リファレンスチェックとは?どんな質問を受ける?メリットや流れも紹介
更新日:2024年07月04日


記事まとめ(要約)
- リファレンスチェックとは、企業が応募者の仕事ぶりや人柄を把握するための調査のこと
- 前職または現職の上司や同僚などの第三者に対して、電話や書面を通じて調査を行う
- 求職者側の同意なしには実施できないため、断ることも可能
- リファレンスチェックには、自己アピールを補強したり入社後のミスマッチを防げたりと、多くのメリットがある
リファレンスチェックとは、採用活動を行っている企業が求職者の過去の職務経験や人柄について把握することを目的として行う調査です。応募した企業から「リファレンスチェックを実施したい」と言われたら、リファレンスチェックを受けたことがない方は不安を感じるかもしれません。
今回は、リファレンスチェックの方法や流れ、主な質問内容、リファレンスチェックを受けるメリット、注意点について解説します。
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リファレンスチェックとは

リファレンスチェックとは、採用活動を行う企業が、求職者の過去の職務経験や人柄などについて知ることを目的に、求職者のことをよく知る第三者に対して実施する調査です。
リファレンスチェックを実施しない企業もありますが、実施する場合、求職者に無断で行われることはなく、必ず求職者の同意を得たうえで実施されます。
調査では、求職者に関する以下の点が質問されます。
- 現職(または前職)での振る舞いや人柄
- スキル・実績
- 勤務状況 など
リファレンスチェックを行う企業によっても異なりますが、現職(または前職)の上司や同僚2名~3名が依頼先(リファレンス先)となるケースが多いようです。
リファレンス先は、求職者が決定する場合と企業側が決定する場合があります。詳しくは後述します。
リファレンスチェックが実施されるタイミング
リファレンスチェックは、内定のタイミングが近づく最終面接の前後に実施する企業が多いようです。その一方で、リファレンスチェックの結果を踏まえて面接を行うために、1次面接後に実施する企業もあります。
リファレンスチェックが行われる理由
リファレンスチェックは、企業側が求職者の適性や人柄などを客観的に把握し、適切に合否を判断するために行われます。
求職者についての理解が不足していると、入社後に「スキルや経験が職務内容に合わなかった」「企業の文化や倫理観が合わなかった」といったミスマッチが起こり、採用した人材が早期に退職してしまう恐れもあります。
リファレンスチェックを実施することで、面接だけでは確認しきれない求職者のパーソナリティや、求職者自身が自覚していない強み・弱みを把握でき、ミスマッチを低減できます。
また、面接での緊張により、求職者が自分の強みやこれまでの成果をうまく伝えられないケースもあるでしょう。リファレンスチェックを通じて、求職者のことをよく知る第三者からの情報を得ることで、求職者自身が気づいていない点が評価される可能性もあります。
バックグラウンドチェック(前職調査)との違い
リファレンスチェックと似ている言葉として、バックグラウンドチェック(前職調査)がありますが、両者には以下のような違いがあります。
リファレンスチェック | バックグラウンド チェック (前職調査) |
|
---|---|---|
実施目的 | 求職者が企業にマッチしているかを調べるため | 将来的に企業に不利益をもたらすリスクのある人物の採用を避けるため |
調査方法 | 前職(または現職)の同僚や上司にコンタクトを取り、具体的な質問を通じて情報を収集する | 基本的に調査会社へ依頼して行う |
調査項目例 |
など |
など |
リファレンスチェックでは、企業と求職者のマッチ度を測る目的があるのに対して、バックグラウンドチェック(前職調査)では、経歴詐称や問題行動がないかを調べる目的があります。
現在、個人情報保護の観点からバックグラウンドチェック(前職調査)を行う企業は少なく、実施されるのは金融系の企業や警備員といった特定の職種が中心です。
リファレンスチェックもバックグラウンドチェックも、個人情報保護や就職差別の防止に配慮したうえで慎重に実施されます。
リファレンスチェックは拒否できる?
リファレンスチェックは求職者の同意なしには実施できないため、拒否することも可能です。しかし拒否の理由を説明できないと、企業側から不信感を持たれる可能性もあります。
「現職に転職活動をしていることを明かしていないため、調査されたくない」といった事情がある場合は、その旨を応募先企業に説明しましょう。
現職に対するリファレンスチェックが難しい場合、代わりに前職や取引先へのリファレンスチェックを打診される可能性もあります。
詳しくは後述しますが、リファレンスチェックを受けるメリットは多くあるため、基本的には受けることをおすすめします。
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リファレンスチェックを受ける3つのメリット

