第二新卒の退職理由の伝え方と例文|NG例や面接でよくある質問も紹介
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第二新卒の場合は「退職理由」など新卒の時の面接とは異なる質問をされます。伝え方や内容次第で面接官の印象が大きく変わってしまうことがあるので、十分に事前準備をして挑みましょう。
第二新卒ならではの面接官のチェックポイントや、退職理由の伝え方を例文付きで紹介するので参考にして対策をすれば好印象を残せるはずです。
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第二新卒ならではの、面接官のチェックポイント
第二新卒の面接において、面接官はいったいどこをチェックしているのでしょうか?
面接の前には、履歴書などの書類選考があります。学歴や前職、持っているスキルや資格などからその人の能力を推測し、自社が求める人材に近いと判断した人を面接へと呼ぶのです。
そして面接では、書面だけでは読み取れない部分、つまり応募者の人柄や熱意、印象なども確かめます。そのなかでも、第二新卒の面接で特に気を付けるべき4つのポイントを紹介します。
Check1:ビジネスマナー
ビジネスマナーとは、仕事を進めるうえで必要な礼儀作法のことを指し、社会人であれば最低限、身に付けておかなければなりません。
第二新卒の場合、企業側に「基本的なビジネスマナーが身に付いているのは当然のこと」だと思われます。そのためビジネスマナーが身に付いていないことが分かれば、マイナスなイメージを持つ面接官も多いでしょう。
言葉遣いはもちろん、立ち居振る舞い、TPOに合わせたあいさつ、時間・期日を守る、身だしなみを整えるなど自分自身を振り返り、不足している部分があれば見直す必要があります。
Check2:退職理由
第二新卒の面接では、必ずと言っていいほど「新卒時に入社した会社の退職理由」を聞かれます。
第二新卒は、理由はどうであれ前職を短期間で離職しているため、面接官は「うちの会社もすぐに辞めてしまうのでは?」という不安を抱きやすいもの。
そんな第二新卒に対する不安を払拭(ふっしょく)するためにも「退職理由」を聞くのです。
Check3:仕事への前向きな熱意
前職を短期間で離職していることから「仕事に対する意欲が低いのでは?」と不安に感じる面接官もいるかもしれません。
面接官の懸念を払拭(ふっしょく)するために、仕事に対する熱意やモチベーションの高さ、やる気などを伝えるようにしましょう。
入社後のビジョンを盛り込んで、応募先で長期的に働きたいことをアピールすることが大切です。
Check4:仕事でかなえたいこと
転職後に何をかなえたいのか、どのようなキャリアプランを描いているのかを伝えることで、「なぜ早期に転職を検討したのか」が明確になるので説得しやすくなります。
例えば、「営業の経験を積んで、30歳までにはリーダーを務めたいと考えております」など応募先で活躍する未来を描けていれば好印象を残せるでしょう。
第二新卒のネガティブな「退職理由」の伝え方と例文
面接官は「仕事に不満があったからその仕事を辞めたのだろう」ということは当然分かっています。
しかし、「またすぐ辞めてしまう」人材を採用しないよう、前職での不満が「転職理由として妥当なものであるか」、「自社に入社した場合に、その不満は解消されるのか」などを確かめるために退職理由について聞くことが多いです。
第二新卒の場合、「やりたい仕事ではなかった」「休みが取れない」「残業が多い……」など、本音で言えばネガティブな理由で仕事を辞めた人も多いかもしれません。
しかし、本音をそのまま話すと、面接官に良い印象は与えづらいものです。かといってうそをつくのはトラブルのもとになりますし、バレた時に信頼を失いかねないので絶対に避けましょう。
ポイントは、仮に前職の退職理由が「ネガティブ」なものだったとしても、今後につながるように応募先の志望動機に合わせて「ポジティブ」に伝えることです。次の例文を参考に、コツをつかんで効果的にアピールしましょう!
飛び込みやテレアポなど、新規開拓営業をしたくない!
