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「今の職務内容が20年後もある」4割にとどまる。2023年新入社員の悩みと不安

掲載日:

新型コロナウイルス感染症の流行でビジネスのオンライン化が加速してからはや3年。対面コミュニケーションを控える動きは収束へ向かい、一方ではChatGPTの普及や技術の進歩で、仕事の在り方に大きな変化が生まれる業界も増えています。

そんななかで、2023年の4月に社会人デビューした新入社員は、働き方やキャリアにどのような希望や不安を抱いているのでしょうか。マイナビ転職では、新入社員800名に「何年働き続けるか」や「今の会社が何年後まであると思うか」、職場のゆるさ、理想の上司・先輩像など、気になる実態を調べました。

※調査対象は、2023年4月に新卒入社した会社員(正社員)。WEB調査で2023年6月16日(金)~6月18日(日)までに行ったアンケート調査結果を基にしています。

今の会社を3年以内に辞める新入社員は24.1%

はじめに、今年の新入社員に「今の会社であと何年働くか」を尋ねたところ、以下の結果に。

今の会社であと何年働く予定か?

例年と変わらず「10年以内」が49.1%で約半数の結果ですが、男女別に見ると大きな違いがあることが分かります。「3年以内」退職予定の回答が、男性(18.3%)、女性(30.0%)と、女性のほうが早期の退職・転職を見据えている結果に。

続いて、長く働くと思わない理由を聞いてみると、男性1位は「いろいろな会社で経験を積みたい」、女性1位は「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」。理由も異なる結果になりました。

今の会社で働き続けない理由

特に女性は、子育てと仕事を両立していこうとすると「育休が取れるか」「保育園のお迎え時間に合わせて仕事を切り上げられるか」「子供の体調不良など、急な休みに対応できるか」など、さまざまなハードルが。そのため、出産後も仕事を続けられる環境獲得に向けて早めに動いていかなければ、という意識があっても不思議ではありません。

もちろん「子育てと仕事の両立」は本来男女共通の課題のはずで、男性育休の取得者が年々増え、当調査の「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」という男性の回答も昨年の14.4%に対し今年20.9%と社会の変化の兆しは少しずつ見えています。が、現状、新入社員時点での意識では、まだまだ大きな差があるようです。

給料に不満がある新入社員は約3割?

前述の長く働かない理由で「給料」の回答は28.8%。新入社員に限らず、給料は転職理由の上位に必ずと言っていいほど挙がる項目です。そこで、今年の新入社員の直近の月収を聞いてみることに。

一部の企業が優秀な新入社員獲得のために「月給30万円」を打ち出して話題になるなど、初任給アップの動きはありますが、全体の平均は「20.6万円」。3年以内退職意向者の6割は、月収が21万円台以下となっています。対して、勤続年数が10年以上の回答は、半数以上が22万円台以上。給料と勤続意向年数は比例しているようです。

新入社員の月収と勤続意向

どんな職場環境であれば長く働きたいと思うのか

続いて、現在の仕事環境について聞いたところ、勤続意向年数が長い人は「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い」「身に付けるべきスキルが明確である」「配属当初と比べて成長したと感じる」「目標が明確である」といった回答が高い傾向に。

新入社員の仕事環境と勤続意向年数

目標や身に付けるべきスキルが明確だと「何を頑張ればいいのか」が分かりやすく、「成長したかどうか」も自ら振り返りやすくなります。成長実感は「手応え」「喜び」にもつながり、仕事の報酬として給料だけでなく精神的充足(心理的報酬)を得られるようになる。

これは、人生において多くの時間を過ごす「職場選び」を考えるうえで重要なことと言えるでしょう。ただし、これらは社会人デビューしたばかりの新入社員が、当人の努力だけで獲得するのは難しい項目。上司や先輩からのフィードバックや何気ない会話によって、ぐんと体感しやすくなるものです。

勤続意向年数と上司や先輩とのコミュニケーション量には、一定の関係性があるのかもしれません。

新入社員の対人関係の悩みは「なじめないこと」?

新入社員の上司や先輩とのコミュニケーションについて深掘りするために、対人関係の悩みも聞いてみました。 新入社員の対人関係の不安と悩み

会社での「対人関係」の不安や悩みは、「苦手な人がいる」が25.4%で最も多く、「同年代が少ない」「会話・話が難しい」が続く結果に。どちらかというと、コミュニケーションが過多というよりも、不足している、孤独感をうかがわせる悩みのほうが多い点が特徴的です。

特に従業員規模別に見ると、従業員規模が小さい職場の新入社員は「同年代が少ない」「話し掛けづらい」という悩みが顕著な様子。同期がたくさんいるわけではない人員構成だからこそ、密なコミュニケーションが求められるようです。

「相談タイミング」に悩む新入社員、半数超

続いて、新入社員は避けて通れない「上司や先輩への相談」のシチュエーションで、困っていることも聞いてみました。

上司への相談でよくあるもの

よくある状況として、「今相談していいタイミングか分からない」が56.3%で最も高く、「忙しそうで相談しづらい」「相談したいが、自分の状況を説明するのが難しい」が上位に。

勤続意向年数別では、年数が短い人は「誰に聞けばいいのか分からない」の割合が高く、年数が長い人は「定期面談など、困っていることを相談できる機会がある」の割合が高い結果に。相談しやすい雰囲気や場を作り出すことが、勤続年数を高める鍵になるようです。

上司や先輩には、褒めるだけでなく指導もしてほしい?