応募した企業からリファレンスチェックを求められ、不安を感じている方もいるかもしれません。
しかし、リファレンスチェックを受けることには、以下のようなメリットがあります。
入社後のミスマッチのリスクを減らせる
リファレンスチェックを通じて、企業は求職者のスキルやパーソナリティをより深く理解できます。そのため、自社の文化にマッチしているか、必要なスキルを備えているか、といった点を評価したうえで、採否を判断できるのです。
不採用になる可能性もありますが、入社後に「自分のスキルを生かせなかった」「企業文化が合わなかった」といったミスマッチが発生することを防げます。
自己アピールに役立つ
履歴書や面接で求職者が自らのスキルや経験をアピールをすると、つい主観的になりがちです。しかし、第三者(特に求職者と一緒に働いたことのある上司や同僚)からの評価は、求職者の能力や実績の客観的な裏付けとなります。客観的な情報により、企業は求職者の強みをより正確に理解することができるのです。
また、リファレンスチェックによって、求職者自身が認識していない強みが明らかになり、採用の後押しにつながることも期待できます。
入社後の働きやすさが向上する可能性がある
リファレンスチェックを経て採用された場合、リファレンスチェックで得た情報(パーソナリティや適性)を踏まえて、適切なポジションや役割を割り当てることが可能となります。また、入社後に必要なサポートや育成の準備にもつながるでしょう。
リファレンスチェックの結果が考慮されることにより、入社後にスキルを発揮しやすくなることが期待できます。
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リファレンスチェックの方法

リファレンスチェックを実施するには、以下の方法があります。
- 企業が直接実施するケース
- 転職エージェントが実施するケース
- 企業が第三者機関に依頼するケース
チェックは「書類形式」もしくは「面接形式」のいずれかの方法で行われます。
書類形式
書類形式のリファレンスチェックでは、企業が事前に質問リストを作成します。作成された質問リストは、リファレンス先(上司や同僚など)にメールや郵送で送られ、リファレンス先が回答したうえで返送します。
書類形式のメリットとして、リファレンス先が時間をかけて回答できるため、より詳細で具体的な回答が得られやすいことが挙げられます。また、記録として残せる点もメリットです。ただし、書類の送付や回収、確認に時間がかかる点がデメリットと言えるでしょう。
面接形式
面接形式では、電話やオンライン会議ツールにより、企業がリファレンス先に口頭で質問し、直接回答を得ます。この形式では、事前に準備した質問リストに基づいて対話を行います。
面接形式のメリットとしては、直接対話することで質問のニュアンスを伝えやすい点や、リファレンス先の反応や口調からより深い理解を得られる可能性がある点が挙げられます。
また、リファレンス先の回答に応じて質問内容を変えるなど、柔軟に対応できる点もメリットでしょう。
リファレンスチェックの流れ

ここでは、リファレンスチェックがどのように進行するか、具体的な流れを5つのステップに分けて詳しく解説します。流れについて理解し、リファレンスチェックに向けて心の準備をしておきましょう。
リファレンスチェックの実施に同意する
個人情報保護の観点から、企業が求職者の同意なくしてリファレンスチェックを実施することは、プライバシーの侵害にあたり、違法性が高いと見なされます。
リファレンスチェックを始める前に、企業はリファレンスチェックの目的や実施方法、情報の取得範囲などを書面で通知し、それに対して求職者が書面上で同意することが一般的です。
リファレンス先を選ぶ
求職者がリファレンスチェックの実施に同意したら、以下のいずれかの方法でリファレンス先が決定されます。リファレンス先の決め方は企業によっても異なります。
- 求職者自身が推薦する
- 求職者が挙げた複数人の候補者のなかから、企業が決定する
- 企業や委託先の調査会社が探して決定する
求職者自身が推薦する場合、一般的には求職者が候補となるリファレンス先に調査に協力してもらえるか、事前に確認を取ります。リファレンスチェックの目的や、何について尋ねられるかを説明し、連絡先(電話番号やメールアドレスなど)を教えてもらいます。
同意を得たら、リファレンス先の連絡先を企業に提供します。
リファレンス先と日程調整を行う
企業側は、求職者から提供された連絡先情報を基に、リファレンス先に連絡を取ります。リファレンスチェックの目的なども説明し、調査への同意を確認するとともに、都合の良い実施日を決定します。
日程調整では、基本的にリファレンス先の都合が優先されます。リファレンスチェックの方法(書面、電話、オンライン会議など)や時間帯もこの時に決定します。
リファレンスチェックが実施される
書類形式、面接形式いずれかの形でリファレンスチェックが実施されます。リファレンスチェックは応募先企業の担当者が行う場合が多いものの、転職エージェントや専門の第三者機関が実施する場合もあります。
書類形式の場合、事前に作成した質問リストがメールや郵送でリファレンス先に送られます。面接形式では、電話やオンライン会議ツールを使用して調査が実施されます。
得られた情報が採用担当者の間で共有される
リファレンスチェックが完了すると、企業側は集めた情報を整理し、採用担当者の間で共有します。リファレンスチェックから得られた情報をもとに、事前に求職者から得ていた情報とどの程度一致しているか、またはどの点で矛盾しているかを確認します。
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リファレンスチェックの主な質問内容