面接の回答例
新規開拓の営業で経験を重ねるなかで、顧客のニーズ把握や課題の整理といった日々の地道な営業活動を丁寧に積み重ねるほど、再提案の質が安定し、信頼が育っていく手応えがありました。こうした継続的な営業を通じて顧客との関係を深めていくことが自分の強みだと気づき、担当のお客さまと長く向き合えるルート営業に専念したいと考え、退職を決めました。
「〇〇の業務が苦手」「やりたくない」といったネガティブワードを使わずに、「○○が自分の強みだと気づいた」というように言い回しを変えるだけで敬遠されることなく、退職理由を伝えられます。また「営業担当者として働いていた経験を生かしながら自社で活躍してもらえそう」だと思ってもらえることもポイントです。
残業が多すぎる
面接の回答例
効率を意識して働くことで、今以上に成果を上げられると思い退職を決意いたしました。前職では繁忙期に残業時間が70時間を超える月もあり、心身を回復する時間が十分に確保できていませんでした。そのような環境に身を置くと、人間関係や健康にも悪影響を及ぼすことを実感したため、メリハリのある職場環境で自分の実力を発揮したいと思い転職活動を考えました。
ただ「残業が多いから退職した」と言うだけでは、「仕事に対する意欲が低い」「働くことが嫌いなのかな?」と思われてしまいます。
法律が定める残業時間の上限は、月に45時間と決められています。この時間外労働の上限規制に反している場合のみ退職理由として述べることができ、伝える際には「〇時~〇時まで働いていた」「残業が〇〇時間を超える月もあった」というように具体的にしておくと良いでしょう。
出典:時間外労働の上限規制|厚生労働省
やりたいことができなかった
面接の回答例
前職では、総合職として採用され、経理をしていましたが、経営方針が変わり営業に配属となりました。異動を機に今後のキャリアを考えたところ、やはり経理の仕事をしたいと思い、上司や人事担当者に相談しましたがかなわず、転職を検討しました。経理では仕訳や請求書処理、経費精算などを経験し、正確な数値のデータ投入や期日管理を徹底してきました。Excelでの集計・効率化や営業で培った調整力も生かし、御社の経理業務に貢献したいと考えています。
「〇〇が耐えられないから転職する」といった不満がきっかけの応募者より、「こうなりたいから転職する」という前向きな理由を持つ応募者のほうが好印象です。さまざまな策を講じたものの改善が見られなかったことと、応募先の企業ならかなえられることを伝えましょう。
ノルマがきつい
面接の回答例
前職では、厳しいノルマが設けられていたため、ノルマ達成のことだけを考え、日々数字に追われていました。目標の数値を達成するための努力は必要ですが、この状況下で顧客一人ひとりと信頼関係を築きながら長期的にお付き合いするのは難しいと思い、転職を決意しました。もっと顧客に寄り添ったサービスを提供したいと考えていたところ、御社の公式サイトの営業活動ページに目が留まり、営業戦略に強く共感したため志望しました。
目標数字が大事であることは理解しつつ「この仕事にもっと専念したい」「顧客を大切にしたい」といった意思表示をすることで同じ方向性の企業であれば、一緒に働きたいと思ってもらえるでしょう。
給与や福利厚生などの待遇面に不満があった
面接の回答例
前職では、成績トップで会社に貢献してきましたが、年功序列型の給与体系だったため、成果に見合った評価を受けられないと感じ、退職を検討しました。仕事を通じて成長し、年齢に関係なく挑戦できる環境を求めていたところ、御社の評価制度や社風に魅力を感じ、御社の環境であれば意欲を持って力を発揮できると考えております。
「給与や福利厚生などの待遇面に不満があった」とそのまま伝えてしまうと、「お金のことしか頭になく、仕事に対する意欲が見えない……」「“会社のためにできること”ではなく“会社に何をしてもらうのか”しか考えていないのでは?」などと思われかねません。入社後にミスマッチが起こらないように、応募先の企業がどのような評価制度を導入しているのかを調べておきましょう。
「上司と合わなかった」など人間関係に問題があった
面接の回答例
退職した理由は、自分の裁量で仕事ができる環境に身を置き、実力を高めたいと考えたためです。前職ではトップダウンの体制が強く、主体的に考えて行動する機会が限られていました。上司の指示に従うことは大切だと考えていますが、自分の頭で考えて行動しなければ自己成長につながらないとも思っています。また、すべてがトップダウンの企業体質ではなく、自ら考え提案を行い、行動できる企業で仕事がしたいと考えております。社員一人ひとりの意見を大切にする御社なら、更なるスキルアップを目指せると確信し、志望いたしました。
上司と合わなかったという退職理由の場合、採用担当者は自社でも同様の問題が起きる可能性を懸念して、採用につながりません。
あえて伝えるならば、上司の指示の重要性は理解しつつも、すべてがトップダウンの企業体質ではなく自ら考え提案を行い、行動できる企業で仕事がしたいと考えて退職することを伝えるようにしましょう。
