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面接前に、眠れない夜に。一人でできるリラクセーション法! 自律訓練法をやってみよう

ストレスのセルフケアに効果的なリラクセーション法、「自律訓練法」をご存知ですか? その方法や、習得のコツ、行う際の注意点などを今回はご紹介していきます。

登場人物の紹介

●キャリアアドバイザー 天堂まいな

28歳のキャリアアドバイザー。聖母のようなほほ笑みと優しさで求職者を導く。いつでも一生懸命。一生懸命過ぎて周りが見えていないことも。

●転職したい会社員 庄司びたろう

健気でまじめな性格の27歳。気弱な性格だが、一念発起して転職活動を始めた会社員。右も左も分からないので、まいなに頼りきり。

まいなさ~ん、また面接で落とされちゃいました……。これで10連敗ですよ。やっぱり僕、転職なんて向いてないんですかねえ。

びたろうさん、気を落とさないでください。びたろうさんのこれまでの実績をきちんとアピールできれば、きっとうまくいくはずですよ。

でも、面接の前になると僕、ものすごーく緊張して頭が真っ白になっちゃうんですよね。それで何もしゃべれなくなっちゃいます。

なるほど、緊張して本来のびたろうさんが出せてないんですね。

あと、最近毎日面接だったから、その緊張感がずっと続いてて、面接がない日でも肩こりはひどいし眠れないんですよね。

分かりました。では、びたろうさんには転職のアドバイスより、まずは緊張をほぐすとっておきの方法を伝授しますね。この方法を覚えておくと、いつでも自分でストレスや緊張をほぐすことができて、疲労回復や、仕事の効率アップが期待できるんです。

すごい! 何て言う方法なんですか?

ずばり、「自律訓練法」です。

自律訓練法とは?

自律訓練法とは、静かに落ち着ける場所で、これからお伝えする7つの手順を踏むことで心と体をリラックスさせる、最もポピュラーなリラクセーション法の一つです。

1932年にドイツの精神医学者J.H.シュルツ教授が体系化し、現在でも心療内科や精神科の治療、またはスポーツ選手のメンタルトレーニングなどに用いられているんですよ。

自律訓練法を行うと、筋肉の緊張が解れ、興奮していた神経が鎮まります。それにより、ストレスが緩和され、疲労も回復し、更に集中力が高まるので仕事や勉強の効率アップも期待できるんです。一人でできるし、慣れてくれば会社や電車の中でも行えるので、ストレスのセルフコントロールにうってつけの方法なんですね!

この自律訓練法、できるようになるまではちょっと練習が必要なんです。1回の練習時間は約3~5分が目安。可能であれば、訓練を1日3回ずつコツコツと続けることが理想ですが、難しい場合は1日に1回だけでも、寝る前などに行いましょう。とにかく、毎日続けることが肝心ですよ。

また、習得に掛かる時間にも個人差があります。数週間で習得する人もいれば、数カ月かかる人もいるそうなので、気長にコツコツ続けてみましょう。

自律訓練法の流れ

それでは、実際に自律訓練法をやってみましょう。

<準備>

●場所

静かで落ち着ける場所を探して行いましょう。

●服装

服装は、ゆったりしたものが良いでしょう。ストッキングやベルト、腕時計やネクタイなど、体を締め付けるものは外してください。

●その他

行っている途中で集中力が切れてしまうことを防ぐために、トイレなども事前に済ませておいてくださいね。携帯電話もオフにしたほうが良いでしょう。

<姿勢>

姿勢は、とにかくリラックスした状態を作ることが目的。下記の2つのどちらかで行ってみてください。

●あおむけに寝転んだ姿勢

両腕、両脚を軽く開いた状態で、背中がべったりと床に付くくらい力を抜いた状態で寝転んでください。手の指も真っすぐにせず、力が抜けた、少し丸まった状態にしましょう。
そして、軽く目を閉じてください。瞼からもできるだけ力を抜いて、ぎゅっとつぶらないようにしましょう。