ほかに、新入社員とのコミュニケーションで上司・先輩はどのようなことを心掛けていけばいいのでしょうか。

上司先輩の行動でうれしかったこと

実際の上司・先輩の行動でうれしかったことについて尋ねたところ、「話し掛けてくれる(雑談)」の60.6%が最多。やはり、新入社員側から話し掛けるのが難しい分、話し掛けてもらえるのはうれしいようです。

ここで注目したいのが、「褒めてくれる」と「良くない時はきちんと指摘してくれる」にあまり差がつかなかった点。何かと指導しなければいけない場面があっても、指導する側としては「言われたら嫌かな」とためらってしまうもの。しかし、調査結果を見ると、「いい人」であるばかりでなく、実りのある指導をすることも、求められているのです。

特に、将来のキャリアを早くから考えている層にとっては「『ほかでも通用する人材』に自分がなれているか」は不安に思うところ。指摘や指導など耳の痛いことを言ってくれる先輩は、必ずしもネガティブな存在というわけではないようです。

この傾向は「上司や先輩の理想像」と「実際に上司や先輩がやってくれたこと」の比較でも見られました。

上司先輩の理想と現実のギャップ

指摘など、ネガティブなことは言われたくないのかと思いきや、意外にも3位には「プロセスもチェックして指摘・指導してくれる」がランクイン。ほかにも「尊敬すべき点がある」「今後のキャリアを一緒に考えてくれる」など、優しいだけでなく「頼りになる先輩」が求められている様子が分かります。

職場がゆるいと感じる新入社員は57.4%

ところで、昨今は以前と比べて労働時間やハラスメントが厳しく管理されるようになり、「ゆるい職場」が増えているといわれています。実際、新入社員は職場をどう感じているのか調べたところ、57.4%が自分の職場について、「ゆるい職場と感じる」と回答していました。

ゆるい職場だと感じるか?

「職場がゆるい」と回答した人のフリーアンサーを集め、テキストマイニングしたものはこちら。

ゆるい職場の理由

「服装が自由」「先輩が優しい」「定時で帰れる」「休みを取りやすい」など、抑圧されることなく、働きやすい環境であることが分かります。実際、職場がゆるいと回答した人は「今の会社であと何年ぐらい働くと思いますか?」の問いに、「定年まで」の回答が24.5%と高め。しかし一方で、「3年以内」の回答も27.4%と、居心地が良い職場であっても、「定年まで」より「3年以内に退職」のほうが高いのです。

ゆるい職場と勤続年数意向

では「職場がゆるい」と回答した人が、「居心地がいい」以外にどのようなことを感じているのか。より実務に関わる仕事環境を詳しく尋ねると、以下のような結果になりました。

ゆるい職場の仕事環境

最多は全体と同じく「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い」ですが、全体値を大きく下回る結果に。ほか、「身に付けるべきスキルが明確」や「成長実感」も低めの傾向。

反対に顕著に高かった項目は「将来に不安」「1人で進める仕事が多い」「努力しても賃金で評価されない」でした。前章で触れた「精神的充足」が得られにくい状況ではあり、居心地は良くとも「物足りなさ」や、他社で働く友人と比較し焦ったり、6割近くいる「いずれ転職層」は「他社で通用するのか」というような不安も感じるかもしれません。

ゆるい職場の対人関係の悩み

また、対人関係の悩みでも、「苦手な人がいる」「話し掛けづらい雰囲気がある」の項目は低く、ここでも居心地の良い環境ではありそうですが、「同年代が少ない」「仲の良い同僚がいない」などの項目が高めに。

こちらは「職場がゆるい」の回答者が従業員規模の小さい企業に多かったことから必然的にそうなったとは思われますが、職場のゆるさが「不安」「退職意向」につながらないようにするためには、より丁寧なコミュニケーションが求められると言えそうです。

ゆるい職場の企業規模別傾向

「今の会社は20年後もある」の回答は半数にとどまる

ここまで、新入社員の勤続意向や不安について見てきましたが、「長く働きたい」と思うためには、勤め先や仕事内容がなくならないことが大前提。そこで、今の勤め先が何年後まであると思うか聞いたところ「20年以上」の回答は半数にとどまりました。

今の会社は何年後まであるか

同じく、今の「職務内容」について聞くと、こちらは約4割にとどまる結果に。新入社員の20年後は40代。自分たちが40代になった時に会社があるのか、自分がどんな仕事をしているのか、不安は尽きない様子がうかがえます。

今の職務内容は何年後まであるか

今年の新入社員は、自身のライフステージだけでなく、社会の変化が自身の仕事やキャリアに及ぼす影響もひしひしと感じている様子で、このようなことが「将来への不安」もっと言うならば「危機感」につながっているのかもしれません。

転職理由として一般的に多く挙げられるのは「給料」「休日・残業」「人間関係」などですが、長く働いてもらうために、そして少しでも新入社員の不安を払拭(ふっしょく)していくためには、将来への不安への寄り添いも求められるのかもしれません。

マイナビ転職 編集部

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【調査概要】マイナビ転職『2023年新入社員の意識調査』
調査期間:2023年6月16日(金)~6月18日(日)
調査方法:2023年卒の新入社員を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社マイナビ
転職情報事業本部 ブランド推進課
Email:mt-brand@mynavi.jp

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