
【2020年度の振り返り】仕事の中で良かったこと、悪かったこと
「新しい生活様式」が始まってからはや1年。私たちの生活は一変しました。働く環境でもさまざまな変化があり、戸惑うことも多かったのでは? そこで、2020年はどういう1年だったのかビジネスパーソン約1,000人に仕事についてのアンケートを実施。コロナ禍が働く人々に与えた影響とは……?
調査方法/新卒者、25歳~50代の男女を対象にしたインターネット調査。実施期間2021年1月25日~2月4日、回答数1,110名
全世代の4割以上が「良かったことはない」と回答
Q1. 直近1年間の仕事において良かったことは何ですか?(複数回答可)

「良かったことはない」と感じている人が多数を占める結果となりました。特に50代は、残業の削減や休業要請により住宅・車のローンなどの固定費が払えず、大きなダメージを受けたという声が目立ちました。各年代の回答を見比べると、20代よりも50代のほうが新型コロナウイルス感染症への恐怖、生活環境の変化、健康への不安の声が多く寄せられました。
- いくらコロナ対策をしていても常に不安。うつされるのは嫌だしうつすのはもっと嫌。疑心暗鬼になってしまう……
- 在宅ワークで、更に運動不足になり健康維持が難しい
- 家に居ることが多くなった。酒の量が増えて不健康な生活習慣に不安を感じる
- どこに行ってもマスク。ちょっとした咳払いも人前ではできなくなった
- 仕事の時間帯が変わり、食事など普段の生活にも影響が出た
今まで「当たり前」だった生活が一変し「新しい生活」に適応しなければならず戸惑う人はたくさんいるでしょう。年代が上がるにつれ、その「当たり前」が長く定着してきた分、生活環境への変化に戸惑いを感じやすかったのかもしれません。
一方、20代からはテレワークになったことでコミュニケーションの機会が減ってしまったという声が目につきました。新入社員の方は入社時からテレワークで戸惑った人も多かったのではないでしょうか。
- テレワークになり、同僚との何気ない会話がなくなってしまった
- 同期との仲が浅く相談相手があまりいない
- 新入社員として慣れるまで大変だった
- 分からないことをすぐに聞けない
- よく分からないまま仕事をさせられた
通勤時間の短縮や残業減によって「自由時間」が増加
Q2. 直近1年間の仕事において最も良かったことを教えてください(単一回答)

最も良かったこととして挙げられた回答は、全世代共通で「自由時間が増えた」が最多。テレワークの導入で通勤時間を省けたことや、残業時間の削減を理由として挙げる方が多く見られました。
- 仕事の休憩時間に家事をしたり、家のことにかけられる時間が増えた
- テレワークで朝の時間が有効に使えるようになった
- 自分のための時間が増えたことがうれしい
- ゆっくり家族と過ごす時間が増えた
- 貯まっていた本やDVDを見ることができた
- 理由は何であれ、早く帰っていい理由ができた
世代ごとの捉え方はさまざま……
若い年代ほど、「ITリテラシーの向上」を「良かった」と回答している割合が高い結果に。「PCに詳しくなった気がする」「在宅勤務のため自宅にPCが必要になり、設定等をしているうちに詳しくなれた」など、テレワークのおかげでPCスキルが上がった、と感じているようです。
20代とほかの年代の差が最も大きいのは「休みやすくなった」です。「コロナのこともあり、体調不良時に無理して出社しなくてよくなった」と、勤続年数が長い世代ほど有給休暇が取得しやすくなったと実感しているようです。
- 体調不良の時に休みやすくなった
- 休むのに遠慮がなくなった
- こんなに有給使ったの初めて
- 熱がある時は休んだほうがいいという風潮はうれしい
多少の体調不良では休めないという風潮が変化し「体調が悪い時は休む」という意識が定着し始めたようです。今までは無理をして出社していた人が多かったということが分かります。中には「休みやすくはなったが、遠出ができない」「普段は旅行の時に有給休暇を使っていたのでもったいない気がする」と、有休休暇を自分の思い描くように使えないもどかしさを感じている人も。
自由回答で特徴的だったのは、30代は「長時間労働や休日出勤が減った」傾向がほかの世代に比べて目立ったことです。
- 必然的に仕事量が減り、家の中でのんびりできる時間が増えた
- 働き方改革で残業が厳しくなり帰宅が早くなった
- 土日勤務がなくなり週末まとめて休めるようになった
- 超過勤務が減った
- 睡眠時間が増えた
- 外出が減り、身体的には体調の良い日が増えた
30代といえば、会社ではちょうど上下の世代に挟まれたポジション。上司から重要な仕事を任されたり、後輩の育成をしたりと、頼りにされる中堅ならではの悩みが軽減されたと感じた方が多かったのではないでしょうか。
社会情勢の変化に伴う「ストレスの増加」は全世代共通
Q3. 直近1年間の仕事において大変だったことを教えてください(複数回答可)