●椅子に腰掛けた姿勢

椅子に座り、両手を軽く腿の上に置きます。この時、腰や背中、肩は緊張させず、頭のてっぺんが天井から糸で吊るされているような感覚で、背中を自然に伸ばしてください。肩を上下させると緊張が解れますよ。また、足は肩幅程度に開いてください。

<NGな姿勢>

●椅子に浅く腰掛ける

浅く腰掛けると重心が不安定になってしまうため、必ず深く腰掛けてください。

●腰を反らしており、背もたれと腰の間に隙間がある

腰を反らして座っていると、余計な緊張が体に掛かるため、リラックスしにくくなってしまいます。

●足の裏が床から浮いている

足の裏はぴったりと床に付けてください。付けていないと、不安定で体が緊張してしまうためです。

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まずは背景公式からスタート
「気持ちが落ち着いている」と唱え、落ち着きを感じる

姿勢が整ったら、早速始めていきましょう。

自律訓練法は、「背景公式」から「第6公式」までの合計7つの手順を行っていきます。それぞれの公式では、「言語公式」と呼ばれる決まった言葉を心の中で繰り返し唱えて、自分をその状態にしていきます。

まずは、「背景公式」から。ゆったりと深呼吸をして気持ちを落ち着かせていきましょう。苦しくならない程度に、ゆっくり息を吸い込み、同じくゆっくり吐いていきます。落ち着いてきたら、「自分は今、とても気持ちが落ち着いている」と心の中で繰り返し唱えてみてください。

この時、本当に自分の気持ちが穏やかになれるよう、頭の中で今まで体験した気持ちがリラックスした状況をイメージすると良いでしょう。もちろん体験したことがないものでも大丈夫です。例えば、さわやかな風が吹く草原のハンモックで寝転んでいるとか、王さまが眠るようなふかふかのベッドで寝ているとか……。

しかし、雑念は払いましょう。雑念が出てきたら、心の中で「自分は今、とても気持ちが落ち着いている」を繰り返し唱えることに集中してください。

第1公式を実践。「手足が重たい」と唱え、手足の重たさを感じる

気持ちが落ち着いてきたら、第1公式に入りましょう。

最初は利き手(ここでは右手とします)に重たさを感じるようにします。心の中で、ゆっくり「右手が重たい」と繰り返し唱えてください。

次に、反対側の手に重さを感じていきます。ここでも「左手が重たい」とゆっくり数回唱えてください。左手の次は右足、右足の次は左足と、同じことを行い、それぞれの部位で重さを感じていきましょう。

意識的に重たくしようとすると、かえって手足に力が入って緊張してしまうため、あくまでも「どのような感覚が起こるのかを眺めている」という気持ちでこの公式を唱えてください。余分な緊張がなくなると、自然とその重さを感じられますよ。

始めは難しいかもしれませんが、重さを感じないからといって焦る必要はありません。習得には個人差があります。気持ちを落ち着けて、体に起きる微かな変化を感じ取りましょう。

もし、第1公式が感じられなくても、第2公式に移りましょう。人によっては第2公式のほうが感じ取りやすいという方もいるんです。

第2公式を実践。「手足が温かい」と唱え、手足の温度を感じる

次に、第1公式と同じ順番で両手、両足が温かいと感じるようにしましょう。この時も利き手から始め、「右手が温かい」とゆっくり唱えてみてください。

重たさに意識を向けつつ、じわじわと温かくなるのを待つイメージです。十分にリラックスしていると、温度を自然に感じ取れるようになります。ここでも、右手(ここでは右が利き手)→左手→右足→左足と、温かさを感じていきます。

最初は、第2公式までチャレンジするだけで大丈夫です。第2公式までができるようになったら、第3公式へと進んでください。それ以降も、基本的にできるようになったら次の公式へと進むようにしましょう。次の公式からはざっと概要を説明しますね。

第3公式「心臓が静かに規則正しく打っている」

意識を左胸に向け、「心臓が静かに規則正しく打っている」と心の中でゆっくり数回唱えます。心臓が規則正しく脈打つことを感じられたら成功です。

第4公式「楽に呼吸をしている」

鼻や口、のど、そして胸、お腹と、呼吸にかかわる部位に意識を向け、「楽に呼吸している」と心の中で唱えてください。意識的に早めたり、ゆっくりしようとしたりせず、楽に深い呼吸をしていることを感じられたら成功です。

