実際の面接体験談をもとに、過去1万人以上を面接した人事のプロ『ヤドケン(谷所 健一郎氏)』が回答内容を評価。「自分なら質問にどう答えるだろう?」と面接を受けているつもりで読みながら、回答のコツを盗み取ってください。
面接でのやりとりを知ることで、緊張や不安が和らぐだけでなく、面接本番で使える回答のバリエーションも増やすことができますよ。
Episode.01 外資系営業(英語面接)
空さん(31歳・男性)
希望職種:海外営業、販売戦略企画
応募企業:外資系家具メーカー
面接時間:1時間(1次面接)
面接官:1名(外国人社長)
概要:外国人社長による英語面接でした。日本の面接とはまったくスタンスが違う面接でしたが、反対にリラックスすることができました。また上から見下ろされているというプレッシャーも感じませんでした。
※以下の面接内容は日本語に訳してあります
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面接レポート
社長 「最初に、どうしてXX大学でMBAを取得しようと思ったのですか? その大学を選んだ理由はありますか? 」
私 「はい。その地域は日本からの投資が最も多い地域で、日系の会社も多数進出しており、そこにあるビジネススクールもまた積極的に日本の研究をしているという理由から、日本を含めたビジネスの研究が盛んであると思ったため、その大学を選びました。」
分かりやすい説明でいいね。できれば、その大学を選んだことで得た人脈や研究成果なども説明すると、より興味を示すと思うよ。
社長 「確かにあの地域は日本からの投資や企業が多いですよね。なぜその大学を選択したのか、良く分かりました。では、あなたはどうして今ここにいるのですか?」
私 「転職の理由ですね。理由は、営業活動を中心に販売戦略やマーケティングを行いたいと思っておりますが、今の仕事の大部分はいわゆる会計処理です。今行っている仕事と私の希望している仕事が異なっているため転職を考え始めました。
もちろん、部長には相談しましたが、回答は『たった今組織を変えたばかりなので、当分の間は変える予定はない』というものでした。」
会計処理が、現在空さんの求めている仕事ではないという意思が明確で、面接官も理解できる内容だね。会計処理ではなく、現場で実践したいという気持ちを、積極的に伝えることが大切だ。
社長 「そうですね。日本の会社ではやりたい仕事がほかにあっても、上の命令に従って我慢してほかの仕事をしなければいけないですよね。
でも外資系は違います。やりたい仕事ができなければ、やりたい仕事ができる環境に自分を持っていく。私も仕事をするということはそういうことだと思っています。我慢して仕事を行っていても良い成果は生まれないと私は思います。」
日本企業でも同じことが言えるけど、指示を待つのではなく、自ら行動し、結果を出していくことが大切なんだよね。
特に外資系企業は、チャレンジできると共に、成果に対して厳しい評価があることを覚えておこう。職務経歴を説明する時も、抽象的な表現は避けて、実行したことと実績を示す必要があるね。
【しばらく会社の説明等がありました】
社長 「今は営業部のマネジャーがいないので、次回の面接はそのマネジャーの採用が決定した後になりますが、よろしいでしょうか?」
私 「一つ質問があります。現在マネジャーがいないのには理由があるんですか?」
いい質問だね。無理やり質問を作るのと違い、面接官の説明から必然的にわいてきた質問だから、入社したいという熱意を感じ、好感も持てるよ。
社長 「はい。実は数カ月前に組織のダウンサイジングがあり、会社のコストを一番早く下げる方法で最も有効なのは、人員を削減すること、特にマネジャーを削減することでした。ダウンサイジング後、今は落ち着いてきたのでこれから徐々に人員を増やそうと考えています。そうした理由から今はマネジャーの採用も同時に行っています。」
私 「分かりました。」
社長 「次に……、お金持ちになることに興味はありますか?」
私 「お金持ちになることよりも、やりがいのある仕事を行いたいと考えてます。」
(本当は「なりたい」と思っていたのですが、面接ではあまりお金に執着する姿勢を見せてはいけないと思い、マニュアル的な回答をしてしまいました)
社長 「ビジネスで成功するためには、リッチになることを考えるべきだよ。それが仕事へのモチベーションになりますから。」
空さんも理解していると思うけど、気持ちに素直になり答えることが大切だね。
「やりがい」という表現は、多くの応募者が使うけど、「ではあなたにとってやりがいとは?」と聞かれて何と答えるかな?
