嘱託社員とは? 契約社員との違いや給与・ボーナスについて
更新日:2024年01月26日


記事まとめ(要約)
- 嘱託社員は、有期雇用契約を結んだ非正規雇用の社員
- 定年退職後に再雇用された人が嘱託社員として働く場合がある
- 一般的に嘱託社員は勤務日数や時間、業務範囲が限定されている
嘱託社員とは、正社員や契約社員、アルバイトなどと同様、雇用形態の一つです。
一般的には定年退職後の再雇用時によくある働き方ですが、専門的な知識やスキルを生かして働く場合にも嘱託社員として雇用を結ぶことがあります。
給与は正社員より低くなる傾向がありますが、自分が得意な分野の業務に集中して取り組めます。
また、正社員と違い雇用契約を結ぶごとに労働条件を見直すことができるため、労働時間や労働日数を会社側の提示した条件の中で選んだり、要望を伝え話し合うことができるのが魅力です。
嘱託社員の特徴を理解して、転職活動に役立ててください。
嘱託社員とは? 一般的な雇用条件との違いや勤務形態
嘱託社員とそのほかの雇用形態にはどのような違いがあるのでしょうか? それぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
嘱託社員としての働き方
嘱託社員の働き方に関して、まずは以下の点を把握しておきましょう。
- 嘱託社員は、有期雇用契約を結んだ非正規雇用の社員
- 業務内容や裁量権が限定されていることが多い
- 正社員より所定労働日数が少なかったり労働時間が短かったりする場合が多い
嘱託社員は、有期雇用契約を結んだ非正規雇用の社員として働きます。正社員のような契約期間の定めがない働き方ではありません。
有期雇用契約の期間は原則として3年が上限ですが、以下の場合は最長5年という契約期間の下で働くことができます。
- 専門的な知識や技術、経験を必要とする業務に従事する場合
- 満60歳以上の労働者
参照:厚生労働省「労働契約期間の上限について」
嘱託社員の業務内容や裁量権に関しては、限定的な場合が多いです。医師や弁護士、研究者など、高度なスキルや知識を持つ人や、クリエイティブやIT、コンサルティングなど専門領域に特化していることがあります。
また、定年退職後に再雇用された人が嘱託社員として働いており、これまでの経験や実績をもとに、企業の貴重な戦力として活躍しています。
出勤日数や労働時間は本人と会社側との雇用契約の話し合いや、提示した条件の中で決定します。法律上、「嘱託社員」の働き方に定めがあるわけではないため企業によって異なりますが、フルタイム勤務よりも短い時間であることも多く、例えば「1日6時間、週4日勤務」といった働き方もあります。
契約社員との違い
契約社員も、契約期間の定めがある有期雇用契約です。
嘱託社員も雇用期間が定められているため、企業と一定の雇用契約を結ぶといった意味では、嘱託社員と契約社員はほぼ同等の扱いであると言えます。
しかし、一般的に嘱託社員は専門的なスキルや知識を持っている人や定年退職後に再雇用される人を対象にしているのに対し、契約社員は対象者に決まりがありません。
また、嘱託社員は、正社員や契約社員よりも勤務時間が短かったり労働日数が少なかったりしますが、契約社員の勤務時間は、正社員と変わらないケースが多いです。
パート・アルバイトとの違い
パート・アルバイトは、嘱託社員と同様に有期雇用契約を企業と結んでいる雇用形態です。
時間単位で労働時間が決められているため、個人や家庭の事情に合わせて時間を調整しながら働きやすいというメリットがあります。
パート・アルバイトはスポット的に企業を支える働き方であり、基本的に短時間労働が多い傾向にあります。
嘱託社員もパート・アルバイトと同じく短時間勤務の場合が多いですが、月給制や時給制、業務内容によっては一括報酬も有り、給与形態は多様です。一方、パート・アルバイトは基本的に時給制が多いです。
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嘱託社員の給与やボーナスは正社員より低い傾向にある
多くの企業では、正社員よりも嘱託社員のほうが給与は低くなっています。
正社員と同じ仕事内容や裁量を伴う場合は給与に差がつくことはありません。しかし、一般的に嘱託社員は勤務日数や時間、業務範囲が限定されているため、正社員よりも給与が低いのです。
ボーナス支給の有無も分かれており、ボーナスが支給されたとしても正社員と同等の金額ではないかもしれません。
嘱託社員としての就労を考えている場合は、給与や年収の支給条件などを把握したうえで雇用契約を結びましょう。
若い人は嘱託社員になれない? 定年退職者以外の嘱託社員の例
嘱託社員は、定年退職した元社員の再雇用というイメージがあるかもしれません。しかし、年齢にかかわらず嘱託社員として働くことは可能です。
企業は、専門的なスキルや知識を持った人に特定の業務を任せたい場合、嘱託社員として雇用します。
実際、求人サイトを見ると嘱託社員の求人は数多くあり、医師や弁護士といった士業だけでなく、研究者やコンサルタント、クリエイティブやITなど専門領域に限定していることが大半です。
自分の持っているスキルや知識に特化して働きたい、フルタイムではなく勤務時間や勤務日数を調整して働きたいといった人は、嘱託社員という働き方も一つの選択肢になるでしょう。
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嘱託社員のメリットとデメリット

