フリーランスって? 向いている仕事(職種)と活躍するために必要なこと&注意点
更新日:2024年07月09日
記事まとめ(要約)
- フリーランスとは、特定の会社などに属せず、仕事を請け負う働き方
- 実店舗を持つ事業を行うのが自営業、持たない働き方がフリーランスと区別されることもあるが、明確な区分はない
- フリーランスの一番のメリットは、自由な働き方を選べること
- 特にIT系やクリエイティブ系、物書き系の職種に多い
- 基本的に業務のすべてを自分一人で行う必要がある
近年、働き方の一つとして定着してきている「フリーランス」。場所や時間にとらわれず仕事ができるイメージのあるフリーランスですが、実際はどうなのか。フリーランスに向いている職種や活躍するために必要なことなど、事前に知っておきたいフリーランスの仕事について紹介します。
フリーランスとは?
フリーランスとは、特定の会社・団体などの組織に所属せず、都度契約を結び仕事を請け負う働き方のことを指します。基本的には働き方を表す言葉ですが、その形態を取っている人のことを「フリーランス(またはフリーランサー)」と呼ぶこともあります。フリーランスは、仕事の依頼ごとにスキルや成果物を提供し、その対価として報酬を得ます。自身の専門知識やスキルを提供して仕事をする個人であれば、職種を問わず誰でもフリーランスを名乗ることができます。
なお、フリーランスと混同されやすいのが「個人事業主」「自営業」など。
「個人事業主」は税務署に開業届を提出し、個人で事業を行っている人のことです。フリーランスが働き方を表すのに対し、個人事業主は税務上の区分を指します。
また、「自営業」は、自身で事業を行う事業主のことで、個人事業主と法人どちらも含まれます。実店舗を持つ事業を行っているのが自営業、実店舗を持たない働き方がフリーランス、などと区別されることもありますが、明確な区分はないと言えるでしょう。
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フリーランスとして働くメリット・デメリット
自由なイメージのあるフリーランスですが、働き方によるメリット・デメリットにはどんなものがあるのか、実際にフリーランスとして働く経験者の声とともに紹介します。
<メリット>
働き方の自由度が高い
フリーランスの一番のメリットは、自由な働き方を選べるという点でしょう。
会社や組織に所属しないため、働く時間や場所、休日などを自分の意志でコントロールしやすくなります。例えば、午前中はジムに通い午後から仕事をする、土日に仕事をして平日休みにする、など。働く場所も、自宅やカフェ、旅行先など選択肢を増やすことができます。基本的に出勤という概念がないため、場合によっては暮らす場所を自由に選ぶことも。
ただし、フリーランスが完全に自由かというとそうではありません。場所や時間にとらわれない働き方も可能ですが、請け負う仕事によっては、会社に常駐する必要があったり、仕事場所や時間がクラアントによって定められていたりすることもあります。
もし、フリーランスとしてかなえたい働き方がある場合は、請け負う仕事や契約内容を事前にしっかり確認し、自分の理想を実現できる仕事を選ぶ必要があります。
仕事の内容を自分で選べる
仕事を選べるという点もフリーランスのメリットです。
会社員の場合は、基本的に会社や部署の目標などに沿って上司から指示された仕事をこなすことが多くなります。しかし、フリーランスは、自分が得意な分野の仕事だけを受ける、苦手な仕事は断るなどの選択ができるようになります。
もちろん、仕事の依頼を断ってばかりだとそもそも仕事をお願いされなくなってしまうなどの懸念があるため、ある程度バランスを取ることは必要です。
収入アップが目指せる
フリーランスは、自分で仕事を選ぶことができるため、収入アップを目指すことも可能です。例えば、単価が高い案件を優先して受ける、仕事量を増やして年収アップを図るなど自分でコントロールができます。給料のように収入の上限がないため、稼ぎたいと思い、努力すればいくらでも収入を得ることができるのです。
とはいえ、仕事を受けられるのが自分1人というのもフリーランスの特徴。キャパシティを超えた仕事量を受けてしまい、納期に間に合わない、働き過ぎて体調を崩すなどのリスクと隣り合わせということも忘れてはいけません。
<経験者の一言>
- 通勤ラッシュの満員電車から解放されたのがフリーランス最大のメリット!(ライター・フリーランス/26歳/女性)
- 受ける仕事を選べるので、プライベートの予定を優先できる(ITエンジニア・フリーランス/32歳/男性)
- 旅しながら仕事、など自由なライフスタイルで働けるのが最高(デザイナー・フリーランス/28歳/女性)
- フリーランスになって人間関係のストレスから解放された(設計士・フリーランス/36歳/女性)
- 定年や退職の概念がないので、いつまでも自分が好きな仕事を続けられるのがうれしい(フォトグラファー・フリーランス/48歳/男性)
