずに定時で帰宅することについては、

「基本的に定時で帰り、『残業することがおかしい』という雰囲気づくりをしてほしい」(男性20代 主任クラス)

「『長時間働くことを良し』とする考えを捨てる、そもそもの意識改革が必要だと感じる」(男性30代 係長クラス)

など、職場の雰囲気や周囲の考え方が変わらないと、「帰りたくても帰れない」と感じている人が多いようでした。

働き方改革後の変化は「プライベートが充実」「仕事の負担が増えた」で二極化?

続いては、働き方改革による変化について、調査結果を見ていきましょう。残業が減り、休日が増えたことで、会社員の人々の生活にどんな変化が生まれたのでしょうか。

まずご紹介するのが「働き方改革関連の取り組みによって、お勤めの会社での労働時間はどう変化しましたか?」という設問です。これに対して、「労働時間は減った」と答えた人は全体の33.2%。反対に「労働時間は増えた」と答えた人は8.3%。そして、「労働時間は変わらない」と答えた人は58.5%でした。

[ 働き方改革による労働時間の増減 ]

「働き方改革による労働時間の増減」についてのアンケート結果

残業制限や有給休暇取得推進の取り組み率は高いものの、「労働時間は変わらない」と感じている人が、6割近くを占める結果となりました。

そして興味深いのが、働き方改革以降にどんな変化があったかについての調査結果です。自身に起こった変化として最も多かったのは「仕事の負担が増えた」(24.6%)で、「プライベートが充実した」(23.1%)、「収入が減った」(19.7%)と続きました。

[ 働き方改革後の変化 ]

「働き方改革後の変化」についてのアンケート結果

働き方改革の制度によって、「仕事の負担が増えた」「収入が減った」とネガティブな変化を感じている人がそれぞれ全体の約2割である一方で、「プライベートが充実した」とポジティブな変化を感じている人も2割程度と、その反応は二極化しているようです。

リーダークラスは負担増。職位や年代、性別で偏る仕事負担の変化

働き方改革による変化に対する回答について、職位別に分類してみると、課長以上の管理職は「プライベートが充実した」「仕事の効率が上がった」「健康的な生活になった/睡眠不足が解消された」とポジティブな意見が多いのに対して、係長や主任などのリーダークラスの3割以上が「仕事の負担が増えた」と回答しています。

更に、性別と年代ごとに見てみると、50代男性はプライベートの充実を4割以上が感じている一方で、20~30代の男性や、40代の女性では負担増を感じている傾向が見られました。

[ 働き方改革後の変化 詳細 ]

働き方改革による変化についてのアンケート結果

具体的に負担増の割合が高い層の自由回答を見てみると、

「仕事の量と人員数がマッチしていない」(女性40代 係長クラス)

「業務効率を上げるための取り組みを実施してから、残業時間を減らす活動をすべき」(男性30代 係長クラス)

などの声が上がっていました。20~30代男性や40代女性、係長・主任などの中間管理職的立ち位置にいる一部の人々に、働き方改革のしわ寄せがいっているのかもしれません。

残業は本当に減った? 働き方改革後のサービス残業の実態

では、働き方改革後のサービス残業の現状はどうなっているのでしょうか。調査結果を見ていきましょう。

「会社に申請せずにサービス残業/時間外労働をすることはありますか?」という問いに対して、「よくしている」(21.5%)、「時々する」(17.4%)となり、合計で4割近くに上る結果となりました。

[ サービス残業の現状 ]

「サービス残業の現状」についてのアンケート結果

更に、働き方改革以降「仕事の負担が増えた」と答えた人のサービス残業の状況を見てみると、「よくしている」(30.1%)と「時々する」(27.1%)の合計が半数を超え57.2%でした。

[ サービス残業の現状 「仕事の負担が増えた」と答えた人 ]

働き方改革以降「仕事の負担が増えた」と答えた人のサービス残業の状況

長時間労働が改善されたからと言って、業務効率化が順調に進んでいるとは限らず、未だ一部の人に業務が偏ってしまう状況が続いているのかもしれません。

収入減への対策は、節約が大半! 女性の半数はクーポンを賢く利用

続いては、金銭面における変化に関する調査結果をご紹介します。

冒頭に紹介した調査で、「残業制限」の実施率は48.9%であるのに対し、労働時間ではなく生産性で報酬を決めるなどの「人事評価制度の見直し」は13.4%、「副業・兼業の許可」は8.5%という結果でした。「残業代がなくなり収入が減っているのに、補てんする手段がない」という事態が発生している可能性があるのではないでしょうか。

そこで、「働き方改革によって収入が減った」と回答する人が、収入の減少をどのようにカバーしているのか聞いてみると、上位を占めたのは「節約」でした。なかでも、最も多いのが「食費の節約」(42.9%)。その後は、「趣味・娯楽費の節約」(42.1%)、「外食を減らす」(39.1%)と続きました。

[ 収入減への対策 ]

「収入減への対策」についてのアンケート結果

節約方法については、男女によって異なり、男性は「通信費の削減」。女性は「美容」に関する出費を節約する傾向がありました。また女性の場合、約半数がクーポンやポイントカードなどを賢く使って節約しているようです。

一方、収入を増やす工夫をしている割合は24.8%。内訳としては、「フリマやオークションアプリに出品する」と答えた人が13.5%、「副業、兼業をする」と答えた人が5.3%でした。そのほか、「SNSやブログなどでアフィリエイト収入を得る」と答えた人が0.8%と、不用品の販売や副業などで収入を増やしているようです。

ここまで、「働き方改革関連法」施行から半年が経過し、働く人がどのように感じ、どんな変化が生じているのかをご紹介してきました。

残業時間の軽減や有給休暇取得の推進など、積極的に取り組まれている一方で、職位により負担増を感じたり、年代によって制度が利用しづらいと感じたり、といった実態もありそうです。

企業も、そこで働く人々も、改革の恩恵や負担が一部の社員に偏ることのないように、配慮する姿勢が求められていくのではないでしょうか。

マイナビ転職 編集部

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【調査概要】マイナビ転職『働き方改革法施行後の実態・意識調査』
調査期間:2019年9月5日(木)~9月6日(金)
調査方法:入社3年目以上の会社員(正規雇用)を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:20代200名 30代200名 40代200名 50代200名 ※性別は各年代で半々)
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社マイナビ
転職情報事業本部 サイト戦略広報部 ブランド推進課
Email:mt-brand@mynavi.jp

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