【育児離職と仕事と育児の両立の男女差実態調査(2026)】正社員女性の約2割が育児離職を経験、理由は?
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マイナビ転職が例年行っている、20~50代の正社員800名に聞いた、「育児離職と仕事と育児の両立の男女差実態調査(2026)」。今回の調査結果では、正社員が仕事と育児の両立において抱えている課題、今後のキャリアや育児離職の意向、職場の働きやすさの点数や働きやすさの要素が明らかになりました。
INDEX
- 子育て中の正社員女性の27.3%が育児離職を経験
- 理由は「子のお迎えに間に合わないため」が最多。一方男性の理由は?
- 子育て前と現在の年収比較では、男性+80.3万円、女性+6.7万円と男女差が見られる
- 約9割の正社員女性が子育てをしつつも、「正社員」としてのキャリア継続を希望
- 一方、男性の3割超は妻の理想の働き方として「パート・アルバイト」など正社員以外を望む
- 正社員キャリアを継続していくために必要なのは「土日休み」。女性は「夫の協力」も
- 子育てをするうえで職場の働きやすさを100点満点で表すと、平均65.7点
- 高得点の要因は「上司・同僚との人間関係が良好」「休日出勤がない・少ない」など
- 総評
子育て中の正社員女性の27.3%が育児離職を経験
子育て中の正社員に「育児との兼ね合いが原因で退職(育児離職)した/検討した経験があるか」を聞いたところ、育児離職経験者は23.3%、育児離職検討者は8.1%となった。男女別では、男性の育児離職は19.4%だった一方で、女性は27.3%となり、男性と比べて育児と仕事の両立が立ち行かない状況に直面していることがうかがえる。育児離職の経験・育児離職を検討した経験
【男女別】育児離職の経験・育児離職を検討した経験
理由は「子のお迎えに間に合わないため」が最多。一方男性の理由は?
また、「育児離職をした/検討した」理由を聞いたところ、男性の上位は「今(当時)の給与ではやっていけないと感じたため(48.9%)」「もっと給与や手当の充実した職場で働くため(47.9%)」と給与面に関する理由が上位となったが、女性は「子どものお迎え(あるいは出勤時間)に間に合わないため(36.4%)」「自宅や子の預け先に近い職場で働くため(26.1%)」など育児に関する項目も上位となった。
【男女別】育児離職をした/検討した理由
子育て前と現在の年収比較では、男性+80.3万円、女性+6.7万円と男女差が見られる
子育て前と現在の年収の変化について聞いたところ、男性は子育て前と比べて80.3万円の増加が見られた一方で、女性は6.7万円の増加に留まった。
年収の伸びには子育て要素以外に年次的な昇給しやすさや転職の有無、管理職への昇進などさまざまな影響が考えられるものの、女性の年収が伸びていない理由には、産休・育休などのブランクに加え、育児離職による勤務先の変化や、職場復帰後も育児による残業不可・時短勤務利用などが影響している可能性が考えられる。
子どもが生まれる前と後の年収の変化
約9割の正社員女性が子育てをしつつも、「正社員」としてのキャリア継続を希望
正社員女性に子どもの年代別での理想の働き方を聞いたところ、全ての年代で9割以上が正社員としてのキャリア継続を理想としていることがわかった。また、子どもが小学校低学年までは特に、時短勤務を望む声が多い。子供の年齢が上がっていくにつれ、フルタイム希望の割合が上がっていく傾向がみられた。
【子どもの成長段階別】女性の理想の働き方/男性から見た妻の理想の働き方
一方、男性の3割超は妻の理想の働き方として「パート・アルバイト」など正社員以外を望む
一方、男性に妻の理想の働き方を聞いたところ、子どもが小学校低学年までは「パート・アルバイト」「主婦」など正社員以外を望む声が3割を超える結果となり、男性が思う妻の理想の働き方と、女性自身が望む働き方には差が見られた。
(参考)子どもの成長段階別・男性の理想の働き方/女性から見た夫の理想の働き方
正社員キャリアを継続していくために必要なのは「土日休み」。女性は「夫の協力」も
理想のキャリアを継続していくために必要なものを聞いたところ、1位は男女共に「土日休み」となった。土日も子供を預けられる保育園や学童は数が限られること、子供との時間を持つことを考えると、切実な問題問題と思われる。 女性は「夫の家事育児への協力」も高回答。ほか、「時短勤務」は、制度としては就学前までなどの制限を設ける企業もあるなか、当事者としては小学校低学年のうちは必要とする声が一定数ある。これは登下校・授業終わり後のお留守番問題など「小1の壁」と言われるものと密接な関係があると見られる。
(参考)正社員キャリアを継続していくために必要なもの