<デメリット>
収入が不安定になる
毎月の給料が決まっている会社員と違い、フリーランスはよくも悪くも自分がした仕事の分しか収入を得ることができません。上限なく収入アップが望める反面、収入が限りなくゼロに近くなるリスクも。
万が一病気やけがなどで働けなくなったらどうしよう、といった収入がなくなることへの不安は付きまとうことになります。
自己管理スキルがより必要になる
フリーランスには、会社員のように決められたルールがないため、働く時間も場所も仕事のスケジュールもすべて自分で決める必要があります。
すべてが自由というのは楽に感じられるかもしれませんが、実際の決断や判断には労力や責任が伴います。体調管理やモチベーションコントロールなどもフリーランスの仕事のうち。自己管理やスケジュール管理が苦手な人にとっては、会社員のほうが楽だと感じることもあるでしょう。
会社から受けられる恩恵がない
フリーランスは、会社や組織に雇用されていないため、保険料負担や有給休暇、福利厚生など会社員が受けられるような恩恵がありません。会社員からフリーランスになると、自分が支払う社会保険料の額に驚くことも。
また、会社によっては産休や育休などのフォロー制度が設けられていますが、フリーランスにそういった制度はありません。ライフイベントと収入の兼ね合いも自身でバランスを取っていかなければなりません。
他者との関わりが減る
フリーランスは基本的に個人で仕事を行うため、同僚や先輩・後輩といった他者との関わりが減る傾向にあります。人間関係のストレスが軽減される一方で、さみしさを感じるフリーランスも多いようです。
場合によっては、コワーキングスペースを活用したり、フリーランスでチームを組んだりなど、人との関わりを増やす工夫も必要になってきます。
<経験者の一言>
- とにかく孤独!(ライター・フリーランス/26歳/女性)
- いつか仕事がなくなるのではという不安が常に付きまとっている(設計士・フリーランス/36歳/女性)
- 仕事を断るともう依頼してもらえないかもと考えてしまい、やりたくない仕事も断れない(ITエンジニア・フリーランス/32歳/男性)
- 有給休暇や産休、育休など休んでいても収入が入る制度がある会社員がうらやましい(デザイナー・フリーランス/28歳/女性)
- 不動産投資で銀行から融資が受けられないなど社会的信用が一気に下がった(フォトグラファー・フリーランス/48歳/男性)
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どんな仕事(職種)が向いている? フリーランスの仕事の種類
フリーランスに向いている仕事・職種にはどんなものがあるのか、フリーランスとして活躍する人が多い仕事の種類を紹介します。
なかでも、パソコンとネット環境があれば場所や時間にとらわれず働けることが多いIT系の職種や、個人で仕事が完結しやすいクリエイティブ系、ライターなどの物書き系の職種はフリーランスとして活躍する人が多い仕事です。
IT系
ITエンジニア
(Web系エンジニア〔フロントエンド、バックエンド〕、プログラマー、コーダー、インフラエンジニア、SE〔システムエンジニア〕、ゲームエンジニア、組み込みエンジニア、アプリ開発エンジニア、その他)
一口にITエンジニアといっても、仕事の範囲や役割はさまざま。プログラミング言語を使ってWebサイトやアプリ開発を行うプログラマーや、HTMLを使ってWebサイト作成を行うコーダー、ゲーム開発を専門に行うゲームエンジニアなど、たくさんの職種が存在しています。
近年、ITエンジニアの需要増加に伴い、養成スクールやWeb教材など学習環境も充実してきているため、スキルを習得すれば未経験からフリーランスになれる可能性も大いにある職種の一つです。
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Webディレクター、Webプロデューサー
Webディレクター・Webプロデューサーは、Webサイトの企画立案や予算管理、進行管理、運用などWeb制作全般に関わる業務を行います。実際のサイト制作は、デザイナーやエンジニアに任せることがほとんどで、クライアントと制作チームのまとめ役のような立ち位置のため、特定の企業に常駐して業務をこなすフリーランスも多い職種です。
▼その他
- プロジェクトマネジャー
- データアナリスト など
クリエイティブ系
デザイナー(Web、UI/UX、グラフィック、CGなど)
デザイナーは、名前のとおりデザインに関わる仕事の総称です。WebサイトなどWeb関連のデザインを手掛けるWebデザイナー、ポスターや雑誌の表紙、商品パッケージなどのデザインを行うグラフィックデザイナーなど、デザイナーごとに得意分野が分かれていることが多い職種です。
クライアントからの要望に沿ったデザインを成果物として納品するという個人で完結しやすい仕事ながら、デザインという仕事の特性上大きなモニターやハイスペックなパソコンが必要になるなどを理由に、自宅など決まった場所で仕事をするフリーランスが多い印象の職種です。