「社内で暴力やセクハラを受けた」「違法な長時間労働やサービス残業を強いられた」など、明らかに会社側に問題があったことを退職理由として伝えたいと考えている人もいるかもしれません。
もちろん、その場合は速やかに退職して、新たなキャリアをスタートさせたほうが良いでしょう。しかし、面接で退職理由としてそのまま伝えるのは望ましくありません。なぜなら、面接という短い時間の中で、「面接官がその状況を正しく理解してくれる」とは言い切れないからです。
また、明らかに会社側に問題がある場合も、伝え方には注意が必要です。いずれにしても、相手が受ける印象を考えながら言葉を選びましょう。
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退職理由を伝える時の注意点
退職理由を伝える時には、いくつか注意すべきポイントがあります。本心をありのままに伝えた結果、それが原因で不採用になる可能性もあるのでしっかりと押さえておきましょう。
「会社のせい」にしない
「残業時間が多い」「人間関係が良好ではない」といったネガティブな内容を伝える時には、会社のせいにしている他責思考な人だと思われる可能性があります。
前職の悪口と捉えられると「自社に入っても不平不満を並べるようになるのでは?」「すぐに人や環境のせいにするのでは?」と面接官に敬遠されかねません。
会社批判と受け取られるので、原則として行うべきではありません。しかし、例外として面接で聞いていた話と違う、あるいは就業規則と異なる場合は「きちんと確認しなかったことを反省しています」などと謙虚な姿勢を示したうえで伝えると良いでしょう。
「退職理由」と「志望理由」に一貫性を持たせる
「退職理由」と「志望理由」に一貫性を持たせることで説得力が高くなるので、面接官に良い印象を残せます。
具体的には「今の会社ではかなえられないことがある」「それをかなえるために御社に入社したい」などと、退職理由が応募先の会社への志望理由へとつながるように、自己分析や企業研究を通して、自分なりに話をまとめておきましょう。
第二新卒の面接でよくある質問と前向きな熱意を示す回答例
では、第二新卒が面接で前向きな熱意を示すためには、どのような回答が効果的なのかをQ&A方式で具体的に見ていきましょう。
あなたの現状の課題(短所)は何ですか?
A. 自分の力量を見極め、柔軟性を持って仕事に取り組みたいと考えています。前職では、熱心に業務に取り組むあまり頼まれる仕事をすべて一人で抱え込んでしまい、時に仕事を時間どおりに終えられないことがありました。自分の現状や能力を分析し、必要に応じて同僚や上司に協力を仰ぎながら仕事をしたいと思います。
解説
面接で課題を問われた際は、短所を長所の裏返しとして伝える工夫が有効です。単なる弱点ではなく、その裏にある強みを示したうえで、改善に向けた取り組みを伝えると説得力が増します。
今回の事例でいえば、「すべてを一人で抱え込んでしまう」という短所は、裏を返せば強い責任感の表れです。そのうえで「必要に応じて同僚や上司に協力を仰ぐ」と対策を添えれば、責任感を持ちつつ柔軟に周囲と協働し、組織に貢献できる人材であることをアピールできます。
以前の職場の失敗談を教えてください
A. 新しい業務フローを把握しきれず、資料の提出期限を一度勘違いしてしまったことがあります。すぐに上司へ報告し、期限の延長を承認してもらい、事なきを得ましたが、以後はスケジュールを共有カレンダーに登録し、早めに準備を進めるよう徹底しています。この経験を通じて、期日管理の大切さと事前準備の重要性を学びました。
解説
この質問では「失敗を隠さず正直に話せるか」「改善行動に落とし込めているか」が評価されます。
例えば上記のケースでは、期限を勘違いするという失敗を、期日管理の徹底や共有カレンダーの活用といった改善に結びつけています。これにより、応募者の誠実さ・改善力・再発防止への主体性を示すことができます。
仕事にやりがいを感じられなくなったらどうしますか?
A. まずは入社時に自分がどのような期待を持っていたのか、これまでにどのようなスキルや経験を身に付けてきたのかを振り返ります。そのうえで、自分に不足している点や新たに挑戦すべき課題を見つけ、必要であれば上司に相談しながら目標を再設定します。入社時の原点に立ち返りつつ、経験を積んだタイミングだからこそ見える課題を捉え直すことで、再び前向きにやりがいを持って仕事に取り組めると考えています。
解説
この手の質問では、面接官は「困難や停滞に直面した時に、応募者がどうやって前向きに立て直すか」を見ています。例えば「やりがいを感じられない」という場合は、入社時の動機を思い出すだけでなく、これまでの経験やスキルを棚卸しし、新しい目標を設定する流れを示すと説得力が増します。
同様に「成果が出ない」「壁にぶつかった」といったケースでも、反省のみにとどまらず、次にどう行動するか・どのように成長につなげるかを具体的に語ると、前向きさと成長意欲を伝えることができます。
入社して3年後、5年後にどのようになっていたいですか?