子育てをするうえで職場の働きやすさを100点満点で表すと、平均65.7点
今の職場を「子育てをするうえでの働きやすさ(100点満点)」で評価してもらったところ、全体平均は65.7点で、男女別の平均では、男性(64.6点)よりも女性(66.8点)の方がやや高い結果となった。なお、業種によっても顕著な差が見られ、「エネルギー・素材・産業機械」「食料品・日用品」などは70点以上であるのに対し、「交通・レジャー・外食・サービス」「流通・小売業」「教育・医療サービス・宗教」などは約60点に留まっている。
男女別・子育てをするうえで、現在の職場の働きやすさ(100点満点)
高得点の要因は「上司・同僚との人間関係が良好」「休日出勤がない・少ない」など
職場の働きやすさで80点以上の高得点をつけた人の職場の制度・仕事環境を見てみると、「上司との人間関係が良好(35.4%)」「休日出勤がない・少ない(35.4%)」の割合が高かった。人間関係は、子供の体調不良や学校行事などの急な休みを取らなければいけない場合、業務のフォローをお願いしたり相談したりすることが不可欠なため、大きく影響する項目と見られる。同様の際に「比較的事情を分かってもらいやすい」という面で「子供のいる同僚」の存在も安心感につながるか。
子育てをする職場としての働きやすさの要素
また、実際に利用している制度について、女性では「時短勤務(44.0%)」の利用割合も高く、男女差が開いている。他の上位項目を見ても、子供の急な発熱や学校行事など、仕事を抜けなければいけない状況に対応しうる職場かどうかが働きやすさの一つの指標になっている様子がうかがえる。(※育休の回答の多さは調査回収時に男女それぞれ育休利用者を一定数回収できるように割付をしているので、その影響と見られる)
利用している職場の制度
パートナーが利用した職場の制度を聞くと、「夫が育休を利用した」の回答は4割に留まり男女差が見られる。しかし、数年前までは男性育休自体が珍しいものであったことを考えると、休みを取って育児に協力する男性がかなり増えた印象。また、「時短勤務」も男女差が顕著に見られ、「仕事を切りあげて保育園に迎えに行く」という役割は引き続き女性が担う傾向が見られる。女性の離職検討理由として「子のお迎えに間に合わない」が挙がっている点とも共通の課題が感じられる。
(参考)パートナーが利用した職場の制度
ほか、子供がいる正社員女性の幸福度、幸福度への影響についてはマイナビ転職「正社員女性の幸福度と働きやすさの実態調査」をご参照ください。
総評
今回の調査から、「育児離職」をしている正社員女性が一定数いることが明らかとなりました。一方で、子育てをしながらもキャリアを継続したいと考える意欲は高く、理想と現実の間で葛藤を抱えている様子がうかがえます。仕事と育児の両立は簡単ではありません。生活や子どもの成長に寄り添いたい一方で、教育費や将来を考えるとキャリアの中断には不安が伴います。
こうした葛藤を抱える子育てワーカーにとっては、子どもの急な体調不良などで周囲にフォローを頼る場面もあるため、働きやすさの鍵となるのが「上司や同僚との人間関係」です。日常的に支え合える関係性が重要である一方で、仕事をフォローする側の余裕がなくなり、フォローされる側も申し訳なさを感じるなど、現場の負担が偏りやすい点も課題です。
こうした状況を受け、企業では「子育てフォロー手当」のように、支える側の負担にも配慮し、個人の善意に頼らず組織として支え合う仕組みづくりが進みつつあります。また、制度があっても利用しづらい風土や、収入面への懸念から時短勤務を十分に活用できないといった実態もあり、制度と運用の両面での見直しも求められます。
育児と仕事の両立を女性だけの課題とせず、男性の育児参加を後押しする社風づくりや、企業・組織全体の意識改革も不可欠です。今後、優秀な人材の離職を防ぐためにも、多様な働き方を柔軟に選択できる環境整備が重要であり、誰もが安心して働き続けられる環境づくりが、企業にとっても大きな競争力となるでしょう。
『マイナビ転職』編集長 瀧川さおり
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【調査概要】マイナビ転職「育児離職と仕事と育児の両立の男女差実態調査(2026)」
○調査期間/2026年2月27日(金)~3月3日(火)
○調査方法/WEB調査を実施
○調査対象/正社員を対象にWEB調査を実施
○有効回答数/800名(内訳:男女400名)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社マイナビ
ライフキャリア事業本部 サイト広報戦略部 ブランド推進課
Email:mt-brand@mynavi.jp
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