フォトグラファー
フォトグラファーは、写真を撮ることを仕事にしている職種です。個人の色を出した芸術性のある写真をメインに撮る人や、広告用の商品撮影や人物撮影などより商業的な写真を撮ることが多い人など、さまざまなタイプのフォトグラファーが存在します。旅をしながら各地を巡り写真を撮るなど場所にとらわれない働き方をしているフリーランスも多い職種です。
動画編集者、映像クリエイター
近年、需要が高まっているのが動画編集者。文字を読むよりも動画で見るほうが分かりやすいと感じる人が増えたことで、広告やメディアのコンテンツなどにも積極的に動画が取り入れられるようになってきました。
以前は、動画編集というとテレビ番組やCM、映画など映像クリエイターとしてより高度な知識やスキルが求められることが多く、未経験でフリーランスになることはなかなか難しい職種でした。ですが、昨今SNSや動画配信サービスなどよりライトな動画編集者のニーズも高まっていることで、副業などを経て比較的フリーランスになりやすい職種になっているようです。
▼その他
- イラストレーター
- ライバー
- ハンドメイド作家
- 陶芸家
- 画家
- 音楽家 など
物書き系
ライター
ライターは、書籍や雑誌、Webメディアの記事や原稿など文章を書く仕事です。場合によっては、ライティングだけでなく取材や編集、校正・校閲などの仕事を請け負うことも。
ライターになるには、特殊な技能・資格などが必要ないため、難易度が高くない案件であれば未経験からでもフリーランスになることが可能な職種です。
最近では、クラウドソーシングサイトから仕事を受けるフリーランスライターも多く存在しています。ただし、より高い単価で仕事を受けるには、高度な文章力や専門知識などスキルや経験が必要になるのはほかの職種と同様です。
ブロガー、アフィリエイター
ブロガー、アフィリエイターは文章を書くという点でライターに近い職種です。
ライターがクライアントから依頼された文章を作成し収入を得るのに対し、ブロガー、アフィリエイターは自身のWebメディアの記事を作成し、そのメディアから収入を生み出すという点で異なります。
▼その他
- コピーライター
- 編集者
- コラムニスト、エッセイスト
- ジャーナリスト
- 翻訳家 など
ビジネス系
マーケター
マーケターは、商品やサービスを売るための業務全般を行う職種です。市場調査などをもとにどうしたらその商品やサービスが売れるかを分析し、販売戦略などを組み立てていきます。近年では、SEO対策やSNS運用などWebに特化したWebマーケターの需要も高まっています。
コンサルタント
コンサルタントは、企業の課題解決を行うアドバイザーのような職種です。クライアントの経営や企業戦略にまつわるコンサルティングを行う経営コンサルタント、IT関連業務に特化したITコンサルタントなどいくつかの種類があります。企業の成長の一端を担うコンサルタントには、専門知識や高いスキル、論理的思考能力などが求められます。
▼その他
- PR、広報
- 営業
- 秘書
- キャリアカウンセラー
- 通訳
- 講師
- ファイナンシャルプランナー など
士業系
税理士
税理士は、税務の代理や納税書類の作成、税務相談などの仕事を行う職種です。税理士を名乗るためには、税理士資格を取得し「日本税理士会連合会」に登録する必要があります。税理士試験は、日本での難関資格試験のうちの1つといわれており、税理士でフリーランスになりたいと思った場合には、かなりの時間と労力が必要になるでしょう。
▼その他
- 司法書士
- 弁護士
- 会計士
- 中小企業診断士
- 建築士 など
美容系
美容師
美容師にもフリーランスとして働いている人が多くいます。フリーランス美容師には、特定の美容室と業務委託契約を結んで行う業務委託型、美容室として利用できる場所を借りて自分で営業を行う面貸し型などいくつかのタイプがあります。美容師になるためには、国家資格である美容師免許が必要です。
▼その他
- メイクアップアーティスト
- スタイリスト
- ネイリスト
- アイリスト
- パーソナルカラーアナリスト
- モデル など
その他
- インテリアコーディネーター
- フードコーディネーター
- フラワーコーディネーター
- ヨガインストラクター
- スポーツトレーナー
- ペットシッター など
完全在宅勤務・
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フリーランスになるには? 必要な手続きと準備
フリーランスになりたいと思ったら事前にどんな準備が必要なのか、仕事探しの方法と併せて紹介します。
仕事探し
一口にフリーランスといっても、仕事の取り方は人によってさまざま。
