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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.224 歌手/俳優 田代万里生
壁を乗り越えるため、知り尽くし好きになる

Heroes File Vol.224
掲載日:2020/11/13

田代万里生さんの写真1

子どもの頃からオペラ歌手を目指してきたという田代万里生さん。そのために、学生時代はのどを守ろうと、人との会話の少ない書店員のアルバイトを選んだというほど。
そうしてテノール歌手として念願のオペラデビューを果たし、更にミュージカル、演劇と活躍の場を広げてきた。
そんな田代さんに、仕事で大事にしていることや苦難の乗り越え方など、お話を伺った。

Profile

たしろ・まりお/1984年生まれ、埼玉県育ち。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。数々のオペラやミュージカルなどの舞台作品に出演。2020年12月11日(金)から東京・よみうり大手町ホールにて上演予定の舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』に出演。

今やミュージカル界には欠かせない存在の、歌手で俳優の田代さん。2020年12月11日(金)から東京・よみうり大手町ホールで上演予定の舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』に出演する。ベートーヴェンが封印していた、恋人との運命と深い愛を描いた物語。田代さんはほとんどのシーンに登場し、ストーリーテラー的な重要な役回りも演じる。

「おそらく僕の役を通して、ベートーヴェンのイメージが一新されるほどの衝撃を味わっていただけるはず。期待していてください」

テノール歌手の父、ピアノ講師の母の元に生まれ育つ。3歳で母からピアノを習い、7歳からバイオリン、13歳でトランペットを始めている。「ずっと楽器の生演奏が鳴っている家庭だったので、クラシック音楽は身近でした」

舞台に目覚めたのは13歳の時、子役で出演したオペラ公演「マクベス」がきっかけだ。「大人が本気で役作りに取り組む姿に感動し、舞台への思いが一気に高まりました」

オペラの舞台に立つ夢を抱き東京藝術大学の声楽科へ進学。そして翌年、「欲望という名の電車」で本格的にオペラデビューを果たす。以降、さまざまな舞台に出演し実績を重ねていった。「その頃はクラシック一辺倒。それ以外のことをやるとは1ミリも考えていませんでした」

田代万里生さんの写真2

しかし大学卒業後、田代さんは新たなステップを踏み出すことになる。まず、異なるジャンルの男性ボーカルたちで構成されたユニット「エスコルタ」に「面白そうだから」と参加。翌年にはミュージカル「マルグリット」への出演も決めた。これは、その少し前にロンドンでの初演を見て「こういうのがやりたかった」と奮い立ったからだ。

ところが、どちらでも思わぬ挫折を味わうことになる。エスコルタで歌う楽曲もミュージカルも、基本的にマイクを使う。それゆえ、マイクを使わないクラシックとは発声の仕方が根本的に違ったのだ。それまで培ってきたものが通用しない。逆にそれが足を引っ張る原因にもなった。「オペラでは『良い声だね』は褒め言葉。でも、特にミュージカルでは美しい歌声よりも表現力の方が圧倒的に大事なのです」

この苦難を打破するため、田代さんはミュージカルならではの理想の歌い方に真摯(しんし)に向き合い、徹底的に学ぶことにした。すると、知れば知るほど、ミュージカルや洋楽、そしてそれら独自の歌い方も好きになり、愛(いと)おしくなっていった。「いかにして自分がやるべきことを好きになるかが、壁を乗り越えるコツ。その後も何度も壁にぶち当たりましたが、この方法で突破してきました」

未来の自分が楽しみな自分であり続けたい

田代万里生さんの写真3

甘く優雅で気品を感じさせるルックス。軽やかで爽快でありながら強く胸の奥に響く歌声。そして豊かな表現力で多くの人を魅了する田代さん。オペラの世界で活躍しながらも、「マルグリット」でミュージカルデビューを果たして以降は「エリザベート」「スリル・ミー」といった話題作に相次いで出演し、「きらめく星座」など演劇の舞台にも立っている。

「色々な役を演じてきましたが、特に実在の人物を演じることが僕は好きで、この仕事の一番の魅力だと感じています。さまざまな人生を体験でき、違う時代へも行けて本当に楽しい」

仕事が入ると、まず自分が演じる役の資料を集めるところからスタートする。「ネットがあるので、実在の人物であれば結構色んな情報が入手できます。顔も確認できるし、場合によっては本人の声も聞ける。便利ですよね」