リファレンスチェックにおいて、リファレンス先に選ばれた現職(または前職)の上司や同僚は、どのような質問をされるのでしょうか。
リファレンスチェックの主な調査内容を以下にまとめました。
- 勤務情報
- 人柄
- 業務実績やスキル
それぞれどのような質問がされるか、具体的に見ていきましょう。
勤務情報
勤務情報では、主に以下についての質問をされることがあります。
- 在籍期間
- 担当していた業務(部署、ポジション、勤務期間など)
- 勤怠状況(欠勤、遅刻、早退など)
- 残業状況(残業が多い、または少ない理由) など
勤務情報は、求職者の過去の職務実績と職場での行動を客観的に評価するための基本的な質問内容です。正確で詳細な回答を得ることで、企業は求職者が現在の職務要件にどの程度適合しているか、また将来的に問題が発生する可能性があるかを判断できます。
人柄
人柄は、求職者自身による自己評価が難しく、正しく把握されていないケースも少なくありません。求職者の人柄を知るという観点から、以下のような質問をされることがあります。
- 職場での印象
- 一緒に仕事をするうえで感じたこと
- 個人とチームどちらの仕事の進め方が向いているか
- 協調性やコミュニケーション能力はあるか
- 上司や部下との接し方
- 周囲に対する影響力 など
リファレンスチェックで求職者の人柄を知ることで、性格や行動特性、チーム内での役割や影響力など、職務経験やスキルだけでは把握しにくい側面を理解できます。
業務実績やスキル
入社後に生かせる点を見つけるために、以下についての質問をされることがあります。
- 業務における実績
- 長所と短所
- 問題解決能力や決断、決定力
- リーダーシップ
- トラブルへの対応力
- 部下の育成への積極性 など
リファレンスチェックにおける業務実績やスキルに関する質問により、求職者の具体的な職務遂行能力やそのほかのスキルを評価します。これらの質問を通じて、企業は求職者が入社後にどのように貢献できるか、また、どのような業務で特に力を発揮できるかを判断できます。
リファレンスチェックの注意点

リファレンスチェックは求職者にとってのメリットも多く、転職活動において重要な役割を果たします。リファレンスチェックを企業から打診されたら、以下の注意点を理解し、適切に対応できるようにしておきましょう。
転職活動が職場にバレる可能性がある
転職活動をしていることを、現職に伝えていない人もいるでしょう。しかし、リファレンスチェックが実施されると、現職に転職活動をしていることが知られてしまうリスクがあります。
そのような懸念がある場合は、応募先の企業に「現職に転職活動をしていることを伝えていないので、リファレンスチェックを避けたい」という事情を説明すると良いでしょう。現職が難しければ「前職や取引先でリファレンスチェックができないか」といった相談をすることもできます。
経歴詐称に気を付ける
リファレンスチェックの有無に関わりませんが、履歴書や職務経歴書、面接では、うその経歴を伝えてはいけません。経歴詐称は絶対に避けましょう。虚偽が発覚した場合、最終的には採用が取り消されることがほとんどです。
万が一詐称がバレなかったとしても、正しくない情報をもとに採用が決定されることで、ミスマッチが発生する可能性も高まります。
履歴書や職務経歴書を提出する前に、記載されている情報が正確であるかどうかを確認することが大切です。
チェック実施後、リファレンス先にお礼を伝える
リファレンスチェックは採用の結果に関わる重要な役割を担うため、リファレンス先は責任感を持って対応してくれます。また、自分の日常業務のなかで時間を割いて対応してくれています。
リファレンスチェックが実施された後には、採用結果を待たずに、すぐにリファレンス先へお礼を伝えましょう。
ビジネスマナーとして、今後も続くかもしれない関係を良好に保つうえで大切です。
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リファレンスチェックの実施は「ほぼ内定」なのか?

リファレンスチェックの結果にかかわらず、内定通知後の内定取り消しは、基本的には認められません(※)。
そのため、リファレンスチェックは、企業側が内定を出す前に実施されることがほとんどです。内定前にリファレンスチェックが実施される場合、能力や人物像に問題があれば内定が出ないこともあり得ます。
いずれにせよ、リファレンスチェックが実施されたからといって「ほぼ内定」とは言い切れないでしょう。
(※)労働契約法第16条では「解雇権濫用法理」が定められており、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効となっています。企業からの内定通知後に、能力や人物像のミスマッチを理由にした内定取り消しを行うことは認められないと考えられます。
まとめ:目的を理解してリファレンスチェックに臨もう
リファレンスチェックとは、応募先企業が求職者の過去の職務経験や人柄について知るために実施する調査のことです。求職者の前職または現職の上司や同僚など、第三者から客観的な評価や意見をヒアリングします。
応募した企業からリファレンスチェックを求められた場合、不安に感じる方もいるでしょう。しかし、入社後のミスマッチを防いだり、自己アピールの場になったりと、リファレンスチェックを受けるメリットは大きいと言えます。
ただし、現在の職場には伝えずに転職活動している場合、リファレンスチェックによって転職活動がバレてしまう可能性があります。そのような場合は、応募先企業へ事情を説明してみることが大切です。
安心してリファレンスチェックが受けられるよう、リファレンス先や応募先企業と適切にコミュニケーションを取り、しっかりと準備をしておきましょう。
監修者

谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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