反対に大変だったことを聞いてみると、「コロナ禍での生活自体がストレス」との回答が見られました。
- 休みの日に旅行に行けず、仕事のストレス発散ができない
- やる気が出ない
- イライラする
- ストレス発散の仕方が分からない
- 友達と飲み会や食事会もまったくできなかった
- 家の中にいることが多くてストレスがたまる
ほかにも「マスクがストレス」「消毒などの余計な作業が増え、非常にストレス」など、感染予防対策にストレスを感じている人も多いようです。
業態・職種によっては、業務量が増えても残業やボーナスがなくなり収入が減ったという意見が多数寄せられました。
- コロナで仕事が増えて、休日が減った
- 解雇になり職がなかなか決まらない
- 残業の減少とボーナスカットで収入が大幅に減った
- ボーナスが支給されなくなった
また、多くの企業がコロナ禍を機に導入したテレワークでも「在宅の人のフォローや雑務が増えたり、新しい仕事が増えた」ようです。テレワークになって良かったと感じる人も多い反面、ほかの人のしわ寄せを受けると感じることもあるようです。寄せられた回答からは業務量が増えても収入は変わらず、むしろ下がった人のほうが多い印象を受けました。これらのこともストレス増加に大きな影響を与えていると言えるでしょう。
年代が上がるほど収入が減った影響が大きい
Q4. 直近1年間の仕事において最も大変だったことを教えてください(単一回答)

最も大変だったことを一つ選んでいただいた結果がこちら。「ストレスが増えた」「収入が減った」が群を抜いています。特徴的なのは「収入が減った」と1番感じているのが50代ということです。前述のとおり、収入の減少が家計を大きく圧迫することになりました。
- 出勤日数減で収入が減った
- 収入が減り生活が大変になった、この先どうやって生きていこうか悩んでいる
- 失業した
- 実質、残業ゼロで、収入減
- ボーナス、残業がカットになり、ローンが払えない
30代、40代で多く見られた意見は「転職先が見つからない」「転職がしづらい」でした。コロナ禍の影響による会社の業績不振から、転職を考え始めた人もいるなか、「即戦力を求める会社ばかりでなかなか転職できない」「求人数が減った」「就職口が狭まった」との声が。「職場の人員が減らされたため離職しづらくなった」と感じる人もおり、今いる職場の状況を思うと辞めづらい…… と後ろめたさを感じる人もいるようです。また、「転職したくてもコロナウイルスへの感染が怖くて面接が心配」と考えている人も。新型コロナウイルス感染症が転職への第一歩を踏み出せない原因の一つになっているようです。
【番外編】これが働く人のホンネ⁉
自由回答では思わず漏れた本音もチラホラ。
良かったこと
- 犬のために家にいられる(20代)
- テレワークでペットの世話ができた(50代)
在宅ワーク、外出自粛ならではの本音がポロリ。ご主人さまと一緒に過ごせる時間が増えて、ペットも喜んでいるのでは?
良かったこと
- お金を使う理由がほとんどないため貯金ができた(20代)
- 服がなくていい(20代)
収入減少で苦労する人がいる一方、貯金ができたという人も。また、家で仕事をする機会が増え、会社へ着ていく服が要らなくなった人もいるようです。
良かったこと
- 飲みに行かなくて済んだ(20代)
- 飲み会がなくなって助かった(30代)
悪かったこと
- 飲み会などの息抜きがしにくくなったことで、仕事と家庭のみとなり、息抜きの機会が減ってストレスが増えたような気がする(40代)
- 飲みに行けないのでコミュニケーションが取りづらくなった(40代)
回答からは、飲み会=コミュニケーションと捉える世代と、自分の時間を大事にしたい世代のジェネレーションギャップが浮き彫りに。20、30代にとっては救いとなったようです。
悪かったこと
- 結婚してるので収入は全部家にいき、小遣いは少ない。モチベーションの維持に困った(20代)
- 家でも外でもストレスがたまる(40代)
- 家族と一緒の時間が増えたことにより、摩擦がある(50代)
家族と一緒にいる時間が増えるほどストレスに感じる人も……。
悪かったこと
- 在宅時の光熱費が出ない。腹立つ(30代)
- 家にいると光熱費が高くなる(50代)
たしかに電気代、ガス代、インターネット代などは自宅にいる分、光熱費がうんとかかります。一方で「会社から10万円の給付金が支給された」といううらやましい会社も。
若い世代ほど満足と感じた割合が高い⁉
Q5. 直近1年間の仕事の満足度を教えてください。(単一回答)

ここまでコロナ禍の1年について「良いこと」と「悪いこと」を見てきました。回答してくれた皆さんにとって、2020年はどういう1年だったのでしょうか? 最後に仕事の満足度について聞いてみました。20代で満足、やや満足と回答した人は約4割。50代と20ポイント以上の差があり、世代間で大きなギャップが見られました。年代が上がるにつれ満足度が低下しており、急激な変化や先の見通しの立ちづらさに対する戸惑いが大きいことが見て取れます。
収入の減少やストレス過多などネガティブな回答が多い中、直近の1年間と比較して満足度は「変わらない」と回答した人の割合が全世代共通で高かったのも意外な結果でした。
変化の大きい1年だったからこそ見えてきたこと、気づかされたこともあったはず。その中でも「変わらない」という回答が多かったことは、一つの希望として捉えられるのかもしれませんね。
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