面接官はマニュアル的な答えに対して、応募者が本心で答えているかどうかを確認している。そこで答えられないと、短い面接時間では、ほかの回答についても本心ではないのではと疑いを持たれることがあるから注意しよう。
特に米国などでは、企業の上層部とそうでない人たちで、生活に雲泥の差があるケースがあるから、リッチな生活をしてやるという気持ち=仕事での行動力と考える人も多いのではないかな。
外資系企業には、空さんの実力とやりたいことを、多少誇張しても積極的に売り込むことが大切だね。
社長 「最後に質問はありますか?」
私 「はい。では私の第一印象を率直に話してください。お世辞などはいりません。ぜひ正直に話してください。」
社長 「面白い質問だね。そうですね……。英語はまったく問題ないと思いますし、外国人に対するマナーも心得ているように思います。
何より、話を聞く力があるのが良いと思います。良い営業である資質は、話す能力より聞く能力にあります。相手の話を注意深く聞いて、話の中から大事なポイントだけを抜き取れる能力のほうが重要です。
一つ言うとすれば、礼儀正しすぎる点が少し気に掛かります。私は椅子にもたれてリラックスしてるけど、君は終始姿勢を正したままだったよね。そのままだと、私は本当の君を見るのがとても大変なんだ。だからもう少しリラックスしてみたほうがいいと思うよ。
以上が質問に対する答えだけど、では私の第一印象はどうでした?」
面接官からの一方的なやりとりではなく、会話ができていて、評価できるよ。 面接官はとても良いアドバイスをしてくれたね。
礼儀正しい点が気になるということは、本音で語っていないのではという懸念を持っているんだ。前に話したけど、面接官は本音を聞き出すことに、エネルギーを注いでいる。この部分が解消されないと、常に応募者に対して不安が残るんだ。
少しくらい失敗したって構わないから、空さんは、気持ちをストレートに表現するようにしたらいい。完璧な面接を行おうという意識は、持たなくていいよ。
失敗をどのようにリカバリーできるかで、その人の人間性を垣間見ることもできるんだ。 面接はコミュニケーションだということを、忘れないでほしいな。
私 「はい。私は面接の直前までとても緊張していましたが、あなたが入室して、握手を交わし、面接が始まると、不思議とあまり緊張せずに面接を受けることができました。」
社長 「なぜだか分かりますか?」
私 「あなたがとても人当たりが良いというのが理由でしょうか……?」
社長 「あなたは、自分自身を売るためにここに来ている。
私も、同じなんですよ。私も、あなたにこの会社を気に入ってもらいたいと思い、会社と私自身を売ろうとしているんです。だからそういう雰囲気を作るよう努めているんです。
もしオファーがあれば、あなたは私の会社で働きたいと思いますか?」
素晴らしい面接官だね。面接官も、応募者が企業選択をするという意味で、面接をされているんだ。
確かに、採用されなければ、応募者が入社を検討することはできないけど、お互いに共感し、「採用したい」「入社したい」という気持ちにならなければ、転職は成立しない。だから応募者が卑屈になったり、弱気になることはないんだ。
私 「はい。本日の面接を受けてあなたの会社の理念と営業の概念に大変感銘を受けました。もし合格しましたら、ぜひ働かせていただきたいと思います。」
社長 「では、もう時間も遅いのでここまでにしましょう。また会いましょう。」
私 「お忙しいところ時間を割いてくださりありがとうございました。」
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面接を終えた感想
新しいマネジャーが就任し、そのマネジャーの意向でこの採用活動は延期となってしまい、再度募集をする時に声を掛けますという状態になってしまいました。
せっかく素晴らしい社長と巡り合えたのに、残念だね。
空さんに好感を持っているようだから、今後どうなるかは別として、社長宛に現在の心境や社長の下で働きたいことを手紙に書いてみたらどうだろう。採否は別として、これだけ素晴らしいことを語ってくれる面接官は、数少ないと思うよ。
外資系の特徴として、組織変更などを迅速に行うけど、もし魅力のある社長であれば、社長についていきたいという気持ちを示してみる価値があると思う。
英語での面接でしたが、とても良い雰囲気の中で受けることができました。ただ、人員削減の件、そして今回の面接が延期になった件で、人事の管理がしっかりしているのかどうかという不安が大きいです。採用活動が延期になったことで、この話がなくなる可能性もあるので、精神的に少し辛いです。(グチです。スミマセン……)
空さんの素直な気持ちが良く現れていて、気持ちの良い面接だったね。 応募企業のことをよく知らないから、何とも言えないけど、人員整理をしてマネジャーの人数を縮小して、再度募集を行う流れを見てみると、まさに外資系企業の特徴だと思うよ。
外資系企業で生き抜いていくためには、常に自己啓発を行い、自分の実力を把握するだけではなく、売り込んでいくことが大切なんだ。
今回の面接で、空さんの受け答えはとても分かりやすく良かったと思うから、ぜひ次の面接でも気持ちに正直になり、リラックスして自分を売り込むことを考えてみよう。
有限会社キャリアドメイン代表取締役
谷所 健一郎(ヤドケン)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。主な著書「はじめての転職 必ず成功する転職」(マイナビ)ほか多数。
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