フリーランスとして活躍したい場合、理想的なのは自分のスキルや得意分野を知っている人や会社から仕事を受ける方法です。お互いにできることや仕事の進め方を知っている元同僚や先輩・後輩などから仕事を受けることができれば、受発注後に「こんなはずではなかった……」となるミスマッチを極力減らすことができます。
現在会社員で、将来フリーランスになりたいと思っている人は、今できる業務に全力で取り組むことが、結果的にフリーランスになった時の仕事につながることが大いにあるということを覚えておきましょう。
フリーランスになった際に、人脈やコネクションがない場合は、企業や知人に営業をかけたり、SNSやWebサイトを活用して自分のスキルや能力を売り込んだりすることが必要になります。最近では、フリーランス向けにエージェント型やクラウドソーシング型のフリーランス求人・案件サービスも増えてきているので、そういったサービスを活用するのも一つの手段です。
健康保険・年金の切り替え手続き
会社員からフリーランスになる場合、所属していた会社の健康保険から国民健康保険への切り替えが必要です。また、厚生年金から国民年金への変更手続きも行いましょう。
開業届の提出、その他必要書類の準備
フリーランスになる場合、「開業届」を税務署に提出するのがおすすめです。開業届を提出することで、一定の所得控除が受けられる青色申告が利用可能になります(青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」の提出も必要)。
また、フリーランスになると契約書や見積書・請求書・納品書などの書類作成や発行も自分で行う必要があります。あらかじめ各種書類のテンプレートを準備しておくと便利です。
フリーランスで活躍するために! 事前に知っておきたい注意点と必要なこと
フリーランスで活躍するためにはどんな心構えが必要か、注意点と併せて紹介します。
フリーランスはすべてを自分で行う必要がある
フリーランスは、基本的に業務のすべてを自分一人で行う必要があります。収入に直結するメインの業務はもちろん、仕事を取るための営業、帳簿付けなどの経理や事務作業、社会保険関連の手続き、確定申告や納税などたくさんの作業が発生します。
スケジュール管理やクライアントとの交渉なども自身で行うため、自己管理能力やコミュニケーション能力なども求められます。意外と難しいのが、仕事を引き受けるか、断るかの判断やいくらで引き受けるかの価格設定など。仕事を断ったら次に依頼されなくなってしまうかもしれないといった不安から安請け合いしてしまうのはNGです。
また、受発注後のトラブルを避けるために、仕事の範囲や見積、契約事項などをクライアントと事前にしっかり擦り合わせ、明文化しておくことも重要です。
自由と引き換えに不安定な要素が増えるが、自分で選択できることは楽しい
働く場所も時間も、受ける仕事もある意味自由なフリーランスは、その分不安定な要素が増えるということでもあります。働いていれば毎月固定の給料を得られる会社員とは異なり、基本的に収入は毎月変動しますし、社会的信用も下がることが多いです。毎月の社会保険料は増えつつ、将来の年金受給額は減少するなどの負担も……。
金銭的・精神的な安定のために、毎月継続の案件をベースに収入を組み立てて変動要素をなるべく少なくする、積み立て投資などを活用して将来に備えた蓄えをするなどの工夫も必要になってくるでしょう。
現状も未来も自分の力で変えていくことは時に大変ですが、人生のかじを自分できれるからこそ楽しいと感じられるのもフリーランスの醍醐味です。
未経験の仕事でフリーランスになるのはなかなか難しい
会社を辞めたい! 自由になりたい! といった感情からフリーランスになることを考える人もいるかと思いますが、未経験の仕事でいきなりフリーランスになり、仕事を得るのは簡単なことではありません。
もしフリーランスでやってみたい仕事がある場合は、まず会社員として働きつつ副業でトライしてみるなどがおすすめです。会社員としての仕事に一生懸命取り組みスキルや経験を身に付けることが、結果的にフリーランスとして活躍するための人脈作りや将来の仕事の依頼につながるということを覚えておきましょう。
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まとめ
上記で紹介したとおり、フリーランスに向いている仕事はたくさんあります。興味がある仕事があれば、その仕事に必要なスキルを身に付けて挑戦するのも一つの手です。
しかし、今の会社で活躍できていないから、仕事環境が合わないからフリーランスになろう、と考える場合、フリーランスになったからといって必ず仕事や働き方に満足できるとは限りません。安易に会社を辞めてフリーランスでの仕事もうまくいかず後悔…… といったことにならないように、もし今の仕事が自分に合っていないと感じる場合は、まず転職などで自分の得意を生かせる仕事や会社を見つけてみると良いでしょう。
マイナビ転職 編集部
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