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鍋つゆの素を固形にした新ジャンル商品「鍋キューブ」。その開拓の道のりは? 島谷達也さん
何ができるか、まずやってみる
従来の概念を変えた固形タイプ鍋つゆの素 イメージ画像

創業105年。世界26カ国・地域でビジネスを展開している

鍋つゆイコール液体という概念を変えた固形型の鍋つゆの素「鍋キューブ」。2012年夏に発売され、初年度は予想の倍となる約20億円を売り上げ、翌年度はその約1.5倍、そして今年も更に快進撃が続くロングセラー商品となった(※)。

人気の理由は、人数に合わせて使える便利さにある。一人あたりキューブが1個。それが袋に8個入り、価格は約4人分の液体タイプと同程度で、鍋物以外の料理にも応用できる。

この商品を発案したのは、現在マーケティングを担当している島谷さんだ。入社後約7年は、大手外食産業を顧客に持つ営業部門に所属した。

「外食チェーンやコンビニは毎週のように商品を開発するので、それを作るこちら側も、要望を聞いた営業が上司に報告し、研究部門へ相談するという通例の流れでは間に合いません。そこで私がいた部署では、営業と研究部門のメンバーが同じシマで机を並べ、営業が客先の要望をその日のうちに研究員に話し、試作する試みをしていました」

研究員と直接やりとりする日々は学ぶことが多かったという。「ものづくりは多様な可能性の中からできないことを削っていくことで、できることの可能性を探ることが多いと思います。でもここでは、できなくてもいいからまずやってみて、何ができるかに挑戦しようとしていた。これが僕のものづくりの基本となりました」

大きく伸びる市場を見据え、新商品を開拓 イメージ画像

マーケティングの仕事は計算がつきもの

そして、希望していた商品開発を手がける事業部への配属を、猛アピールの末に実現させる。ところが……。

「それまでの経験で自分は商品開発の仕事ができると思い込んでいました。でも配属されたら周囲の使う専門用語さえ理解できず、頼まれた仕事もできない。あまりにもダメで、自分は必要のない人間なのかと思い詰め15キロもやせてしまいました」

でも上司がつきっきりでマーケティングの基本をたたき込んでくれ、徹夜を繰り返して勉強し、半年で戦力に。「味の素」や「ほんだし」などの調味料を担当した後、09年に新領域の商品開発を課題として出される。背景には食生活の多様化による「ほんだし」の伸び悩みがあった。

「こだわったのが、今後大きく成長する製品を開発すること。現実的な提案をしようと会社の資産の有効活用を考え、固形コンソメの素に注目しました。それを当時市場を伸ばしていた鍋つゆに応用しようと思ったんです」

こうして挑戦は始まった。

※同社発表から。

自分をぶれさせることなく、チームの一体感を保つ
世の中にない商品を作る難しさ イメージ画像

固形コンソメの素のパッケージを鍋つゆの形に変えた、自作のプレゼン資料

まだ世の中になかった固形型の鍋つゆの素。企画会議で分かりやすく説明するため、島谷さんは既存の固形コンソメの素のパッケージを鍋つゆ仕様に変えて商品イメージを作り、プレゼンテーションを乗り切った。

この商品はいける、と島谷さんが信じた根拠は、簡便性と、液体タイプよりも安価にできそうなこと。でも、事前調査で同商品を評価した主婦の視点は意外なものだった。

「液体タイプは重いから牛乳と一緒に買えなかったので、この軽さはうれしいなどと、想定外の声を頂き、更にこれはいけると確信しました」

ところが、固形コンソメの担当研究員に相談すると、シンプルな作りのコンソメと違い、いろいろな風味を合わせて作る鍋つゆを小さな立体にするのは「絶対にできない」と言われる。何度相談しても同じだった。

「できないという言葉は厄介で、今までやったことがないとか、従来の設備や予算ではできないなどの意味もある。できない、で終わらせるのは簡単ですが、それは何もやらずに諦めることになります」

できなくてもいいまずはトライ イメージ画像

商品は「鶏だし・うま塩」「ピリ辛キムチ」「濃厚白湯」など5種類

そこで、新商品の開発研究員たちと北海道のコンソメを生産している工場に出掛けていき、現地の研究員も交えたなかでこう説明した。「絶対にキューブ型でなければいけないと形に固執しているわけではなく、消費者に便利な新型の鍋つゆの素ができればいいんです。トライして無理なら最終的にできなくてもいい。まだ世の中にはない商品なので誰も困りませんから」

これで研究員たちの守りが緩み、まずはやってみようと挑戦する気持ちで一致し、プロジェクトは動き出す。もちろん開発途上では何度も技術的な難関はあったが、少しずつ問題を解決していき約3年で商品は完成した。

発売時は、新しい形態の鍋つゆ商品だと消費者に認識してもらえるよう、特長を大きくパッケージに記した。すると、本格的な鍋シーズンを前に欠品するほどの売れ行きに。工場が24時間フル稼働しても3カ月間出荷調整が続くという大混乱が続き、喜ぶ暇もなかったと島谷さんは振り返る。

約3年の開発期間中、彼が心を砕いたのは、大所帯となったチームの一体感を保つため自らがぶれないことだ。信頼を得るため、誰に対しても態度や発言を一貫するよう心掛けたという。

新たな開発は今後も続く。「リスクを恐れることなく、また、この成功の資産にしがみつくことなく挑戦していきたいですね」

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5月9日(金)更新

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