ただ、間もなく始まる舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』についての情報収集はちょっと違った。偶然にも19年8月、ベートーヴェンゆかりの地を巡る旅をしていたのだ。「ベートーヴェンの軌跡をたどることで、彼が生きてきた場所ならではの空気感をリアルに体感できました。肌感覚で得た情報を最大限、本作品で生かしたいです」

そして、稽古に入って実際に演じる段階になると、今度はその人物の思考回路になることを心掛けるという。「実はこれ、11年に舞台『ピアフ』で共演させていただいた大竹しのぶさんから授かったアドバイスなんです」

まだ舞台経験も浅く、託された役をどう演じていいのか分からなくて相談した。「そうしたら『その人の脳みそになっちゃえばいいんだよ』って。その言葉がストンと腑(ふ)に落ちました。確かに、その人の思考になってしまえばすべてが正解ですよね。と言うか正解しかない。そう思った途端、迷いが消え、のびのびと演じることができました」

19年にミュージカルデビューから丸10年を迎えた。「10年前の僕は今の自分の姿をまったく想像もしていませんでした。思えば、やりたいことも当時と現在とでは全然違います。関心のなかったことに興味を持ったり、以前は楽にできたことに今は難しさを感じたり。また、新たにワクワクするものを見つけたり、自ら生み出したりといったことも。そうした中で自分がどんどんアップデートされていくのが本当に面白いなと感じています」

気づいたら今、自分でも驚くほどの「場所」にいる。「だから、特定のゴールなど決めず、常に未来の自分が楽しみな自分であり続けていけたら。それを目標にしたいです」

スタイリスト:石山貴文
ヘアメイク:藤井康弘

ヒーローへの3つの質問

田代万里生さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

指揮者になりたかったです。打楽器以外の楽器は一通り経験しているのと、高校時代に管弦楽部にいて指揮棒を振った経験もある中で、オーケストラってすごいなという思いがあって。一つひとつの楽器の奏者がその音色を出すまでにどれだけの時間と努力を費やしてきたか、それが例えば80人のオーケストラだったら×80になり、更に作曲家の努力と時間をかけた人生があり、そんな壮大な思いが一堂に会していることになります。それらを束ねてより素晴らしい音楽を生み出せるかどうかは指揮者次第。そう思うと責任重大ですし、それだけに面白そうで憧れます。

人生に影響を与えた本は何ですか?

学生時代から5年間、本屋さんでアルバイトをしていました。その頃から色々なものを読むようになったのですが、ハマったのが伊坂幸太郎さんの作品です。特に最初に読んだ小説「アヒルと鴨のコインロッカー」は実生活に密着しつつ現実なんだけどファンタジー色もあるミステリーで、非常に面白く、そこから一気に伊坂作品を読みあさるようになりました。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

「コカ・コーラ ゼロ」です。ステージではミネラルウォーターなんですが、舞台袖や楽屋にはコカ・コーラ ゼロを傍らに置いています。炭酸が自分を呼び起こしてくれるような気がするんです。人によっては刺激物はのどに良くないと言いますが、いや良いという人もいる。要は自分にとって心地良いかどうかが大事だと思っています。

Infomation

舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』に出演!

ベートーヴェンの死後、机の秘密の引き出しから見つかった一通の恋文。そこには愛情の高揚と気持ちの乱れが記されており、誰に宛てたのか、どこで書かれたのかは一切不明。ただ、封印しなければならなかった2人の運命と、恋人への深い愛だけが書かれていた——。ベートーヴェンと“不滅の恋人”アントニーのエピソードを軸に、真の芸術、不滅の恋を巡る物語を、時間と記憶をさかのぼりながら創り上げた本作。田代万里生さんが演じるのはベートーヴェンの後継者フェルディナンド・リースと青年。青年は本作のストーリーテラーで要となる役どころだ。「誰もが思い描くであろうベートーヴェンのイメージとはまったく違う彼の一面が、非常に丁寧に描かれています。これを見てからベートーヴェンの楽曲を聴くと、これまでとはまた違った趣を感じることもできるでしょう。ぜひ劇場まで足をお運びください」と田代さん。

日程:2020年12月11日(金)~26日(土)
会場:東京・よみうり大手町ホール
原案:小熊節子、演出:栗山民也、脚本:木内宏昌、音楽・演奏:新垣隆
出演:一路真輝、田代万里生、神尾佑、前田亜季、安藤瞳、万里紗、春海四方、石田圭祐、久保酎吉
公式サイト:https://op110.jp/
※兵庫、富山、愛知公演もあり。

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