嘱託社員として働くメリットとデメリットを紹介します。理想の働き方は人それぞれですので、自分がどのような働き方を望んでいるのか、この機会にぜひ考えてみましょう。
嘱託社員のメリットとデメリットを比較しながら、自分に合った働き方を見つけてください。
働き方を調整でき、知識やスキルを生かせるのがメリット
嘱託社員の特徴について説明してきましたが、あらためてメリットを確認していきましょう。
勤務時間や労働日数に融通が利く可能性がある
嘱託社員はある程度、勤務時間や労働日数を調整して働けるのがメリットです。
企業によって条件は異なりますが「週に何日働きたいのか」「1日何時間を目安に働きたいのか」など、会社との話し合いや提示される条件の中から希望に近い働き方を選ぶことが可能です。
すべて自分の希望どおりになるとは限りませんが、家庭の事情などでフルタイム勤務が難しい場合や、プライベートに重きを置いた生活を送りたい場合は選択肢の一つになるのではないでしょうか。
専門的な知識やスキルを存分に生かせる
また、嘱託社員として働く場合は、これまでの経験で培ってきた専門的な知識やスキルを生かして働けることもメリットです。
正社員と比べて、業務内容や裁量権が限定されているため、自分が得意な分野の業務に集中して取り組むことができます。定年後の再雇用の場合などは、豊富な経験や専門知識がある分、後継者の育成を任されることもあるでしょう。
社会保険や有給休暇などの福利厚生も
所定の条件を満たしている場合は、社会保険への加入も可能です。嘱託社員も有給休暇が付与されますが、労働時間や労働日数によって条件が異なる場合があるため、雇用条件は契約前にしっかりと確認しましょう。
デメリットは雇用期間の問題
嘱託社員として働く道を考えている方は、デメリットも十分に把握したうえで雇用契約を結びましょう。
有期雇用契約のため、長く働きたい方には向かない
嘱託社員は有期雇用契約のため、長く働きたい方には向かないかもしれません。
もちろん契約更新制度も設けられていますが、必ずしも雇用契約が更新されるとは限りません。人事異動や企業の方針によって雇用を見直す機会もありますし、予算の関係でやむを得ず契約を打ち切るしかない場合もあります。
契約更新時期になってみないと分からないことも多いため、雇用期間が限定的であるのは嘱託社員のデメリットと言えるでしょう。
※嘱託社員を含む有期雇用労働者は、通算5年以上同じ会社で勤務することで、「無期転換」、つまり「期間の定めのない労働契約」の申し込みが可能とされています(ただし、公務員には無期転換ルールは適用されません。また、定年退職後の嘱託社員などには無期転換権が認められない時もあります)。
参考|厚生労働省「無期転換ルールについて」
退職理由によって失業保険の受給条件が異なる
契約満了や更新の有無など、退職時の状況により退職理由は異なります。退職理由によっては失業保険(基本手当)の支給開始日や給付金額、日数に違いがあるため注意が必要です。
退職理由による失業保険の受給条件の違いについて、下記にて確認しておきましょう。
【退職理由による失業保険の受給条件の違いの例】
・契約満了期限が決まっていて更新がない場合
→契約期間満了、給付制限期間なし
・当初から更新がありうる契約だが、会社側から更新を断られた(雇い止め)
→会社都合退職(特定受給資格者または特定理由離職者)
・契約満了後の再更新を会社側から依頼されたが断った
→契約期間満了または自己都合退職
モチベーション維持が難しい
嘱託社員はモチベーションの維持が難しくなる点にも注意が必要です。裁量権のある仕事に就いてきた方は、業務内容に物足りなさを感じるかもしれません。
定年退職後に同じ企業で嘱託社員として働く場合は、これまでの部下のもとで働くことになる可能性も考えられます。給与も正社員に比べると低くなるので、モチベーションの維持は重要な課題です。
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【まとめ】嘱託社員として働く選択肢も考えてみよう
嘱託社員は、福利厚生を受けながら労働時間を調整できる働き方です。
給与は正社員よりも低くはなりますが、拘束される時間が少なくなるため、プライベートを充実させることができるでしょう。短時間のみ働きたい方や、期間を決めて働きたい方にとっても選択肢の一つになるかもしれません。
また、嘱託社員は定年退職後の再雇用方法としている企業も多いですが、年齢を問わず働くことができます。自分に合った働き方を見つけたい方は、嘱託社員も選択肢の一つに加えてみては?
監修者

岡 佳伸(おか よしのぶ)
特定社会保険労務士
社会保険労務士法人岡佳伸事務所 代表
大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活動。各種講演会で講師を務めるほか、日本経済新聞、読売新聞、女性セブンなどへの取材記事掲載、NHK総合テレビ「あさイチ」スタジオ出演などで活躍。
特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。
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