第5公式「お腹が温かい」

腹部に意識をむけ、「お腹が温かい」と繰り返し心の中で唱えます。少しでも温かさを感じることができたら成功です。

第6公式「額が心地良く涼しい」

額に意識を向け、「額が心地良く涼しい」と心の中で唱えます。額にさわやかな涼しい風を受けているような感覚を、ただそのままに感じることができれば成功です。

どの公式も、リラックスをしていると自然に感じられるもの。それらを、ただそのままに感じていくことで更に深いリラックスへと体を導いていきます。

以上が自律訓練法の流れです。第1公式だけで止める場合も、第6公式まで行う場合も同じ3~5分くらいの時間で行いましょう。

最後に消去動作を行おう

自律訓練法を終える時は、最後に必ず「消去動作」を行ってください。自律訓練法が終わった後は自己催眠状態になっており、めまいや脱力感などが生じることがあるため、必ず体を催眠から醒ます必要があります。

消去動作とは、次のような動作です。

  • 両手を強く結んで開いて、グーパーを繰り返す
  • 両手を組んで上に向かって背筋を伸ばす
  • 首や肩を回す

これらを十分に行って、体を目覚めさせてください。

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自律訓練法、慣れるまで難しいかもしれませんが、習得してしまえばいつでもどこでも一人でリラックスできるようになりますよ。

なるほど~! まいなさん、ありがとうございます。

習得しても、試験前、面接前など緊張感がMAXの状態では、自律訓練法で普段通り完全に緊張が解れることはないかもしれませんが、わずかでも効果は体に現れているはず。第2公式までだけでも、びたろうさんは習得しておくことをおすすめします。

これを覚えれば面接の前もリラックスできるし、夜もすっきり眠れそうです。じゃあ早速今やってみようかな。えーと、右手が重たくなーる、重たくなーる……。重たくなーる……。うーん、ならない。

びたろうさん、「重たくなる」じゃなくて、「重たい」ですよ。細かいんですけど、それだと自律訓練法ってうまくできないんです。上手に行うコツをお教えしますね。

自律訓練法を習得するコツ

自律訓練法で上手にリラックスするコツはこの2つです。

「言語公式」はいつも同じ言葉を使おう

各公式で、決まった「言語公式」がありましたが、これはいつも同じ言葉を使ってください。そうすることで暗示の効果が高まります。

「受動的集中」を大事にしよう

「受動的集中」と聞くと難しいですが、要は各公式を行う時に、意識的に手足を重たくしようとしたり、温かくしようとしたりするのではなく、受動的に感じられる状態になることです。

「言語公式」では「右手が重たい」とは言いますが「右手が重たくなる」とは言いません。少しの語尾の違いですが、これが受動的集中のポイントなんです。感覚が得られるまで、練習を繰り返して気長に待ちましょう。

最後に! 自律訓練法を行ううえでの注意

いかがでしたか? 難しいですが「受動的集中」を意識して行ってみてください。それと、自律訓練法は第2公式まででも十分効果があるんです。第3公式からは、意識を集中させる部位に不調があると、その症状を悪化させてしまう場合もあるんですよ。

なるほど、じゃあ例えば心臓が悪い人は第3公式を省略したり、呼吸器に不調がある人は第4公式を省略したりしなきゃいけないんですね。

そうなんです。糖尿病の方や妊娠中の方も、自律訓練法を行うには注意が必要なんです。第3公式以降をマスターしたい場合は、医師など専門家の指導を受けながら行うようにしたほうがいいですね。

分かりました! ありがとうございます。今日帰ったら早速、自律訓練法をやってみたいと思いますね。頑張ってリラックスします!

びたろうさんが前向きになってよかったです。リラックスは頑張っちゃいけないんですけどね……。

◎イラスト:林檎子

マイナビ転職 編集部

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