楽しむ姿って人を引きつける
田中:僕にとって転機の一つが三谷幸喜監督の映画『みんなのいえ』への出演です。コントはネタ作りから演出まですべて自分たちで考えるのですが、その時は俳優としてみっちり演出を受けたことが新鮮で面白かった。声を掛けてもらうと自分では想像できなかった新たな扉を開くことができるし、いざ未知の世界へ行ってみるとそれを楽しんでいる自分に気づいて驚きます。その後、ドラマや映画に出演させてもらう機会が増えました。
中川:演技だけは唯一、子どもの頃の夢ではなかったのですが、私も2021年10月からドラマに出演します。21年は舞台を2本やらせていただき、それを見たプロデューサーが声を掛けてくださったようです。
田中:そうやって仕事の縁がつながっていくのはうれしいですね。僕は21年10月29日(金)からIHIステージアラウンド東京で開催予定の「DINO-A-LIVE PREMIUM TIME DIVER 2021 MESOZOIC ODYSSEY 中生代への旅」という恐竜をテーマにした舞台公演のスペシャルサポーターをさせて頂きますが、これも色々な仕事を通して生物好きを知ってもらえたたまもの。ただ、しょこたんは声を掛けられるだけでなく自ら発信もしていますよね。ユーチューブチャンネル『中川翔子の「ヲ」』が大人気です。
中川:まさかの900万以上という再生回数の回もありました。
田中:すごい! 始めたきっかけは?
中川:ありがたいことにここ数年、歌をはじめ声優、タレント、漫画など色々な仕事をさせていただいていたのですが、コロナ禍で仕事が大幅に減って時間が有り余ってしまったのが大きいです。でも始めたらすごく楽しくて! 好きなことを好きなようにやって多くの人に喜んでもらえる。こんな素敵なことってない。ユーチューブのおかげで私自身、テレビの仕事が前より楽しくなったし、オファーも増えました。ユーチューブも含め、さまざまな仕事を複合的にやることが大切だったんだなってあらためて実感しているところです。
田中:楽しんでる姿って人に伝わる。僕も色んな人の役に立ちたいと考えていますが、プラスして最近は「この瞬間を楽しもう」という気持ちを心掛けています。そして、そのためには事前準備が欠かせないとも思っています。
失敗すら楽しんで貪欲に挑みたい
中川:今後やりたいことはありますか?
田中:コメディーですね。人が笑ったり喜んでくれたりするのがやはり好きなんです。ココリコとしてコントをする機会も増やしていけたらと。しょこたんは?
中川:私にとっては歌が一番だし、根強いファンの方々も歌う私が好きと言ってくれるので、どんなお仕事も全力で頑張るけど、それらの経験が歌うことに生きてくるといいなと思っています。そして最終的にはシャンソン歌手になりたい!
田中:えっ、シャンソン歌手に?
中川:大好きだった祖母が亡くなる前、「『愛の讃歌』を歌いなさい」って。それが心の大きな形見になっているんです。そのためには人生経験が必要ですが、あと100万年はかかりそう(笑)。それと、以前は自分が歌えたらうれしい楽しいだけだったのが、最近ちょっと変化し、自分の歌を通して子どもたちに夢の扉を届けたいという思いが強くなっています。
田中:素敵なことですね。ただ、しょこたんにはまだまだ夢中になれることを見つけて挑戦してほしいな。当然失敗もあると思うけど、それで落ち込んだり傷ついたりするのは一生懸命に臨んだ証しですから。僕は21年に50歳になったけど、今でも失敗します。でも反省はしつつ、その失敗すらも楽しむようになりました。
中川:私もちょっと怖いなということでも貪欲(どんよく)に挑戦したほうがいいと思います。そのほうが断然人生も豊かになるはずです。田中さんは好奇心の塊のような人。そこは12年前に共演していた頃と変わっていない。その背中を見て「いくつになってもワクワクしていいんだ」と思う若者も多いはずだから、田中さんこそいつまでもバラエティーやコント番組で体当たりで挑む姿を見せてください。
田中:ありがとう。お互いこれからも好きなことの数々を突き詰めていきたいですね、「楽しむ」をモチベーションにして。
中川:そうですね。私は30代に入ってやりたいことがさらに増えました。どれに対しても貪欲に向かっていきます。
田中:まずは21年11月の松本隆さん50周年記念コンサート。身内のような気持ちで応援しています。コロナが落ち着いたら生き物談議でもしましょう。しょこたんがハマっている生き物の話を聞きたいです。
リーダーが語る、アシタを開く言葉
田中さん
「人生は、ひと笑いで変わる」
どんなにつらいことがあっても、一回笑うだけで救われるんですよね。また、一週間ずっと悩み続けたことを誰かに話したら、その人の何気ないひと言ですっきりすることも。人生を変えるのは自分であり、人なんだなと思います。
中川さん
「貪欲」「人生は3万日しかない」
「貪欲」の「貪」には「今」という字も入っているし、「貪欲に」と聞くとすごくポジティブな力を感じます。若い頃から大好きな言葉です。「人生は3万日しかない」からこそ、どう時間を使うかで人生の意味も変わってきます。
田中直樹
1971年大阪府生まれ。お笑いコンビ「ココリコ」のボケ担当、相方は遠藤章造さん。現在は「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」「アカデミーナイトG」など多くのバラエティー番組やコント番組に出演。2021年10月29日(金)から開催予定の恐竜体験ライブステージ「DINO-A-LIVE PREMIUM TIME DIVER 2021 MESOZOIC ODYSSEY 中生代への旅」のスペシャルサポーターに就任。
中川翔子
1985年東京都生まれ。歌手、女優、タレント、声優、漫画家。2004年に始めた「しょこたん☆ぶろぐ」で注目されるようになり、06年に歌手デビュー。20年に開設したユーチューブチャンネル『中川翔子の「ヲ」』が人気。日本武道館で開催予定の「~松本 隆 作詞活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト!~風街オデッセイ2021」の第二夜(21年11月6日〈土〉)に出演予定。