A. 私は営業部門のリーダーを目指したいと考えています。現職では新規開拓営業を得意とし、月間売り上げ○○円を達成しました。御社ではセミナーや講座に積極的に参加できると知り、もっとスキルを磨いて、3年後には部署内での売り上げ1位を実現したいと考えています。そして、5年後にはノウハウをチームに共有して新人育成にも携わりたいと思っています。
解説
第二新卒の採用において、採用担当者は応募者が自社で何をしたいのか見極めています。応募先の企業研究を事前に行い、「応募企業だからこそ実現できるキャリア」を伝えることが大切です。
本当は人間関係や労働環境が原因で辞めたのではないですか?
A. 短い期間で退職を検討したため、そのように思われるかもしれませんが、前職では人間関係が良好でとても働きやすい職場環境でした。ただ、私が描いているキャリアプランを実現することは難しく感じたため、退職することを決意いたしました。
解説
前向きな退職理由を回答すると、このような質問を投げ掛けてくる面接官もいます。この場合「短期で辞めているのでそう思われるかもしれませんが」というように、相手の質問意図をくみ取り、あえて言語化することで、不安や懸念を払拭(ふっしょく)できるかもしれません。また、「目標達成のために退職を検討しました」など、先に述べた退職理由を貫くようにしましょう。
第二新卒が転職を成功させるコツ
- 興味・能力・価値観の棚卸しをして自己理解を深める
- 希望する業界や企業研究を徹底する
- 魅力を感じる履歴書や職務経歴書を作成する
- 会社批判をしないように言わないことを決めておく
第二新卒に限らず、転職を成功させるためにはスキルや経験を整理するとともに、自身の興味や価値観を棚卸しして、退職理由と志望動機に一貫性を持たせることが大切です。
業界や企業の研究を徹底的に行い、応募先について十分に理解を深めたうえで、志望動機や自己PRなどを考えれば採用担当者から高い評価を得られるでしょう。
また、前職の職場環境や労働条件を退職理由にすると、会社批判と受け取られる可能性があるので「言わないこと」「口にしないこと」を事前に決めておくことをおすすめします。
採用担当者の中には「自社でも同じ問題が起きたら早期退職につながるのでは」と懸念を抱く人もいます。そのため、職場環境や労働条件、人間関係などが理由であっても、ただ不満を述べるのではなく、ポジティブに伝わるよう、第二新卒ならではの行動力や柔軟性をアピールできると効果的です。
例えば、「私はAIを活用して業務効率化を図りたいと考えており、AIエンジニアになるための勉強をしていますが、今の職場ではAIの導入には否定的で生かせる領域がないので退職を検討しました」というように前向きな姿勢と仕事に対する熱意を示すと良いでしょう。
まとめ
退職理由は、本心を話すとネガティブな内容になることが多いです。
そのまま伝えてしまうと会社批判だと捉えられたり、「仕事に対する意欲が低いのでは?」「入社してもすぐに辞めるかもしれない」など採用担当者が懸念を抱いたりとメリットがありません。
退職理由を聞かれた際には、ポジティブな理由に変換し、志望先の企業なら自分のスキルや経験を生かして貢献できるという内容につなげて採用担当者に良い印象を残しましょう。
監修者
佐野 真子
キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング総研株式会社 代表取締役
キャリアコンサルタントとして、セルフキャリアドック導入を支援し、国のキャリア形成・リスキリング支援事業等でキャリアデザイン講義や面談を実施。公共機関では、就職支援セミナーや職業指導に従事し、延べ6,000名以上の就職活動支援に携わる。
各種講演会(労働局、ハローワーク、職業訓練校、業界団体等)講師および東京都施策の適職診断AIチャットボットのシナリオ監修、各種WEB記事監修/執筆を行う(厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」専門家コラム、朝日新聞Reライフネット記事ほか)。
キャリコンバンク®事業では、企業顧問および社外相談窓口を通じて、AI時代の働き方について企業の事業創造とキャリア形成を支援している。
マイナビ転職 編集部
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